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常勤監査役とは?役割をわかりやすく簡単に解説

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男性 常勤監査役

常勤監査役とは監査役の一種であり、会社法においても定められている用語となります。

ここでは監査役についても説明していきながら常勤監査役の内容や種類、設置義務や権限、またその期待についてものべていきます。

常勤監査役について

①監査役とは

監査役は株主総会で選任され、取締役の職務の執行を監査することがその役割です。

企業価値の向上と社会的責任(CSR)を果たすため、企業は健全かつ公正な経営を行わなければならず、その役割も監査を行うことであわせて果たしています。
監査役が行う監査には、業務監査と会計監査が含まれます

業務監査は、取締役の職務の執行が法令・定款を遵守して行われているかどうかを監査することで、一般に適法性監査と呼ばれています。
会計監査は監査のうち会計に関するものを対象としており、定時株主総会に計算書類が提出される前に行われ、株主総会の招集通知時に、会計監査と業務監査の結果が記載される監査役会の監査報告が提供されます。

②常勤監査役とは

常勤監査役とは上記で述べた監査役のうち他に常勤の仕事がなく、会社の営業時間中原則としてその会社の監査役の職務に専念する者をさします。
常勤監査役は他の監査役と比較しても会社に対する知見があると考えられ、それらの知見や経験をふまえた監査を行います。

常勤監査役の種類

①社内監査役

社内監査役は、当該企業の役員や従業員であった経歴のある社内出身の監査役のことをさします。
常勤監査役については社内監査役であるケースが多いです。

②社外監査役

社外監査役とはその就任の前の10年間に、その会社又は子会社の業務執行取締役等であったことがない、社外出身の監査役のことをさします。
なお監査役会においてはその半数以上は社外監査役を占める必要があります。

常勤監査役の設置義務

資本金5億円以上または負債総額200億円以上の「大会社」や「取締役会」を設置している企業など、一定の条件を満たす企業は会社法によって必ず監査役を置くことが定められています。

「取締役会」を設置している企業でも、会計参与を置く場合は原則として監査役を設置する必要がありません。ただし、「大会社」の場合は監査役を設置しなければなりません。
その理由は、業務執行と監査役を分離することで、コーポレート・ガバナンスを十分に機能させるためです。
監査役は株主総会で選任され、その監査役で「監査役会」を構成します。
「監査役会」の半数以上は社外監査役としなれればなりません。

監査役の任期は4年で、10年まで延長することも可能です。
監査役の4年という任期は取締役よりも長く、その立場が強く保護されています。

なお、常勤監査役はひとつの企業に1名以上置くように定められておりますが、「大会社」かつ「公開会社」の場合は、監査役は3名以上であることが求められます。
その内1名は常勤監査役を置くように定められています。

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常勤監査役の権限

取締役会において、取締役は不正や違法行為が行われていないか相互にチェックをします。
しかしながら取締役会がなれ合いなどによって、不正行為等のチェックが十分に機能しなくなることも考えられます。そのリスクに対処するために監査役が設けられているのです。

監査役の権限は会社法で定められています。

たとえば、取締役の職務の執行の監査は、不正がないかなどを独自で調査することができます(独任制)。
また、取締役に対する事業報告請求権、企業の業務や財産の状況の調査権があり、違法行為があった場合の差止請求権もあります。
監査役は、取締役と企業間の訴訟代表権や、取締役が被告となった場合、被告側へ企業が補助参加することに対しての同意権もあります。
取締役会に対しては、出席義務、意見陳述義務があり、招集請求権、招集権、また子会社に対しての調査権もあります。

監査役が単独で持つ権限を上述しましたが、「監査役会」として持つ権限もあり、これも会社法で定められています。
主な権限としては、監査役の選任に関する議案同意権、議題提案権、議案提出請求権が挙げられます。
また、会計監査人の解任権、選任・解任・不再任に関する議案の決定権もあります。
さらに、取締役、会計監査人から報告を受ける権限も持っています。
会計監査人の報酬などに対しての同意権もあります。

常勤監査役への期待

①常勤監査役の常勤とは

会社法上、監査役会を設置する場合、「監査役会は、監査役の中から常勤の監査役を選定しなければならない。」と規定されています(会社法第390条3項)。

しかしどれくらいの勤務をもって「常勤」と判断するかは、法律上どこにも規定がありません。
従って第一義的には、当該常勤監査役、そして監査役会(さらには彼らを選定する株主総会)が自らの判断で、どれくらいの勤務をもって「常勤」とするかを検討し実行する必要があります。

つまり常勤としての勤務が「常勤」と言えない状態では、監査役の善管注意義務違反の問題が生ずる可能性がある、ともいえます。

常勤監査役は他に常勤の仕事がなく、会社の営業時間中原則としてその会社の監査役の職務に専念する者という定義もあります。
つまりここでいう「他の常勤の仕事」とは、例えば常勤監査役を2社引き受ける、なども該当しますが、その他自分の会社を経営している(代表取締役に就任している)方も当てはまります。

最近は士業の方を常勤監査役として選任される例も多いかと思いますが、ご自身の事務所をお持ちの場合などはその実態に注意する必要があります。

②常勤監査役に求められていること

常勤監査役については明確な定義はないものの、実際の勤務日数や勤務時間により、その監査内容のほうが法的趣旨にてらしても重要であるといえます。

フルタイムで出社しているものの、部屋にこもり自らの職務を十分にはたしていない監査役よりも、例えば週2日でも色んな部署に顔を出し、上下問わず日常的に積極的なコミュニケーションをとっているような監査役の方が、常勤監査役に期待されている監査を実施できるといえます。

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まとめ

監査役は様々な権限や職責があり、そのうち常勤監査役は監査役の中でも会社に対して従事する時間も長いことから、より会社に対する知見をふまえた監査を実施することが会社や株主、その他利害関係者からも期待されるでしょう。

Profile レックスアドバイザーズ

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