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簿記2級の合格率は?過去10回の合格率の推移と合格率が低い理由を解説

経理の転職お役立ち情報

簿記を取得した女性

日商簿記2級の合格率はどのくらいなのでしょうか。

簿記2級は日本商工会議所が運営する資格です。

経理・財務へ転職を目指す場合、取得していると有利とされます。

3級よりは難易度もあり、企業から評価されるでしょう。

財務諸表の作成など、業務に直結する内容も多いので、試験に備えることで仕事で役立つ知識を効率よく学ぶこともできます。

 

 

簿記2級の合格率の推移や合格のために押さえたいポイントを解説します。

簿記2級の合格率

まずは、簿記2級の合格率について具体的に見ていきましょう。

関連として、3級と1級の合格率も紹介します。

過去10回の日商簿記2級の合格率

日商簿記2級の過去10回の合格率を抜粋しました。

開催回

合格率

162回(2022年11月)

20.9%

161回(2022年6月)

26.9%

160回(2022年2月)

17.5%

159回(2021年11月)

30.6%

158回(2021年6月)

24.0%

157回(2021年2月)

8.6%

156回(2020年11月)

18.2%

154回(2020年2月)

28.6%

153回(2019年11月)

27.1%

152回(2019年6月)

25.4%

参照元| 商工会議所の検定試験 2級受験者データ(統一試験)

 

 

合格率は15〜30%程度。

30%以上になることはあまりないようです。

しかし、回によって大きな変動があることがわかるでしょう。

第157回のように、合格率が10%を切るケースもあります。

ただし、これは非常に稀だと考えられます。

 

合格率はそれほど高くありません。

毎年大幅な改定が行われるといった、特別な対策が必要な難関資格というほどではないといえるでしょう。

学習を重ね、勉強すれば十分に合格が狙えるレベルです。

 

h3 【参考】簿記3級・1級の合格率

参考情報として、日商簿記3級および1級の合格率も比較して紹介します。

まずは3級の合格率です。

 

開催回

合格率

162回(2022年11月)

30.2%

161回(2022年6月)

45.8%

160回(2022年2月)

50.9%

159回(2021年11月)

27.1%

158回(2021年6月)

28.9%

157回(2021年2月)

67.2%

156回(2020年11月)

47.4%

154回(2020年2月)

49.1%

153回(2019年11月)

43.1%

152回(2019年6月)

56.1%

参照元 |  商工会議所の検定試験 3級受験者データ(統一試験)

 

3級の合格率はおおむね40〜50%程度です。

ただし、回によって大きな違いがあるとわかるでしょう。

基準値を超えた点数を安定して取れないと、合格できません。

 

 

続いて、1級の合格率は以下の通りです。

 

開催回

合格率

162回(2022年11月)

10.4%

161回(2022年6月)

10.1%

159回(2021年11月)

10.2%

158回(2021年6月)

9.8%

157回(2021年2月)

7.9%

156回(2020年11月)

13.5%

153回(2019年11月)

9.8%

152回(2019年6月)

8.5%

150回(2018年11月)

9.0%

149回(2018年6月)

13.4%

参照元 | 商工会議所の検定試験 1級受験者データ(統一試験)

 

1級の合格率はおおむね10%前後です。

なお、3級・2級に比べて、1級は毎回の合格率が安定していることがわかります。

 

合格率の変動の小ささから、簿記1級は実質的には相対評価の試験であり、上位10%前後の受験者が合格になるよう調整されていると判断できるかもしれません。

ただし、1級はそもそもがかなりの難関資格です。

 

独学で日商簿記2級の合格は可能?

日商簿記2級の合格率はそこまで高くありません。

出題される内容が特別難しいわけではなく、傾向をつかみ、しっかり勉強すれば十分に合格を狙えるレベルです。

 

独学で日商簿記2級にチャレンジし、合格する人も多くみられます。

今はインターネットのサイトでも簿記の知識や勉強法を無料で得られますし、市販の問題集やテキストも充実しているからでしょう。

 

ただし、独学でも合格が可能とはいえ、通信講座を受講する、専門学校に通う場合よりも難易度が高いのは事実です。

どちらを選ぶかは考えておきましょう。

 

独学で合格を目指すのであれば、次の章で紹介するポイントをしっかり押さえておくことをおすすめします。

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簿記2級の合格率が低い理由

簿記2級の合格率は、試験によって大きく変動します。

時にはぐっと低くなりますが、なぜなのでしょうか。

 

主な理由を解説します。

1.工業簿記が出題されるようになる

簿記2級では、工業簿記の問題が出題されます。

これは簿記3級にはないものです。

工業簿記は主に製造業の原価管理などに使われる簿記ですので、馴染みがない人にとってはとっつきにくいでしょう。

 

