企業別インタビュー

英語×会計税務で広がる可能性 ── 外資系企業を支えるARK税理士法人で働く魅力
更新日:2025.06.20
会計・税務のプロとして外資系企業を支えるARK税理士法人。本記事では、創業期から法人を支えてきた代表社員の平田幸子氏と、英語力を武器に活躍する2023年入社の松井悠太氏へインタビュー。グローバルな業務環境でかなうキャリアや働き方を紐解きます。
外資系企業を中心に、会計・税務のプロフェッショナルとして多様なクライアントを支えるARK税理士法人。
その現場では、英語を生かしたグローバルな業務と、ライフスタイルに寄り添う柔軟な働き方が両立しています。
今回は、創業期から法人の成長を見守ってきた代表社員・平田幸子氏と、英語と会計のスキルを生かして活躍する若手スタッフ・松井悠太氏にインタビュー。
外資系特化のサービス、ARKで働く魅力や実際の働き方、キャリアの広がりについて、語っていただきました。

平田幸子代表社員
ARK税理士法人 代表社員。アークアウトソーシング株式会社の前身である個人の公認会計士・税理士事務所に参画し、2017年にARK税理士法人の法人設立とともに代表に就任。

松井悠太氏
アメリカの大学に留学し財政学を学んだ後、営業職を経て、前職の会計事務所に入社。4年ほど勤務したのち、英語と会計の両方を生かせる環境で働きたいという思いから、2023年にARK税理士法人に入社。現在、税理士試験に挑戦中。
専門性と連携で支えるアークグループの全体像

最初に、ARK税理士法人が属するアークグループ全体の概要について教えていただけますか?
平田:アークグループが提供する業務は、主に外資系企業の日本進出に伴う会計・税務・労務などの支援、いわば「インバウンド支援」です。
日本子会社・支店の設立・登記の段階から関わることもありますし、登記後に「いよいよ事業をはじめます」というタイミングでご相談いただくこともあります。銀行口座の開設、帳簿の作成、レポートのフォーマット整備など、立ち上げ期の業務を支援することが多いですね。
グループの中心には「アークアウトソーシング株式会社」があり、そこがいわば窓口のような役割を担っています。実際の業務は税理士法人や社労士法人が担い、外部の司法書士・弁護士の先生がたとも連携しながら進めています。
社員は基本的にアークアウトソーシング株式会社に所属していて、そこから各法人の業務に関わるという形です。
まさに「トータルサービス」ですね。
平田:そうですね。国内では税理士法人、社労士法人、公認会計士事務所などがそれぞれの専門領域を担っています。
海外では香港に関連会社があります。日本企業の海外進出、すなわち「アウトバウンド支援」のニーズも一定数ありますので、現地の会計士と提携し、香港に進出する日系企業や香港展開中の日系企業をサポートしています。
いまはまだ体制は小規模ですが、アウトバウンド支援の案件が増えれば、将来的には日本から駐在員を派遣するといった本格的な展開も考えています。
また2024年には、国際的な会計・税務ネットワークである「アリオット・グローバル・アライアンス(AGA。1979年に設立、現在は世界約100か国・340拠点に225の独立系法律・会計・アドバイザリーファームを擁する世界的なネットワーク)」 に正式に加盟しました。
これにより、日本企業の海外進出支援で、世界各国のAGAメンバーファームとの連携が可能になりました。グローバル規模でのシームレスなサポート体制を構築しています。
今後日本から海外へ挑戦する企業にとって、我々とAGAのネットワークは確かな「橋渡し」役になるはずです。
20年以上の歴史がありますが、設立当初からそのスタイルだったのですか?
平田:もともとBIG4にいた創業者が2001年に個人事務所を立ち上げたのですが、当時から外資系のお客様が中心でした。創業者自身の海外駐在経験を生かし、日本国内で外資系企業を支援する会計事務所としての道を選んだのです。
日本には約3万社の会計事務所が存在するといわれていますが、そのなかでいかに差別化を図るかは大きな課題です。
地域特化型、業種特化型などさまざまな戦略がありますが、当社は「外資特化型」という差別化を選び、この外資特化のスタイルで25年近くやってきています。
外資系クライアントに特化した、ARK税理士法人の業務と強み

