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近年、スタートアップ企業で活躍する税理士が注目を集めています。急成長を目指す企業では、税務・会計の専門性や資金調達の支援を担える人材が求められており、正社員や副業といった柔軟な働き方も可能です。
本記事では、スタートアップにおける税理士の役割や具体的な働き方、求められるスキル、求人動向について詳しく解説します。
【この記事からわかること】
・スタートアップ企業が税理士を求める背景とその理由
・税理士がスタートアップで働く2つの雇用形態と仕事内容
・スタートアップ税理士としてのやりがいやキャリアの広がり
スタートアップ企業が税理士を必要としている理由

スタートアップ企業とは革新的なアイデアや技術を強みに新たなビジネスを創り出し、短期間で急成長する企業を意味します。
近年、スタートアップ企業における税理士の需要が高まっており、税理士を対象とした求人も増加傾向です。
この章ではスタートアップ企業が税理士を必要としている理由を3つ紹介します。
社内に税務・会計の専門人材が不足している
社内に税務・会計の専門知識をもつ人材が不足しているため、税理士を必要とするスタートアップ企業は多くみられます。
スタートアップ企業のように短期間で急成長を遂げる企業は、お金の動きも大きく、複雑な会計処理が求められる場面も多いです。
しかし、ビジネスに関する豊富なノウハウを有しているものの、税務・会計には詳しくない経営者や起業家は珍しくありません。
急成長中という状況のため、バックオフィス人材よりも本業の戦力となる人材の育成を優先しがちな傾向もみられます。
以上の理由からスタートアップは税務・会計の専門人材が不足しがちなため、専門家である税理士に任せたいと考える企業が多いのです。
本業に集中するため、経理業務は任せたい
新たなビジネスの創設や事業拡大を進めるにあたり、多大な時間や労力を必要とします。
特にスタートアップ企業のように新規性のある技術やノウハウを強みとする企業では、本業を最優先とする考えが強いです。
経営者や従業員自身で経理業務を行おうとすると、本業に割けるリソースがその分少なくなってしまいます。
その上、専門知識のない人が対応するとミスや漏れのリスクが高く、必要以上の労力が発生する恐れもあるでしょう。
税務・会計の専門人材に経理業務を任せれば、リソースの分散や労力の無駄遣いを避けられます。
以上の理由から、本業に集中するために税理士を求めるスタートアップ企業が多くみられるのです。
税理士による資金調達支援で事業を加速
新規事業の展開や事業拡大のためには多額の資金が必要なため、融資の利用を検討するスタートアップ企業は多いです。
そして、融資の成功率は専門家によるサポートを受けるか否かで大きく変わるといわれています。
あくまで目安ですが、自力で創業融資に申し込む場合の成功率は50%程度であるのに対し、専門家の支援を受けた場合は90% まで上がるといわれています。
資金調達支援の面でも税理士は高い需要を誇るといえるでしょう。
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税理士がスタートアップで働く2つの形態
税理士がスタートアップ企業の仕事をする際の働き方として、以下の2つが挙げられます。
- 副業・スポット支援として関わる
- CFOなどの役職として顧問契約を結ぶ
それぞれの働き方について詳しく解説します。
副業・スポット支援として関わる
副業やスポット支援として短時間(短期間)のみ関わる働き方の場合、単発のスポット契約を締結するのが一般的です。
スポット契約では必要な業務のみを依頼できるため、コストを抑えたい場合や依頼したい内容が限られている場合に適しています。
税理士側は業務範囲や契約期間が明確なために、スケジュールを立てやすい、業務量を調整しやすい等のメリットを得られます。
なお雇用契約に基づくアルバイトとして勤務する働き方もありますが、該当する求人はあまり多くありません。
関連リンク:税理士の副業にはどのような選択肢があるのか?副業は禁止ではない?
