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コンサルティングファームとは?種類・仕事内容・転職のポイントを徹底解説

更新日:2025.06.05

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コンサルティングファームとは?種類・仕事内容・転職のポイントを徹底解説

コンサルティングファームは、対象としている企業や問題解決に向けたアプローチ方法によりいくつかの種類に分かれます。

 

  • コンサルティングファームとはなにか
  • 具体的な仕事内容について
  • 転職前に知っておくべきこと

 

今回は、コンサルティングファームについて徹底解説していきます。

コンサルティングファームとは何なのか?

1,コンサルティングファームの概要

コンサルティングファーム(consulting firm)とは、事業戦略や業務オペレーション改革、システム構築など企業の抱える課題に対して意見を求められ、解決まで導く企業のことです。

大手企業から中小企業までさまざまな企業を対象とし、そこで働くコンサルタントにはプロフェッショナルとして高いスキルと課題の解決能力が求められます。

2,コンサルティングファームの歴史

コンサルティングファームの歴史は実は古いです。

世界最初の経営戦略コンサルティングファームと呼ばれるアーサー・D・リトルが誕生したのは、1886年までさかのぼります。

その後、現在世界トップの売上規模を誇る戦略コンサルティングファームのマッキンゼー&カンパニーが1926年に設立されたのに続き、A.T.カーニーやボストンコンサルティンググループ、ベイン&カンパニーなどの戦略系コンサルティングファームが次々と設立されます。

特に、1973年のオイルショックを契機に企業業績が悪化する中、『選択と集中』による企業改革を提案したBCGのPPMマトリックスは多くの企業に採用されることに繋がりました。

その後1990年代になると、ITによる業務改革が増えるに従い、IBMなどのIT系コンサルティングファームが新たに勢力を拡大することになります。

2008年のリーマンショック後には、会計系ファームがアドバイザリーサービスとして、コンサルティング事業を強化する動きを加速することになります。

 

時代の流れに沿った形で戦略系ファームも、デザイン会社や、ビックデータ分析事業者、アプリ開発事業者などの買収を通じ、戦略提案から実行支援まで一貫した付加価値の提供を実現できるよう進化を続けています。

コンサルティングファームの種類

コンサルティングファームの一覧

コンサルティングファームにはいくつか種類があります。

コンサルティングファームを志望する場合、自分に合ったコンサルティングファームを選ぶことが大切です。

戦略系コンサルティングファーム

グローバルに展開をしているファーム(主に欧米発)が大半で、知名度も高くその歴史も深いファームが並んでいます。

 

プロジェクトもCEOなどの経営陣をカウンターパートとし、全社における経営戦略、新規事業戦略、M&A戦略などトップテーマがほとんどです。

近年では単に戦略をたてるだけではなく、企業内に入り込んで実行まで支援するファームが増えています。

総合系コンサルティングファーム

元々はいわゆるBig4の会計系ファームが主体となっているコンサルティングファーム。

上流の戦略立案のフェーズから、業務改善、システム導入、そしてアウトソーシングまで企業全体の経営課題に対してあらゆるコンサルティングサービスを幅広く手掛けています。

多くのファームでは他メンバーファームやグローバルオフィスとの連携で、1つのファームでは成し得ないプロジェクトを協働できる強みを持っています。

シンクタンク系コンサルティング

主要シンクタンクの多くは、経済調査、ITコンサル、マネジメントコンサルという3部門を持っています。

民間企業や官公庁を対象としたコンサル部門に力を入れているところが多いです。

 

近年ではグローバルプロジェクトも多く、シンクタンクだからという垣根はなくマネジメントコンサルティングという純粋な経営コンサルティングも行っています。

組織人事コンサルティングファーム

企業の組織ビジョン・人事戦略の策定から人事制度構築・導入等、 人と組織を変えることで企業を変えることを専門とした各種人事に関する問題解決、コンサルティングを手掛けます。

人事部門が抱える制度だけでなく、年金、福利厚生、人材開発など多種多様なテーマに対してのコンサルを提供していることが特徴です。

 