ARK税理士法人について、改めて特徴を教えていただけますか?
平田:やはり外資系のお客様が多いという点ですね。グループ全体で260~270ぐらいのクライアントがいますが、ほとんどが外資系企業です。外資系企業の日本支店、日本の子会社にサービスを提供しています。
私が担当している範囲でいっても、現在60社以上のお客様を担当していますが、そのうちの約9割がやはり外資系企業です。
松井:私のお客様も外資系が中心です。外資系企業の日本法人設立のサポートから、会計とその周辺業務までを担当しています。具体的には、記帳代行、申告書や届出書の作成、支払業務、納税管理などを担っています。
1社を丸ごと担当するというよりも、チームで分担しながら一連の業務の一部を担うスタイルでやっています。
外資系クライアントというと、具体的にどんな企業が多いのでしょうか?
平田:クライアントは国・業種ともに多岐にわたりますが、特に米国系企業が多い傾向にあります。
米国系飲食チェーンや旅行関連会社、英国のコスメ系企業や自動車レース運営会社、カナダの建設関連の会社、中国のweb系企業や自動車メーカー、フランスやオーストラリアのエネルギー関連会社、北欧の環境関連の会社などさまざまです。
近年は、IT系やフィンテックを中心とした金融関連企業が増加傾向にありますし、暗号資産関連の事業者も増えています。
ARK税理士法人が選ばれる理由はどのあたりにあるのでしょうか?
平田:当社が選ばれる理由のひとつに、会計・税務のみならず、登記業務や支払代行、さらには住所貸与や代表者サービスなど、いわゆるアークアウトソーシングとしての「ワンストップサービス」の提供があります。
約2割が通常の会計業務とは別に発生するアドバイザリー業務で、会社設立、銀行口座開設、税務関係のコンサルティングなど行っています。
日本の複雑な制度や手続きに対応するための包括的なサポートが高く評価されていると、自負しています。
当社は特定の業務に限定せず、法令に抵触しない限り、顧客が必要とするあらゆるサービスを提供する姿勢を大切にしています。
また、クライアントからの問い合わせや要望には、タイムリーかつ柔軟に対応することを身上としています。
このあたりも評価いただけているのではないかと思います。
そうなるとやはり紹介での顧客獲得が多いのでしょうか。
平田:おっしゃるように、およそ半数が紹介によるものです。
日本国内の法律事務所や既存顧客からの紹介、顧客企業の元代表者が転職先でも再度ご依頼いただくケース、メンバーファームのAGA経由など、紹介元は多岐にわたります。
残る半数は、当社のウェブサイト経由での問い合わせです。
2015年以降、公式サイトで毎月欠かさず日英のバイリンガルによるニュースレターを配信しています。これがSEO対策としても機能することで、一定の集客効果を上げています。
スタッフの方はBIG4出身者が多いのでしょうか?
平田:創業者がBIG4出身ということもあり、米国のエンロン社の破綻に伴い制定されたSOX法(粉飾決済などの企業会計不祥事を規制するため、アメリカ政府が制定した企業改革の法律)の影響で、監査と非監査業務の分離が進んだ当時に、BIG4が切り離したアウトソーシング業務を引き継ぐ形で業務を拡大しました。
当時は人員削減も進んでいたことから、自然と当社にBIG4出身の人材が集まり、結果として「元BIG4の集団」といわれるような組織となりました。
しかし採用市場の変化もあり、いまは未経験者や他業種出身者を積極的に採用し、育成する体制へと移行しています。BIG4出身で外資系企業での経験をもとにバイリンガルな対応ができるベテランスタッフも多いので、経験の浅い方でも安心して働けるようになっています。
外資系クライアントと日系クライアントの違い

