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監査法人に未経験でも転職できる?転職を成功させるためのポイントを解説

更新日:2025.07.03

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監査法人に未経験でも転職できる?転職を成功させるためのポイントを解説

監査法人は、未経験でも転職できるのでしょうか。
公認会計士の多くは監査法人からキャリアをスタートさせます。
会計のプロフェッショナル集団である監査法人。

業務内容や年収について、未経験でも転職可能なのかどうか、監査法人の規模などを踏まえながら解説します。

そもそも監査法人とは?

監査法人と一口に言っても、規模によって業務内容や年収などが違います。
まずは、監査法人の種類について解説します。

上の図でご紹介したように、Big4、大手監査法人、中小監査法人の大きく3つに分類されます。

Big4(最大手の監査法人)

Big4とは、世界的に展開する4つの大手監査法人(EY新日本有限責任監査法人、有限責任監査法人トーマツ、有限責任あずさ監査法人、PwC Japan有限責任監査法人)を指します。
主に上場企業や大手企業、グローバル企業の監査を担当する法人です。

財務諸表の適正性を保証する監査業務に加え、M&A支援やリスク管理、コンサルティングなど幅広いサービスを提供します。
国際的な基準に基づいた監査を実施するのが特徴で、主にチームで業務を行います。

業務遂行にあたっては幅広い知識や経験、コミュニケーション能力が求められます。


大手監査法人

大手監査法人は、Big4に次ぐ規模を持ちます。
主に担当するのは国内の上場企業や大手非上場企業の監査であり、準大手監査法人とも呼ばれます。

企業との関係が深く、IPO支援や財務アドバイザリー業務を提供することも多いです。Big4ほどの国際的なネットワークは持たないものの、企業の財務透明性を確保するための監査業務は、会社の経営上、非常に重要です。
大手監査法人は国内市場において重要な役割を果たしていると言えるでしょう。

中小監査法人

中小監査法人は、地域密着型の監査法人です。
主なクライアントは中小企業で、法定監査や税務関連業務を中心に活動しています。
クライアントとの距離が近く、柔軟な対応が可能であることが特徴です。
監査業務に加え財務コンサルティングや経営支援を行うこともあります。

実は日本企業のほとんどを占める中小企業。
その成長をサポートする、重要な役割を担っています。

規模が小さいため、様々な業務で経験を積むことができます。
ただし、繁忙期には業務負担が大きくなることもあるので注意が必要です。

監査法人の業務内容

続いて、監査法人の具体的な業務内容について解説します。
監査法人は、公認会計士法に基づき設立される法人です。
先に述べたように主な業務は企業の財務諸表の適正性を確認する監査業務であり、監査対象によってその内容はやや異なります。

関連記事:
監査法人の仕事内容とは?公認会計士の主な業務や年収・Big4について解説

監査業務

主な業務となる監査業務は、企業の財務諸表の適正性を独立した立場で検証し、粉飾や誤りがないことを保証するものです。
公認会計士が帳簿や証憑書類に齟齬・粉飾などがないか確認し、内部統制の評価や実地棚卸の立会などを行います。
特に上場企業や一定規模以上の企業には法定監査が義務付けられています。

監査法人は正確な監査を行うことで、投資家や金融機関の信頼を確保する重要な役割を担っているのです。

コンサルティング業務

監査法人のコンサルティング業務は、専門である財務・会計分野を中心に企業の課題解決を支援するものです。
経営戦略策定、M&A支援、内部統制構築、情報セキュリティ対策などが含まれます。

