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税理士になるまでにかかる期間は平均で5〜10年、最短でも2〜3年は必要です。
税理士登録をするためには税理士試験合格だけでなく、2年以上の実務経験という要件も満たす必要があります。
今回は税理士になるまでにかかる期間について詳しく解説します。
税理士になるには何年かかる?試験から登録までの流れ

税理士になるには以下2つの要件を満たす必要があります。
- 税理士試験に合格
- 2年以上の実務要件
1の税理士試験とは、税理士になるために必要な知識や実務能力を有するかどうかを判定する試験です。
科目合格制を採用しており、全11科目のうち、必須2科目・選択必須1科目・選択2科目の計5科目に合格する必要があります。
科目は「会計学に属する試験科目」「税法に属する試験科目」に分かれており、会計学に属する試験科目2科目が必須科目に該当します。
例年8月に実施され、チャンスは年に1回のみです。
2の通り、税理士になるには試験合格だけでなく実務経験の要件も満たす必要があります。
実務経験が2年以上と定められているため、税理士になるには最短でも2年は必要です。
実際のところ、税理士試験に合格するには最短でも2~3年、平均して5〜10年ほどかかります。
したがって、税理士になるまでにかかる期間は最短でも2〜3年、平均で5〜10年程度といえます。
税理士試験の受験資格
税理士試験の受験資格は会計科目と税法科目で異なります。
会計科目(簿記論・財務諸表論)の受験資格は令和5年に撤廃されました。
現在は会計科目に受験資格の定めがなく、誰でも受験可能です。
税法科目の受験資格は学識・資格・職歴の3区分があり、いずれか1つを満たせば受験できます。
高卒でも日商簿記1級取得または会計事務所で2年勤務すれば受験資格を得られます。
| 区分 | 主な要件 | 対象者例 |
| 学識 |
|
文系大卒、在学中の大学生 |
| 資格 |
|
高卒、理系出身者 |
| 職歴 |
|
経理経験のある社会人 |
税理士試験の出願時に、受験資格を満たす旨を証明する書類の提出が必要です。
税理士試験についてはこちらの記事でも詳しく解説しています。
税理士試験の試験科目と勉強時間
税理士試験は全11科目のうち5科目に合格する必要があります。
科目合格は生涯有効のため、同時に5科目を受験する必要はなく、1科目ずつの受験が可能です。
11科目のうち、簿記論と財務諸表論は必須科目に該当します。
法人税法と所得税法は選択必須であり、どちらか一方に合格する必要があります。
両方の受験も可能です。
その他の科目は自由に選択できるため、勉強のしやすさや興味で選ぶのも1つの手段です。
参考として、勉強時間の目安や各科目の特徴を紹介します。
| 科目 | 勉強時間目安 | 特徴 |
| 簿記論 | 400〜500時間 | 計算中心、基礎力が問われる |
| 財務諸表論 | 400〜500時間 | 計算50点、理論50点 会計基準の十分な理解が必要 |
| 法人税法 | 600~700時間 | 計算50点、理論50点 法人をメインクライアントとする場合には取得必須といえる |
| 所得税法 | 600~700時間 | 計算50点、理論50点 個人をメインクライアントとする場合には取得必須といえる |
| 相続税法 | 400~500時間 | 計算50点、理論50点 内容が複雑であり、理論の理解・暗記に時間がかかりやすい 計算問題はパターンに限りがあるため勉強は進めやすい |
| 消費税法 | 300時間 | 実務での必要性が高いため、選択科目の中では特に人気が高い 税区分(課税・不課税・非課税・免税)に関する深い理解が必須 |
| その他税法 | 150~250時間 | ボリュームは小さめ 興味のある科目や、ほかの科目と関連性が高い科目を選ぶのが良い (例:法人税法を選んだ場合は事業税、所得税法を選んだ場合は住民税 等) |
ただし科目選びでは「合格しやすさ」だけでなく、将来どんな税理士になりたいかを考慮すべきといえるでしょう。
キャリアを見据えた科目選びの考え方として以下の例が挙げられます。
- 相続税法→資産税特化事務所・富裕層向けサービスに有利
- 法人税法→一般企業・大手事務所で重宝される
- 消費税法→実務使用頻度が高く、どの事務所でも役立つ
税理士試験の合格基準と合格率