外資系企業と日系企業で、業務の進め方にも違いはありますか?
平田:大きな違いは、やりとりの相手が日本国内ではなく、海外の本社や親会社であることが多い点です。
日本法人はあくまで進出先の拠点という位置づけなので、現地の営業担当はいても、バックオフィス業務を担う人材がいないことが多いものです。そこを私たちがサポートしています。
管理部門業務を外注したいという外資系企業のニーズに対して、会計、税務、監査から、給与計算、社会保険、人事コンサルティングなどまでをサポートしています。
相談内容にも違いがあるのでしょうか?
平田:ありますね。日系企業では資金繰りや補助金、借入などの相談が多い印象ですが、外資系ではそういった話はほとんどありません。
むしろ、「この税制はなぜこうなっているのか」「この数字はどうやって出しているのか」といった、日本の制度に対する理解を求められる質問が多いです。
外資系企業とのやりとりで意識していることはありますか?
平田:日系企業と違って、海外の本社にいる経営者とは直接会う機会が少ないので、メールでのやりとりが中心です。
だからこそ、誤解を生まないように丁寧な表現や正確な情報伝達を心がけています。文章だけで伝える難しさはありますが、それもまたスキルとして磨かれると思います。
外資系ならではのリスクや注意点はありますか?
平田:税務リスクという点では、外資系も国内法人も大きな違いはありません。
ただ、制度の適用にグレーゾーンがある場合、判断が難しいケースもあります。そうした場面での対応力が求められるのは、どのクライアントも共通ですね。
外資系企業とのやりとりが多いなかで、勤務時間の調整は難しくないですか?
平田:たしかに、海外の本社が動き出すのが日本時間の夕方以降になることが多いので、メールのやりとりがその時間帯に集中することはあります。
ただし、以前のような「いますぐ電話で話さなければ」という場面は減っていて、メールベースでの対応が増えたことで、だいぶ柔軟に対応できるようになりました。
キャリアも、学びも。ARKで広がる可能性
ARKで描くキャリアと成長のかたち
ARK税理士法人への転職で得られるものはなんでしょうか?
平田:英語を使う仕事がしたいからと、ARKに転職してきたというのはよく聞きます。
メールは毎日英語ですし、資料も英語で、読まなければ業務が進みません。
英語でのコミュニケーションの機会も頻繁にあります。日々の業務のなかで、海外のクライアントとのやりとりがTeamsやZoomなどで日常的に行われています。
そうした環境に身を置きたいというかたにはぴったりの職場だと思います。前職が英語を使う職場ではなかった、でも英語を使って仕事をしてみたいというかたにも良い環境かと思いますよ。
英語力については、どの程度求められますか?
平田:もちろん英語ができるに越したことはありません。でもいまは翻訳ツールなどもありますし、うまく活用しているかたもいます。
入社時点で英語が苦手でも、嫌いでなければ問題ないと思います。実際、業務のなかで自然と使う機会が多いので、徐々に慣れていける環境です。
英語を使いたいという理由で入社される方も多いですね。毎日のように英語のメールや資料に触れるので、英語力も自然と鍛えられます。
英語以外では、どのようなキャリアを描けるのでしょうか?
平田:簡単にいえば、「一人で稼ぐことのできる」、究極的には経営者として独り立ちできるような人材を育てたいという方針です。
私たちは「トータルサービス」を大切にしていて、会社で起こり得るさまざまなことを理解し、対応できる力を身につけてほしいと考えています。
そうした経験を積める環境があるので、幅広く成長したいかたには向いていると思います。
松井さんは転職して得られた経験や気づきはありますか?
松井:前職では国内企業ばかりを担当していたので、申告書や届出書もパターン化されていて、あまり考える余地がありませんでした。
でもARKのお客様は外資系の黒字企業も多く、提出書類の形式も異なるので、考えることが増えました。業務の幅が広がったと感じています。
平田:日系と外資系では、提出書類の形式や内容も違うのですよね。
仕事のどのようなところに面白さを感じていますか?
松井:一番大きいのは、「求められている」と実感できることですね。
営業をやっていた頃は、こちらが一方的に売り込む立場でしたが、いまはお客様のほうから相談してくださる。自分の存在意義を感じられる仕事だと思っています。
学びを支える制度と環境
資格取得を目指すかたへの支援制度について教えてください。
松井:税理士資格取得のため予備校に通っていた時期は、30分ほど早く退勤させていただくなど、柔軟に対応してもらえました。
予備校に通っていた時期もありましたが、そうした事情にも理解がある職場だと思います。
試験前には、1週間程度の休暇を取得できる制度もあります。例えば、社労士の資格を取得されたかたもいて、そのかたは早めに退勤して勉強時間を確保していました。USCPAを目指しているかたも在籍しています。
平田:税理士試験は月初に実施されることが多いのですが、当法人の業務は月末締めが多いため、1週間フルで休むのは難しい場合もあります。ただ、チームで協力しながら、できるかぎり支援する体制を整えています。
教育・研修制度についてもお聞かせください。
松井:英語や会計、税務、給与計算など、さまざまな研修が用意されています。自分で選ぶこともできますし、マネージャーから「これを受けてください」と推薦されることもあります。
平田:特に5月から10月にかけては、週3回程度の頻度で研修を実施しています。英語とITに関しては全員必須で、それ以外は各自の選択制です。
繁忙期はなかなか参加が難しいですが、可能な限り参加してもらえるようにしています。

