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製造業の経理とは?仕事内容・原価計算・必要な知識を徹底解説

更新日:2026.01.20

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製造業の経理とは?仕事内容・原価計算・必要な知識を徹底解説
製造業の経理とはどんな仕事なのでしょうか。
経理はどの業種でも必要とされる職種ですが、業種によって仕事内容に違いが見られます。
 
経理として転職する場合は、経理の概要だけでなく、業種ごとの仕事内容も調べておくと安心です。
 
特に製造業の経理では、販売業やサービス業とは違った仕事をおこないます。
求められる特有の知識もあるため、仕事をこなすためには勉強が必要です。
製造業の経理について、押さえるべきポイントを解説します。
 

製造業の経理に関する基礎知識

まずは製造業の経理を理解するために、ぜひ押さえておきたい基礎知識の解説です。
業種や仕事について理解することで、より具体的なイメージをしやすくなります。

製造業とは?

製造業とは原材料をもとに、別のなにかを製造する業種です。
いわゆるメーカーと呼ばれる企業は製造業に当てはまります。
 
ひとくちに製造業といっても内容はさまざまで、企業によって果たす役割が異なります。
たとえば製品を作る基になる素材や部品を製造する企業もメーカーの一種です。
すべての企業が、いわゆる一般人が使う製品を作っているわけではありません。
 
なお製造業に当てはまる企業であっても、製造以外の仕事を果たす人は多く存在します。
製品を売るための営業をする人、お金の管理をする人など、さまざまな役割の人が所属する点は他の業種と同じです。

経理とは?

続いて経理という職種について紹介します。
経理とは企業のお金を管理する仕事で、企業の財政状態や経営成績を正しく表示するために欠かせない存在です。
経理は以下のように、お金に関する幅広い業務をおこないます。
  • 入出金の記録
  • 売上・仕入れの管理
  • 売掛金や未収金など債権の管理・催促
  • 給与計算および支払い
  • 従業員の立替経費精算
  • 各種費用や税金の管理・支払い
  • 決算申告書の作成業務
なお経理と似た職種として財務が挙げられますが、求められる役割は大きく異なります。
財務は企業が今後どのようにお金を使うか、すなわち将来のお金を管理する職種です。
 
対する経理は、過去の取引によるお金を管理する職種で、扱うお金の性質や仕事内容は別物です。
 
経理の仕事についてはこちらの記事もご覧ください。

製造業の経理に求められる役割と他業界との違い

製造業の経理は業種の特質上、ほかの業種では見られない仕事内容を請け負います。
それが製造過程におけるお金の管理、いわゆる工場経理と呼ばれる仕事です。
 
製造の過程では材料の仕入れをはじめ、さまざまな経費が発生します。
製品ができるまでの間にどのようにお金が動いたか正確に管理しないと、正しい費用や利益が計算できません。
工場全体におけるお金の動きだけでなく、製品ごとにかかった原価についても記録が必要です。
 
このように製造業における工場経理では、業種特有の経理業務が求められます。
製品を作るために動いたお金を適切に管理することで、原価や利益などを正しく表示できるのです。

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製造業の経理の具体的な仕事内容

一般的な経理にはない、製造業の経理ならではの仕事として以下の例が挙げられます。

  • 原価計算
  • 在庫・棚卸
  • 製造現場との関わり

通常の仕訳入力や帳簿作成でも、製造業ならではの会計処理が求められる場面が多いです。

この章では製造業経理の仕事内容について詳しく解説します。

日次・月次業務

日次業務・月次業務の例を紹介します。

【日次業務】

  • 伝票の作成
  • 仕訳入力
  • 現金出納業務
  • 銀行振込や支払業務
  • 書類整理、ファイリング

 

【月次業務】

  • 月次業務
  • 売掛金や買掛金の管理
  • 請求書発行
  • 源泉所得税、住民税、社会保険料の納付
  • 給与計算
  • 立替経費の精算

 

いずれも業種問わず発生する仕事ですが、製造業ならではの勘定科目や書類、会計処理のルールなども一部存在します。

原価計算・棚卸管理

原価計算とは製品の製造にかかった費用(原価)を計算することです。

原材料の仕入れから製造・加工、製品完成までにかかる費用を集計し、製品1つあたりの製造原価を計算します。

一般の経理業務は「商業簿記」のルールに則って行いますが、原価計算は「工業簿記」に該当するため、工業簿記の理解が必要です。

 

