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【STEP1事前準備編】税理士の転職

転職マニュアル

ネクタイを締めている人

いざ税理士業界で転職を試みても、いつ・どのように準備を始めるべきか頭を抱えている方も多いようです。


この記事では、まず税理士業界の基本的な年間業務スケジュールや、転職に向いている時期、また業種別に求められている人物像なども解説します。

税理士の転職でベストなタイミングとは?

そもそも税理士の転職では、いつが転職活動に向いているのでしょう?

ここでは、転職を有利にするために、知っておきたい税理士業界の流れについてご説明します。

【年間業務スケジュール】税理士業界の流れ

グラフ

まずは年間業務のおおまかな流れを確認することで、税理士業界全体の動きを把握しましょう。

一般的に税理士業界では、1年を通して年次決算・月次決算の他、巡回監査などの通常業務が挙げられます。

このうち、4~5月(3月決算企業)と1~2月(12月決算企業)は年次決算が多い傾向にあるでしょう。

これらの通常業務に加え、税務調査の立ち合いなど、いわゆる臨時業務というものが発生します。


たとえば、12月には法人における年末調整が、1月には法定調書の作成や償却資産税の申告などが続きます。
さらに1月~3月には、個人の確定申告業務の準備や実際の申告が発生するといった流れになっています。


クライアントの数、そのクライアントの決算期、さらに個人クライアント数などによっても異なりますが、税理士業界としては12~5月が繁忙期、6~11月はやや閑散期といえるでしょう。

転職する前に知っておきたい!税理士業界の繁忙期と閑散期

続いて、税理士業界の繁忙期と閑散期をより詳しく解説します。

繁忙期

一言で「繁忙期」といっても、税理士業界には主に3つの期間があると考えられています。


最初に挙げられるのが、11月前半から1月前半までの年末調整に関わる繁忙期です。
続いて、1月後半から3月前半までにおこなう個人の確定申告にまつわる繁忙期。
個人事業主より依頼を受け、3月15日までに税務署などへ確定申告書を作成・提出する業務が発生します。
この時期は、通常業務と並行で業務を進める傾向にあるため、最も忙しい時期といえるでしょう。


最後に挙げられる繁忙期が、3月決算企業の本決算対応、法人税や消費税などの手続きをおこなう、4月から5月の決算業務の時期です。
日本は3月決算の企業が最も多いですが、次に多いのは12月決算企業です。

この場合は1から2月が忙しくなり、ちょうど確定申告時期と重なるのでより繁忙となります。

閑散期

それでは反対に、税理士業界の閑散期はいつなのでしょう?

一般的には先述した3つの繁忙期以外の時期だと考えられています。


具体的には、6月から10月までの間が閑散期にあたります。

繁忙期では確定申告・本決算や税務申告などの臨時業務に追われる日々でしたが、閑散期では年次決算・月次決算、巡回監査といった通常業務に戻ります。

そのため、自分のペースで仕事を進められるので、ライフバークバランスが取りやすい期間といえるでしょう。

税理士業界で「転職しやすい時期」とは?

さて、税理士業界の繁忙期や閑散期についてご紹介しましたが、実際に転職しやすい時期が気になるところ。

以下では、転職に関わる理想的なスケジュールをまとめます。

1:税理士業界の若手の転職スケジュール(年間)

まず転職活動を始める前に覚えておきたいのが、税理士業界では「税理士試験」が転職に大きな影響を与えるということ。

とくに若手の採用に関しては、試験のある8月と、合否の発表のある12月に活発化します。
会計事務所の中には、この時期に限って採用活動をおこなうところもあるほどです。

やはり、求人の数が多ければ多いほど、希望している条件にマッチする確率は高まるといえるでしょう。
税理士業界のとくに若手は、8月と12月にチャンスが広がる傾向があります。

2:「ボーナス(賞与)転職」を踏まえた逆算スケジュール

なぜボーナス支給を踏まえてスケジュールを逆算する必要があるのでしょうか?


