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公認会計士・税理士の転職スケジュール|ベストな時期と進め方

更新日:2025.12.01

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公認会計士・税理士の転職スケジュール|ベストな時期と進め方

公認会計士や税理士の主な転職先である会計業界は、繫忙期と閑散期が明確です。

したがってスムーズな転職を実現させるためには、繁忙期や閑散期を考慮した適切なタイミングで転職活動を開始することが大切です。

また、一口に会計業界といっても勤務先や転職先によってベストな時期が異なる点にも注意する必要があります。

今回は公認会計士や税理士の転職スケジュールや、スムーズな転職活動のために知っておくべき情報について詳しく解説します。

公認会計士・税理士の転職は「スケジュール管理」がカギ

転職活動は、退職を希望するタイミングやプライベートとの兼ね合い等を考慮して大まかなスケジュールを立てるのが一般的です。

とはいえスケジュールを決める材料の大部分は本人の事情によるものであり、自分の希望を反映できるといえるでしょう。

 

一方、公認会計士や税理士の転職は時期を選ぶのが難しく、タイミングが限られています。

転職活動を始めるタイミングによっては選考がスムーズに進まない恐れや、仮に内定を獲得しても辞退せざるを得ない状況も起こり得ます。

そのため、公認会計士や税理士の転職はスケジュール管理がカギといえるのです。

 

この章では公認会計士・税理士の転職スケジュールの特徴について解説します。

会計士・税理士の転職スケジュールは一般職とどう違う?

公認会計士や税理士の特徴の1つが、明確な繁忙期が存在する点です。

公認会計士であれば監査の時期、税理士であれば確定申告や決算、年末調整などの時期が繁忙期となります。

明確な繁忙期があるため、一般事務職のように「辞めたいときにすぐ辞める」ことはなかなかできません。

その上、繁忙期は採用活動や選考が進みにくく、そもそも転職先が見つからないという恐れもあります。

 

このように、会計業界では転職活動を進めるタイミングを誤ると「面接に行けない」「退職時期を延ばされる」といった不都合が生じやすいです。

やむをえず転職活動を中断する必要や、内定辞退せざるを得ない状況になってしまう可能性もあります。

以上の理由から、公認会計士や税理士の転職活動は、転職希望時期を明確にして余裕をもって活動を始めることが大切です。

採用企業が重視するのは「即戦力」と「入社タイミング」

採用側は単純なスキルや資格だけでなく、「いつから戦力になってくれるか」を強く意識しています。

 

公認会計士や税理士には確定申告や決算期などの明確な繁忙期が存在すると紹介しました。

そのため採用を行う側は、繁忙期に人手が足りるかどうか、必要な人材を確保できるかを重視します。

したがって繁忙期に間に合わない入社スケジュールだと、「せっかく採用しても役に立つタイミングが遅すぎる」と判断されてしまいます。

つまり繁忙期に間に合わなければ、それだけで採用自体が見送られてしまうケースも多いのです。

 

極端な例ですが、「いつから来られるか」に対して「半年後です」と答えると、仮に最終面接まで進んでいたとしても不採用になる可能性が高いです。

繁忙期までに人材を確保したいという意図がある場合、入社が半年後では繁忙期には間に合わず意味がないと判断されてしまう恐れがあるためです。

 

特に会計業界は即戦力を求められるため、スケジュール感を誤ると選考途中で見送りになってしまうこともあります。

反対に「繁忙期前に入社できる」「必要な時期に戦力になれる」と判断されれば、内定獲得の可能性は大きく上がります。

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公認会計士・税理士が転職を考えるベストなタイミング

前章の通り会計業界は繁忙期と閑散期が明確であり、時期によってはスムーズな転職活動ができない恐れがあります。

「転職したいのに辞められない」「なかなか内定獲得につながらない」を防ぐためには、繁忙期を避けて転職活動をするべきです。

この章では公認会計士と税理士が転職を考えるのに最適なタイミングについて詳しく解説します。

監査法人勤務の公認会計士の場合

監査法人勤務の公認会計士の繁忙期と転職推奨期スケジュール

監査法人に勤める公認会計士の場合、繁忙期と人事ローテーション(インチャージ更改)の時期を意識したスケジュール管理が必要です。

この時期はどの監査法人も忙しく、転職活動のための時間を確保できない恐れや、採用側に選考を進める余裕がない恐れがあります。

 

