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公認会計士 合格後の流れとは?試験後にやるべきこと・就職活動・キャリアプランを解説

更新日:2025.06.06

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公認会計士 合格後の流れとは?試験後にやるべきこと・就職活動・キャリアプランを解説

公認会計士試験に合格した後の流れはどうする?

公認会計士試験合格後の就職先の9割以上が監査法人であり、必要な経験を積んでいきます。

この記事では、監査法人への就職活動、業務補助の実務経験、実務補習の単位取得、修了考査の受験まで、合格後に必要なステップを解説します。

さらに、監査法人就職後のキャリアパスや独立・フリーランスといった多様な働き方についても紹介します。

 

公認会計士試験合格後の活動

1,監査法人等への就職活動

試験合格後の就職先は、9割の方が監査法人と述べました。

公認会計士試験の合格発表は11月中旬頃であり、監査法人の内定が出るのは12月初旬。

実際のところ、とてつもない短期決戦であるといえるでしょう。

選考は、書類審査と面接のため、面接対策をしっかりと準備することが内定への鍵となります。

 

面接では一般的な質問とともに、「当監査法人を選んだ理由」「公認会計士を目指した理由」などが聞かれます。

好印象を得られるように、事前に自分自身を振り返って回答を用意しておくようにしましょう。

また、一般会社でも同様ですが、自身のキャリアプランなども回答できるようにしましょう。

面接で質問されなかったとしても、自分自身のキャリアプランを持っている人の受け答えは客観的に見てしっかりとした考え方を持っているように見えます。

関連記事:公認会計士試験の合格発表について解説

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2,業務補助の経験

業務補助に携わる期間は、公認会計士試験の前でも後でも時期は問われません。

業務補助の要件は3年間になるので、会計事務所や監査法人で3年以上勤務することが一般的にです。

会計事務所や監査法人以外にも業務補助の3年間にカウントされる場合があります。

 

  1. コンサルティングファーム
     資本金5億円以上の法人等の原価計算・財務分析に関する業務
  2. 一般事業会社
     資本金5億円以上の事業会社における経理業務
  3. 金融機関
     金融機関や保険会社で、貸し付けや債務保証に従事する業務

 

以上は一例です。

公務員などでも実務経験にあたる場合があります。

 

なお、上記の実務経験は単なる経理事務ではなく、経理業務の本丸である決算や、開示業務に携わる業務が対象となります。

3,実務補習の単位取得

実務補習は、業務補助の実務経験とは別に、3年間かけて必要とされる単位を取得します。

実務補習は、様々な形態で受講することとなり、web講義、e-ラーニング、宿泊研修などに参加することにより、単位が取得できます。

また、講義の受講だけでなく、3年間に6回課される課題研究などの作成も含まれます。

実務補習では、日本の税制度、監査制度、IT実務などの知識と公認会計士としての倫理観などを身に着けることを目的としてします。


仮に3年間で単位取得できなかった場合は、修了考査に進むことはできず、継続して実務補習による単位取得をすることになります。

決して簡単な内容ではないですが、単位取得ができない人も少ないため、そこまで心配する必要はありません。

 

継続することが大事となります。

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公認会計士の試験合格後の修了考査

1,修了考査の受験資格

修了考査の受験条件は大きく以下の2つです。

 

  1. 業務補助による3年間の実務経験
  2. 実務補習の3年間による単位の取得

 

業務補助では、公認会計士に必要な現場での経験を取得することを目的としています。

実務補習では、公認会計士に必要な知識と倫理観を取得することを目的としています。

 

この2点をクリアすることによって、公認会計士の素養が養われたとして、最終の修了考査に進む事になります。

業務補助と実務補習を合わせると5年間の経験となるため、簡単な道のりではありません。

それだけ公認会計士という資格の重みがあるということが伝わるかと思います。

2,修了考査の内容

修了考査は、実務補習で学習した内容をもとに問題が出題されます。

具体的には、会計、監査、税務、経営・IT、法規職業倫理の5科目となります。

試験期間は2日間と非常にタイトなスケジュールとなっています。

2日間で12時間程の試験を受けるので、体力的にも精神的にも非常にハードな試験となります。

 

関連記事:公認会計士の修了考査とは?合格発表後にやるべきことや試験内容を紹介

3,修了考査の合格率

修了考査の合格率は70%程度となるため、短答式試験の10%前後や、論文式の30%前後と比較すると非常に高い合格率になります。

しかし、楽観視しすぎてはいけません。

公認会計士試験の短答式と論文式を合格する人の中から30%は落ちるということなので、決して無対策で通るような甘い試験ではありません。

 