税理士試験の合格基準点は満点の60%です。
合格基準は国税庁の公式サイトに明記されています。
合格基準が明確に定められている以上、絶対評価の試験にみえると考える人も多いでしょう。
しかし税理士試験の合格率は会計2科目が20%前後、税法科目が15%と、毎年同じぐらいの水準を保っています。
試験の内容が難しい年も簡単な年も、合格率に大きな違いはありません。
したがって税理士試験は実質的には相対評価の試験であり、上位15〜20%が合格になるよう、配点が調整されていると考えられます。
正答率が60%を超えていても、配点が高い問題や多くの受験者が答えられる問題に回答できなければ、落ちてしまう恐れが大きいです。
なお、税理士試験の解答および配点基準は公開されません。
実務経験を経て税理士資格を得る
税理士登録には実務経験が必要です。
通算2年以上の実務経験が必須となります。
この実務経験には税務官公庁における事務のほか、その他の官公庁及び会社等における税務又は会計に関する事務が含まれます。
ただし、会計事務所で経理事務を行っていても、簿記の知識がなくてもできる簡単な事務や、電卓を使ってデータの入出力を行う簡単な事務は実務経験としてカウントされません。
試験に合格する前の期間のものであっても、実務経験として数えることができます。
税理士の求人
税理士登録にかかる費用
税理士登録は、必要書類を提出するだけではできません。
登録の際は、日本税理士会連合会に登録手数料、そして、登録免許税を国税として納めなけばなりません。
さらに登録手数料5万円・登録免許税6万円のほか、各地域の税理士会への入会金などが必要です。
登録料については、こちらの記事もご覧ください。
【属性別】税理士試験は何年で取れる?
税理士になるまでにかかる期間は、学歴やライフスタイルなどの属性によって大きく異なります。
この章では税理士試験合格までに何年かかるかについて、主な属性ごとの大まかな目安を紹介します。
大学生が税理士になるには何年かかる?
大学生が税理士になるまでにかかる期間は最短で4〜5年、一般的には5〜8年程度です。
前述のように、令和5年から会計科目(簿記論・財務諸表論)は受験資格の定めがなくなりました。
会計科目は大学1年生からでも受験可能です。
税法科目は大学3年次以上で62単位取得すれば受験資格を得られます。
大学2年次までに会計科目を取得し、3年次〜卒業までに税法科目3科目を取得すれば、在学中の合格も可能です。
しかし大学での勉強と税理士試験の勉強を両立するのは負担が重くなりすぎる恐れがあります。
在学中に2〜3科目合格し、卒業後に残りの科目の勉強と実務経験を並行して進めるのが効率的です。
大学によっては税理士試験対策講座を設けているところもあるため確認・活用すべきでしょう。
社会人が税理士になるには何年かかる?
社会人が税理士になるまでにかかる期間は一般的に6〜10年程度です。
働きながらの場合は勉強に充てられる時間にどうしても限りがあるため、1年に1〜2科目ずつ受験するのが現実的です。
勤務先が会計事務所であれば、税理士試験の勉強しながら実務経験を積むことができます。
なお、学歴や資格で税法科目の受験資格を満たしていない人の場合、職歴で受験資格を満たす必要があります。
現在の仕事内容では職歴面での受験資格を満たせない場合、会計事務所や経理職等への転職が必要になるでしょう。
高卒から税理士になるには何年かかる?
高卒から税理士になるまでにかかる期間は最短で8年程度、一般的には10年以上です。
高卒の場合、まずは税法科目の受験資格を取得する必要があります。
高卒の人が受験資格を得る方法は主に以下の2つです。
- 日商簿記1級または全経簿記上級に合格する
- 会計事務所等で2年以上の実務経験を積む
1つ目の日商簿記1級や全経簿記上級は税理士試験の簿記論と同等レベルの難易度があり、膨大な量の勉強が必要です。
税理士試験の受験資格を満たすことだけを目的に取得するのは非効率といえるでしょう。
2つ目の会計事務所で働きながら受験資格を得るルートは、収入を得ながら進められるため現実的です。
前述のように、働きながら税理士試験の勉強をする場合は、1年に1〜2科目ずつ取得するのが一般的です。
ただし実際のところ、毎年合格するとは限りません。
仕事と両立しながら無理のないペースで勉強しようとすると、トータルで8~10年は必要となります。
税理士になる最短ルートと大学院免除制度とは?