監査業務が発生するのは一般的に決算月の1〜2ヵ月後です。

例えばクライアントが12月決算の場合、1月〜2月に監査業務が発生します。

 

日本企業は3月決算が多いため、4月~5月が監査業界の繁忙期となります。

外資系企業は12月決算の会社が多く、1月~2月も監査業務が発生しやすいです。

 

多くの公認会計士は繁忙期が終わった6月〜9月頃に転職活動をスタートさせます。

 

関連記事:公認会計士の転職先と最新求人動向|キャリアの選び方と市場トレンド

監査法人の求人

監査法人の求人一覧

税理士法人・会計事務所勤務の税理士の場合

税理士法人・会計事務所勤務の税理士の繁忙期と転職推奨期スケジュール

税理士法人や会計事務所は中小企業や個人事業主のクライアントが多いため、確定申告(2〜3月)や法人決算(5月・9月など)の時期が繁忙期となります。

反対に、6月~11月は閑散期で業務量が落ち着いており、この時期には求人も増える傾向です。

また、税理士試験が終わる8月と税理士試験の合格発表が行われる12月は、若手採用を中心に求人が増加傾向にあります。

したがって、この時期に転職活動を始めるのが効率的です。

 

ただし、早めに伝えたとしても退職時期を長引かせられる可能性もあります。

小規模の会計事務所で「辞めたい」と伝えたものの、「繁忙期が終わるまでは退職不可」と半年以上先送りされるケースも存在するようです。

 

転職を計画する際には、退職交渉に時間がかかるリスクを踏まえ、早めにスケジュールを立てることが大切です。

 

関連記事:税理士におすすめの転職時期とは?科目合格者も紹介【STEP1事前準備編】税理士の転職

会計事務所・税理士法人の求人

会計事務所・税理士法人の求人一覧

一般事業会社勤務の経理・財務の場合

一般事業会社経理・財務の繁忙期と転職推奨期スケジュール(3月決算の場合)

一般事業会社の経理・財務職に転職する場合も、決算期との兼ね合いを考慮することが大切です。

 

前提として、一般事業の経理・財務の繁忙期は決算業務の時期です。

具体的には決算日から2〜3ヵ月、法人税等の申告および納付期限までの時期が繁忙期となります。

また、四半期決算のタイミングの業務量が多くなりやすいです。

 

転職先に一般事業会社の経理・財務職を選ぶ場合、四半期決算や年度決算のピーク時は、採用側が多忙で面接の調整が難しいです。

また、採用後すぐ繁忙期へ突入するため、転職者であるご自身にも大きな負担がかかる恐れがあります。

 

決算が落ち着くタイミングを狙って活動することで、スムーズに選考を進められる可能性が高くなります。

 

ただし中小企業の場合は決算月が3月以外のケースも多いです。

そのため転職を希望する業界・業種や企業の決算月は必ずチェックしましょう。

経理・財務の求人

経理・財務の求人一覧

【理想は6ヵ月前】転職スケジュール全体の流れ

時期

転職活動の内容

6ヵ月前

情報収集・自分のキャリアの棚卸

3~4ヵ月前

求人応募・書類選考

1~2ヵ月前

内定・退職交渉

 

  • 転職活動には平均で3〜6か月かかる
  • 特に、情報収集・自己分析などの準備に時間がかかる
  • 内定後〜入社までの交渉・引継ぎ期間が必要。そのため内定獲得後すぐに転職できるわけではない
  • 転職市場の動き・求人のピーク・閑散期の把握が重要

前述のように、内定獲得後すぐに転職ができるわけではありません。

内定獲得および入社承諾後、退職手続き・引継ぎ・現職との調整などで1〜2か月かかるケースが多くみられます。

 