有名ファームにおいては外資系が多いです。

国内においても日本独特の人事風土を理解したファームも多く、大手企業を中心に活動しています。

財務アドバイザリー系コンサルティングファーム

M&Aアドバイザリー、財務を中心としたデューデリジェンス、バリューエション、フォレンジックなどのサービスを展開しています。

M&A関連の業務に関しては、クロスボーダー案件が多くなってきているので、いわゆるFAS系ファームが活躍している傾向です。

 

また財務関連だけでなく戦略といった上流から再生関連を手掛けるファームも増えており、各社サービスラインも充実させてきています。

業務・業界特化系コンサルティングファーム

激化するグローバル競争への対応を求められる業界において製造業、コスト削減、PMOなど各種様々な業界・業種に特化した専門家プロフェッショナルファームが登場しており、各社一段の差別化に取り組んでいます。

業界特有の知見やノウハウが大きな武器であり、より深く入り込んだコンサルティングを提供できることが強みです。

 

ジェネラリストではなくスペシャリストを目指す方には最適でしょう。

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コンサルティングファームの仕事とは?

1,コンサルティングファームの組織

コンサルティングファームでは役職に応じて求められる仕事の役割が分かれています。

一番上のパートナーはプロジェクト案件の受注やファーム経営、マネージャーはプロジェクト管理、コンサルタントはプロジェクトの中心として実務を担当し、一番下のアソシエイトは情報収集や資料作成を担当することが一般的です。

大きなファームでは提供するテーマや業界に応じて部門が分かれていたり、少数ファームでもバーチャルでこうしたテーマごとに組織が分かれているところもあります。

2,コンサルティングファームの仕事内容

コンサルティングファームの仕事の内容は、プロジェクトごとに多様化しています。

顧客である企業の中期的な戦略を策定するプロジェクトがある一方で、特定の事業に応じたプロジェクトの支援も増えてきています。

たとえばサプライチェーンの仕組みの見直しや再構築、商品のマーケティング戦略策定、企画途中の新規事業策定、コスト削減施策などがあげられます。

 

このようにプロジェクトのテーマが多様化する中で、コンサルタントが果たすべき役割も多くなってきています

かつては経営層との議論が中心であったものの、事業部長や実際に作業をしている社員など現場レベルでもコミュニケーションを取りながらプロジェクトを推進、実行していく機会が増えてきています。

コンサルティングファームのプロジェクトとは?

1,コンサルティングファームのプロジェクトの例

コンサルティングファームのプロジェクトの例としては以下があげられます。

 

  • 経営戦略(中長期戦略立案、新規事業立案、マーケティングなど)
  • IT戦略・ITマネジメント(システム導入、デジタルDXなど)
  • 人事(育成、人事制度、組織改革、研修など)
  • 財務アドバイザリー(M&A、財務戦略など)
  • 業務改善(CRM、SCM、BPRなど)

2,コンサルティングファームのプロジェクトの流れ

コンサルティングファームのプロジェクトの流れを例としてあげておきましょう。

ざっくりとは以下の通りです。

 

  1. プレゼンテーション(プレゼンでは複数のコンサルティングファームとコンペを行うこともよくあります。)
  2. 案件受注(クライアントに提案を受け入れてもらうことで正式にプロジェクトを受注します。)
  3. キックオフ・ミーティング(チーム発足後であれば全員で集まり顔合わせと、プロジェクト全体の体制、スケジュールなどの確認を行います。)
  4. インタビュー・仮説(データ収集をし材料を集め問題解決に向けて仮説を立て、検証するサイクルを繰り返し、クライアントとも議論しながら進めて行きます。)
  5. 課題解決方法の決定(最終的に提案するシナリオをまとめたうえで最終報告、提案に臨みます。)
  6. 提案・実行支援(クライアントに成果が出るよう最終成果に向けて改善を図りながら支援していきます。)

