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フリーランス会計士として失敗しないために、把握しておくべき仕事内容や働き方とは

更新日:2025.10.20

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フリーランス会計士として失敗しないために、把握しておくべき仕事内容や働き方とは

近年、30代から40代を中心にフリーランスとして活躍する公認会計士が増えています。

フリーランスであれば自身で受ける案件を選べるため、どこかに勤務する場合に比べて幅広い仕事ができるでしょう。

一方、フリーランスとして安定して仕事を受け続けるにはさまざまなビジネススキルが必要です。

フリーランスに転身する前に、まずはフリーランスとして成功するためのポイントを押さえる必要があるでしょう。

今回はフリーランス会計士として失敗しないために押さえておくべきことを詳しく解説します。

そもそもフリーランス会計士とは?

フリーランス会計士とは特定の組織には属さずに契約を結び、会計業務やコンサルティングサービスを提供する公認会計士のことです。

雇用契約ではなく、業務委託契約に基づいて仕事をします。

 

基本的に、業務内容そのものは組織に所属する公認会計士と大きな違いはありません。

どこかの組織に雇用されているわけではないため、営業活動からスケジュール管理まですべて自分で行う必要があります。

会社員として働く公認会計士に比べて、フリーランス会計士の方が対応するべき範囲が広いといえるでしょう。

 

フリーランス会計士の主な仕事内容として、単発の監査業務やコンサルティングが挙げられます。

近年はプロジェクト単位での長期的な監査や、税務申告のスポット依頼のニーズも高まっている傾向です。

フリーランス会計士の働き方

前章で触れたように、フリーランス会計士の業務内容自体には、組織に所属する公認会計士と大きな違いはありません。

ただし組織に属さないという働き方の性質上、フリーランスの方が受けやすい仕事が存在するのも事実です。

この章ではフリーランス会計士の働き方として、フリーランス会計士によくみられる仕事内容の例を紹介します。

監査や経理の業務委託

最も多いのが、監査や経理の仕事を業務委託で受ける働き方です。

監査は公認会計士の独占業務かつ上場企業や大会社など一定の会社に義務付けられています。

監査ができる人材は常に高い需要があるため、監査の業務委託案件も多数存在します。

 

公認会計士のもつ高度な会計・経理の専門知識が活かせる場面は監査だけではありません。

そのため税務申告書や財務諸表の作成など、フリーランスとして高度な会計業務を請け負う公認会計士も多くみられます。

公認会計士の働き方のトレンド :”業務委託”で働くとは?

講師・講演の担当

会計や経理の専門家として、講師・講演の担当をするフリーランス会計士も多いです。

フリーランス会計士が活躍する講座や講演として以下の例が挙げられます。

  • 専門学校の公認会計士試験講座
  • 金融機関や経営層向けの各種セミナー、コンサルティング
    (M&A、経営戦略、財務分析など)
  • 一般の人向けの会計セミナー

また、近年は個人で会計関連の解説をする動画配信をする会計士も増加傾向です。

講師や講演活動は、会計士のもつ専門知識をより広く活かせる働き方といえるでしょう。

経営コンサルティング

フリーランスのコンサルタントとして働く会計士も多いです。

一口にコンサルティングといってもさまざまな分野がありますが、特に経営コンサルティングは会計士との相性が良いといえるでしょう。

 

なお、監査法人からコンサルティングファームに転職し、会社員としてコンサルティング業務をする会計士も多くみられます。

フリーランスの方が自由度や柔軟性が高い一方で、安定性に欠ける点がデメリットです。

 

同じ経営コンサルティングでも、コンサルティングファームに勤めるかフリーランスで活動するかで働き方が大きく変わります。

どちらの働き方が自分に合うか入念な検討が必要です。

フリーランス会計士に必要なビジネススキル

フリーランスの会計士として活躍するには、スキルが必要となります。

具体的に見ていきましょう。

対人スキル

対人スキルの中でも、大きく分けて2種類あります。

1つはいわゆるコミュニケーション力と呼ばれるもので、円滑な会話や場面にあった効果的な質問ができる基本的な能力です。

人の話を聞き理解したうえで共感できること、自分の意見を整理して端的に話せることは一つの能力です。

立場や役職など自分とは違う属性の人と会話をすることでコミュニケーション力は磨かれていきます。

 

対人スキルのもう1つは、営業力や交渉力といったビジネス要素の強い対話スキルです。

ビジネスの場面では、意見や考えが異なる相手を説得したり、折衝したりしながらゴールに導いていくスキルが必要になります。

そのためには正しい情報収集やプレゼン、コーチングといったスキルも不可欠です。

 

クライアントと接する機会が多い方は業務を通じて身についていく力でもありますが、フリーランスとして個人で活躍する場合、こうした対人スキルは特に重要になります。

課題解決/目標達成スキル

ゴールを設定しそれに向かってやり抜く力やタスク管理ができるスキルも重要です。

特にフリーランスの場合、時間管理とタスク管理は完全な個人裁量になるので苦手な人は意識するとよいでしょう。

 

また、せっかくフリーランスで仕事をもらったのに課題解決ができなかった、目標達成ができなかったというのでは仕事への信頼を失う大きなきっかけになってしまいます。

事前の情報整理と課題の設定を明確に、またゴールの設定も慎重に行うことは重要です。

 

これらのビジネススキルは、会社に属していてもフリーランスとしても重要になる一般的な社会人スキルです。

仕事ができる人、信頼できる人、人を動かせる人は一般的にこうしたスキルが高いといえます。

 

