転職お役立ち情報

BIG4監査法人は高年収と言われます。
そもそも、なぜこの年収が実現できるのでしょうか。
BIG4とは以下の4つの国際的な巨大会計事務所グループを指す言葉です。
- デロイト トウシュ トーマツ(以下「デロイト」)
- アーンスト&ヤング(以下「EY」)
- KPMG
- プライスウォーターハウスクーパース(以下「PwC」)
これらのグループは監査法人や税理士法人、コンサルティングファームなどを展開しています。
日本のメンバーファームも存在し、会計業界を目指す人の多くが働きたいと憧れている大手です。
BIG4には複数の魅力があります。
中でも、高収入という点は有名です。
最高位のパートナーまでたどり着ければ、かなりの高年収が期待できるでしょう。
BIG4監査法人について年収面から解説します。
※以降の文章において「BIG4」は、各グループが日本で展開している監査法人を指す用語として使用します。
BIG4監査法人の年収
BIG4監査法人における特徴のひとつが年収です。
高い年収は大きな魅力であり、メリットでもあります。
就職・転職の指針にするという人も多いでしょう。
まずは具体的な年収額について紹介します。
BIG4監査法人それぞれの平均年収
ひとくちに平均年収といっても、それぞれの監査法人によって差があります。
中小監査法人と比較すると、やはりBIG4は高い傾向です。
2020年における各監査法人の一人あたり報酬給与を見てみましょう。
- 有限責任監査法人トーマツ 757万円
- EY新日本有限責任監査法人 803万円
- 有限責任あずさ監査法人(KPMG日本ファーム) 725万円
- PwC Japan有限責任監査法人 889万円
賞与をのぞいても、700万円以上の年収が基本になります。
さらに、同年のひとりあたり賞与は以下のとおりです。
- 有限責任監査法人トーマツ 169万円
- EY新日本有限責任監査法人 173万円
- 有限責任あずさ監査法人 242万円
- PwC Japan有限責任監査法人 データなし
給与と賞与を合わせると、800万円~900万円以上の年収となります。
外資系会計事務所の年収・給与体系についてはこちらもご覧ください。
外資系会計事務所の年収・給与体系の特徴とは?高年収って本当?
BIG4監査法人勤務1年目の初任給はどれくらい?
高年収といっても、勤務年数や役職によって変動するものです。
実現できるかを判断するには、まず初任給についても確認する必要があります。
各監査法人の初任給について公式サイトの情報をまとめました。
監査法人名 | 月額給与 | 賞与 |
---|---|---|
有限責任監査法人トーマツ | 305,000円 | 年3回 |
EY新日本有限責任監査法人 | 情報なし | 年2回 |
有限責任あずさ監査法人(会計士) | 305,000円 | 年2回 |
有限責任あずさ監査法人(一般) | 195,000円~205,000円 | 年2回 |
PwC Japan有限責任監査法人 |
342,360円~355,000円 ※月30時間の時間外勤務手当込 |
年1回 |
公認会計士としての入社であれば、月給30万円は実現できる見込です。
1年目の年収についてはこちらもご覧ください。
公認会計士のキャリアスタート!1年目の年収は?
