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監査法人への就職・転職の志望動機の書き方を解説!【大手・中小・未経験別例文付き】

更新日:2025.06.24

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監査法人への就職・転職の志望動機の書き方を解説!

監査法人への就職・転職を成功させるためには、採用担当者に響く説得力のある志望動機が不可欠です。

しかし「なぜ監査法人を選んだのか」「どのような価値を提供できるのか」を具体的に表現するのは簡単ではありません。実際に多くの応募者が志望動機で悩み、差をつけられずにいるのが現状です。

 

今回は監査法人への就職・転職の志望動機の書き方を解説します。

この記事を読んで、採用担当者から採用したいと思ってもらえる志望動機が作成できるようになりましょう。

監査法人への就職・転職でおすすめの志望動機

監査法人への就職・転職の際には、なぜ監査法人で働くのかその理由を説明しなければなりません。

監査法人の社会的意義を踏まえた志望動機を書けるようにすることが、採用されやすい志望動機となります。

 

ここでは、監査法人への就職・転職でおすすめの志望動機について具体的に解説していきます。

資格を生かした専門性の高い仕事だから

監査法人で働いている人の多くは、公認会計士の資格を有していたりと、多くの専門人材が雇用されています。

監査法人での仕事は、様々な専門性が必要となっています。

 

そのため、資格という自身の専門性を生かして会社の業務に貢献したいというように、志望動機を作成すると、会社にとって必要な人材であるようにアピールできます。

上場企業の経営の役に立つことができるから

上場企業の経営に役立つことができるという志望動機は、監査法人において定番の志望動機です。

しかし、監査法人は上場企業の経営者と対等な立場で議論ができる数少ない会社の一つですから、監査法人に就職・転職したい志望動機としては十分です。

 

経営に役立つと言っても幅広いので、自分の具体的な専門性を生かして、上場企業の経営に役立ちたいと志望動機を構成すると良いでしょう。

女性が長く活躍できる仕事だから

監査法人では、現在、女性の公認会計士を数多く採用しています。

公認会計士協会でも、女性の採用を推奨しており、女性の働きやすい職場環境の構築を呼びかけているところです。

そうした社会環境の変化もあり女性が活躍できる場として監査法人は変化してきています。

 

このような状況を踏まえて、志望動機に女性が長く活躍できる仕事であることをアピールするようにすると、現在の監査法人が重視している採用ポイントと合致するため、採用の可能性が高くなります。

 

多様性のあるフィールドで活躍できるから

監査法人には、監査だけでなく、様々な仕事がクライアントから舞い込んできます。

したがって、監査法人で働く人材には高度な専門性だけではなく、様々なバックグラウンドを持つ人が所属しています。

 

監査法人には様々な仕事があるため、活躍できるフィールドも多様に用意されています。

そんな監査法人の仕事に魅力を感じたため、監査法人を志望したというのも、採用担当者にとって魅力的に映る志望動機となりえます。

 

関連記事:公認会計士のキャリアスタート!1年目の年収とその後のキャリア形成

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監査法人への志望動機を作成するためのステップ

監査法人への志望動機を作成するうえでは、上述のようなポイントを押さえておくことが必要です。

その上で、実際に監査法人への志望動機を作成するためのステップを理解しておくことが大切となります。

 

そこで、以下では志望動機の作成プロセスを説明していきます。

今後のキャリアプランを明確にする

監査法人への就職・転職を考える際、自身の将来的なキャリアプランを明確にすることは非常に重要です。

どのような監査法人でどのような経験を積み、将来的にどのような専門性を持つ公認会計士になりたいのか。

具体的なビジョンを描くことで、志望動機に深みと説得力が生まれます。

自分のキャリアプランを明確にすることで、どの監査法人に自分が合っているかを判断できるようになります。

 

監査法人ごとの特色を把握する

次に、監査法人ごとの特色を把握します。

大手、中小、あるいは特定の分野に強みを持つ監査法人など、各法人には明確な特色があります。

監査法人ごとにどのような特徴を持っているのか、業務内容や取引先などを徹底的に調べていきます。

たとえば、監査法人であれば、代表的な上場企業のクライアントにどんな企業があるのかは把握しておくべきです。

クライアントがわかれば、その監査法人がどの業界に強いのかも理解できるようになります。

応募先の規模、得意分野、企業文化などを事前に詳しくリサーチし、「なぜこの法人でなければならないのか」を具体的に述べられるよう準備しましょう。

監査法人ごとの特色を把握することで、自身の専門性や資質に合わせて志望先を考えられるようになります。

応募する監査法人が求める人材像を理解する

上記で説明した監査法人ごとの特色を踏まえて、応募する監査法人がどのような人材を求めているかを考えていきます。

各監査法人は、採用サイトや求人情報で「求める人材像」を提示しています。

これらの情報を参考に、自身の強みや経験がその人材像とどのように合致するのかを志望動機に盛り込むと非常に効果的です。

 

