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公認会計士のキャリアスタート!1年目の年収とその後のキャリア形成

更新日:2025.10.10

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公認会計士のキャリアスタート!1年目の年収とその後のキャリア形成
本記事の要約

本記事で説明する内容は以下のとおりです。

  • 公認会計士のキャリア1年目のスタートと働き方
  • 監査法人における公認会計士1年目の年収
  • 公認会計士資格取得後のキャリアパスと年収変化

公認会計士試験はとても難易度の高い試験です。
晴れてこの試験に合格したとして、その後のキャリア形成はいったいどうなっていくのでしょうか。

より具体的には、いったいいくら給料がもらえるのでしょうか。
就職1年目から順に解説をします。

公認会計士のキャリア1年目とは

公認会計士に合格すると、どういった手順でキャリアをスタートさせていくことになるのでしょうか。
まず、大まかな流れについて説明します。

公認会計士試験の仕組み

公認会計士試験は短答式と論文式試験に分かれていて、短答式に合格した人のみ論文式試験に進めます。
論文式試験は毎年8月に実施です。
合格発表は同年の11月中旬に行われます。

公認会計士試験合格者の就活は合格がわかる11月中旬からスタートし、12月には就職が決まります。

監査法人の定期採用について

監査法人はこの試験合格者の就活ペースに合わせ、11月に定期採用の募集をかけます。
そして12月に内定が出て、翌年1月か2月には入社式と慌ただしいスケジュールで就職が決まっていきます。

公認会計士のキャリア第一歩は監査法人が多い

公認会計士試験合格者の9割が監査法人からキャリアをスタートさせます。
監査法人が公認会計士試験の合格発表に合わせて定期採用を始めることが一因です。

また詳細は後ほどお伝えしますが、公認会計士資格を取得するには実務経験が3年以上必要なため、この実務要件を満たすために監査法人に入るという人が多いです。
監査法人は昨今の監査業務増加により人手不足となっており、かなり就職しやすい状況になっています。

毎年の採用人数はBIG4と呼ばれる監査法人大手で、合計1,000名ほどになります。
2022年の会計士合格者数は1,400人ほどのため、合格者の多くがBIG4に就職していることがわかります。

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公認会計士の監査法人1年目の年収

alt="公認会計士の監査法人1年目の年収グラフ

監査法人に入るとして、やはり気になるのは給料でしょう。
実際の監査法人初任給について、BIG4監査法人とそれ以外の監査法人で比較をしながら説明します。

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監査法人1年目の仕事

監査法人1年目では、まず1ヶ月ほどを研修に費やします。

その後現場に配属されるのですが、配属となる2月から3月はちょうど3月決算企業の第3四半期監査の時期になります。
そのため、監査法事1年目の新人はまず第3四半期の現場を担当することが多いです。

仕事は主に、四半期報告書の誤字・誤植チェックというところから始まります。
最初に担当する調書としては、現金預金やその他資産負債、人件費といった勘定の調書の作成をまかされることになります。

監査法人1年目の年収:BIG4の場合

BIG4の場合の1年目初任給は月収で30万〜35万円ほど。
賞与は年2回で3ヶ月分ほどとなります。

つまり単純計算で初任給の年収はおよそ500万円となります。
(各監査法人で多少の違いはあるので必ず確認してください)

日本の20代平均年収が200万台後半〜300万台後半となりますので、一般企業の初任給と比べ200~300万以上高い計算になります。

監査法人1年目の年収:準大手・中堅監査法人の場合

準大手・中堅監査法人での初任給はおよそ30万円。
BIG4と遜色ないことが多いです。
賞与はおよそ2か月ほどで、年収だと400万円ほどになります。

基本的に初任給はBIG4の方が高いですし、キャリアを積み上げていくと、BIG4と準大手・中堅との給与の差はより大きく開いていきます。

監査法人の給与における残業代

残業代はもちろん出ますが、BIG4監査法人ではかつて「残業時間を実際よりも少なく申請する」ということがありました。
しかし働き方改革も進み、国際会計ファームの一員としてそのようなことは許されませんので、今は正確に残業時間を申告して残業代が支給される文化となっています。
準大手・中堅監査法人も同様です。

公認会計士の働く環境はめざましく改善されています。

監査法人1年目の手取り額はいくら?

