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税理士試験 科目合格者の転職は有利?評価される理由と成功するためのポイント

更新日:2026.02.25

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税理士試験 科目合格者の転職は有利?評価される理由と成功するためのポイント

税理士試験の科目合格は意味がないという声もありますが、実際には転職市場で高く評価されます。

科目合格を上手くアピールできれば転職活動で有利になる可能性が高いです。

本記事では、科目合格のメリットから転職市場で評価される理由、科目合格者の年収情報までを解説します。

履歴書の書き方や転職を成功させるポイントも紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。

税理士科目合格とは?メリットとおすすめの組み合わせ

税理士試験の科目一覧

税理士試験は試験科目が11科目に分かれており、合格した科目は生涯有効で再受験は不要という「科目合格」の概念が存在しています。

科目合格が存在するため、税理士試験は計画的な学習が可能であり、社会人にも人気な資格となっているのです。

この章では税理士試験の科目合格のメリットやおすすめの科目の組み合わせについて解説します。

科目合格とは?

税理士試験に合格するためには、11科目ある試験の中から5科目に合格しなくてはな

りません。

11科目は、会計に属する科目(簿記論・財務諸表論)・税法に属する科目(法人税法・所得税法・相続税法・酒税法・消費税法・固定資産税・事業税・住民税・国税徴収法)です。

11科目のうち、1科目でも合格すれば 以後その科目を受ける必要はなくなるのが、科目合格という制度と言えます。

税理士試験合格となるために必要な5科目は、すべて1度の試験で合格しなければならないのではなく、科目ごとに合格できるのが税理士試験の特徴です。

合格した科目を除き、残りの科目を翌年以降に受験して最終的に5科目合格すれば、税理士試験に合格したという認識になります。

 

科目合格は一生有効|途中で辞めても評価される理由

科目合格には、期限がないので1度合格してしまえば、一生受ける必要はありません。

科目合格がなく、1度にすべての科目に合格しなくてはならない試験だと、1科目でも落とせば不合格です。

この場合、不合格だった人は実績がないので勉強をしてきたのかどうか証明ができません。

一方で、税理士試験は科目合格していれば勉強してきた事実を、公式に証明できるのが強みです。

途中で勉強を辞めて就職する場合でも、科目合格があれば評価を得られるので有益と言えます。

なお科目合格を履歴書に記載する際は「20△△年✕月 税理士試験(科目名)合格」のように書きましょう。

2科目合格以上で即戦力|1科目でも転職に有利

税理士試験は2科目以上合格できると仕事の幅は広がります。

会計に属する科目を基本として、税法に属する科目の数科目に合格していると、転職できる企業が増えていく可能性が高いです。

会計や税金に関する知識を活用して、キャリアアップを目指すのであれば、2科目以上合格しておくと有利になります。

専門性の高い業務を任されるようになれば、貴重な経験をすることができて、転職市場で価値を高めることが可能です。

ただし1科目でも合格できれば評価につながり、転職に有利となります。

関連リンク:税理士試験科目合格者の年収は科目数と関係ある?キャリアアップの方法を解説

科目選択制|おすすめの組み合わせ

税理士試験に合格するためには、会計に属する科目(簿記論・財務諸表論)、法人税・所得税のいずれか1科目、残り2科目を選択する必要があります。

苦手な科目は、集中するため1科目だけ受験したり得意な科目を組み合わせたり、2〜3科目同時に受験することも可能です。

おすすめなのは、自分のキャリアプランに応じた科目を選択することであり、大企業で働くなら法人税、会計事務所で働くなら所得税と言えます。

また、消費税は実務で汎用性が高く、独立を目指すのであれば相続税法も外せません。

 

動画で紹介|税理士試験とキャリアの関係FAQ

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税理士科目合格者の転職市場における需要

税理士試験科目合格者向けの求人は、 会計事務所を中心に多くあります。

会計事務所の求人には地域特性があり、
地方では一般的に求人案件数が少なく、首都圏では中堅規模からBig4最大手規模の会計事務所まで大小さまざまな会計事務所が存在し、募集年齢、対応業務、合格した科目数等により、多様な募集があります。

会計事務所・税理士法人での根強いニーズ

求人情報の割合

税理士試験科目合格者の価値を最も評価してくれるのは、会計事務所です。

 

会計事務所の求人募集では、地場のクライアントの往査および事務所内での事務作業の募集要項として「資格は簿記2級から」とする求人が多い傾向です。

税理士試験で科目合格をしていることで、簿記2級より上位の試験に合格しているものとして高い評価を受けることができるでしょう。

 

大手の会計事務所では、将来の税理士候補を期待した採用が視野に含まれていますが、転職希望者に求めるその他の資質として、高い水準の英語力や、高度で専門的な実務経験を有していることが望まれることも。

 