棚卸とは店舗に保管されている原材料、仕掛品、製品などの在庫と帳簿上の在庫が一致しているかを確認する作業です。

棚卸により在庫のズレが発覚した場合、原因の検証や帳簿と一致させるための作業を行う必要があります。

このような在庫管理も、製造業の経理職が行う仕事の1つです。

決算・財務関連業務

決算とは会計期間の損益および決算日時点における財政状況を確定させる作業です。

決算業務として以下の例が挙げられます。

  • 決算整理仕訳
  • 実地棚卸
  • 決算書作成
  • 税務申告書作成
  • 法人税等や消費税の納付

法人税等や消費税の申告および納税期限は原則として決算日の翌日から2ヵ月 以内です。

短期間に多くの作業をこなす必要があるため、決算作業中は特に忙しい時期となります。

 

企業によっては以下のような財務関連業務も経理の仕事として割り当てられます。

  • 予算・資金管理
  • 財務戦略の立案
  • 資金調達計画の立案、実行
  • 余剰資金の運用

 

経理とは別で財務部門を設けている企業も多いです。

製造現場との連携業務

経理の仕事では各部署の会計取引や財政状態などを把握する必要があるため、経理担当者は他部署とやり取りをする場面が多いです。

中でも以下のような業務では、製造現場との細かなやり取りが必要となります。

  • 原価計算
  • 在庫管理
  • 予算管理

 

製造現場との連携業務では、製造現場特有の用語やルールが登場する場面が多いです。

そのため製造業経理では会計知識だけでなく、製造過程の構造や製造業用語など、製造現場の知識も求められます。

製造業の経理に必要なスキル

製造業の経理は業種特有の部分が大きいため、必要なスキルにも特徴がみられます。
転職前にチェックしておきたい、製造業の経理に必要なスキルについて解説します。

原価計算の知識

製造業における工場経理では、原価計算の知識が必要不可欠です。

 

前述のように、原価計算とは製造にかかる費用(原価)を計算することです。

工場経理における原価計算は、材料費や人件費、工場の稼働費など、製造にかかるコストを製品ごとに集計する作業を指します。

 

工場経理の原価計算は、ほかの業種では見られない製造業特有の業務です。

ただ入出金を記録すれば良いだけでなく、工業簿記のルールに基づいて計算などの作業が必要な場面もあります。

そのため別業種での経理経験があったとしても、製造業で経理をするためには原価計算について勉強が欠かせません。

 

原価計算は製造業における工場経理の中でも特に重要な役割を持つ部分です。

まずは原価計算について知識をつける必要があります。

経理に関する体系的な知識

製造業には原価計算のように業種特有の仕事がありますが、ほかの業種と共通している仕事内容も多いです。
つまり、経理に関する体系的な知識が求められます。
 
経理に関して部分的にしか理解できていない状態では、応用や機転を利かせることは難しいです。
得意を伸ばすことも大切ではありますが、経理における一連の流れを幅広く、かつ深く理解する必要もあります。
 
幅広く体系的な知識と理解は、業務の幅を広げ活躍するうえで重要です。
製造業の経理として存分に力を発揮するため、体系的な知識を身につけましょう。
 
経理事務の仕事内容についてはこちらもご覧ください。

製造現場の無駄を見抜く力

製造においてより利益率を上げるためには、とにかく無駄を抑える必要があります。
そのため製造過程のどこに無駄があるか見抜く力が大切です。
 
無駄を見抜くためには、工場経理に関する深い理解が必要不可欠です。
しかし最初のうちは何が無駄なのかわからなくても仕方ありません。
 
実務で経験を積むことで、必要な力を身につけられます。
 
製造の無駄を見抜くことで、利益をあげるための効率良い進め方が実現できるようになります。
まずは工場経理をしっかり理解し、積極的に仕事をして経験を積んでいくことが大切です。

グローバルに活躍するための英語力

製造業は扱う製品の種類や企業の人数規模等に関係なく、海外に工場や支店、取引先を有する企業が多くみられます。

そのため製造業を営む企業では英語でやり取りを行う場面も多いです。

 

経理職の求人では英語力が必須要件になっていないケースも多く、英語力がなくても転職は可能です。

ただし実務レベルの英語力は、メール・資料読解・会議など様々な場面で活用できます。

仕事の幅を広げるため・転職活動をより有利に進めるためにも、英語力を身につけるのが理想です。

一般企業・経理・財務の求人情報はこちら

一般企業(事業会社)・経理・財務の求人・転職情報一覧

製造業の経理として働くには

製造業の経理として働くためには、必要な知識を身につける必要があります。
転職の際にぜひ押さえておきたいポイントを紹介します。

製造業の経理に必要な知識を身につける

製造業の経理として働くには、製造業経理ならではの知識を身につけることが必須です。

 