一般的に6月と12月に支給されるケースが多いボーナス(賞与)ですが、会計業界の場合、この他3月に支給されることがあります。
これは、確定申告が終わるタイミングと関係しているためです。
このようにボーナスが支給されるタイミングは勤め先によって異なるので、事前によく確認しておきましょう。


たとえば、目指す転職が税理士試験を終えた8月後半や、合格発表後の12月であれば、6月のボーナス(賞与)が支給された状態であることがうかがえます。
しかし、12月の支給を待ってからの転職活動では、採用活動のピークを超えてしまっているリスクがあり、求人数がやや少なくなっていたり、採用のハードルが高くなっていることがあります。


以上のように、転職活動を有利に進めたいのなら、希望の転職時期とボーナス支給の時期を比較しながら、自分にとってベストなタイミング見極める必要があります。

税理士試験と転職活動のタイミング

ここでは税理士試験のスケジュールをふまえたうえで、おすすめの転職活動のタイミングについて解説しましょう。

税理士試験受験者は税理士試験終了後の1カ月が勝負!

税理士業界において転職を希望する方の中には、現在税理士試験にチャレンジ中というケースも少なくありません。
よって、税理士業界の転職と税理士試験とは、それぞれのスケジュール感を把握することが大切なのです。


まず理解しておきたいのが、税理士試験が行われる日程についてです。

試験実地官報公告

4月上旬

申込期間

5月上旬~中旬

税理士試験

8月上旬の3日間

合格発表

12月中旬

とくに税理士試験後と結果が発表される時期は、転職活動に大きな影響を及ぼすでしょう。
試験が終了した後の9月こそ、税理士業界での転職者が最も多いとされています。

業種別の転職時期について

さらに詳しく、業種別に転職時期を見てみましょう。

会計事務所・税理士法人

先述したように、税理士試験が終了となる8月を目安に、求人が増える傾向にあります。
さらに、試験の合格発表後となる12月も同様に求人が増加するでしょう。

しかし12月は繁忙期直前ということで、8~9月よりはあまり顕著な増加はないようです。
会計事務所にとって繁忙期が終わる3月下旬から6月あたりも求人が増えると考えられています。


このような傾向はあるものの、売り手市場が続いている税理士業界では、時期を問わず優秀な人材がいれば採用したいという声も多く挙がっています。
自分が希望する転職先の動向をよくリサーチすることも重要でしょう。

一般企業

続いて一般企業(事業会社)における転職の特徴ですが、他業種と比較した際、求人の増える時期が定まっていないという傾向が見られます。
なぜなら、経理部門の社員が急な事由によって退職となるケースや、事業拡大といったケースなど、さまざまな理由が関係して求人が発生するためです。


一般的には退職者が出やすい年度末に求人が増えるようですが、日ごろから事業会社への求人情報をよくチェックしておくことが転職成功のカギとなるでしょう。

税理士の転職は何歳まで?年齢制限について

税理士業界への転職を希望する方のなかには、「年齢制限があるのでは?」「今の年齢では転職は難しそう」という悩みも多いよう。
そこで、税理士の転職と年齢の関係性について解説しましょう。

「転職35歳限界説」って本当?

そもそも採用において、正当な理由がなく年齢を制限することは違法です。
たしかに以前は「転職35歳限界説」が広がり、30歳を超えたら転職が難しい、35歳以上の転職は無理だという説がありました。


ただ、上記はあくまでも一説に過ぎません。
税理士業界で働く税理士や税理士試験の受験生、事務所経験者はスペシャリストであり、35歳以上はダメということはもともとありませんでした。


スペシャリストというのは、年齢や経験を重ねたことにより培ってきたスキルや人格に安定性があることが期待され、年齢に関係なく経験が評価され、積極的に採用されています。

