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「費用や時間を抑えるために税理士試験の財務諸表論を独学で勉強したいけれど、独学での合格は可能?」
「独学で勉強する場合はどのような教材を選べばよい?」
このような疑問をお持ちの人も多いでしょう。
税理士試験は11科目中5科目に合格する必要があり、そのうち会計科目である簿記論と財務諸表論は必須科目です。
会計科目の難易度は日商簿記1級と同等またはそれよりも多少易しいレベルで、勉強時間は500~600時間程度が目安といわれます。
運の要素も比較的少なく、努力すれば合格できる科目でもあります。
とはいえ実際のところ、財務諸表論を含む税理士試験の独学合格は非常に難易度が高いのもが事実です。
今回は税理士試験の財務諸表論について、難易度や必要な勉強時間、独学合格ができるのかを解説します。
税理士試験の財務諸表論とは
財務諸表とは企業の財政状況や経営成績を表す書類で、利害関係者に情報を提供するために作成するものです。
税理士試験の財務諸表論では、財務諸表の作成方法や財務諸表作成に関する規則などが問われます。
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区分 |
科目名 |
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必須科目 2科目とも合格が必須 |
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選択必須科目 どちらか一方の合格が必須(両方受験も可) |
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その他 |
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税理士試験は5科目合格が必要であり、各科目の合格基準点は6割です。
また、会計科目である簿記論と財務諸表論の2科目は必須の科目となります。
簿記論と財務諸表論は関連性があり内容が重複する部分も多いため、同時に勉強・受験する人も多くみられます。
税理士試験では科目ごとに合否判定がされる科目合格制を採用しており、合格の有効期限の定めはありません。
そのため1年に1~2科目ずつ受験し、数年かけて5科目合格を目指す人が多いです。
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財務諸表論の特徴
財務諸表論の出題形式は、理論問題が50点、計算問題が50点の100点満点となっています。
試験時間は120分で、例年120分ほどでほぼ解き切れるボリューム感です。
財務諸表論は税理士試験の他の科目に比べて、開催年によって合格率の変動が大きい科目です。
難易度にも年によって違いがあるため、事前に難易度を予測するのが難しい科目ともいえます。
この章では財務諸表論の特徴について解説します。
財務諸表論の計算問題
財務諸表論の計算問題は決算整理型の総合問題(財務諸表作成問題)です。
決算整理の未済事項及び参考事項をもとに決算整理仕訳をきり、貸借対照表および損益計算書を作成します。
また、令和7年度試験では株主資本等変動計算書の空欄を埋める問題も出題されました。
このように最終的な財務諸表を作成することが財務諸表論の計算問題におけるゴールとなります。
問題の形式は簿記論の総合問題と似ていますが、簿記論よりも難易度が低めの傾向です。
財務諸表論の理論問題
理論問題の50点は25点×大問2問の設問です。
理論問題は穴埋め形式、記号選択形式、論述形式という3種類の問題形式で出題されます。
財務諸表論の理論問題を作成するのは学者試験委員です。
そのため実務ならではの知識というよりは、学問的な立場から会計の心理・制度趣旨を問う問題傾向がみられます。
根本的な理解力が求められるため、単純な丸暗記では通用しない可能性が高いです。
「なぜこのような決まりがあるのか」「なぜこのような会計処理が必要なのか」を理解する必要があります。
財務諸表論の難易度と合格率
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開催年 |
受験者数 |
合格者数 |
合格率 |
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令和7年度 |
15,629人 |
4,980人 |
31.9% |
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令和6年度 |
13,665人 |
1,099人 |
8.0% |
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令和5年度 |
13,260人 |
3,726人 |
28.1% |
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令和4年度 |
10,118人 |
1,502人 |
14.8% |
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令和3年度 |
9,198人 |
2,196人 |
23.9% |
出典:令和7年度(第75回)税理士試験結果表(試験地別)、令和6年度(第74回)税理士試験結果表(試験地別)、令和5年度(第73回)税理士試験結果表(試験地別)、令和4年度(第72回)税理士試験結果|国税庁、令和3年度(第71回)税理士試験結果|国税庁
財務諸表論の受験者数は増加傾向にあり、特に令和5年度の受験者数は前年よりも3000人以上多くなりました。
令和5年度税理士試験から会計学に属する科目の受験資格が撤廃されて誰でも受験できるようになったため、受験者数が増えたと考えられます。
合格率は8〜32%と年によって大きな違いがあるものの、いずれの年も合格率が高いとはいえません。
合格率の低さから、財務諸表論の難易度の高さが伺えます。
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財務諸表論と簿記論の違い
財務諸表論では、簿記論で学ぶ計算の理論的な背景を学ぶことになります。
財務諸表論で学ぶ内容が簿記論の理解を深める上で役立つ場面も多いです。
また、学習した理論を活用して計算問題を解くことで、理論を定着させる効果も期待できます。
このように財務諸表論と簿記論は関連性があるため、同時に学習するのがおすすめです。
とはいえ、財務諸表論と簿記論の試験形式は大きく異なるため、試験の特徴についてはしっかり押さえる必要があります。
ここからは財務諸表論と簿記論の試験内容の違いについて解説します。
科目の違い
簿記論と財務諸表論は科目の存在意義および扱う内容に大きな違いがあります。
簿記論は取引を帳簿へ正確に「記録」するために必要な知識や理解が問われる科目です。
帳簿の記録内容から企業の経営状態を明らかにすることを目的とします。
勘定科目の意味や仕訳方法など、記録行為に必要となる知識に重きをおいています。
一方で財務諸表論は、帳簿を第三者に「表示」するための科目です。
財務諸表の作成手順や規則・ルールといった理論などを学びます。
出題形式の違い
財務諸表論は大問3つで構成されています。
第一問と第二問が理論問題で配点はそれぞれ25点、第三問が計算問題で50点です。
簿記論も大問3つではあるものの、簿記論は計算問題がほぼ全てを占めています。
同じ会計科目でも簿記論と財務諸表論では出題形式が大きく異なります。
理論問題の作成を担当するのは学者試験委員、計算問題の担当は実務家試験委員です。
そのため理論問題は学問的な立場からの問題が多いのに対して、計算問題は実務的な内容もみられます。
簿記論・財務諸表論ともに試験時間は120分です。
前述のように、財務諸表論は120分ですべて解き切れるようなボリューム感です。
一方、簿記論は時間内では解答しきれないボリュームが出題されます。
即時の判断力や計算スピードが必要であり、財務諸表論よりも難易度が高い傾向です。
税理士試験の財務諸表論は独学合格できるのか?