例えば、製造業に属するクライアント企業が多い監査法人の場合、製造業の業種特性を理解した人材の方が比較的採用されやすいでしょう。

自分のバックグラウンドや専門性が会社の採用したい人物像に合っていないと、担当者としては採用しにくくなってしまいます。

監査法人ごとの特色を踏まえて、自分の人物像をしっかりと調整して志望動機を作成することが大切です。

 

関連リンク:監査法人への就職・転職で学歴は関係ない?

これまでの経験やスキルを棚卸しする

監査法人が求める人物像を理解したら、次は、その人物像に合うような経験やスキルとしてどのようなものがあるかを考えていきます。

いきなり特定の経験やスキルを見つけ出すのは難しいため、まずは自分がどんな経験を持っているか、あるいはスキルを持っているかを把握することから始めましょう。

これまでの職務経験やスキルの中から、監査法人での業務に活かせるものを具体的にリストアップします。

会計知識、PCスキル、コミュニケーション能力、論理的思考力といった直接的なスキルはもちろん、プロジェクト管理能力や課題解決能力なども強力なアピールポイントになります。

これらは自分の強みや弱みを理解するうえでも大切です。

 

経験やスキルの棚卸しをしたら、次は応募先で使える経験・スキルが何かを考えていきます。

応募先で使える経験・スキルを明らかにする

棚卸しした経験やスキルの中から、応募する監査法人の特色や求める人材像に最も合致する点を絞り込み、アピールポイントを明確にしましょう。

たとえば、税理士法人などで製造業の記帳業務を担当していたという経験は、監査法人において製造業の記帳が正しく行われているかどうかの監査に役立つ知識であると考えられます。

 

一方で、PCスキルのような汎用性の高いスキルは、監査法人でどのように役立つのかをしっかりと考えて志望動機に反映しなければなりません。

 

自身の経験が監査法人でどのように活かせるのかを具体例を交えて説明することで、採用担当者はあなたが即戦力となり得るイメージを明確に持つことができます。

 

関連記事:【公認会計士・税理士】履歴書の書き方とマナー!資格や志望動機に書くべき内容・NG内容を解説

監査法人への就職・転職でNGな志望動機

監査法人での就職・転職の際には、会社に自分が何らかの貢献ができることをアピールするべきです。

会社への貢献の前に、志望動機として自分をアピールするのはNGとなります。

 

以下では、どのような志望動機がNGであるのか、具体的に解説していきます。

自分を成長させたいから

監査法人を志望する動機として、自分を成長させられるからという方は多いです。

しかし、監査法人で働く多くの人は、公認会計士の資格を有する人材です。

公認会計士を含む士業で活躍する人は、当然、自分で様々な勉強をしてスキルや知識を高めています。

つまり、監査法人において、自分を成長させるということは仕事の前提に過ぎないのです。

自己成長への意欲は重要ですが、「成長したい」という漠然とした志望動機だけでは不十分です。

「どのような経験を通じて、どのように成長し、それが監査法人にどう貢献できるのか」まで具体的に示す必要があります。

給与や条件が良いから

給与や福利厚生は転職において重要な要素ですが、志望動機として前面に出すのは避けるべきです。

企業側は、自社への貢献意欲や仕事への熱意を見極めたいと考えています。

採用担当者からみれば、給与面や条件面が悪くなれば会社に不満を持つ人材になってしまうと見なされやすくなるからです。

監査法人には、給与面や条件面で劣っていても魅力的なところは数多くあります。

そうした監査法人に給与面や条件面を押し出して志望動機を作っても、採用担当者が採用したい人材とは思えないでしょう。

前職の不満があったから

前職に不満があったため監査法人を志望する、というのも望ましくない志望動機の一つです。

会社に対する不満があるのは、どんな組織であれ同じです。

前職への不満が転職理由であったとしても、それを志望動機で述べるのは避けるべきです。

ネガティブな印象を与えかねません。

新しい環境で何を成し遂げたいのか、ポジティブな理由を強調して伝えることが重要です。

 