大手コンサルティングファーム比較:BIG4の特徴と選び方

大手コンサルティングファームは、通常のコンサルティング会社と異なり、大規模な会社です。

BIG4と呼ばれる4社には、それぞれ特徴があるので事前に把握しておくと自分の理想とする会社を選択できるようになります。

デロイト トーマツ コンサルティングの専門性と実績

デロイトトーマツコンサルティングは、グローバルに活躍するビジネスネットワーク「デロイト」の一員として活躍する戦略コンサルティングファームです。

多種多様な専門性を有した5,000名を超えるコンサルタントが所属しており、複雑に絡み合う経営課題の解決に向けて尽力しています。

仮説検証型や実験実証型のサービスに取り組む体制を整えて、業界・業種を問わず持続的に活躍していける企業の成長をサポートしているのが特徴です。

PwCコンサルティングのグローバル戦略と支援体制

PwCコンサルティングは、最先端技術に関する知見の活用を行うため、多くのステークホルダーや専門家とのアライアンス提携に力を入れている、総合系コンサルティングファームです。

グローバルネットワークと協働して、社会的な信頼を構築し、重要な課題の解決に向けて尽力しています。

既存事業の効率化や最適化だけではなく、新たな事業機会を創造していくため、バランスを考えながら支援体制を整備しているのが特徴です。

EYストラテジー・アンド・コンサルティングの革新的アプローチ

EYストラテジー・アンド・コンサルティングは、世界150カ国以上にメンバーを持つ戦略コンサルティングファームです。

ストラテジー・アンド・トランスフォーメーションでは、調査や分析内容から得たインサイトをもとに、戦略策定を実行しています。

M&Aや組織再編、顧客体験やサプライチェーンなどの方法を通じてビジネスの変革を総合的に支援しているのが特徴です。

 

h3 KPMGコンサルティングの業界知識と技術力(150文字程度) 

KPMGコンサルティングは、監査法人をメンバーファームの一員としている総合系コンサルティングファームです。

業界の先見性にデジタルとデータを掛け合わせて、社会的価値を創造するために経営戦略の策定やビジネスモデルの導出を行っています。

社員が自律して新しいことにチャレンジできる環境を整えており、誠実性を軸において健全なクライアント企業の成長を支援しているのが特徴です。

 

KPMGコンサルティングの業界知識と技術力

KPMGコンサルティングは、監査法人をメンバーファームの一員としている総合系コンサルティングファームです。

業界の先見性にデジタルとデータを掛け合わせて、社会的価値を創造するために経営戦略の策定やビジネスモデルの導出を行っています。

社員が自律して新しいことにチャレンジできる環境を整えており、誠実性を軸において健全なクライアント企業の成長を支援しているのが特徴です。

 