監査業務には様々な知識が必要です。
その培った知識を活かし、企業の財務健全性向上やリスク管理強化をサポートします。

ただし、監査の独立性を確保するため、監査クライアントへのコンサルティング業務には一定の制限があります。

監査法人の平均年収

続いて、監査法人の年収について解説します。
一般的に初年度から高年収と言われる監査法人の年収。

実際にはどれくらいなのでしょうか。

大手監査法人

大手監査法人(BIG4含む)の平均年収は約700万~1,000万円と言われます。
年収は役職が上がるにつれて増加します。

スタートとなるスタッフは500万~650万円。
マネージャーは800万~1,200万円、パートナーの会計士は1,500万円以上となることが一般的です。

中小監査法人

中小監査法人の場合、大手よりも年収は下がる傾向です。
スタッフは400万~550万円(シニアスタッフの場合は500万~650万円)、マネージャーは800万~1,000万円、パートナーの場合は1,300万円~が主な相場と言われます。

ただし中小のほうがワークライフバランスなどが充実している場合が多く、転職を考える際にはトータルで考えることをおすすめします。

監査法人への転職事情は?

国内の監査法人は、採用している公認会計士の数に応じてBig4と呼ばれる外資系の最大手監査法人から、中堅規模の監査法人まで様々です。
一般的に大手の監査法人の求人ハードルは高く、たとえば20代から30代の採用が中心となること、原則として公認会計士の論文試験合格者、あるいは有資格者であることとされています。

外資系クライアントがあるため相当の英語力が必要とされる場合もあります。

業務範囲は大手と中堅規模で異なる場合があります。

大手では大企業をクライアントとするため数名から十数名のチームで対応することになります。
ここの担当者は個別項目を深く掘り下げて理解し課題を抽出することに専念します。

中堅規模の監査法人では、大手の監査法人と異なり、チームの人数は少なくなることから、個々の担当者が幅広く業務を請け負うことになります。

 

監査法人の採用動向

近年、監査法人は積極的に採用を行っています。
この背景には、上場企業で四半期決算の開示がある(レビュー業務)、内部統制(J-SOX)の拡充、IPO(新規公開)件数の増加などがあり、対応する人員が不足しがちなためです。

監査法人の採用は定期採用、不定期採用が混在しています。
定期採用は、主に公認会計士の論文試験合格者を一斉に採用するもので、合格発表にあわせて各法人が説明会や選考会を実施して決定し、1~3月に一斉に入社します。

転職サイトを確認すると大手Big4監査法人では公認会計士、会計士補助者、コンサルティング向けの専門的な経験を保有する方にむけて常時採用活動を続けています。
これが不定期採用にあたります。

未経験でも監査法人へ転職するには

公認会計士の資格があることが前提

監査法人の主業務である法定監査業務は、公認会計士法にもとづく独占業務です。

その業務の都合上、公認会計士の有資格者あるいは公認会計士の論文試験合格者が積極的に採用されます。

 

一般企業で公認会計士の資格を取得したという人もいるかもしれません。

監査法人へ転職を目指す場合は会計業務の未経験者に比べて実務経験がある点で採用が有利になる可能性があります。

 

ただし、監査業務は未経験で、他の候補者と比べて年齢面でもハンデがある場合、書類選考の通過が難しくなることが考えられます。

公認会計士の資格がなくても転職が可能な場合

監査法人にはアドバイザリー業務のように、公認会計士資格がなくても可能な業務があります。

高度な専門領域(M&A、企業統合、買収など)の実務経験が求められる傾向です。

 

公認会計士やUSCPA(米国公認会計士)の資格がなくても転職が可能になる時もありますが、採用後に一定期間の間でこれらの資格を取得することが要求されます。

監査法人のハードな業務環境で試験勉強を継続することは易しくありませんので留意が必要です。

監査法人の位置づけを知ろう

最大手の監査法人(EY新日本有限責任監査法人、有限責任監査法人トーマツ、有限責任あずさ監査法人、PwC Japan有限責任監査法人)は、全て世界的な会計ネットワークと提携しています。

監査法人の中でも「最大手(Big4)」と呼ばれ、事務所の公認会計士職員は数百人単位規模で所属しています。

 