これまで解説した内容をまとめます。
税理士になるまでにかかる期間の理論上の最短は2年です。
以下2つの要件を満たす場合は2年で税理士に慣れます。
- 2年間で5科目合格を達成
- 試験合格前から実務経験を積んでおり、5科目合格の時点で実務経験の要件を満たしている
ただし2年で5科目合格のためには、3科目以上に同時合格する年が必要です。
3科目以上の同時合格は不可能ではないものの、非常に難易度が高く、現実的なルートとはいえません。
現実的な最短年数は3〜4年程度です。
毎年2科目ペースで合格し、並行して実務経験を積むことで、3〜4年で税理士資格を取得できます。
また、科目免除制度を活用すれば最短で税理士になれる可能性が上がります。
科目免除制度とは、大学院で税法や会計学等の研究により修士・博士等の学位を取得した場合に、関連する試験科目の免除を受けられる制度です。
試験で合格すべき科目数を減らせるため、税理士になるまでにかかる期間を短縮できるでしょう。
科目免除については、こちらの記事もご覧ください。
税理士とはどんな職業?
税理士は税務の専門家として納税者のサポートを行う国家資格です。
税理士法で定められた「独占業務」があり、独占業務を税理士以外が行うことは禁止されています。
会計事務所だけでなく、コンサルティング会社や一般事業会社で活躍している税理士もいます。
税理士の代表的な業務:独占業務
税理士の仕事内容として、まずは「税理士の独占業務」があげられます。
税理士の独占業務は
- 税務代理
- 税務書類の作成
- 税務相談
の3つです。
税理士法では、税理士以外がこの3つの業務を行うことを禁止しています。
税務代理
税務代理とは納税者に代わって所得税・法人税・相続税等の申告を行うことです。
また、税務調査があれば、納税者に代わって対応します。
税務書類の作成
税務書類の作成とは、所得税・法人税・相続税の申告に必要な書類を作成することです。
決算、確定申告など、繁忙期の税理士がかかわる主な業務になります。
税務相談
税務相談は、税務申告や書類作成に関する相談です。
税金の計算方法・税務手続き・節税対策等のアドバイスを行います。
税理士の活躍の場
税理士は、独占業務以外にもたくさんの仕事があります。
例えば、会計業務のサポート。
税務申告書の作成には、毎日の月次・四半期・年次の計算書類の作成が必要です。
税理士はこれらの業務をサポートします。
また、税理士の仕事には経営をサポートすることも含まれます。
融資を受けやすい事業計画書の作成などの「資金調達」や、売上アップやコスト削減をサポートする「利益アップ」に関するものなどがあります。
スムーズなM&Aや事業承継をサポートするのも税理士の仕事です。
税理士の仕事内容は以下のように職場によって大きく左右されます。
- 会計事務所・税理士法人
最も一般的な就職先。小規模から大手まで規模はさまざま - 一般企業(インハウス税理士)
企業の経理・財務部門で税務のスペシャリストとして活躍 - コンサルティング会社
M&A、事業承継、組織再編などの専門領域で活躍 - 独立開業
自分の事務所を構え、個人事業主や中小企業の顧問として活躍
税理士の仕事についてはこちらの記事もご覧ください。
税理士がおすすめの理由
税理士をおすすめする理由の一つとして、税理士の平均年収の高さがあげられます。
税理士には個人で開業している税理士と勤務税理士がいます。
独立開業した税理士は業務をすべて自分で処理できるようになり、平均年収は高い傾向です。
また、一般のサラリーマンよりも、勤務税理士の方が年収は高いとされています。
年収を考えると、税理士は魅力的な仕事であると言えます。
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税理士合格は独学で可能?難しい理由と対策
税理士試験の独学合格は非常に難しいのが現実です。
理由として以下の4つが挙げられます。
完全独学での合格者もゼロではありませんが、非常に稀であり、現実的とはいえません。
- 試験範囲が非常に広く、範囲をすべてこなすだけでも多大な労力を要する
- 疑問点の解消も含めすべて1人でこなす必要があり、特定の分野でつまづいてしまう恐れや、誤った理解をしてしまう恐れがある
- 税理士試験用の市販教材が非常に少ない
- モチベーション維持が難しく、長期戦になりやすい
おすすめの学習方法として以下の3つが挙げられます。
- 予備校(通学):直接指導を受けられる、仲間もできるためモチベーションを維持しやすい
- 通信講座:自分のペースで学習できる、費用も比較的抑えられる
- 通信講座+模試(予備校):費用を抑えつつも、相対評価の試験の練習ができる