結論として財務諸表論に限らず、税理士試験の独学合格は極めて困難だといえます。
税理士試験は非常に難易度が高く、受験予備校を利用した場合でも5科目合格までに数年かかるのが一般的です。
1年で1科目のみの合格を目指す場合でも、合格者の多くは受験予備校が提供する充実したカリキュラムのもとで学ぶ受講生です。
前述のように税理士試験は実質的には相対評価の試験であり、上位15%が合格すると考えられます。
競争相手のほとんどが予備校生である中で、上位15%に入るのは至難の業といえるでしょう。
ただし、財務諸表論は内容の改定が少なく税制改正に対応する必要性も生じにくいため、独学で勉強しやすい科目ではあります。
税法科目に比べると独学で勉強する人も多く、独学での勉強についての情報も集めやすいです。
とはいえ試験の難易度を考えると、やはり受験予備校の利用が合格への近道といえるのが事実です。
なるべく短期間で合格したい人や効率良く勉強したい人は予備校の利用が適しているでしょう。
財務諸表論を独学で勉強する場合のポイント
それでもやはり独学で勉強したいという方はいると思います。
その方のために、独学で勉強するためのポイントをお知らせします。
1,教材の選び方
税理士試験の財務諸表論の独学合格を狙う場合、教材選びは重要です。
書店に行くと2,000円くらいで税理士試験財務諸表論のテキストや問題集が売っていますが、これらのテキストと問題集だけで合格できるほど財務諸表論は甘くはありません。
合格者からするとこの本だけではまず合格できないレベルの内容です。
書店で売っている本は、あくまで既に受験予備校で勉強している人向けの補助教材と思っておいたほうがいいでしょう。
本気で財務諸表論に独学で合格したいのであれば、受験予備校で教材を買うべきです。
受験予備校のテキストも安い方が良いという人は、受験予備校で勉強した知り合いがいれば安く購入させてもらうのもいいでしょう。
ちなみに、改正は少ないですが最新のものに超したことはないので、できる限り最新年度のテキストを購入するべきです。
前年以前のテキスト問題集は安いですが、情報が古くせっかく勉強した内容が無駄になる可能性があります。
2,勉強方法
財務諸表論を独学で勉強する場合は、テキストと問題集交互に繰り返し解くことが重要です。
そして試験の日程から逆算してスケジュールをたてることが重要です。
ちなみに、驚かれるかもしれませんが、財務諸表論の理論は一言一句レベルで覚えるべきです。
受験予備校生は一言一句レベルで覚えているからです。
自分の言葉で覚えるのも良いですが重要キーワードが抜けることがありますし、曖昧に覚えてしまうと応用問題が出題されたときに対応できません。
そのため、理論は毎日少しずつ、本試験までコツコツ覚えていくのがいいでしょう。
また、財務諸表論の計算は基礎項目をしっかり理解することが必要です。
税理士試験は難しい試験ですが、難しい問題を解けるようになる必要はありません。
他の受験生も解けていないからです。
それより、誰もが間違えない基礎項目をいかに間違えないかが合否を分けます。
財務諸表論を独学で勉強する人はしっかりと基礎項目を理解することが大切ということを忘れないようにしましょう。
3,模擬試験の受験
本試験に臨む前に、最低でも一回は模試を受けておきましょう。
模試を受けることにより、時間配分をどうすればいいかがつかめ、本番同様の雰囲気を体感することができるからです。
日頃の勉強だけだと、刺激も少ないため大手予備校などが主催している模試は必ず受けるようにしましょう。
また、模試の結果で全国の平均点や自分の順位を知ることができ、自分の勉強の進捗度や課題を知る上でも有益でしょう。
税理士試験の科目合格についてはこちらの記事もご覧ください。
まとめ
財務諸表論は税理士試験の中でも合格しやすい科目の1つですが、独学で合格するのは相当困難といえます。
覚悟を持って合格を目指し、模試を受けるなどして進捗を確認しながら、インプットとアウトプットを進めるのがいいでしょう。
なお、税理士になるためには試験合格だけでなく実務経験をつむ必要もあります。
5科目合格までには年単位での勉強が必要であり、その間勉強だけに専念するのは難しいのも事実です。
そのため税理士試験の勉強をしながらも仕事をする人が多くみられます。
税理士試験に向けた勉強と仕事を両立しやすい職場選びについては、ぜひレックスアドバイザーズにご相談ください。
Profile レックスアドバイザーズ
公認会計士・税理士等の有資格者をはじめとする会計人材専門特化した人材紹介会社。
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