【年齢・年代別】税理士業界の転職で求められる能力

それでは具体的に、年齢や年代別に絞り、税理士業界でどんなスキルが求められているのか詳しく解説します。

20代

税理士業界の転職における20代は、税理士試験合格に向け、受験勉強の真っただ中という方も多いでしょう。
そのため現状の経歴や年齢を踏まえると、税理士資格を所持しているかどうかより、知識や実務経験、コミュニケーション能力を問われることが多いようです。

3科目以上の合格

転職によって年収アップが期待できる。とくに法人税に合格していると、BIG4へのチャレンジも可能

2科目以下の合格

これからまだ受験に時間が取られるため、勉強時間の確保やワークライフバランスを重視するとよい

上記のような傾向があるようです。
経験者を積極的に採用している事務所の場合、2年以上の実務経験があると有利だと考えられています。
具体的には、クライアントにひとりで訪問できる程度が目安です。


とくに会計事務所・税理士法人の場合は、仕事と両立して受験勉強ができるというメリットがあります。
20代の税理士試験科目合格者にとって、働きやすい場所だといえます。

30代

税理士業界で30代の転職といえば、今までの経験を活かし、将来のキャリアアップにつながるような時期。
なかでも、シニアスタッフやマネージャークラスをメインとした、リーダー以上の求人が人気を集めています。
これはいわゆる「即戦力採用」と呼ばれる求人で、30代後半になるほど、豊富な経験が求められる傾向が強くあります。


会計事務所への転職なら、会計事務所での実務経験が3年以上あることはマストです。
また、部下やアシスタントスタッフをマネジメントする経験も高く評価されています。
さらに高年収を期待する場合、どんな業務に携わってきたのかも重要です。
たとえば、連結納税・相続税申告・M&Aに事業承継などの経験者は優遇される求人も多いです。


このほか、一般事業会社では英語力や会計システムの知識が求められることがあるなど、転職を希望する先ごとに好まれるスキルが異なります。
しかしどの求人にも共通しているのは、30代は20代よりも経験やスキルなどの実力が求められるということです。

40代

40代の転職となれば、要求される敷居はより一層高くなるのが現実。
とはいえ、その高いハードルにふさわしい実務経験や実力があれば、40代という年齢に関係なくさまざまな求人の選択肢を広げられるでしょう。


具体的には、どのようなことを専門として業務を担っていたのか、就任していたポジション、顧客対応やマネジメントにまつわる能力などが重視されます。
これは20代や30代にはない、年齢を重ねてきたからこその強みだといえます。

【年齢・年代別】税理士の転職成功事例

20代の転職成功事例

大学院に通学しながら税理士法人へ:資格取得に理解のある税理士法人への転職

男性・26歳・税理士試験科目合格者

10名規模の個人会計事務所・契約社員→30名規模の税理士法人・正社員へ


大学卒業後、雑貨販売の営業職へ就職。
専門性を身に付ける為に税理士業界へキャリアチェンジしようと、大学の先輩に紹介してもらった自宅から近い個人事務所に転職。
契約社員で残業がない勤務形態で、実務をこなしながら週2回専門学校へ通い、3科目を取得後に大学院へ通学開始。
より多くの実務経験を積むために転職活動をスタートしました。

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30代の転職成功事例

各事務所の特徴を踏まえ、より業務の幅を拡げることができる事務所へ

男性・31歳・税理士

中堅税理士法人・年収550万円→資産税特化型事務所・年収500万円(+インセンティブ)


新卒で中堅税理士法人に入所し、現在は準大手税理士法人で約3年。
法人顧問業務や事業承継業務にて活躍中。
もともと事業承継を中心に働きたいと考えて現職に就いたが、事業承継の案件が減り、法人顧問業務が増えてきてしまった。
これでは思い描いていたキャリアが積めない…と転職活動をスタート。