大手コンサルティングファームへの転職メリット:キャリアと年収の向上

大手コンサルティングファームへの転職メリット:キャリアと年収の向上

大手コンサルティングファームへ転職すると、その後のキャリアや年収に影響を及ぼします。

大手でしか経験できない規模の業務も多いので、希少な経験を積んでいけるのが大きな魅力です。

キャリアプラン実現に向けて、大手コンサルティングファームに転職するのは賢明と言えます。

キャリアアップの可能性:将来性の高い経験を積める

キャリアアップを狙う場合に、大手コンサルティングファームで積んだ経験は、有利に働きます。

事業の遂行を通じて生じた問題を、発見して解決する知識やスキルは、経営の普遍的内容です。

どの業界や業種でも活用できる実務経験であり、企業が求める人材になっていくことができます。

キャリアアップのために転職する際、希望の企業に勤められる可能性を高めていけるので有益です。

大手コンサルティングファームでの実務経験は、将来を見据えて仕事の幅を広げていくのに繋げていけます。

高水準の年収:給与アップと福利厚生の充実

年収の水準は、私生活を支える根源であり充実していると、仕事に対する意欲を高めていけるので重要な要素です。

コンサルタントの平均年収は、一般的に高水準の場合が多く、大手コンサルティングファームとなれば尚更と言えます。

入社当初、年収400万円程度であってもマネージャークラスになれば、年収1,000万円を超える場合も少なくありません。

福利厚生も充実しているので、自分の理想とするライフワークバランスを実現していけるようになります。

大規模プロジェクトへの参画:幅広い経験を得られる

大手コンサルティングファームでは、業務内容が多様で規模も大きなプロジェクトが多いです。

中小企業にはない幅広い業務があるので、キャリア形成に役立つ希少な実務経験を積めます。

大規模プロジェクトへの参加は、コンサルタントとして働いていくにあたって、自信がついていくので大切です

優秀なコンサルタントになるためには、多種多様な経営問題と向き合い解決の糸口を探っていかなければなりません。

グローバル企業のコンサルティングを行えれば、海外で働く基礎にもなり仕事の幅を広げていけるので有益と言えます。

大手コンサルティングファームのデメリット:転職前に知っておくべきこと

大手コンサルティングファームで働くのにメリットは多いですが、少なからずデメリットもあることに注意しなければなりません。

大規模なプロジェクトの場合、利害関係者が多く責任も重いのが一般的なので、コミュニケーションが必要になってきます。

大手コンサルティングファームでは、多才で優秀な人材がいるので、上層部の意見に左右されがちです。

能動的に考えて行動していくのも大切ですが、日頃から上司の意見に耳を傾けて適切な行動を心掛けていくのが賢明と言えます。

コンサルティングファームの新卒・中途の割合とは

コンサルティングファームの新卒・中途の割合とは

近年ではコンサルティングファームの就職人気も高まり、各ファームにおいて採用人数が増えています

いわゆる事業会社出身者でコンサル未経験者の採用における割合はファームによって異なりますが、大手コンサルティングファームでは約8割が未経験者(事業会社出身者)となっているようです。

ここ数年でコンサルティング市場も飛躍的に拡大し、コンサルティングプロジェクトの数も多くなり各社人手不足の状態が続いております。

そのため積極的に中途採用を展開し、未経験者コンサルタントを採用する人数も増えているのが現状です。

特にコンサルティング会社が提供しているサービスラインと親和性のある業界・事業会社出身者を採用しており、これまでの知識・経験を活かせる環境となっています。

 

コンサルタントに求められる資質:成功する人材の特徴

コンサルタントは、専門性の高い職業なので求められる資質を正確に把握していかなければなりません。

成功する人材の特徴を理解すると、コンサルタントが自分に向いている職業であるか判断していけるようになります。

 

優れたコミュニケーション能力:クライアントとの信頼関係構築

緻密なコンサルティングを行うには、クライアントの経営状況を随時確認する必要があります。

鮮度の高い情報を教えて貰うためには、信頼関係を構築して話しやすい状況にしていかなければなりません。

コミュニケーション能力に優れていると、詳細な情報まで手に入るのでクライアント企業の潜在的な問題発見にも繋げていくことが出来ます。

高度な論理的思考力:複雑な問題解決能力

コンサルタントは、経営問題を発見するだけではなく、解決するための方法を導き出して提案するまでが業務です。

経営問題は、1つではなく複数の問題が複雑に絡み合っているので、簡単に解決ができません。

発見した経営問題を論理的に考えて、経営状況を正確に捉えて最適な解決策を模索していきます。

高度な論理的思考力があると、効率的に経営問題の解決を行っていけるようになるので必要な資質です。

強い目標意識と自己啓発:継続的な成長と学習

コンサルティングは、多様な経営問題に対応するため、人から言われたことを行うだけではなく、能動的に行動していかなければなりません。

経営問題が経済状況に応じて変化するので、継続的に学習を行って成長していく必要があります。

問題解決に向けて強い目標意識を持ち、業務を通じた自己啓発をしていくのもコンサルタントに重要な資質です。

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まとめ

コンサルティングファームについてその概要や歴史、種類、そして実際の仕事内容について解説していきました。

 

コンサルティングは、経営における深い理解と専門知識が必要な職業なので、求められている資質を正確に把握しておきましょう。

 

コンサルティングファームは、各社専門性が異なるため専門性の特徴を理解して、キャリアプランに沿った企業を選択していくのが賢明です。

 

コンサルティングファームといってもさまざまな専門領域があり、自身のスキルや経験と照らして自身に適したコンサルティングファームを探してはいかがでしょうか。

 

 

Profile レックスアドバイザーズ

公認会計士・税理士等の有資格者をはじめとする会計人材専門特化した人材紹介会社。
■公認会計士・税理士・経理の転職サイトREX
https://www.career-adv.jp/
■株式会社レックスアドバイザーズ
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