これらを満たす科目合格者を積極的に採用する会計事務所が多いです。

一般企業(経理・財務)でも高評価

一般企業では、通常、在籍中に資格取得したことで評価される会計系の資格として、「公認会計士」「税理士」あるいは「簿記2級以上」等としている企業が少なくありません。

税理士試験の科目合格者は、実績として素晴らしいものの、人事評価の対象に含まれていない可能性が高いことを、あらかじめ理解しておきましょう。

 

中途採用に関しては、一般企業の経理あるいは財務部門での選考過程において、税理士試験の学習で培われた知識と経験から、より高いパフォーマンスを発揮することができるかどうかが期待されています。

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税理士試験の科目合格者の状況と平均年収

税理士試験の各科目は、それぞれ合格率が異なっています。

 

必須項目の簿記論および財務諸表論は必ず合格しなければならず、 選択科目では所得税法あるいは法人税法のどちらかを必ず合格しなければなりません。

 

働きながら学習をする方は、各科目の総学習時間を考慮した試験対策が大切です。

 

「2025年度(第75回)税理士試験結果」では、以下のとおりでした。

<必須科目>
簿記論 11.1%
財務諸表論 31.9%
<選択科目>
所得税法  13.0%
法人税法  13.5%
相続税法  13.8%
消費税法  10.1%
酒税法   12.2%
国税徴収法 13.8%
住民税   17.8%
事業税   12.3%
固定資産税 15.5%

出典:令和7年度(第75回)税理士試験結果表(試験地別)

以下では合格科目数別の平均年収を紹介します。

1科目から4科目合格者は多数存在

税理士試験の合格者になるためには、5科目の合格が必要です。
社会人であれば毎年1科目ずつ合格して、最低でも5年間かかる計算になります。

合格した科目に有効期限はありませんので、着実に合格に向けて進んでいくことができますが、長期間にわたって試験勉強を続けていかなければならない心理的負担、家庭環境の変化等により、科目合格者の立場をやむなく継続する方も、数多くいます。

科目合格者が実際にどれくらいいるかは分かりませんが、「令和2年度(第70回)税理士試験結果」に基づいて簡易に推測すると、現時点で少なくとも14,600人近い科目合格者数がいることになると考えられます。

以下、推測の前提条件です。

  • 各科目合格者の総数は6,357人でした。このうち最初の第1歩として合格を目指す簿記論または財務諸表論の合格者総数の合計は4,059人です。
    少なくとも1科目合格者が、毎年この人数だけ増えると仮定すれば、5年後の合格までの期間でおよそ20,000人が、科目合格者の総数となります。

  • 税理士試験で5科目合格となった方の数は、同じ年度で5,402人増えました。この数だけ科目合格者数が減少するものとします。

  • <令和2年度の科目別の受験者数と合格者数>
    簿記論 10,757人のうち2,429人が合格
    財務諸表論 8,568人のうち1,630人が合格
    税理士試験の合格者数 5,402人



(出典)国税庁 令和2年度(第70回)税理士試験結果

科目合格者の平均年収

科目合格者の平均年収は、合格科目の数によって以下のように異なります。

 

合格科目数

平均年収

1科目

350~420万円

2科目

360~450万円

3科目

450~500万円

4科目

450~550万円

 

合格科目数が増えるほど年収も高くなる傾向です。

特に2科目合格までと3科目合格以上では平均年収に大きな差があることがわかります。

 

なお国税庁の「令和6年分 民間給与実態統計調査」によると、日本全体の平均給与は478万円でした。

合格科目数3科目以上であれば、税理士資格を取得していなくても日本の平均給与を超える可能性が高いといえるでしょう。

科目別|合格者の転職先と有利なポイント

税理士試験科目合格者の転職マーケットは、前述した通り会計事務所の求人が多く占めますが、その他に一般企業の経理や財務部門にも求人があります。

一般企業では、どのような経理経験があるのかという実務中心の採用となるのが一般的です。

書類選考や面接において、科目合格をしていることに一定の評価を受ける可能性があるかもしれませんが、経理の実務経験が重視されます。科目合格は強い武器というよりも、科目合格の勉強過程で得た高度な知識を、実務にどのように反映できるかが選考のポイントとなってくるでしょう。

簿記論・財務諸表論の合格者:経理職や会計補助業務に強み

簿記論と財務諸表論は、経理業務に携わる方にとって、実務にも直結する有益な学習内容であることと、受験をする方の多くが経理業務のバックグラウンドを持っていることを背景に、毎年、多数の受験者がいます。

これらの科目は、学習項目の内容を鑑みると、簿記1級と同等かそれ以上の価値がありますので、会計事務所や一般企業の経理部門等に転職しやすくなります。

法人税法・所得税法・消費税法の合格者:税務業務に直結

法人税法や消費税法等は、法人クライアントの実務に直結する科目のため、即戦力として、会計事務所に転職できる可能性が高くなります。

所得税法は、個人事業者の課税所得計算、サラリーマンの住宅ローン控除、不動産売買や株式取引等にもかかわるため、個人のクライアントが多い会計事務所で重宝されるでしょう。