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40代の転職成功事例

事業会社からもう一度税務プロフェッショナルに挑戦

女性・42歳・税理士

事業会社経理・年収600万円→資産税特化型税理士法人・年収650万円


大学卒業して事業会社に就職し、経理に従事したのち、会計事務所に転職。
在籍中に税理士試験にチャレンジし、5科目に合格して税理士登録。
その後、ふたたび事業会社に経理として転職したものの、税理士としての経験と資格を活かせる仕事が少なく、再び会計事務所への転職を考えるようなりました。
現職でのワークライフバランスや年収を維持して転職をしたいと考え、活動をスタートしました。

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税理士の転職を有利に進める!3つの方法

それでは転職活動をする際、有利に進める方法を3つご紹介します。

1:転職エージェント

転職活動を有利に進めたいと考えた際に真っ先に浮かぶ方が多いのが、レックスアドバイザーズのような「転職エージェント」を利用する方法です。
転職エージェントとは、転職を希望する方(求職者)と、採用する企業や事務所(求人者)とのマッチングを実現する役割を担っています。


エージェントの仕事は多くの求人を案内するだけに留まらず、履歴書や職務経歴書の内容を確認したり、面接でどんなことを伝えるべきか対策を講じたり、スケジュールを調整したりなど、安心して転職活動が行なえるような手厚いサポートを行っています。


このようなサポートがあれば、仕事が多忙でなかなか転職活動に割り当てる時間がなかったという方でも、エージェントの手助けによって希望の転職活動を実現することができます。


また、転職エージェントは求人企業や事務所の情報を多く持っています。
組織の構成、働いている人の姿、キャリアアップの状況などの情報は非常に貴重で、入社後に長く活躍するためにも有用です。
面接選考で採用担当者が重視するポイントなど、内定を獲得するための情報もあります。
エージェントを利用しなければ得られない情報ですので、おおいに活用すると良いでしょう。

2:求人サイト

続いてご紹介するのは、求人が掲載されている「サイト」を利用する方法。
希望する転職の条件をひとつずつ入力して検索することで、希望に近い求人が表示されます。

求人の詳細を一つひとつ吟味し、応募するという流れが一般的です。
転職エージェントの利用と違い、企業や事務所と直接連絡することになるので、スケジューリングや内定条件の調整、入社後の仕事についての情報収集も自分で行うことになります。

税理士業界の転職に特化したサイトでれば、豊富な求人を見ることができるでしょう。


しかし、自分で検索しなければいけない手間と、掲載されている情報からでしか判断ができない点はデメリットになるかもしれません。
あくまで転職先を選ぶときの判断材料のひとつとして活用し、応募や転職活動については転職エージェントを利用するのがおすすめです。

3:ハローワーク

最後にご紹介するのは、国が運営する公共職業安定所と呼ばれるサービスである「ハローワーク」です。
先述した「サイト」との違いは、求職者も採用する側も双方が無料で利用できるという点にあります。


一見すると、コストを抑えて転職活動ができると感じますが、無料だからこそ起こるトラブルも……。
たとえば、無料の求人掲載となるため、募集条件の年収が低い傾向がありますし、同じ事務所で同じ仕事であるにも関わらず、ハローワークでの募集だけ低年収に設定されているという場合もあるほどです。

採用にお金をかける企業や事務所が良いというわけではありませんが、求人サイトに出していたり、転職エージェントに依頼したりしている場合は、それだけの余裕があり、採用にも注力しているといえるかもしれません。

税理士の転職で失敗しないためには準備が大切

税理士業界の転職を成功に導くためには、ベストなシーズンの見極めやタイミングに合わせた事前準備などが重要です。
今まで自分が培ってきたスキルや経験を満足に発揮するためにも、転職準備は念入りに行ないましょう。

Profile レックスアドバイザーズ

公認会計士・税理士等の有資格者をはじめとする会計人材専門特化した人材紹介会社。
■公認会計士・税理士・経理の転職サイトREX
https://www.career-adv.jp/
■株式会社レックスアドバイザーズ
https://www.rex-adv.co.jp/

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