なお、修了考査に落ちた場合は、次年度に再度修了考査を受験することになるため、1年間悔しい思いをすることになります。

1年間は短いようで非常に長い期間です。自分自身のキャリアプランが1年遅れることの損失ははかり知れません

公認会計士試験合格後のキャリアプラン

1,監査法人への就職

公認会計士試験に合格した多くの方が、最初のキャリアとして監査法人への就職を選びます。

監査法人には「Big4」と呼ばれる大手監査法人のほか、「準大手」「中小監査法人」もあり、それぞれに異なる特徴とキャリア形成のメリットがあります。

たとえば、早期に実務経験を積みたい方は準大手・中小監査法人、国際的なキャリアを志向する方は大手監査法人が向いているかもしれませんし、将来的に独立を目指す方や、地域に根ざした働き方を希望する方にとっては、中小法人の方が適している場合もあります。

自分にとって何を優先したいのかを明確にし、それに合った法人を選ぶことが、後悔のないキャリア選択につながります。

どの監査法人にもそれぞれの強みがあり、「規模」だけで選ぶのではなく、自分のキャリアビジョンや働き方の価値観に合った環境を選ぶとよいでしょう。

監査法人の規模についてそれぞれ解説します。

 

大手監査法人(Big4)の特徴

大手監査法人は、Big4と呼ばれます。

上場企業やグローバル企業を中心に監査を行っており、国際的なネットワークと高度な専門性を活かした業務に携われます。

上場企業がクライアントということは、非常に大きな案件が中心となり、公認会計士としても良い経験を積むことができるでしょう。

分業体制が整っているため、研修制度やキャリアパスも明確で、海外赴任やコンサルティング部門への異動など多様な選択肢が用意されています。

大規模な組織で働きたい方や、国際的なキャリアを志向する方に適しています。

 

 

準大手監査法人の特徴

準大手監査法人は、大手に次ぐ規模を持ち、上場企業や中堅企業を中心に監査・アドバイザリー業務を展開しています。

主な準大手監査法人の例を以下に挙げます。

  • 仰星監査法人
  • 三優監査法人
  • 太陽有限責任監査法人
  • 東陽監査法人
  • PwC京都監査法人

組織の規模が適度であるため、若手のうちから主査(インチャージ)を任される機会も多く、実務経験を早期に積みたい方にとっては大きな魅力です。

また、監査以外にもIPO支援や内部統制構築支援、財務デューデリジェンスなど多様な業務に関われる環境が整っており、幅広いスキルを身につけたい方に向いています。

大手に比べて風通しが良く、経営層との距離が近い企業が多いことも特徴のひとつです。

中小監査法人の特徴

中小監査法人では、少人数のチーム体制を活かし、クライアントと密接に関わりながら業務を進めることができます。

そのため、監査の全体像を把握しやすく、実務を通じて着実にスキルを磨ける環境が整っています。

若手のうちから幅広い業務に携わる機会が多く、監査スキルに加えて、クライアント対応力やマネジメント力といった実践的な能力も自然と養われていきます。

近年では、上場企業の監査を担う中小法人も増加しており、監査品質や教育体制の整備が進んでいます。

法人によっては、大手と同等の水準で品質管理や人材育成に取り組んでいる例も見られますが、体制には一定のばらつきがある点には留意が必要です。

また、地域に根ざした活動を展開する法人も多く、地元企業との信頼関係を築きながら、地域経済に貢献できる点も中小法人ならではの魅力といえるでしょう。

さらに、国際的なネットワークに加盟している法人も存在し、海外業務やクロスボーダー案件に関心のある方にとっても、キャリアの選択肢が広がる環境が整いつつあります。

2,独立開業

1つの選択肢として、独立の選択肢があります。

ただし、公認会計士としてではなく、税理士として開業するパターンが多いです。

公認会計士は、税理士登録ができます。

また、独立した場合のクライアントは、中小企業から個人事業主が中心となります。

中小企業、個人事業主が求めているのは税務知識であることから、税務を中心とした会計事務所を開業することが一般的です。

 

関連記事:公認会計士 合格後の流れとは?試験後にやるべきこと・就職活動・キャリアプランを解説

3,フリーランス

近年では、SEなどのエンジニアを中心にフリーランスという働き方が増えています。

これは公認会計士も同じで、監査法人就職するわけでもなく、個人事務所を開くわけでもなく、フリーランスとして活動している人もいます

具体的には、監査法人から業務委託を受けて案件に携わります。

ある程度監査法人の経験や、個人事務所での経験がないとフリーランスになるとこはずむかしいですが、ワークバランスを中心としたフリーランスという働き方も1つの選択肢になります。

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まとめ

公認会計士試験の合格後は、監査法人、独立、フリーランス、一般事業会社など様々な選択肢があります。

どれもメリット、デメリットがありますが、年収だけでなく自身のキャリアプランやワークバランスを勘案し、自分にあった選択肢を決めるようにしましょう。

公認会計士試験は、非常に難易度が高い資格です。

ただし、資格を取得したからと言って一生安泰というわけではありません。

毎年の会計基準の改正など常に勉強は続きますので、常に自己研鑽に務める努力を忘れないようにしましょう。

 

Profile レックスアドバイザーズ

公認会計士・税理士等の有資格者をはじめとする会計人材専門特化した人材紹介会社。
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