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税理士事務所の仕事内容とは?独占業務だけじゃない!

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税理士の仕事 法定業務が主な収入源

税務の専門家として認知度が高い税理士。

税理士法によって3つの独占業務が認められています。

税理士事務所の収入源の大部分を占めるこれら法定業務は、「税務代理(税務書類の申告代理)」、「税務書類の作成」、そして「税務相談」に区分されています。

税理士事務所の仕事はこれら法定業務だけではありません。

これに加えて関連する付随業務があり、税務コンサルティング、M&Aの税務デューデリジェンスやアドバイザリー業務、会社法に基づく会計参与、そして中小企業クライアントの記帳代行等、多岐にわたるバックオフィス業務があります。

申告書の作成代理と申告:国税

税理士事務所にとって貴重な定期収入源となる申告書の作成代理及び申告は、主に「法人税」、「所得税」、及び「消費税」になります。
クライアントに創業者オーナーや、富裕層がいれば、不定期ですが多額の報酬を見込むことができる「相続税」もあります。

これら税法の中で最も安定的な収入源となるのが、「法人税」です。

中小企業のクライアントではほぼ申告書作成業務のすべてを税理士事務所に依頼しています。
中堅規模以上のクライアントであっても、申告書の作成に必要なデータを用意するまでで、申告書の作成そのものは税理士事務所に委託しています。
税務部門がある大企業では、自社で作成した申告書を税理士事務所にレビューしてもらうことが一般的です。
「所得税法」は、主に個人事業主や、株式や不動産等を売却し損益が発生した方が対象になりますので、税理士事務所によっては個人のクライアントがいないため、業務を対応していない場合もあります。

「相続税法」は、課税所得の引き下げにより、一般の方でも申告が必要になるケースが見られるようになりました。
価値が増加した不動産、現預金、株式等の金融資産を多額に持つ方は、相続税対策のため、事前に税理士事務所へ相談することが多くなっています。

申告書の作成代理と申告:地方税

法人住民税は、法人税の作成とともに作られるため、法人税の申告業務をクライアントから受理していれば、法人住民税も合わせて対応することになります。
また、土地や建物を保有していることに対して課せられる「固定資産税」、毎年1月1日時点にて所有している事業用の固定資産のうち、法人税法等で減価償却費が損金算入されるものを保有している場合の「償却資産税」等があります。

このうち、「固定資産税」は、土地や建物の所有権を登記することで課税判断がなされるため、特段の申告業務はありませんが、税理士としてクライアントにどれくらいの税金がかかるのかは事前に伝えるべきです。
「償却資産税」は自ら申告しなければなりません。
固定資産台帳の整備とともに、税法上の損益処理を適切に対応する必要があります。

税務相談

税務相談は多岐にわたっています。
「法人税」に関する税務相談だけでも、一般的な税務処理から、租税条約を考慮した国際課税、海外子会社から配当を受け取る場合の対応等、クライアントの業種業態によって、受ける相談内容が異なります。

「所得税」は、一般の方向けと、富裕層向けで相談内容が異なる傾向にあります。
一般の方では、一時的な取引に関する相談として、住宅を取得した場合や増改築した場合の住宅ローン控除、住宅を売却した場合の課税処理、投資した株式等の売却損益が相談内容の多くを占めています。
富裕層では適切な課税への対応を目的にした相談が多くなり、毎年の収入に関する「所得税」と、将来を見越した「相続税」対策となります。
例えば、企業オーナーであれば、企業からの役員報酬や配当に関する「所得税」があり、将来の事業承継に向けて親族へ株式を移転する際の「相続税」があります。

