企業別インタビュー

若手の躍進と社内のDX推進が急成長の原動力。飛躍する税理士法人ブラザシップ

若手の躍進と社内のDX推進が急成長の原動力。飛躍する税理士法人ブラザシップ

更新日:2025.09.22

名古屋と東京を拠点に、経営支援型の会計事務所として成長を続けている税理士法人ブラザシップ。この記事では、若手社員とDX担当者それぞれの対談で、同社の成長の原動力である実践のなかでの若手育成と、業務効率化を実現するDXの取り組みについて、紐解きます。

税理士法人ブラザシップの躍進を支えているのが、「若手のうちからどんどんチャレンジできる環境」と「働き方の柔軟性を支えるDX」という両輪です。

インタビュー前半では、新卒で入社した若手社員、出町達さんと山田海愛さんが登場。
現場での実践を通してプロフェッショナルへと育つ、同社の成長環境について語っていただきます。
後半では、DX推進を担う山口慎也さんと荻野誠夫さんに、社内の業務効率化と顧客の成長を両立させるDX戦略の最前線を明かしていただいています。

若手の成長を支える文化~プロフェッショナルへの近道となる成長環境

左から出町達さん、山田海愛さん

左から出町達さん、山田海愛さん

税理士法人ブラザシップの特長は、税務顧問だけでなく経営コンサルティングまで一気通貫で支援するスタイル。
若手のうちから経営者と直接対話し、実践的な経験を積める環境が整っている会計事務所です。

こちらのインタビューでは、ブラザシップで活躍する若手社員、出町達さん(2022年新卒入社)と山田海愛さん(2024年新卒入社)に、入社のきっかけや仕事のやりがい、成長の実感について語っていただきました。

 

出町 達さん(コンサルタント)
2022年新卒入社。北海道出身。インターンを経て入社し、現在はコンサルタントとして活躍。4年目にして担当売上3,300万円を達成し、全社4位にランクイン。

山田 海愛さん(ジュニアコンサルタント)
2024年新卒入社。大学時代に簿記論・財務諸表論に独学で合格し、さらに社会人1年目で法人税法にも合格、現在は大学院の受験準備も仕事と並行している。税務担当として活躍しながら、コンサル領域にも挑戦中。

渡邉 美沙子さん(マーケティング事業部)
インタビューの補足や解説役として参加。お二人の成長を見守る立場から、職場の雰囲気や制度についても語っていただいた。

 

ブラザシップの魅力とは?“ここで働きたい”と思った理由

まずは、ブラザシップに入社されたきっかけについて教えてください。

山田 海愛(以下、山田):学生時代は、会計業界に対してあまりいいイメージを持っていなかったんです。
業界はブラックとか、仕事はAIに淘汰されるとか…。

でも、大学で簿記や会計を学ぶうちに、中小企業の活性化に役立つということを知って、少しずつ興味が湧いてきました。

そこからブラザシップにどうやって出会ったのですか。

山田:大学時代に長期インターンでブラザシップに関わる機会があって、そこで「会計って経営支援にもつながるんだ」と実感しました。
未来に貢献できる仕事だと感じて、ここで働きたいという気持ちが出てきました。
大学卒業後は、ブラザシップに迷わず入社しました。
 
渡邉 美沙子(以下、渡邉):山田さんはもともと銀行やマーケ職も見ていたんですよね。
でもうちのインターンに参加してからは、会計事務所一本に絞って就職活動したと聞いています。

出町さんは、ユニークな経緯で入社されたと伺いました。

出町 達(以下、出町):僕は「たまたま」と「直感」で入社したようなものです(笑)。
もともと日本で就職するつもりはなくて、大学を休学してカナダに1年行く予定だったんです。でも、コロナで渡航ができなくなってしまって。

それは残念な出来事でしたね。

出町:北海道の実家でぼんやりしていたときに、「何かやらなきゃ」と思って、海外就職支援のインターンに参加しました。
そこで「英語+会計は就職にも強い」と聞いて、会計の勉強を始めたんです。
インターン先の人が「いい会社があるよ」と紹介してくれたのがブラザシップでした。

そこから名古屋でインターンを?

出町:はい。「じゃあ名古屋行きます!」って即答して(笑)。インターンは1年くらいだったでしょうか。
ブラザシップは、働いている人たちがとても面白くて個性的で。大企業では関われないような、経験豊富なさまざまな人たちと近い距離で仕事ができるのが魅力でした。
 
海外に行けなかったのは残念ですが、いま思えばいい出会いができたと思っています。
実はメガバンク2社の内定もいただいていたんですが、最終的にはブラザシップに決めました。

新人が触れる現場の「リアル」。距離の近い支援がやりがいに

現在のお仕事について、やりがいや面白さを感じる瞬間はどのようなときですか?