「製造業の経理の具体的な仕事内容」の章で、製造業経理ならではの業務として原価計算を紹介しました。

しかし製造業経理では原価計算以外にも、以下のように幅広い知識が求められます。

  • 製造工程の流れ(材料→仕掛品→製品)
  • 在庫管理の進め方や注意点
  • 棚卸資産の評価方法

 

簿記2級や日商原価計算初級などを学ぶことで、原価計算や棚卸資産評価の仕組みを体系的に理解できます。

製造業経理の未経験者は、まずは簿記の学習を通じて基本的な知識を身につけるの がおすすめです。

 

経理の基本事項についてはこちらの記事もご覧ください。

経理の基本事項を詳しく解説!おさえておきたい知識とは

 

 

製造業に関する理解を深める

上手く職場に馴染み仕事をこなすためには、職種だけでなく業種についても理解が必要です。
製造業を候補とする場合には、製造業に関する理解を深めることが求められます。
 
仕事内容は働き方に大きく影響するため、転職の際には仕事内容の優先的なチェックも大切です。
しかし業種について知らないことが多ければ、根本的な部分の理解や転職後のイメージが難しくなってしまいます。
 
製造業の経理を考える方は、製造業に関する理解も深める必要があります。
業種についてしっかり理解したうえで、改めて自身に適しているか検討しましょう。

募集要項を確認し、自分に合う企業を見極める

ひとくちに製造業の経理といっても、職場によって求められる役割や待遇が違うケースも有り得ます。
募集要項はしっかり確認することが必要です。
 
募集要項には任される仕事内容や給与などの待遇、労働時間などさまざまな情報が記載されています。
そして複数企業の募集要項を比較してみると、同じ製造業経理であっても内容には差があると明らかになります。
製造業経理という点を重視しすぎず、募集要項に記載された情報を全体的に確認することが大切です。
 
なお募集要項は最低限押さえるべき部分であり、ここに記載された内容がすべてとは限りません。
公式サイトや実際に働く人による口コミ投稿など、可能な限り多くの情報源を確認しましょう。

未経験から製造業の経理への転職

経理職は専門的な知識や自らの経験が重要です。

それゆえに未経験者が挑戦するにはハードルが高いと言えます。

ただ、基本的な経理知識をあらかじめ学んでおく、簿記など経理の仕事に直結する資格を取得しておけば、挑戦のチャンスはぐんと増えるでしょう。

やる気と知識をアピールすることで、未経験でも経理職に応募し採用になったケースは多いです。


また、製造業には独自の経理知識が必要です。

製造のプロセスや生産管理、原価計算、在庫管理について、基礎だけでもひととおり理解してから仕事に挑めば、未経験からの挑戦の大きなサポートとなるでしょう。

他業種経理から製造業の経理への転職

一般的な経理の経験があれば、基礎知識は問題ないと考えられるでしょう。

それからさらに、製造業特有の経理知識を深めることが大切です。

上記でも述べましたが、原価計算や在庫管理に関する経理知識を深めましょう。

また、現場とのコミュニケーション能力も必要になります。
さらに使用しているシステムや、最新の業界トレンドなどを把握しておくと、やる気と知識、向上心がアピールできるでしょう。

 

今までとの違いを押さえたうえで、自分をしっかりアピールすることがポイントです。

 

関連記事:経理財務の難易度を解説!業務をこなすためのポイントを押さえよう

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まとめ

製造業の経理は製造工程に伴うお金の流れを管理する役割を担います。

原価計算を中心とした工場経理の知識に加え、財務会計や工業簿記など経理全体の基礎も必要です。

また、製造過程の無駄を見抜く力も求められます。

 

同じ経理でも、製造業とそれ以外では仕事内容や求められるスキルが大きく異なります。

製造業経理として働くには、必要な知識を身につけるのはもちろん、製造現場の理解を深めることも大切です。

また、同じ製造業経理でも求人によって業務範囲や求められるスキルが異なるため、自分に合いそうか十分に吟味した上で選びましょう。

Profile レックスアドバイザーズ

公認会計士・税理士等の有資格者をはじめとする会計人材専門特化した人材紹介会社。
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