また、全体像を把握し、イメージとして捉えるのも時間がかかるかもしれません。

 

製造業において、製品をつくり販売するまでにはさまざまな手順があり、それぞれ費用がかかります。

材料費や人件費などの費用を記録し、計算する「原価計算」が必要となります。

 

この計算には数学的な要素が影響します。

そのため、苦手意識を持つ人が多いのです。

 

 

 

2.問題数が多い

簿記検定は記述式が多い試験です。

そのため、選択式よりも回答に時間がかかってしまいます。

 

さらに、先ほど説明したように、商業簿記・工業簿記の2種類が出題されますし、計算も多くなります。

時間配分をきちんとしないと、合格水準にたどりつくのは難しいでしょう。

3.改定があった

簿記2級に関しては、試験が数年に一度改定されます。

 

例えば2015(平成27)年度に大幅な見直しが行われ、合格率に影響を及ぼしました。

さらに2016(平成28)年度から3年間、出題区分が改定。

合格者数が変動する要因となりました。

 

近年では2019(令和元)年度に改定されているので、こうした変動が合格率の低さにつながっていると言えるでしょう。

簿記2級の試験範囲やスケジュール

簿記2級の合格率を見てきました。

次に、日商簿記2級について基本的な情報を紹介します。

日商簿記2級の試験範囲

日商簿記2級は、商業簿記と工業簿記(原価計算を含む)から構成されています。

工業簿記は3級までの試験にはない、2級で新たに追加される範囲です。

 

日商簿記2級の商業簿記では、簿記3級までの範囲に加え、中小企業の会計処理に関する分野も出題されます。

2級の出題範囲について、商工会議所簿記検定試験出題区分表から一部を抜粋します。

 

  • 簿記の基本原理:純資産と資本の関係
  • 諸取引の処理……銀行勘定調整表、有価証券
  • 商品の売買……仕入割戻、総平均法
  • 有形固定資産……有形固定資産の除却、廃棄、建設仮勘定
  • 固定資産台帳……のれん、リース取引
  • 税金……税効果会計、未決算
  • 本支店会計
  • 連結会計

 

工業簿記の出題範囲は、工業簿記や原価計算の基本的な部分です。

見慣れないため最初は戸惑うかもしれませんが、難易度はそれほど高くありません。

日商簿記2級試験のスケジュール

日商簿記2級試験は、紙で行う統一試験とパソコンで解答するネット試験(CBT試験の2種類があります。

※団体試験は除きます

 

このうち、ネット試験は各試験会場が試験日を決めます。

それゆえに、明確なスケジュールを照会できません。

試験までの間隔が長すぎると、モチベーションが下がる可能性もあります。

 

今回は統一試験のスケジュールを紹介します。

 

日商簿記2級の統一試験は、毎年

 

  • 2月
  • 6月
  • 11月

 

の計3回実施されます。

受験申込期間は会場によって異なりますが、試験実施日の1ヶ月半前あたりに設けられるケースが多いです。

合格発表は、おおむね試験の1〜2ヶ月後に行われます。

 

商工会議所によって細かなスケジュールが異なるため、必ず商工会議所が検定公式ページにて公表する情報をご確認ください。

日商簿記2級合格に必要な勉強時間・期間の目安

日商簿記2級の合格までに必要な勉強時間の目安は、250〜350時間です。

ただし勉強時間200時間台で合格できるとしたら、すでに簿記3級までの知識を持っていることが前提となります。

 

簿記未経験で合格を目指す場合、3級の範囲からの勉強が必要です。

当然、より長い勉強時間が必要です。

 

勉強期間の目安は、1日に確保できる勉強時間やライフスタイルによっても異なります。

とはいえ、勉強できるのが週に2〜3日であっても、半年ほど勉強を続ければ十分に合格が狙えるでしょう。

簿記2級の合格率を突破するためのポイント

簿記2級の合格率を突破するためのポイントとして、以下の5点が挙げられます。

 

  • 試験日から逆算して勉強スケジュールを立てる
  • 毎日コツコツ勉強する
  • 基礎をしっかり身に付ける
  • 過去問を含め問題演習に多く取り組む
  • 試験日から逆算して勉強スケジュールを立てる

 

それぞれ詳しく解説します。

試験日程から逆算して勉強スケジュールを立てる

参考情報として、日商簿記3級および1級の合格率も紹介します。

まずは3級の合格率です。

 

開催回

合格率

162回(2022年11月)

30.2%

161回(2022年6月)

45.8%

160回(2022年2月)

50.9%

159回(2021年11月)

27.1%

158回(2021年6月)