出町:やはり「距離の近い支援」ができるところですね。
税務顧問と聞くと、書類を渡して終わり…のようイメージがあるかもしれませんが、ブラザシップは違います。
経営者が将来的にどう進みたいのか、税務の話のなかでもしっかり聞いて、深いところまで踏み込んでいくんです。

コンサル業務にもつながっていくんですね。

出町:その通りです。税務だけで終わらず、経営の方向性まで話すこともあります。
コンサルで入っているお客様から「5年は離れないでいてほしい」と言われたり、「出町が言うなら間違いない」と信頼してもらえることもあったり。
そうした言葉をいただいたとき、本当に励みに感じます。

4 年目で担当売上3300万円、全社4位という実績もすごいです。

出町:ありがとうございます。実は最初は引き継ぎで担当したのは1社だけで、ほぼ自分で案件を取ってきたんです。
だからこそ、早い段階でいろんな経験ができたのは大きかったですね。もちろん、上司や先輩方が案件を回してくれたおかげでもあります。
 
渡邉:出町さんは弊社初の新卒入社組でして、山田さんの頃と違ってまだ仕組みも整っていないなか、本当に「とりあえず行ってこい」と言われて、現場に飛び込んでいったタイプです(笑)。
そのぶんぶつかることも多かったと思いますが、吸収力がすごかったですね。

山田さんは、いまどのような業務を担当されていますか?

山田:私はまだジュニアスタッフなので、税務顧問業務中心で、コンサル業務はチャレンジ中の段階です。
いまは税務顧問のなかで経営者の方と数字についてお話しすることが多いですね。

税務の面談でも、かなり深い話をされていると伺いました。

山田:はい。月次の推移表を見ながら、「今月利益が出たのはなぜか」「再現性はあるのか」「季節性の影響か」など、未来志向の面談を心がけています。
数字だけでなく、クライアントのビジネスモデルまで理解していないと意味のある会話ができないので、準備は大変です。
 
最近は、FCS(財務コンサル)の提案書を作るときにAIを使って構成を考えることもあります。
業務の質を上げるためのツールとして、うまく活用しています。
AIは仕事を“奪われる”ものではなく、仕事に“生かす”ものだと実感しています。
 
渡邉:若手が自然にAIを取り入れて業務の質を高めているのは、とても頼もしいです。

クライアントの業種も多様だと伺っています。

山田:製造業、飲食、足場屋など、業種は本当にバラバラです。
だからこそ、毎回新しい学びがあります。業種ごとに利益の出方や季節性も違うので、数字の背景を読み解く力が鍛えられます。
 
渡邉:しかも、規模の大きい会社が多いんです。
新卒でも、社員を何十人も抱える社長と対等に話す場面があるので、かなりレベルの高いことを任されていると思います。

面談前は準備も大変ですよね。

山田:はい。Kintoneの業務日報アプリを使って、準備や振り返りをしています。決算報告の前にはロープレもあって、先輩や上司にフィードバックをもらいながら進めています。

出町さんも先輩としてロープレに参加されるのですか?

出町:僕と山田さんでロープレをやったことはないですが、以前は僕も上司やリーダーとやることは多かったですね。最近は若手同士で会社説明のロープレをしているのもよく見かけます。

若手でも、実践的な経験を積みながら成長できる環境が整っているんですね。

山田:毎日が学びの連続です。
面談のたびに「この会社はどうやって売上を立てているのか」「この数字の背景には何があるのか」と考えるので、自然と視野が広がっていきます。

出町:僕も最初は何もわからない状態からスタートしました。
でも、現場でもまれていくなかで、少しずつ“自分の言葉で伝える力”がついてきたと思います。

若手の成長を支える文化がある。ブラザシップ流キャリアの築き方

山田さんは、働きながら税理士試験の勉強もされているそうですね。業務とはどのように両立されていますか?