CFOなどの役職として顧問契約を結ぶ
CFO(最高財務責任者)とは財務戦略の立案や執行などを行う責任者です。
会計・財務の高度な専門知識が必要なため、一般的には税理士や公認会計士、財務職の経験が長い人などが就任します。
社内で常勤のCFOを雇用する場合は高額な人件費がかかり負担が重くなるため、社外CFOを活用するケースが多くみられます。
CFOに限らず役職としてスタートアップ企業に携わる場合は、長期契約が前提の雇用契約を締結するのが一般的です。
関連リンク:CFOになるための経験やスキルをわかりやすく解説
それぞれの業務内容と求められるスキル
スタートアップ企業で働く税理士の業務内容や必要なスキルは、関わり方が副業とCFOのどちらであるかによって異なります。
この章では副業の税理士とCFOの税理士、それぞれの業務内容および求められるスキルについて解説します。
副業の税理士の業務:実務+アドバイザリー
スタートアップ企業にスポット契約等で携わる場合は、実務やアドバイザリー関連の業務を請け負うことが多いです。
具体的な業務内容として以下の例が挙げられます。
- 記帳代行
- 試算表作成
- 決算書や税務申告書の作成
- 税務申告代行
- 資金調達支援
- 事業計画や予算の策定
- 経営課題の分析およびアドバイス
- 株価評価算定
- 節税に関する相談、節税対策サポート
一口に税務・会計といっても業務範囲は多岐にわたり、企業によって税理士のサポートが必要な分野は異なります。
また、スタートアップ企業での需要が高い資金調達支援や経営課題の分析等は、発生時期・頻度ともに企業による違いが大きいです。
そのため、必要に応じてスポット契約で受注するのが一般的といえます。
なお、中には顧問契約を締結して毎月の経理業務や記帳代行・税務相談を委託するスタートアップ企業も存在します。
顧問契約の場合は副業というよりは、本業の一部に近いイメージとなるでしょう。
CFOの税理士の業務:戦略+マネジメント

スタートアップ企業にCFOとして携わる場合、財務関連の幅広い業務を請け負います。
業務内容の具体例を紹介します。
- 財務戦略の策定、実行
- 資金調達計画の策定、実行
- 余剰資金の運用
- 財務統括、内部統制
- 財務関連の渉外全般
CFOは財務の最高責任者であり、業種や企業規模を問わずすべての企業において重要な役割を担うポジションです。
特にスタートアップ企業は以下の理由からCFOの重要性が高く、責任も重いといえるでしょう。
- スタートアップ企業は規模が小さく財務・会計関連の人材が少ないため、中規模以上の企業に比べてCFOの責任範囲が広い傾向にある
- スタートアップ企業の成否は資金調達等の財務戦略に大きく影響を受ける
- 常にスピードが求められる環境であり、迅速な意思決定や戦略策定が必要
CFOとして働く税理士は、戦略策定やマネジメントといった企業の中核といえる役割を担います。
スタートアップ企業で働く税理士のやりがい
税理士がスタートアップ企業で働く大きなメリットとして、やりがいを感じられる場面が多いことが挙げられます。
今回紹介する例は以下の3つです。
- 経営に深く関与できる充実感
- 多様な業務経験によるスキルアップ
- 急成長企業でのキャリア形成
それぞれ詳しく解説します。
経営に深く関与できる充実感
スタートアップ企業における税理士の主な働き方は以下の2つと紹介しました。
- 副業としてスポット契約に基づき税務・会計業務を行う
- 顧問契約に基づきCFO等の役職に就任、財務の最高責任者として幅広い業務に携わる
どちらの働き方であっても、税理士の専門知識を必要とする高度な業務を任されることになります。
経営に深く関与するため責任やプレッシャーもありますが、自分の知識・スキルが必要とされていると実感できるはずです。
スタートアップ企業の業務を通じて充実感を得られるでしょう。
多様な業務経験によるスキルアップ
スタートアップ企業で働く税理士には幅広い業務が任されるため、多様な経験によるスキルアップも期待できます。
特にCFOの業務経験を通じて得られる戦略的思考能力や問題解決能力は、税理士としての本業でも大いに活かせるでしょう。
また、スタートアップ企業では革新的な技術やアイデアを活かした事業展開が行われます。
まだ世間に広まっていない新たな事業の様子を間近で見るという経験が刺激となり、後の業務に活かせる可能性もあるでしょう。
急成長企業でのキャリア形成
スタートアップ企業は成長のスピードが非常に速く、数週間、数ヵ月といった短期間のうちに大きな変化が起こります。
当然、スタートアップ企業で働く人にもスピード感が求められます。
スピードが求められる中で業務をこなすうちに、税理士としても短期間で大きな成長ができるでしょう。
また、急成長企業に仕事で携わった実績が、別のスタートアップからの相談や新規案件の依頼につながる可能性も高いです。
このように、スタートアップ企業の仕事をしたという事実自体がキャリア形成に良い影響を与えると期待できます。
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まとめ
スタートアップ企業における税理士の需要は高く、税理士を対象とした求人は増加傾向にあります。
経営に深く関与できるため自分の知識・スキルが必要とされていると実感しやすく、充実感を得られるでしょう。
多様な業務経験によるスキルアップができる点や、キャリア形成の面でメリットが大きい点も魅力として挙げられます。
一口にスタートアップ企業の仕事といっても、税理士に求める役割や依頼内容は企業によってさまざまです。
契約形態や業務内容によって働き方が大きく変わるため、自分の興味や希望に合う案件を選ぶ必要があります。
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