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税理士業務に付随する業務

税理士業務に付随する業務は、税理士事務所の経営方針やクライアントによって様々な内容となっています。

個人事業主、中小企業向けの記帳代行

個人事業主や中小企業をクライアントに持つ税理士事務所では、クライアントに変わって会計帳簿を作成し、月次あるいは年次決算を報告する記帳代行業務があります。

以前は貴重な収入源となっていましたが、最近では安価で使いやすい会計ソフトが普及していることもあり、経理知識がない個人でも、自ら記帳処理ができるようになってきました
そのため、記帳代行に関する報酬額は価格競争の波に押されており、収益性の観点から、クライアントが暫定的に経理処理をすすめ、そのデータを税理士事務所が共有して、チェックする方法が多くなってきています。

中堅規模以上の企業には試算表のチェック

中堅規模以上の企業になると管理本部や経理部門が内在することで、会計処理のほとんどすべてを企業が実施できるようになります。
税理士事務所の役割は、企業から提供を受けた試算表をチェックし、税法上の観点等から経理処理の妥当性を検討することになります。

クライアントの試算表をクラウドサーバーで経由することで、リアルタイムで情報を共有し、修正事項等があれば速やかにクライアントへ連絡することができるようになってきています。

給与代行や保険の斡旋もある

従業員が複数名の中小企業では、給与担当者を置く余裕がないため、社外の専門家等に委託するケースが多くなります。
あるいは、給与計算を社員に任せることで、社員間の給与情報が漏洩することを懸念している場合等でも同様に外部へ委託しています。

税理士事務所では、このようなクライアントの依頼に応じ、クライアントに代わって給与データを適切に扱い、年末調整業務や、法定申告等も対応しています。
給与代行の基本的な報酬体系は、1人当たり数百円と月額基本料としていることで、クライアント側にとって大きな負担がないようにしているケースがあります。

月額の報酬としては大きくないものの、複雑な処理を必要としない(リスクが低い)安定的な収益であり、クライアントとの関係性を維持できる目的から、有用な業務の一つとなっています。

その他のコンサルティング業務

中堅規模以上の税理士法人では、高度な案件を中心としたコンサルティング業務に力を入れています。
M&Aに関する課税対応、連結納税の導入支援、海外に子会社を持っている場合やボーダーレスとなった取引量の増加を背景とした移転価格税制対応も重要です。
これらの業務は一部の大企業やグローバル企業に関して発生することがほとんどで、対応できる経験豊富な税理士法人も限られています。

Big4系の税理士法人では、世界的なネットワークを背景に、外資系企業の内国法人の税務を一手に引き受けており、大手の日系企業でも海外展開を検討する際には、大きなプロジェクトになるため、Big4系の税理士事務所を選ぶ傾向があります。

一方、中小規模の税理士事務所では、よりクライアントに近い立場でコンサルティング業務を展開しています。
コンサルティングの内容は、税務業務に関するもの、会計業務に関するもの、経営に関するもの等、バックオフィス業務に関するほぼ全てが対象になっています。
特に、中小企業やスタートアップ企業のクライアントに対しては、最も重要な経営資源である資金調達(主に銀行からの借入)を積極的に支援することもあります。
例えば、金融機関が審査に必要とする正確な月次決算体制資料のための作成支援、予算実績の管理支援、事業計画の作成支援、資金繰り表の準備等です。
クライアントが金融機関と面談をする際に同席して、心理的な安心感を持たせる役目を担う時もあります。

また、資金調達は、企業を設立する際にも重要な手続きです。
事業推進するアイデアがある方でも、金融機関対応の経験を持つ方はほとんどいませんので、経理処理の代行も兼ねて税理士事務所へ相談することが多くなります。

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まとめ

税理士事務所の業務は、「税務代理(税務書類の申告代理)」、「税務書類の作成」、「税務相談」といった独占業務はもちろん、コンサルティング業務など多岐にわたります。

規模や事務所の代表が何を得意かなどによって、行う内容も違うもの。

その中で自分が何をしたいのか、キャリアプランを考えることも重要です。

 

Profile レックスアドバイザーズ

公認会計士・税理士等の有資格者をはじめとする会計人材専門特化した人材紹介会社。
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