28.9%

157回(2021年2月)

67.2%

156回(2020年11月)

47.4%

154回(2020年2月)

49.1%

153回(2019年11月)

43.1%

152回(2019年6月)

56.1%

参照元 |  商工会議所の検定試験 3級受験者データ(統一試験)

 

3級の合格率はおおむね40〜50%程度ですが、受験者が受ける回によって大きな違いがあるとわかります。

続いて、1級の合格率は以下の通りです。

 

開催回

合格率

162回(2022年11月)

10.4%

161回(2022年6月)

10.1%

159回(2021年11月)

10.2%

158回(2021年6月)

9.8%

157回(2021年2月)

7.9%

156回(2020年11月)

13.5%

153回(2019年11月)

9.8%

152回(2019年6月)

8.5%

150回(2018年11月)

9.0%

149回(2018年6月)

13.4%

参照元 | 商工会議所の検定試験 1級受験者データ(統一試験)

 

1級の合格率はおおむね10%前後です。

なお、3級・2級に比べて、1級は毎回の合格率が安定していることがわかります。

 

合格率の変動の小ささから、簿記1級は実質的には相対評価の試験であり、上位10%前後の受験者が合格になるよう調整されていると判断できます。

毎日コツコツ勉強する

日商簿記2級合格のためには、毎日コツコツ勉強するのが理想です。

毎日勉強が難しい場合でも、週に2〜3日は勉強時間を確保しましょう。

 

期間が空いてしまうと、せっかく勉強した内容を忘れてしまう恐れが大きくなります。

勉強時間そのものは同じでも、毎日少しずつ勉強した場合と1日で一気に勉強した場合では、定着率や理解度が大違いです。

 

特に日商簿記のように範囲が幅広い試験は、日々の継続的な勉強が大切となります。

基礎をしっかり身に付ける

日商簿記2級の勉強では、基礎をしっかり身に付けることが大切です。

 

前述したように、日商簿記2級は3級の内容を理解している前提となります。

2級から新たに追加される範囲も、簿記の基礎が身に付いていなければ解けません。

基礎が身に付いていない状態で2級の範囲や応用問題を勉強しようとしても、かえって非効率となります。

 

多少時間はかかっても、基礎をしっかり身に付けてから次のステップに進みましょう。

もし3級までの内容に不安があれば、一度3級の内容を勉強し、習得の手ごたえを確認するのもおすすめです。

過去問を含め問題演習に多く取り組む

日商簿記2級は時間内にすべての問題をしっかり解けるよう、時間配分も大切です。

また仕訳や計算などは、どうしても手を動かさなければ定着率が低くなります。

適切な時間配分をする・問題に慣れるためには、実際に問題に慣れる必要があります。

 

インプットも大切ではありますが、なるべく問題演習に多く取り組めるよう意識しましょう。

全範囲の完璧は目指さない

日商簿記2級は、全範囲を完璧に仕上げることは目指さない方が良いでしょう。

 

商業簿記は範囲が幅広くパターンが多いため、完璧を目指すのは難しいです。

一方で、工業簿記は商業簿記より配点が小さいですが、範囲が狭くパターンも似ているため満点を取りやすいといえます。

商業簿記は合格を狙えるレベルまで仕上げつつも完璧は目指さない。

満点を狙うなら工業簿記にするのが効率的です。

 

 

また、苦手部分に時間をかけすぎると、他がおざなりになってしまうかもしれません。

全体的な完成度が下がってしまうと、不合格になりやすいです。

重要度を見極めることも大切な試験のコツです。

 

頻出分野や工業簿記を優先させる、ひとつの分野に時間をかけすぎない、本番でも時間がかかりそうな問題はあえて飛ばすなど、ある程度の取捨選択を心がけましょう。

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まとめ

簿記2級の合格率は15〜30%程度と、それほど高くありません。

しかし難易度が特別高いわけではなく、しっかり勉強をすれば十分に合格を狙える試験です。

 

 

簿記2級は試験範囲が広いため、スケジュールを立てて計画的に勉強を進める必要があります。

また、基礎をしっかり身に付ける・問題演習に多く取り組むことも大切です。

 

とはいえ、完璧は目指さずひとつの分野に時間をかけすぎないように、必要に応じて取捨選択も求められます。

 

簿記2級はキャリアアップや転職にも有用な資格ですので、経理・財務を目指す人には役立つでしょう。

ポイントをしっかり押さえることが、合格率を突破するためのカギとなります。

Profile レックスアドバイザーズ

公認会計士・税理士等の有資格者をはじめとする会計人材専門特化した人材紹介会社。
■公認会計士・税理士・経理の転職サイトREX
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■株式会社レックスアドバイザーズ
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