所得税法は個人に関する税法として見られがちですが、実務上は法人クライアントに関する給与に係る源泉所得税や、法人から個人に対する配当に関わる等もあります。

3科目以上の合格者:将来の税理士候補

転職を検討する科目合格者は、簿記論と財務諸表論に合格していることが多く、さらに法人税法あるいは所得税法に合格していれば、近いうちに税理士試験の合格者になる可能性が高いことが予想されます。

そのため、中堅から大手の会計事務所では、将来の税理士と期待された採用が多い傾向にあります。

一方、一部の中小規模の会計事務所では、科目合格者から在籍した後に晴れて税理士資格を有し、別事務所への転職や独立開業を機にクライアント流出の可能性を恐れ、税理士になる可能性が高い方を敬遠する事務所もあります。

しかしながら、会計事務所業界は長らく売り手市場の状態であることから人手不足に陥る会計事務所も多く、事務所の大小に関係なく転職しやすい状況はしばらく続くことでしょう。

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科目合格者が転職で後悔しないために意識すべき3つのこと

税理士試験の科目合格者は、転職する際に意識すべき内容について注意しなければなりません。

闇雲に転職してしまうと、せっかくの科目合格を活かしていくことが出来ない場合もあるので、慎重に転職先について検討しましょう。

 

スキルと経験の見直し

科目合格者が転職する場合には、応募企業に対するアピールの方法を模索していくのがポイントになってきます。

相手を無視した主観的なアピールではなく、自分を俯瞰してみて客観的に評価対象となるスキルや経験を模索しておかなければなりません。

応募企業の経営状況を把握すると、どのような人材を募集しているのかが見えてくるので有用です。

応募企業で活用できる自分のスキルや経験を、積極的にアピールしていくと評価して貰える可能性が高まります。

税理士像に合わせた職場選択

税理士と言っても、多様なキャリアパスがあるので将来なりたい税理士像を明確にしていく必要があります。

税理士として、どのような業務に従事していきたいのか、専門性について考えておくのが賢明です。

会計事務所や税理士法人に勤務するだけではなく、独立の意向があるのか、一般企業で働くつもりなのかは大きな違いと言えます。

企業によって専門性が異なるので、自分の歩んでいきたいキャリアパスを想像して職場を選択するのが大切です。

一般企業へ転職する際は理由を明確化

税理士試験の科目合格者は、試験を通じて学習する体制が整っているので、一般企業でも活躍していけます。

一方で、税理士試験を受験している人は税理士として会計事務所に勤める場合が多いので、一般企業へ転職する理由を明確にするのも重要です。

経理部門だけではなく、経営企画部門でも税理士試験で獲得した知識を活用していくことができます。

自分が合格している科目の学習で得た知識が、企業でどのように活きてくるのかを考えておかなければなりません。

転職エージェントの活用

応募企業に有効なアピールは、応募企業における経営状況の情報を正確に掴んでいく必要があります。

一方で、転職活動を行いながら応募企業の経営状況を正確に掴んでいくのは難易度が高いです。

転職エージェントをうまく活用すると、オウンドメディアに載ってないような、入手しづらい応募企業の情報を得ることもできます。

「見えない情報」を掴んでいくと、応募企業において顕在化していないニーズを把握できるので有益です。

転職エージェントの力を借りれば、効率的な転職活動ができるので、自分に最適な企業に出会える可能性も高まります。

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まとめ

税理士試験の科目合格制度は、医師や弁護士と異なり、一歩ずつ着実に前へ進むことができる試験となっています。

 

職場や家庭等の環境の変化により、一時的に試験勉強を中断することがあるかもしれませんが、あきらめずに継続することで、税理士試験の合格者を目指すことができます。

そして、その先のキャリアプランを大きく前進させることが期待できるでしょう。

 

税理士試験の科目合格は、計画的に学習をしていけるので社会人が税理士を目指すのに適した制度です。
科目合格者は、適切にアピールできれば評価して貰えるので、仕事の幅は大きく広がっていきます。
キャリアアップを目指して転職する場合には、科目合格で得た内容と企業のニーズを正確に把握していかなければなりません。
自分だけで転職活動をするのが不安な人は、転職エージェントを活用すれば自分の強みを客観的に探して貰えるので、最適な企業への転職に繋がります。

 

Profile レックスアドバイザーズ

公認会計士・税理士等の有資格者をはじめとする会計人材専門特化した人材紹介会社。
■公認会計士・税理士・経理の転職サイトREX
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■株式会社レックスアドバイザーズ
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