山田:昨年の8月、入社1年目のタイミングで法人税法を受験しました。
そのときは「週30時間勉強する」と決めて、平日は9時〜17時で勤務して、朝1時間・夜2時間の勉強時間を確保していました。
土日はそれぞれ8時間ずつ勉強していましたね。

週30時間!かなりストイックなスケジュールという印象です。

山田:そうですね(笑)。職場の理解があるので、集中して取り組めました。
いまも基本的には9時〜17時で退社して、勉強時間を確保しています。4月から8月までは特に試験モードで、生活の中心が勉強です。

渡邉:山田さんは本当に計画的に時間を使っていて、周囲も応援しています。ブラザシップでは若手が試験勉強をしながら働くのが当たり前になっていて、社内には自習室もあるんです。

自習室まで完備しているのですか?

渡邉:はい。オフィスの一角を自習スペースとして開放していて、週末もみんな集まって勉強していると聞いています。
ドリンクも飲み放題で、デスクも広いので、特に若手には人気ですね。

出町さんは、勉強と仕事の両立についてどう感じていますか?

出町:僕は税理士試験よりも、実務のなかで学ぶことを優先してきましたが、今年は財務諸表論を受けました。
今後は大学院に進学しながら、簿記論や税法科目にも挑戦したいと考えています。
山田さんのように計画的に勉強している姿を見ると、すごく刺激になりますね。
働きながら資格取得を目指すって、簡単ではないですが、うちの環境なら十分可能だと思うので、がんばっていきたいです。

職場全体で、若手の成長を支える文化があるんですね。

山田:業務の中でも学びが多く、試験勉強も応援してもらえる、両立しやすい環境だと思います。
若手は試験を受けながら働いている人が多いですし、周囲に同じ目標を持つ仲間がいるのも心強いです。

両立で苦労したことはありますか?

山田:正直、順風満帆でした(笑)。
皆さんに力添えをいただきながら、業務も勉強も進められたと思います。
もちろん大変な時期もありました。でも、支えてくれる環境があったので乗り越えられましたね。

今後の目標は?

山田:次のステップは財務コンサルになることです。
税務とは違って、より長期的な視点で会社の支援をしていく領域です。
1年間の計画を立てて、経営者と一緒に伴走するような仕事ができるようになりたいと思っています。
いまはそのための提案書を作成しています。
 
渡邉:提案書は骨子の段階からレビューを受ける仕組みになっていて、OKが出ないと次に進めません。
山田さんもそのプロセスをしっかり踏んでいます。

出町さんも、若手時代に提案書で苦労されましたか?

出町:僕はまだ知識の浅いタイミングで、税務顧問先の社労士の先生が経営する会社に提案書を持っていくということがありまして。
かなりハードルの高い経験でした。
結果的には提案は通らなかったのですが、「こんなに考えてくれてありがとう」と感謝されて、そこから関係が深まったんです。
苦労した分、得られるものも大きかったですね。

仕事を通じても学び、成長していく姿がとても印象的です。

山田:試験勉強も業務も、どちらも本気で取り組める環境があるからこそ、日々成長を実感できています。

挑戦の先にあるもの ── 若手二人が見据える未来

お二人とも、若手ながらすでに多くの経験を積まれている印象です。今後の目標やキャリアの展望について教えてください。

出町:これまでは自分のことに集中して突き進んできた時期でした。
ありがたいことに結果も出て、担当のお客様も増えてきたのですが、最近は「自分だけで抱えきれないな」と感じることも増えてきていて。
だからこそ、これからは“組織として成果を出す”ことに意識を向けていきたいと思っています。

具体的には、どのようなことを意識されているんですか?

出町:後輩との関わり方ですね。僕は社会人経験もなく、会計の知識もゼロからスタートしました。同じような立場の人にとってのロールモデルになれたらと思っています。どうやって信頼関係を築いてきたか、どんな工夫をしてきたかを伝えていくことが、いまの自分の役割だと感じています。

山田さんは今後どのようなキャリアを描いていますか?

山田:まずは財務コンサルにチャレンジして、経営者の方とより長期的な視点で伴走できるようになりたいです。
先ほどお話ししたとおり、いまは提案書の作成に取り組んでいます。
 
将来的には、経営者の右腕のような存在になれるよう、知識も経験も積み重ねていきたいです。

お二人とも、次のステージに向けてしっかり準備されているのが伝わってきます。

出町:いまは“自分がどう成長するか”だけでなく、“どう組織に貢献するか”を考えるフェーズに入ってきたと思っています。
後輩が安心して挑戦できる環境をつくることも、これからの自分の役割だと思います。
 