「公認会計士・監査委員会」は、大手監査法人の定義を「上場企業の担当100社以上・常勤監査実施者1000名以上」としており、これらに合致する規模の監査法人です。

国内の最大手企業、外資系の世界的な企業で日本に進出している子会社、個別の案件を取り扱います。

クライアントから支払われる監査報酬は高額になり、その扱う業務の難易度も高いです。

優秀な公認会計士を欲していることは間違いないでしょう。

中堅~中小規模の監査法人では、大手の監査法人が対応する大手上場企業とは異なり、より規模の小さな企業の監査業務を対応しています。

もちろん上場企業の金商法監査も多いですが、会社法監査、上場準備のための非上場企業の任意監査、上場企業の子会社に対する任意監査などの割合も多くなります。

 

中堅~中小規模の監査法人は大手の監査法人のようにほぼ常時採用活動を実施していません。

欠員補充など必要に応じて採用しているのが実情です。

 

この規模の監査法人では長年働いているベテラン、他の監査法人で経験を積んだ人が転職しているなど、様々なバックグラウンドを持つ人達で組織が構成されていることが多いです。

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3.監査法人へ転職後のキャリアプランは?

最大手の監査法人の場合

最大手Big4の監査法人や大手監査法人に転職した公認会計士は、監査法人のネームバリューが経歴として含まれることで、一般企業でも他の監査法人でも注目されるようになります。

この規模の監査法人で働くメリットは、高度な案件に対応できること、年収水準が比較的高いことが挙げられます。

 

誰もが知る日本を代表する企業との関わり合いや、業界で世界最大手の外資系企業の日本法人に携わる機会を得ることで、グローバルな視野で業務を対応しより大きな活躍の場を期待することができるでしょう。

監査法人内部で無事に昇進昇格を繰り返すことでパートナーにたどり着けば、魅力的な年収を手にする可能性が高いです。

 

大手の監査法人で働くデメリットは、クライアントの案件を多人数のチームで分担して監査するゆえに、特定分野に対しての業務の掘り下げになる傾向があります。

ジョブローテーションがあれば幅広く業務に対応することができるようになりますが、マネージャーやさらに上の立場にならないと案件全体像が把握しにくく、クライアントの責任者(CFOなど)との接点はほとんどありません。

中小規模の監査法人の場合

中小監査法人では、非常に複雑なビジネスモデルを持つクライアントは多くなく、監査業務が効率的に進められる場合があることから、大手監査法人と比べて業務量が少なくて済む傾向があります。

他のチームメンバーとの業務按分なども組織的に対応することができるため、女性の公認会計士が結婚や出産などで一時的に離職する場合でも、復職が難しくないことが多いです。

業務担当としてのメリットは、監査チームが比較的少人数であるため、様々な監査スキルを経験することが可能です。早い段階から裁量を与えられることでチームの責任者やマネージャーに昇格することを期待できるでしょう。

 

また、中小監査法人である程度経験を積んだ後に、大手監査法人に転職する人もいます。

大手監査法人では実務経験を持つ優秀な公認会計士をいつでも募集していますので、監査法人から監査法人へのキャリアアップにつながる可能性もあります。

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まとめ

監査法人への転職には、公認会計士試験に合格していることが基本になります。

そのうえで、自分が求める業務の幅や内容、業務量に見合った年収レンジを総合的に鑑みて、どの規模の監査法人へ転職すべきか検討することになります。

 

一般企業から最大手の監査法人へ転職する場合は、会計や実務経験のほかに、組織のマネジメント経験やM&Aの実務対応経験など、一定の経験が求められることに注意しましょう。

中堅監査法人は大規模な監査法人ほど募集要件を厳しくしていません。

査法人に勤めてみたいという方が最初に検討すべき事業者になるでしょう。

 

その場合に職位はスタッフレベルであったとしても、年収はシニア相当になることもあります。

監査法人内での役職や地位にこだわらず、何がやりたいのか、これまでの経験に照らしてどれくらいの年収を希望するのか、改めて整理整頓しておくことが大切です。

Profile レックスアドバイザーズ

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