日本税理士会連合会が実施した第6回税理士実態調査(平成26年1月1日現在 32,747人対象)から、税理士の年齢層を見てみましょう。
・20代:0.6%(187人)
・30代:10.3%(3,358人)
・40代:17.1%(5,599人)
・50代:17.8%(5,817人)
・60代:30.1%(9,868人)
・70代:13.3%(4,343人)
・80代:10.4%(3,421人)
となっています。
税理士の資格は取得すると一生持ち続ける人が多いので、高年齢になるほど多くなるのは当然ではありますが、20代の税理士がいかに貴重な存在であるかは、30代の人数と比べるとよくわかります。
では、税理士をめざす税理士試験受験者の年齢別のデータも見てみましょう。
令和2年度 第70回 税理士試験結果(国税庁)
・25歳以下:3,716人
・26~30歳:3,890人
・31~35歳:4,619人
・36~40歳:4,343人
・41歳以上:10,105人
年齢の分け方が日本税理士連合会とは違いますが、30代の受験者が最も多く、20代はその次となっています。
つまり、20代は税理士試験に合格した有資格者は少ないですが、勉強をしている税理士試験科目合格者が多いといえます。
ここでは、税理士をめざす税理士試験科目合格者の転職について見ていきましょう。
【これから税理士をめざそうとするキャリアチェンジ】
新卒で入社したものの、残念ながら合わなかった・もっと他の仕事がしたいとキャリアチェンジを希望する20代は多くいます。
次にどんな仕事をしようかと考え、「手に職をつけたい」と希望したときに浮かんでくるのが税理士です。
難関資格ではありますが、なくてはならない職業であり、税務という非常に強い独占業務を持ち、一生の仕事として働くことができます。
社会人向け専門学校、あるいは独学でまずは1科目合格にチャレンジしてみてください。
または、日商簿記2級にチャレンジしてみて、自分に適性があるかを見極めると良いでしょう。
税理士になると決意を固めたならば、会計事務所で働きながら試験を受けることをおすすめします。
会計事務所は税理士をめざす受験生を応援していますし、現在税理士として活躍している人はすべて、受験生として勉強してきているので適切なアドバイスをしてくれるでしょう。
会計事務所にはさまざまな業務があり、未経験であっても記帳代行などからスタートできるポジションがあります。
着実に経験を積んでいけば専門性を身に着けることができ、税理士の資格がなくともある程度の年収アップも望めます。
5科目に合格して税理士登録する際は実務経験も必要ですが、会計事務所に勤務していればこの要件もクリアできて一石二鳥です。
【現在会計事務所に勤めている人の転職】
税理士試験勉強と両立しながら、現在すでに会計事務所に勤めている科目合格者の転職の場合、2通りの転職理由が推測できます。
・仕事と試験勉強の両立が難しいので、勉強できる環境を求めたい
・資格取得が見えてきたので、キャリアアップをしたい
会計事務所に入所した際、「試験勉強と両立できます」「バックアップします」と言われていても、さまざまな理由で実現できないことがあります。
事務所が急成長してクライアントが増えて多忙になった、人手不足で残業が多くなったなどの事務所側の理由。
試験勉強と並行して大学院にも通学したいなどの受験生側の理由。
現在の事務所で調整して解決を図ることも必要ですが、どうしても実現できない場合は転職を選択肢に入れましょう。
やはり税理士資格を確実に取得することは、今後のキャリアプランにとっても非常に重要です。
会計事務所の受験生バックアップの制度にはさまざまな特徴があり、実際に自分と合っているかを比較検討することが大切です。
情報収集をし、自分に合っているところを探していきましょう。
いっぽう、3科目~4科目を取得すると、そろそろゴールが見えてきます。
これまでは試験勉強優先で仕事をセーブしていた受験生も、税理士となった後の自分のキャリアを考えるようになります。
規模の小さなクライアントや個人事業主の税務申告だけではつまらない…もっと色々なことにチャレンジしたいという気持ちが芽生えるのは当然です。
実際、BIG4税理士法人(四大税理士法人)には3科目~4科目の合格者を積極的に採用していて、大手や準大手も同じです。
若いうちからさまざまな業務に携わっておくと、将来のキャリアの選択肢も増えてきます。
ぜひキャリアアップの転職をめざしてください。
ただし、あと1科目・あと2科目が残っていますので、試験前休暇が取得できるか・勉強できる余裕はあるかなどは必ず確認するようにしましょう。