公認会計士の会計・監査業界では四半期監査の区切りも関係して遅くなることが多いです。

税理士の税務・会計の業界では確定申告期や決算期などが繁忙期として挙げられます。

この時期は求人が減る・企業側の対応が遅れる等の恐れがあるため注意が必要です。

 

反対に閑散期には求人が増える傾向がみられ、交渉の余地もあります。

スムーズな転職を実現させるだけでなく、市場・業界の動きを把握し適切なタイミングを察するためにも早めの活動が有利です。

 

関連記事:転職する際の税理士事務所を選ぶポイント

公認会計士・税理士が効率よく転職活動するコツ

公認会計士・税理士が効率よく転職活動をするために押さえるべきコツとして以下の3つが挙げられます。

  • 逆算してスケジュールを組む
  • 現場の繁忙期を踏まえて準備する
  • 転職エージェントを活用する

それぞれ詳しく解説します。

逆算してスケジュールを組む

まずはゴールとして、転職の予定時期・希望時期を決めましょう。

その上でゴールから逆算して転職活動の大まかなスケジュールを組みます。

 

前述のように、転職活動は準備段階から現職との退職交渉を含めて平均で3〜6ヵ月ほどかかります。

ゴールを設定せずいきなり転職活動を始めてしまうと、「今何をするべきか」「転職活動が終わるまでにどのぐらいかかりそうか」などの判断ができません。

また、転職活動と繁忙期がかぶってしまい、スムーズな転職ができない恐れもあります。

 

繁忙期に被ってしまうのを避けるため、やるべきことを明確に把握するためにも、ゴールから逆算してスケジュールを組むことが大切です。

現場の繁忙期を踏まえて準備する

転職活動では情報収集やキャリアの棚卸、書類作成などのさまざまな準備が必要と紹介しました。

これらの準備は年間業務スケジュールを踏まえて、繁忙期に被らないように進めましょう。

 

繁忙期は業務が忙しく転職活動のためにとれる時間がない、採用側も選考を進める余裕がない等の理由から、繁忙期は避けるべきと紹介しました。

そして、繁忙期を避けて転職活動をするためには、繁忙期が終わり次第すぐに動き出せるよう事前に準備を終えておくのが理想です。

 

例えば税理士業界の場合、2月〜3月の確定申告時期は多忙で残業も多く、転職活動の時間を確保するのは難しいです。

しかし1月頃までに情報収集や書類作成などの準備を終わらせておけば、繁忙期が明け次第すぐに動き出せるでしょう。

このように、繁忙期を避けるようなスケジュールの設計や準備を行うのも大切です。

転職エージェントを活用する

転職活動はやるべきことが多く、1人ですべて対応するのは負担になる恐れがあります。

現職で仕事を続けながら求人探しや企業とのやり取りなどを完璧にこなすのは容易ではありません。

また、キャリアの棚卸や面接対策のように、1人では実施しにくい作業も多いです。

 

忙しい中でもスムーズな転職活動を実現させるためには、転職エージェントを活用するのがおすすめです。

転職エージェントはニーズに合う求人の紹介をはじめ、書類添削や面接対策、企業とのやり取りの代行など幅広いサービスを提供します。

また、業界の最新情報や業界ならではのアドバイスやサポート、内定先との交渉代行なども可能です。

 

効率的かつ適切な転職活動を実現させるため、ぜひ転職エージェントをご利用ください。

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転職スケジュールに迷ったら専門家に相談を

公認会計士・税理士の転職スケジュールは、繁忙期を考慮して組む必要があります。

公認会計士は3月決算の企業の監査が集中する4月〜5月、税理士は確定申告時期である2月〜3月が繁忙期のことが多いです。

繁忙期は転職活動のための時間を確保しにくく、採用側も多忙で選考が進みにくいため、繁忙期は避けましょう。

 

転職活動のスケジュールを組むには、業界ならではの事情を十分に理解する必要があります。

転職エージェントは業界の繁忙期・閑散期や、時期ごとにやるべきことなどの情報・ノウハウを豊富に有しています。

転職活動やスケジュール管理でお悩みの方は、ぜひ専門家である転職エージェントにご相談ください。

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