山田:出町さんのような先輩がいるからこそ、安心して挑戦できるのだと思います。
私も、後輩が入ってきたら、同じように支えられる存在になりたいです。

税理士法人ブラザシップの求人

税理士法人ブラザシップで募集中の転職求人一覧はこちら

担当が語る最前線 ── 「残業ゼロ」と「顧客の成長」をかなえるブラザシップのDX戦略

左から山口慎也さん、荻野誠夫さん

左から山口慎也さん、荻野誠夫さん

「数字で経営を支える」── その想いを胸に、税理士法人ブラザシップはDXを武器に中小企業の未来を切り開く方針を打ち出しています。

後半のパートでは、税理士法人ブラザシップで活躍する山口慎也さんと荻野誠夫さんに、転職の背景から社内外のDX推進、そして仕事のやりがいまで、たっぷりと語ってもらいました。

 

山口 慎也さん(リーダー/2020年中途入社)
証券会社、会計事務所、事業会社での経理・財務経験を経てブラザシップへ。現在は税務業務のマネジメントに加え、社内DX推進の中心人物としてRPAやKintoneの導入・運用をけん引。4人の子育てと仕事を両立する柔軟な働き方も注目ポイント。

荻野 誠夫さん(シニアコンサルタント/2021年中途入社)
IT企業での営業経験を生かし、中小企業のDX支援に情熱を注ぐコンサルタント。「経営者の役に立ちたい」という強い想いから税理士業界へ転身。freee導入支援サービスを通じて、経営者の意思決定を支える仕組みづくりに取り組む。

渡邉 美沙子さん(マーケティング事業部)
こちらの対談でも補足や背景説明を担当。

90分語り続ける代表面接が決め手でブラザシップへ

お二人がブラザシップに転職された経緯について教えてください。

山口 慎也(以下、山口):私は新卒で証券会社に入り、その後、地元の会計事務所で10年ほど働きました。
事業会社の経理部も経験した上で、ブラザシップに転職しました。

なぜブラザシップを選ばれたのですか?

山口:きっかけは、転職エージェントから紹介されたことです。
決め手は代表の加藤との面接でした。
普通の面接は、質問されて、求職者が答えるじゃないですか。
でも、加藤の面接は違っていて。1時間半ずっと加藤が語るんです(笑)。
 
荻野 誠夫(以下、萩野):わかります!僕も加藤との面接で心を動かされた一人です。
90分間、経営理念や業界の未来について熱く語ってくださって、共感しかなかったですね。
 
山口:しかも夜7時に会社に着いて、終わったのが9時近く。
カジュアル面談のはずが、熱量がすごくて(笑)。
中小企業への思いや、数字を使って経営者の意思決定を支援するという考え方に、すごく惹かれました。
 
荻野:僕は前職がIT企業で、市役所や県庁にシステムを納品する営業をしていました。
仕事が嫌いだったわけではないです。ただ、学生時代の経験からもっと中小企業経営者の役に立ちたいという気持ちがずっとあって。
ある日、『日経コンピュータ』という雑誌で「中小企業がDXの相談をする相手は税理士が最多」という記事を読んで、「これだ!」と思いました。

それで税理士業界へ?

荻野:ブラザシップは情報発信に積極的で、転職活動中に情報をキャッチできました。
freee導入支援にも力を入れていて、自分のバックグラウンドも生かせると感じ、エージェントを通さずに直接ブラザシップに「入社したいです」とメールをしました。

加藤代表との面接も。

荻野:僕のときはZoomで90分。加藤がずっと語ってくれて、「この人のもとで働きたい」と思いました。
経営者支援が必要とされていて、自分にもできそうだ、やりたい ── そう思えた瞬間でした。
 
山口:加藤は“語る人”なんですよね。面接というより、情熱のプレゼン。
その熱量に触れて、「この人たちと一緒に働いてみたい」と思ったんです。

お二人とも、代表の熱意に心を動かされたことが入社の決め手になったと。

荻野:そうですね。最近聞いたことですが、加藤の面接は、「90分間、目を輝かせて話を聞けるか」が選考の一つの基準らしいです(笑)。
山口:確かに、あの熱量を受け止められるかどうかって、すごく大事かもしれません。

「パソコン1台あれば仕事ができる」 ── 働き方の柔軟性を支えるDX

ブラザシップでは、社内DXにも力を入れていると伺いました。具体的にはどのような取り組みをされているのでしょうか?