どの学習方法が適しているかは、ライフスタイルや学習方法で重視する要素等によって異なるため一概にはいえません。
自分に合う学習方法を選ぶことが、自分にとっての最短合格につながります。
社会人として働きながら税理士をめざすには
税理士試験は、難易度が高いことで知られています。
仕事をしながらであれば勉強する時間も限られ、合格までの道のりを遠く感じるかもしれません。
しかし、税理士試験は科目合格制のため、社会人でも働きながら合格を目指しやすい試験です。
実際、働きながら勉強して合格した税理士も多く存在します。
以下では働きながら税理士試験に合格するコツをご紹介します。
税理士試験勉強を応援してくれる事務所を選ぶ
会計事務所や税理士法人には、税理士を志す社員がたくさんいます。
そのため、周囲の目を気にすることなく試験対策に集中できます。
先述したように、税理士試験に合格しても税理士登録をしなければ税理士として働くことはできません。
独立開業を考えている方は、会計事務所でできるだけ多くの実務経験を積むことをお勧めします。
特に「税務調査」は教科書で学ぶのは難しいものです。
クライアントとの信頼関係を築く上で最も重要な課題であり、間近で見ることで大切な経験となるでしょう。
税理士事務所勤務についてはこちらの記事もご覧ください。
試験前休暇・勉強会・科目合格手当について
税理士試験等の受験のための特別試験休暇があったり、勉強会を実施したり、サポートしてくれる会計事務所もあります。
税理士学科試験合格者には手当が支給されるケースもあるので、働く環境はしっかりと選びましょう。
残業が多くて勉強できない場合の対処法
働きながら合格するには、税理士試験についてよく理解している職場で働くことが非常に重要です。
必要な場合は転職した方が良いかもしれません。
会計事務所に特化した転職エージェントを利用すれば、税理士試験に詳しい会計事務所を見つけることができます。
よくある質問
最後に、税理士資格についてよくある質問3つを紹介します。
税理士資格の取得をスムーズに進めるため、税理士資格についての疑問や不安は早めに解消しておきましょう。
試験に対する理解を深めるだけでなく、税理士資格についての情報収集もしておくのが理想です。
合格までに必要な勉強時間の目安は?
5科目合格までに必要となる勉強時間の平均はトータルで4,000時間程度です。
すべての科目に1発合格した場合でも2,000時間はかかるでしょう。
受験回数によっては合計6,000時間を超える可能性もあります。
理系出身でも税理士試験を受けられる?
理系出身でも受験資格を満たしていれば税理士試験を受けられます。
理系出身の人が満たしやすい受験資格として以下の例が挙げられます。
- 大学等を卒業した者で、社会科学に属する科目を1科目以上履修している
- 大学3年次以上の学生で、社会科学に属する科目を1科目以上取得し、社会科学に属する科目を含め計62単位以上を取得している
- 日商簿記検定1級または全経簿記検定上級の合格者
- 会計事務所等での2年以上の実務経験がある
社会科学に属する科目を履修していない場合や資格取得に向けた勉強をするのが難しい場合でも、職歴要件を満たせば受験可能です。
税理士資格取得後の主な就職先は?
税理士資格取得後の主な就職先として、会計事務所(税理士法人)が挙げられます。
前述のように、税理士資格を得るためには会計事務所等での2年以上の実務経験が必要です。
そのため税理士登録をする前から会計事務所に勤めるケースが多くみられます。
試験に合格し実務要件を満たして税理士登録をした後も、税理士としての経験を積むために会計事務所で働く人が多いです。
同じ会計事務所に所属し続けるか、税理士登録を機に転職するかは、人によって異なります。
ある程度の実務経験を積んだ後は退職し、独立開業をするケースも多いです。
まとめ
税理士になるためには、税理士試験での5科目合格と、実務経験2年という2つの要件を満たす必要があります。
税理士になるまでにかかる期間の平均は5〜10年程度です。
ただし、大学院免除制度の活用により受験科目を減らす等、学習期間を短縮する方法も存在します。
最短合格を目指すためには制度の活用を視野に入れつつも、自分に合う学習方法を選ぶことが大切です。
レックスアドバイザーズでは税理士試験に理解のある会計事務所への転職をサポートしています。
働きながら税理士試験の勉強をしたいとお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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