加えて、この志望動機では、監査法人を志望した理由を説明していません。

そのため、採用担当者からみれば、質問の趣旨と違う答えを回答していると判断されてしまうでしょう。

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【例文あり】ケース別の志望動機作成例

ここでは、ケース別の志望動機作成の例文をご紹介します。

ご自身の経験やキャリアプランに合わせて適宜修正し、あなたらしい言葉で表現することが重要です。

1. 大手監査法人への応募例文

大手監査法人では、大規模クライアントの監査や多岐にわたる専門分野に関与できる点が魅力です。

自身の専門性と成長意欲をアピールしましょう。

 

例文:

私が貴法人を志望する理由は、グローバル企業の監査業務を通じて、国際的な会計基準や監査手法を習得し、多様な業界での専門性を深めたいからです。


前職では製造業の経理部門で5年間、連結決算や開示業務に従事してまいりました。特に海外子会社との連結処理や、IFRS導入プロジェクトに携わった経験から、グローバル基準での財務報告の重要性を実感いたしました。


貴法人では、大手クライアントの監査に携わることで、これまでの経験を活かしながら、より高度で複雑な監査業務に挑戦したいと考えております。また、貴法人が推進されているデジタル監査やデータアナリティクスの分野でも、IT知識を活用して貢献できると確信しております。


将来的には、海外赴任も視野に入れながら、国際的に活躍できる監査のプロフェッショナルとして成長し、貴法人の発展に寄与したいと考えております。

 

中小監査法人への応募例文

中小監査法人では、クライアントとの距離が近く、より深い関係性を築きながら、多様な業務に携われる機会が多いのが特徴です。主体性やクライアントへの貢献意欲を強調しましょう。

 

例文:

私が貴法人を志望する理由は、クライアント一社一社と密接な関係を築きながら、幅広い業務経験を積むことで、公認会計士としての総合的な実力を身につけたいからです。


大手監査法人での3年間の経験を通じて、監査の基礎スキルは習得いたしましたが、より多様な業種・規模の企業と関わり、経営者の方々と直接対話する機会を求めるようになりました。貴法人では、上場準備企業の支援から中小企業の税務相談まで、ワンストップでサービスを提供されており、私の目指すキャリアビジョンと合致しております。


特に、地域密着型の企業支援に注力されている貴法人の理念に共感いたします。前職で培った監査スキルに加え、簿記1級と税理士科目合格の知識を活かし、クライアントの成長を多角的にサポートしたいと考えております。


将来的には、経営コンサルティングの分野でも専門性を高め、地域経済の発展に貢献できる会計のプロフェッショナルとして成長していきたいと思います。

未経験からの応募例文

未経験からの応募の場合、これまでの経験から得た強みが監査業務にどう活かせるか、そして監査業界への強い意欲と学習意欲を示すことが重要です。

 

例文:

私が監査法人への転職を決意した理由は、企業の健全な成長を財務面からサポートする監査業務に、強い使命感と魅力を感じたからです。


前職では営業職として5年間、様々な業界のお客様と接してまいりました。その中で、企業の財務状況や内部統制の重要性を実感し、会計・監査の専門知識を身につけて、より本質的な企業支援に携わりたいと考えるようになりました。


現在、公認会計士試験の学習を進めており、短答式試験に合格済みです。また、簿記1級も取得し、会計の基礎知識は身につけております。前職で培ったコミュニケーション能力や課題解決スキルを活かし、監査チームの一員として貢献したいと考えております。


未経験からのスタートとなりますが、持前の学習意欲と責任感をもって、一日も早く戦力として活躍できるよう努力いたします。将来的には公認会計士資格を取得し、監査のプロフェッショナルとして企業価値の向上に寄与したいと思います。

 

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まとめ

監査法人への転職・就職を成功させるためには、「なぜその監査法人なのか」「どのような価値を提供できるのか」を具体的に示すことが重要です。

上記の例文を参考に、あなた自身の経験や強みを織り交ぜながら、オリジナルの志望動機を作成してください。大手監査法人ではグローバルな視点と専門性を、中小監査法人では多様性と地域貢献を、未経験の場合は学習意欲と将来性をアピールするのが効果的です。

採用担当者が「この人と一緒に働きたい」と思える志望動機を作成し、監査法人でのキャリアをスタートさせましょう。

Profile レックスアドバイザーズ

公認会計士・税理士等の有資格者をはじめとする会計人材専門特化した人材紹介会社。
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