山口:RPAの導入とKintoneを使った業務の標準化・見える化を、私が中心になって進めています。
RPAでは、税務業務の中でも特に手間のかかる「申告書の電子申告→PDF保存」までの一連の流れを自動化しています。

かなり効率化されそうですね。

山口:以前は、各チームのリーダーが電子申告を行い、その後アシスタントが一件ずつPDFを保存していました。
いまは、RPA専用のPCが夕方3時ごろに起動して、夜中まで自動で処理してくれます。
1件あたり5〜10分かかっていた作業がゼロになりました。
 
現在はさらに、「申告書の作成→申告→保存まで」を一貫してRPAで完結できるように、ベンダーと開発を進めています。

Kintoneの活用についても教えてください。

山口:Kintoneでは、税務業務の進捗管理やタスクの割り振りをしています。
例えば、私のチームのメンバーは4人です。
それぞれがどんな業務をどれだけ抱えているか、Kintoneのレコードやステータス機能を使えば一目で把握できます。
また、内勤スタッフへの作業指示や分業体制の管理もKintone上で行います。業務フローの変化に合わせ、アプリの修正や新規開発も進めているところです。
 
渡邉 美沙子(以下、渡邉):山口さんは、通常の税務業務や部下4名のマネジメントもこなしながら、こうしたDX開発のプロジェクトマネジメントも担っています。

DXの積極的な活用が、働き方の柔軟性にもつながっているということでしょうか。

山口:私自身、子どもが4人いるため、在宅勤務やフレックス制度を活用しています。
家庭と仕事を両立できていると思います。
DXの効果もあり、事務所は繁忙期でも夜7時には誰もいないくらい、残業が減っています。
試験勉強中のメンバーは夕方4時に帰ることもあります。
 
「パソコン1台あれば仕事ができる」という環境が整っている。
これはDXの大きな成果だと思います。

ツールの統合や運用面での課題はありませんか?

荻野:以前は、ExcelとKintoneで二重入力が発生したり、ツールが乱立したりする時期もありました。
いまは、KintoneとTeamsに一本化されています。
社内のストレスもかなり減っていますね。

現場の声が反映される仕組みが構築できているということですか。

荻野:月1回、経営会議のなかでDX関係の進捗発表もあります。
その際に、「これ、二重入力じゃない?」といった現場からの声が出る。
建設的な提案があればすぐにアプリを修正して、アップデートされます。

そうした風通しのよさが、DX推進の土壌になっていることは間違いないです。

ツール導入だけじゃない、“経営の伴走者”としての支援

社外のクライアントに対しても、DX支援を積極的に行っていると伺いました。どのような課題を持った企業が相談に来られるのでしょう?

荻野:中小企業の経営者の方って、IT導入に興味はあるけど、情報がない・課題が言語化されていない・相談できる相手がいないというケースが多いです。「なんとなく不便だけど、何をどうすればいいかわからない」という状態ですね。

山口:経営者の皆さんは情報感度が高いので、DXの必要性は理解しています。ただ、現場まで落とし込むのが難しいですね。年齢層も幅広く、ITに苦手意識を持つ方も多いので、進め方には工夫が必要です。

DXに関する相談は何がきっかけになりますか?

荻野:多くの場合、会計まわりです。会計ソフトの見直しや経理業務の効率化が入口になります。

例えば「いまの税理士がITに弱くて…」という理由で、freeeへの切り替えを希望されるケースが多いです。
渡邉:「freee専門」と掲げて集客していますが、特に多いのが、代替わりした2代目・3代目の社長からの相談ですね。

他社で働いていた2代目・3代目が、事業承継を見据えて家業に戻ってきたら社内が紙文化だったと。「これはまずい」と衝撃を受けて、DXに踏み切る。
また、事業が成長して部門が増え、「部門別の収益を見たい」となったときに、経理を社内で整備しようとする動きもあります。

導入支援はどのように進めるのですか?

荻野:私たちは「freee導入支援サービス」として、3ヶ月間・全6回のプログラムを提供しています。
まずは、会社のお金の流れを徹底的にヒアリング。
資料も見せていただきながら、現状の業務フローを把握します。
必要に応じて見直し提案も行う流れです。

インプットだけでなく、アウトプットも設計するのですね。

荻野:経営者が「どんな数字を見たいか」を確認し、KPIを明確にした上で、freeeの設計に落とし込みます。
例えば、部門別の利益やキャッシュフロー、売上推移など、経営判断に使えるアウトプットが出るように設計します。

最近ではfreeeと連携できる「bixid」というツールを同時に導入して、さらにわかりやすい経営レポートや予実管理の仕組みをご提案することもありますね。

現場の方への指導もされるんですか?