日本の平均年収との比較
BIG4で得られる年収が高いのか判断するために、日本の平均年収と比較します。
日本の年代別平均年収は以下のとおりです。
20代 | 200万円台後半~300万円台後半 |
---|---|
30代 | 400万円台前半 |
40代 | 400万円代後半~500万円台前半 |
50代 | 500万円~600万円 |
年代を問わない全体的な平均年収は400万円台前半と考えられます。
こちらは国税庁によっておこなわれている民間給与実態統計調査において、過去10年程度の平均年収が400万円台前半で推移していることから導かれた結果です。
BIG4で得られる年収は日本の平均年収と比較してかなり高いことがわかります。
【公認会計士・公認会計士試験合格者対象】
なんとなく転職したい・中長期でキャリアを考える方向け
転職相談会
BIG4監査法人で高年収が実現できる理由
BIG4監査法人では、なぜこれほどの高年収が実現できるのでしょうか。
具体的な理由をいくつかご紹介します。
法人・クライアントともに規模が大きいから
BIG4監査法人は非常に規模が大きな法人です。
人員も豊富なため、幅広い内容かつ数多くの案件に対応できます。
またBIG4に依頼するクライアントも非常に規模が大きな上場企業、株式会社がほとんどです。
そのため、1クライアントあたりの業務収入単価も大きい傾向にあります。
2020年の法人別売上単価は以下のとおりです。
- 有限責任監査法人トーマツ 1,800万円
- EY新日本有限責任監査法人 1,700万円
- 有限責任あずさ監査法人 1,800万円
- PwC Japan有限責任監査法人 2,200万円
このように監査法人・クライアントともに規模が大きく得られる売上単価も大きいので、高年収という形で還元ができます。
高度な専門知識を問われるから
BIG4での業務には高度な専門知識・スキルが必要です。
業務の難易度の高さが反映されているというのも、高年収を実現できる理由といえます。
公認会計士の資格を得るためには試験を受験し、合格しなければなりません。
この試験は難関国家資格のひとつです。
最低でも3,000時間以上の勉強時間が目安であり、年単位で取り組んで合格を目指す必要があります。
なおかつ、合格率はわずか10%。
徹底して難易度の高い試験です。
さらに実務経験なども必要になりますので、公認会計士の資格を取得することは希少価値が高くなります。
求められる知識が非常に高度であり対応できる人が限られていることが、高年収を実現できる理由のひとつです。
BIG4の仕事内容についてもっと詳しく知りたい方はこちら
法人としての体制が整っているから
法人として、制度が整っていることも高年収を得られる理由のひとつです。
法人が得た売上を年収という形で適切に還元し、運営するたには、明確な給与規定や評価基準が整っている必要があります。
また社員のことをしっかり考えた組織体制にもしなければなりません。
BIG4は法人としての体制が十分に整っています。
これほどまでに多くの従業員を動かし、業務を管理の上快適に働けるような良い環境が叶えられています。
法人規模の大きさだけでなく、法人としてのあり方も年収を決める重要なポイントです。
4大・Big4監査法人の求人
BIG4でより高年収を実現する方法
BIG4に勤務すれば、それだけである程度の高年収は実現できるでしょう。
しかしポイントを押さえた勤務を続ければ、よりステップアップし、高年収を得られる可能性があります。
高いポジションに就く
もっとも効率的な手段は、昇格してより高いポジションに就くことです。
BIG4に限りませんが、監査法人をはじめとする多くの法人はポジションによって年収が大きく変わります。
基本的には、監査法人はスタッフからのスタートです。
上からの指示を受け、個別に業務を遂行します。
そこから
- シニアスタッフ
- マネージャー
- 役員
- パートナー
と進みます。
シニアスタッフは主に、3~4年スタッフとして経験を積むと昇任します。
インチャージという呼び名のほうが馴染みがある人も多いかもしれません。
スタッフのまとめ役です。
次にマネージャーにステップアップします。
ここからは管理職扱いになります。
部署全体のスケジュール管理や、スタッフからあがってくる調書のレビューなどを行います。
マネージャーには、全員が自動的に昇任できるわけではありません。
さらに、共同経営者にあたるパートナーという役職があります。
法人全体の運営に深く関わるので、責任も重大です。
そのぶん、やりがいもあり、年収も高くなります。
パートナーまでいくとなると、かなり狭き門です。
一方で、上のポジションになると急激に年収が上がるケースも珍しくありません。
昇格には高い評価を得る必要があります。
評価を得られるよう意識して業務に取り組むことが、高いポジションに就くために大切です。
監査法人のパートナーについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
監査法人のパートナーについて徹底解説!