執務室の様子
柔軟な制度と現場の声が支える、ARK税理士法人の働きやすさ
働き方に関しても、柔軟な制度が整っていると伺いました。
平田:はい。フレックスタイム制を導入していて、通常は10時〜16時がコアタイムです。
ただし、繁忙期にはフルフレックスに切り替えて、体調管理を優先できるようにしています。例えば、夜遅くまで業務が続いた場合は、翌日を午後からの出社にするなど、各自で調整できるようにしています。
週40時間勤務が基本で、リモートワークや代休制度も整備されています。
制度としては、かなり柔軟に運用していると思います。
松井さんは、実際に働いて制度面で感じることはありますか?
松井:お昼休憩の時間が自由に取れるのはすごくありがたいです。
前職ではお昼が12時〜13時で固定されていて、どこも混んでいて全然休めなかったので。でもいまは、13時からでも、13時半からでも休憩できるので、ちゃんとリフレッシュできます。
フレックス制度についてはどうですか?
松井:勤務時間や残業を細かく気にするタイプではないので、あまり意識して使用していません。
ただ、周りには朝早く来て早めに帰るかたもいらっしゃいますし、お子さんがいるかたはご家庭に合わせて調整されているようです。
平田:出社時間は9時が基本ですが、早めに来て早く帰る方もいます。
家庭の事情に合わせて働けるように、制度だけでなく運用面でも柔軟に対応しています。
松井氏の1日の勤務スケジュール

ARK税理士法人の求人
ARK税理士法人では、再雇用制度に年齢制限がないとも伺いました。これは非常に珍しい制度ですね。
平田:そうですね。特に何か狙いがあるというよりは、ご本人に意欲があって、実際に業務ができるのであれば、年齢で区切る必要はないという考え方です。
以前は、80代前半のかたも働いていらっしゃいました。通勤が難しくなって退職されましたが、こちらから年齢を理由に退職をお願いすることはありません。
最後に、ARK税理士法人に向いている人物像について教えてください。
平田:会計や税務のスキルだけでなく、採用や教育など社内の体制づくりにも関わる機会があります。
経営者目線で物事を考えられるような環境を整えているので、幅広いことに挑戦したいかたに来ていただきたいです。
松井:英語に抵抗がないかたが向いていると思います。ARKには落ち着いた雰囲気のかたが多く、自発的に動ける人が活躍しやすい環境です。
アークアウトソーシング株式会社/ARK税理士法人
●沿革
2001年 滝澤公認会計士・税理士事務所を品川区五反田にて開業
2006年 滝澤公認会計士・税理士事務所より監査・税務以外の業務を引き継ぎ、 同地においてアークアウトソ-シング株式会社を設立
2017年 渋谷区恵比寿にARK税理士法人を設立
2018年 グループ各社とも渋谷区恵比寿(現所在地)に移転
2024年 渋谷区恵比寿にARK社会保険労務士法人を設立●所在地
〒150-0013 東京都渋谷区恵比寿1-21-3 恵比寿NRビル6F
Profile レックスアドバイザーズ
公認会計士・税理士等の有資格者をはじめとする会計人材専門特化した人材紹介会社。
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