荻野:もちろんです。freeeもbixidも直感的に使えるので、1〜2回のレクチャーで経理や現場の方も使いこなせるようになります。
他の会計ソフトだと、ここまでスムーズにはいかないですね。

freee以外の会計ソフトを使いたいという相談もありますか?

山口:もちろんあります。
ただ、他社製品を軸にした支援は、現状では難しい部分もあるのが本音です。
その場合、正直にお伝えした上で、他の事務所や専門家をご紹介することもあります。

荻野:私たちのスタンスは、「自分たちで解決できなくても、信頼できる人につなげて解決できればそれでいい」というものです。
実際、開発にあたってほかの企業をご紹介したこともあります。

支援の成果はどのように実感されていますか?

荻野:freeeと連携したbixidの経営レポートで、グラフが右肩上がりになっているのを経営者と一緒に見ながら、「何が成果につながったのか」を話しあったり、未来に向けた投資の話をしたりする時間が一番楽しいですね。
感謝されることも多く、経理担当者からも「頼りにしています」と言っていただけるのはうれしいです。

山口:クライアントの業績が改善したり、厳しい状況から明るい兆しが見えてきたりすると、「やってよかった」と心から思います。
社内のDXでも、特に繁忙期が終わった時期などは、「これだけ少ない人数で、残業も少なく、よくここまでできたな」という達成感がありますね。

なぜブラザシップがfreeeやbixidの導入支援に力を入れているのか、改めて教えてください。

荻野:私たちは、「財務の数字から経営判断をする力を、経営者に持ってもらうこと」を大切にしています。
データドリブンってよく言いますが、数字を見て経営判断をして、毎月その判断が正しかったのかどうか、成果につながっているのかどうかというところを見ていく。

ところが従来型の会計システムだと、詳細にやればやるほど手間がかかってくるという側面があります。
freeeやbixidのように自動化ができる・AIのサポートが組み込まれていると、正確に早く楽に詳細を見ることができます。

渡邉:実はブラザシップは、freeeの認定アドバイザーを表彰する“freee Advisor Awards”のリアルタイム化部門で、中部/北陸エリアグランプリを3年連続受賞しています。
モデル事例として最近bixidさんの取材も受けたところです。支援してきた実績が評価いただけるのはうれしいですね。

若手が挑戦できる組織づくりと、現場に根ざした顧客支援を

ブラザシップは社内外でDXを推進されてきたわけですが、今後の展望をお聞かせください。

山口:社内では、RPAやKintoneの活用をさらに進めて、業務の標準化と分業体制の強化を図っていく予定です。今後の目標は、申告書の作成から申告・保存までをRPAで一貫して処理できるようにすること。Kintoneのアプリ開発も、現場の声を反映しながらより柔軟に対応できる仕組みにしていきたいですね。

社外のDX支援についてはいかがでしょうか?

荻野:今後も中小企業の経営力を高めるための柱として、freee導入支援は継続する予定です。
特に、財務の数字から経営判断をする力を育てるという視点は、これからも大切にしたい点ですね。

freeeの進化にあわせて、ブラザシップもアウトプットの設計やKPIの可視化支援をさらに磨いていきたいですね。

渡邉:今後は、支援の幅を広げることも視野に入れています。
例えば、freeeやbixid以外のツールを使いたいという企業に対しても、アドバイスをしたり、信頼できる専門家につないでより柔軟な支援ができるようにしたり。
可能性を増やせるような支援を考えています。

人材育成や組織づくりの面では、どのような展望がありますか?

山口:弊社は、若手メンバーが安心して挑戦できる環境づくりを意識しています。
私自身、通常業務と並行して開発や4人の部下のマネジメントも担っています。
次世代のリーダーが育つように、業務の見える化や分業の仕組みを整えていくことが重要です。

荻野:社外支援において、経理担当者が自信を持って業務に取り組めるようなサポートにも取りかかりたいです。
「頼りにされる存在」であり続けるために、現場の声に耳を傾け、常に寄り添う姿勢を心がけたいですね。

最後に、ブラザシップとしてDXを進める上で大切にしていることをお聞かせください。

山口:やはり「現場に根ざした改善」ですね。
ツールを導入することが目的ではなく、現場の負担を減らし、働きやすさや成果につなげることが本質だと思っています。

荻野:そして、「経営者の意思決定を支える」。
財務の数字を通じて、経営の羅針盤となるような支援を行うことが、私たちの使命だと思っています。

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