監査法人1年目の公認会計士の手取り額は、月収で24万円から28万円程度が目安となります。

大手監査法人(BIG4)では、初任給が月額30万円から35万円程度に設定されていることが多いです。

高額に見えますが、ここから所得税、住民税、社会保険料などが控除されることに注意しましょう。

準大手・中堅監査法人の場合は、月収約30万円、手取りが24万円程度というところが平均値になります。

ただし、残業代は別途加算されるケースを加味すると、手取り額が思ったより多い可能性もあります。

実際に受け取ってみたときのギャップは、それぞれの状況によってさまざまです。

ただ、一般的な大卒の初任給と比較しても高い水準であることは間違いありません。

公認会計士がプロフェッショナルであるという証左でもあります。
キャリアをスタートする上で、年収は大きな魅力の一つと言えるでしょう。

公認会計士の資格取得まで

公認会計士の資格を実際に取得するまでの道のりと、資格を取得した後の待遇について解説します。

修了考査までの道のり

公認会計士の論文式試験に合格してから、実際に公認会計士の資格を取得するためには様々な要件があります。

大まかに言うと

  1. 実務経験(業務補助等)3年
  2. 実務補修所で必要単位を取得し(通常3年かかる)、最後に修了考査という試験に合格する。

 

仕事をして実務経験の要件を満たしつつ、実務補修所に通うことになります。
監査法人1年目では実務補修所の授業や試験、課題提出がかなり多く、忙しい一年を送ることになります。
監査法人では実務補修所に行くために業務時間を調整してくれるため、単位が取りやすいです。

修了考査の合格率は49%ほどと、2人に1人は落ちる計算のため、考査の対策はしっかりとしておく必要があります。
監査法人だと試験1~2週間前から試験休暇をとることが可能ですので、勉強をしやすいとも言えるでしょう。

正式に資格取得の際の監査法人でのポジション

正式に公認会計士資格を取得することがスタッフからシニアへの昇格条件となっている監査法人がほとんどです。
インチャージとして現場を回すことができ、かつ公認会計士資格を取得するというのがシニアの条件になります。

例えば修了考査に落ちてしまい、公認会計士資格がとれなかったということになると、シニアへの昇格が一年遅れることになってしまうため、修了考査は確実に合格していきたいものです。
また、公認会計士資格をとるための必要書類はかなり多く、それを集めるだけで2~3ヵ月かかることもあります。

資格申請は早め早めを意識してやっていくのがいいでしょう。

シニアスタッフの年収

シニアに昇格すると、BIG4、準大手・中堅監査法人共に700~800万円ほどの年収となり、大幅な給与アップができます。
基本給が高くなることから残業代もアップし、シニア3年目ぐらいから、残業込みで年収が1,000万円を超える人もいます。

シニアは現場のインチャージ業務を中心に行っていくハードな仕事であり、残業も多く発生します。
また、必要な会計知識も増えてくるため、自分で学習していくことももちろん必要です。
業務が大変になっていくのにつれて、給料も上がっていきます。

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公認会計士のその後の年収

公認会計士資格を取得したあとには、様々なキャリア形成パターンがあります。
ここでは、キャリアの例と、その年収について解説していきます。

監査法人でキャリアアップした場合

監査法人の離職率というのはかなり高く、7年で50%がやめていくと言われています。
勤務年数が長くなるにつれて監査の責任が重くなっていくのに対し、年収が比例して上がっていかないと感じるのが大きな理由です。