語学力を身につけ業務の幅を広げる
年収アップには、語学力を身につけることも効果的です。
会計や財務に関する業務においても、英語の資料を目にする・英語を使ってコミュニケーションをする状況は存在します。
グローバル展開を進めるクライアントが相手であれば特に英語を使う機会が多いでしょう。
語学力があれば、これらの業務に挑戦できるチャンスが増える可能性は高まります。
逆にいえば語学力が原因でチャンスを失うケースもあり得るということです。
業務の幅を広げ活躍できる場を増やせることは間違いありません。
語学の勉強は結果を生み出す可能性があると言えるでしょう。
意欲的に業務を進め経験を積む
いくら能力が高くても、それを活かしきれなければ意味がありません。
自身の能力を最大限に発揮するためには意欲的な姿勢が大切です。
意欲的な姿勢で業務に取り組んでいれば、上司からの信頼も獲得できるでしょう。
すると新しい案件やこれまでと違った内容について挑戦できるチャンスが得やすくなります。
意欲的に業務に取り組むことで経験を積める機会が広がるでしょう。
結果として高年収にもつながります。
監査法人のキャリアパス
実は、監査法人のキャリアパスは多様です。
まず挙げられるのが、内部昇進でパートナーを目指す道でしょう。
磨かれた専門性、リーダーシップやコミュニケーション能力が求められます。
その他、事業会社へ転職し経営企画や経理・財務分野で活躍するというケース、コンサルティングファームに転職し知識や経験を活かすという道を選ぶ人も多いです。
また、公認会計士や税理士、コンサルタントとして独立開業する選択肢もあります。
監査法人での経験を積み、それを活かすキャリアパスを選べば、自分の描いた未来に進める可能性は高まるでしょう。
こちらの記事もご覧ください。
監査法人勤務の会計士が進む次のキャリアは?キャリアプランの立て方を解説
BIG4への転職はエージェントへご相談を
BIG4への転職を目指すなら、専門の転職エージェントへ相談することをおすすめします。
どんな監査法人が自分に適しているのか、どんなキャリアを描くべきなのかなどサポートしてくれます。
また、専門の転職エージェントは、求人動向の把握や、非公開求人募集など、ネットワークを活かして転職活動を助けてくれます。
面接の対策や的確なアドバイスで、理想のキャリア実現をサポートしてくれるでしょう。
レックスアドバイザーズを利用してBIG4へのご転職を成功させた事例
レックスアドバイザーズは、税理士・会計士の転職エージェントです。
ここからは実際にレックスアドバイザーズを利用してBIG4へ転職を成功させた事例をご紹介します。
小規模会計事務所から、BIG4系税理士法人へ転職成功
小規模会計事務所で実務経験を積みながら税理士試験に挑戦し、5科目合格を達成した20代男性。
自分で応募していたBIG4系は落ちてしまい、限界を感じてレックスへ相談に来ました。
クライアント規模の違いが応募にあたりネックとなりましたが、英語力や組織再編・IPO支援などの経験をアピール。
最終的にはBIG4系の1社である、中小規模のベンチャー企業をサポートする部門を持つ法人で内定を獲得できました。
年収アップも実現し、満足のいく転職となりました。
会計事務所経験1年。3科目合格のタイミングでBIG4税理士法人へチャレンジ
会計事務所の勤務をきっかけに、税理士資格の取得を目指し始めた20代後半の女性。
派遣社員として経理に従事していました。
3科目に合格したタイミングで転職を決意。
勉強との両立、できる限り大きな法人で挑戦したいという意思を受け、BIG4税理士法人を含む大手・準大手税理士法人7社に書類を提出しました。
当初はややしり込みしていたようですが、しっかりとした対策を行ったことで、面接ではアピールもできた様子。
前向きな姿勢と人柄が評価され、複数の内定を獲得しました。
憧れのBIG4税理士法人に入社を決め、勉強と両立しながら新たな日々を送っています。
【税理士試験科目合格】憧れのBIG4へ!勉強と両立する柔軟な働き方を実現
会計事務所で2年勤務しながら、税理士を目指す20代男性。
既に3科目に合格し、勉強をしながらBIG4にチャレンジしたいと転職を始めました。
国際税務はもちろん、M&Aや組織再編にチャレンジしたいという意思があったので、BIG4全てに応募。
熱意が伝わり、2社から内定を得られました。
入社を9月に設定し、それまで勉強に支障が出にくいアルバイトとして勤務することに。
安心して勉強に集中できる環境も得られました。
まとめ
監査法人の年収は一般平均年収よりは高く、また勤務を重ねることでステップアップも可能です。
BIG4から、さらなるキャリアパスを描くこともできます。
ただし、BIG4に転職するには、キャリアやスキルの精査が必要です。
個人で行うには難易度が高い側面がありますので、転職の際は、エージェントの利用をおすすめします。
レックスアドバイザーズでは、業界の動向をお伝えしたり、面接対策を行ったりなど、きめ細やかなサポートをしています。
ぜひエージェントを活用し、転職を成功させましょう。
Profile レックスアドバイザーズ
公認会計士・税理士等の有資格者をはじめとする会計人材専門特化した人材紹介会社。
■公認会計士・税理士・経理の転職サイトREX
https://www.career-adv.jp/
■株式会社レックスアドバイザーズ
https://www.rex-adv.co.jp/
この記事の監修者

公認会計士・税理士・経理・財務の転職は
レックスアドバイザーズへ