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会計事務所ってどんな仕事?どんな役割があるの?
会計事務所は税金の専門家が集まった集団です。
会計事務所で働く人たちは、自身の税の知識を活用して、お客様に税金に関するアドバイスや報告や申告書を作成することが主な仕事です。
しかし、会計事務所がどのような役割があり、仕事をしているのかよく知らないとい人が一般的にはほとんどです。
- 会計事務所は申告書を作るだけではないのか
- 監査法人、公認会計士とどう違うのか
- 何となく難しそうだけど仕事内容はあまり分からない
今回は、そんな疑問に答えるため、会計事務所の仕事内容や社会的役割についてご紹介していきます。
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会計事務所について
会計事務所の歴史
会計事務所に務める人が使用する「簿記」の歴史は古く、その起源は4000年ほど前まで遡るとされています。
この頃から単式簿記という概念で取引を記録されていました。
時が過ぎ、取引の内容が複雑化してくると、複式簿記の概念が生まれました。
15世紀のイタリア・ベネチアでの出来事です。
現在の会計取引で利用されている複式簿記は、600年ほど前のイタリアで発明されたモノだったのです。
時は流れ、明治時代の日本では戦争のために税の徴収が行われるようになりました。
次第に税の内容が複雑化、細分化され、その内容を詳しく伝達することを生業とする人が現れ始めました。
1942年には税務代理士法が制定され、これが税理士の起源といわれています。
税理士は80年ほどの歴史がある仕事なのです。
会計事務所に求められていること
会計事務所の話をする前に、まずは税理士の使命について確認しましょう。
税理士は、税理士法によって、その使命を次のように定められています。
(税理士の使命)
第一条 税理士は、税務に関する専門家として、独立した公正な立場において、申告納税制度の理念にそつて、納税義務者の信頼にこたえ、租税に関する法令に規定された納税義務の適正な実現を図ることを使命とする。
-「税理士法 第一章 総則 税理士の使命」より
中立的な立場で納税者に正しく税のことを伝えましょうということです。
また、税理士には、税理士の特権ともいえる独占業務が3つあります。
- 税務の代理
- 税務書類の作成
- 税務相談
上記3つです。
無資格者が納税者に代わって申告すること、書類の提出をすること以外に税に関する相談も税理士のみに認められています。
税金に詳しい無資格者の友人がいても「ちょっと税額計算してほしい」と頼むことは、罰則付きの税理士法違反行為なので気をつけましょう。
会計事務所と監査法人の違い
会計事務所と監査法人は、似ているようで全く異なる仕事内容です。
よく下記のように例えられます。
会計事務所=二人三脚で経営者のサポート
監査法人=その審判
会計事務所は、その会社の税務面でのサポートをします。
納税の報告やアドバイスの他には、節税の提案を行うこともあります。
しかし、監査法人は会計資料に「会計処理上の問題がないか」を確認する仕事です。
税務面で経営をサポートする会計事務所と、その処理に問題がないかを確認する監査法人とは、仕事内容が全く異なります。
会計事務所で働く場合の役割
ここからは会計事務所の実際の仕事内容を紹介していきます。
確定・決算申告業務
会計事務所に求められる一番の仕事といってもよいでしょう。
確定申告(所得税・住民税の申告)と決算申告(法人税の申告)は特に複雑な税務が絡むことが多く、税の知識が無いと正しく申告することができません。
そこで会計事務所では税の専門家として、お客様の申告業務を代理で担当します。
その過程で節税方法を提案・適用したり、税務面からのアドバイスを行うことがあります。
会計事務所で働く真髄の業務といえるでしょう。
※先程述べた通り、申告代理業務は税理士の特権業務です。
しかし無資格者でも、その統括・管理を税理士が行っている場合は問題ないとされています。
無資格者が申告書を作成する場合、提出書類をそろえた後、税理士の確認受け、問題が無ければ、税理士の名のもとに申告を行います。
年末調整や償却資産税の申告業務
会計事務所の仕事は確定・決算申告だけではありません。
税務署や市町村に提出する書類は、そのほかにもたくさんあります。
その一例が年末調整と固定(償却)資産申告です。
会計事務所では、顧問先の社員の年末調整を行うことがあります。
また、企業が持っている固定資産を把握し、それを市町村に申告しなければいけません。
これが固定(償却)資産の申告です。
社会保険関係の資料作成等を担うこともある
これまで出てきた申告は、一年の中でも定型の業務です。
しかし、会計事務所の仕事は定型業務だけには留まりません。
例えば、顧問先の会社で新しく人を雇えば、その人の社会保険や住民税の手続きをしなければいけません。
会計事務所では、この社会保険や住民税の手続きを行うことがあります。
また、社員に支払う給料を計算することもあります。
給料は「ただ働いた分だけ支払えばいい」というわけではありません。
社会保険料、所得税、住民税を計算して、差し引いた分を社員に支払います。
特に所得税は、その月の給与額によって変動するため、正しく計算しないとトラブルになりかねません。
そのため、給与計算を会計事務所に依頼する企業も少なくないのです。
税やお金に関することは全て担当する!
ここまで会計事務所の一般的な仕事内容についてご紹介しました。
しかし、会計事務所で行う仕事はその他にもあります。
経営者からしてみれば、担当者はお金のスペシャリストです。
時に、お金に関係することならば、あらゆる種類の相談をされます。
- 事業承継のこと開業、事業拡大、廃業のこと
- 引退後のライフプラン
- お子様のライフプラン
- ご逝去後の残される家族のご相談
担当者への信頼関係が深まると、上記のような相談をされることがあります。
「税」の専門家という枠組みに捕らわれず、「お金」の専門家としての仕事が求められつつあるのです。
会計事務所の社会的な意義・役割
これまで、会計事務所の成り立ちや仕事内容をご紹介してきました。
ここからは会計事務所の社会的な意義について説明します。
会計事務所は二人三脚!
会計事務所は経営者と共に二人三脚で仕事を行います。
経営者の視点に立ち、経営者と同じ未来を見つめながら経営をサポートします。
監査法人とは違い、経営者のお悩みに親身になって対応することが求められます。
そのため、担当者はお客様の「経営者として」のお悩みだけでなく「個人」のお悩みを伺うケースもあります。
先程も書いた通り、信頼関係が深まると、会社経営のお悩みだけでなく
- ご家族
- ライフプラン
といった、よりご自身の人生に関わるようなご相談を頂くことがあります。
会計事務所員が二人三脚で経営を行ってると言われる所以です。
会計事務所のやりがい
会計事務所で働く最大のやりがいは、何といってもお金のスペシャリストとして、経営者に寄り添いサポートしていくことでしょう。
経営者のお悩みに耳を傾け、共に解決していくという仕事は、決して楽な仕事ではありません。
しかし、共に悩み、経営をサポートすることで、ビジネスパートナーとしての深い信頼関係が生まれます。
そして経営が上手く行った時、お客様から言われる「担当してもらえて良かった」という言葉は、会計事務所で働く者にとって最高の賛辞であるといえるでしょう。
ただ単に税務の専門家として働くのではなく、お客様のビジネスパートナーとして、財務という側面からお客様をサポートしたいと考える人にとって、会計事務所は最高の職場といえるでしょう。
まとめ
今回は会計事務所の仕事や役割についてご紹介しました。
これから会計事務所への就職を考えている人は、自身の将来像と照らし合わせながら
最適な会計事務所を見つけてください。
Profile レックスアドバイザーズ
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