とはいえ、監査法人で出世し、パートナーを目指すというのも立派な選択肢の一つですし、監査法人の給与は一般企業に比べ高いです。
キャリアアップをしていった場合、シニア→マネージャー→シニアマネージャー→パートナーと職階が上がっていきます。

マネージャーの年収は800~1,000万円、シニアマネージャーで1,000~1,200万円です。
個人的にこの期間が一番つらいと感じています。

というのも、マネージャー以上では管理職という扱いになり、残業代がつかないからです。
シニア時代の方が残業代をマネージャーより多く稼いでいた、という話をよく耳にします。

パートナーになると、初年度から年収1,200~1,500万円、大企業の監査を担当すると、2,000万円以上になります。
パートナーになるには入社15年〜18年程度の期間が必要になります。

コンサルティングファームに転職した場合

会計士の知識を活かして会計コンサルタントになる、という道もあります。
資金繰りや業務効率化、M&Aといった分野に関してコンサルをしていく道になります。
この場合、年収は700~1,000万円となっています。

また、会計や財務に関するアドバイザリー・コンサルティングを実施するFASに転職すると、30歳前後で年収700~900万円が目安です。
FASは監査法人に比べ年収が高くなりやすいのですが、同時に監査法人以上の激務となる可能性が高い仕事です。

一般企業に転職した場合

公認会計士が一般事業会社に転職した場合、経理や経営企画、内部統制室に配属されるのが一般的になります。
この場合の年収は400~800万円で、配属される部署や勤める会社の規模により年収が大きく変わってきます。

経理担当400万円~、経営企画や内部統制室だと500万円~となります。
ただし、マネジメント経験が必要な役職になると、年収700万円~とグッと給料が上がります。

また、外資系企業であれば、経理職の平均年収は600~900万円、マネージャー職につけば年収1,000万円超が望めます。

独立開業した場合

会計士で独立開業を目指す方は一定数いらっしゃいます。

王道のパターンとしては、税理士登録をして税務業務をベースとして行い、IPOやM&Aといったコンサルティング・会計コンサル(決算業務支援やIFRS支援など)といった分野でサービスをするという独立となります。

独立した会計士の年収は1,000~3,000万円と言われています。
もちろん独立開業の場合は最低限の年収が保障されているわけではありません。
うまく顧客獲得ができてくるかで、この年収水準を大きく下回る、あるいは上回るといったことも生じます。

 

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よくある質問

公認会計士試験に合格した人は、まずどこでキャリアをスタートさせることが多いですか?

公認会計士試験合格者の約9割は、監査法人からキャリアをスタートさせます。
公認会計士資格取得に必要な3年以上の実務要件を満たすためです。

監査法人に就職した公認会計士の1年目の年収はどれくらいですか?

BIG4監査法人では年収およそ500万円、準大手・中堅監査法人では年収400万円ほどが目安です。
これは一般企業の初任給に比べ、200〜300万円以上高い計算になります。

公認会計士の資格を正式に取得するために、論文式試験合格後に何が必要ですか?

論文式試験合格後、3年間の実務経験と実務補習所で必要単位を取得し、最後に修了考査に合格する必要があります。
修了考査の合格率は約49%です。

まとめ

公認会計士試験合格者は、1年目は監査法人に入る人が約9割です。

監査法人1年目でも、月収30万円前後、年収400万円以上というケースが多いようです。

7~10年ほど勤めてマネージャーまで昇格できれば年収1000万円前後、高年収を達成できるでしょう。

比較すると、一般事業会社の非マネージャー職で年収450万円、マネージャー職で年収700万円といったところです。

やはり監査法人は一般事業会社に比べて給料が高いです。

しかしそれ以上に監査の責任も増えていきます。

 

ただし、監査法人は7年以内に50%以上が辞め、一般事業会社などに就職する、というパターンもよくあります。

単に年収だけでは考えずに、自分がどうしたいのかを念頭にキャリアを築いていくことが重要です。

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