フリーランスとして仕事をしていくということは個人経営をしているのと同じことです。

こうしたビジネススキルと社会人としての素養は、20代のうちから学べるよう意識しておくことをおすすめします。

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フリーランス会計士が活躍するポジション

公認会計士がフリーランスとして活躍する場合、どんな案件があるのでしょうか。

 

昨今は下記のような案件が多くを占めています。

監査業務

監査法人の非常勤業務が主です。

請け負う仕事によって、監査業務の一部を担う場合や主査としてクライアントを丸ごと委託される場合などさまざまです。

時給換算すると監査法人の社員として仕事をするよりも高額なケースが多く、フリーランス会計士のベーシックな収入源と言えそうです。

監査経験のみの会計士でも担当できるという点ではメリットがありますが、単価が安いケースもあるので注意が必要です。

 

また、繁忙期に仕事が集中するため、閑散期はフリーランスでも仕事の取り合いということが発生する場合もあります。

収入アップを期待する場合やフリーランスとして活躍範囲を広げたいという場合には、監査以外の経験も必要になるでしょう。

CFO

一般企業の中でも特にアーリーステージの会社やIPOを目指すベンチャー企業では、CFOポジションに業務委託の会計士を募集するケースがあります。

業務内容としては、内部統制をはじめIPOやM&A、決算の早期化など具体的なプロジェクトがある場合が多いです。

 

時には会社の箔をつけるために、CFOポジションに公認会計士を採用したいというケースもあります。

 

多くの企業で監査経験がある会計士は、経営のデータサイエンティストとしての側面もあるので、特に成長を目指す企業では経営参謀としての役割を期待されるケースがほとんどです。

求人は一定数ありますが、求人の質にはバラつきがあるので注意が必要です。

CFOというポジションで業務を委託したものの、一般的な経理、財務業務の担当になり本来の力を発揮できないというミスマッチも起こりかねません。

 

特に会計士に入ってもらうのが初めてとなる企業では、どういった業務を担当してもらうのか、という部分で認識のズレが生じることもあるので求人選びは慎重に行うといいでしょう。

IPO/M&A

IPOやM&Aを推進するリーダーポジションでフリーランスの公認会計士を採用する事例も多くあります。

会計士は会計基準や国際財務報告基準(IFRS)という各業種業界に共通する原理原則を学んでいるため、汎用性や応用力に強みがあります。

 

IPOやM&Aに直接かかわる経験がある場合、さらにアドバンテージとして評価されます。

フリーランス会計士として仕事をしていく上でも強みとして打ち出しやすく、ニーズも高い業務です。

フリーランス会計士の年収目安

レックスアドバイザーズで扱う公認会計士向けの非常勤求人の想定年収は400万円〜1,200万円程度です。

求人によっては450万円〜800万円、600万円〜1,000万円のように、年収の幅がもう少し狭いものもあります。

 

非常勤で働く場合の年収は、仕事内容はもちろん稼働時間の長さによっても大きく変わるため一概にはいえません。

想定年収だけでなく、案件の単価や稼働時間の長さ等も考慮した上で求人を探すべきといえます。

公認会計士がフリーランスに転身するのに最適なタイミングはいつか?

大前提として、フリーランスの場合は仕事を教えてくれる上司のような存在がいません。

そのためフリーランスへの転身は、公認会計士の仕事をある程度1人でこなせるようになった後にするべきです。

 

フリーランスとして活動する以上は、公認会計士としてのスキルとは別で、営業力やコミュニケーション能力等も要求されます。

また、公認会計士向けの案件を安定して獲得するためには、会社員時代に人脈を築いておくのが理想です。

以上を考慮すると、1人で仕事をこなせるまで知識や経験を積み、案件紹介を期待できるような人脈形成ができてから独立するべきでしょう。

 

もし動機が「勤務先の仕事内容や人間関係から逃れたい」であれば、フリーランスへの転身ではなく、転職の方が適している可能性があります。

フリーランスへの転身が最適とは限りません。

自身のスキルや実績、今の職場を離れたいと思う理由などを洗い出した上で、本当にフリーランスが適しているか検討しましょう。

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まとめ:経験やスキルをお金にかえるためには

フリーランス公認会計士の場合、監査法人で非常勤で働くなどをすれば、契約期間次第では安定的に仕事を継続できます。

しかし、より収入アップ・スキルアップを目指す方は業務委託でスポット案件に挑戦することをおすすめします。

すべてが貴重な経験となり、仕事の範囲が広がり、高単価で効率的に収入を得ることができるでしょう。

 

これらのスポット案件は一定数あるものの、一般的な求人サイトでは探すことが難しいのが現状です。

M&A、IPO、CFO募集などは非公開にしたい情報が含まれることが多いため、募集企業側も大々的な募集はしません。

いざ仕事を探すとなると「どうすればいい?」と苦労する可能性があります。

 

人脈をつくっておくことや、専門のエージェントに経験やスキルを登録しておけば、非公開で募集されているスポット案件をご紹介することが可能です。

レックスアドバイザーズは会計業界に特化した転職エージェントで、有資格者向けの業務委託案件も多数取り扱っています。

 

ぜひ登録をご検討ください。

Profile レックスアドバイザーズ

公認会計士・税理士等の有資格者をはじめとする会計人材専門特化した人材紹介会社。
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