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財務レバレッジとは

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財務レバレッジは財務分析指標の1つ

財務レバレッジは、金融機関からの借入や、社債発行により調達した資金を最大限利用するための指標です。

貸借対照表の観点から、総資産(総資本)は、投資家から募った資本金や事業活動により自ら生み出した利益による「自己資本」と、買掛金や借入金など外部に返済義務のある「他人資本」により構成されます。

財務レバレッジは、この「自己資本」と「他人資本」を合わせた総資本を自己資本で割って求め、倍数で表示されます。

 

財務レバレッジ(倍)= 総資本÷自己資本

 

財務レバレッジは、自己資本比率(自己資本 ÷ 総資本 × 100)の逆数でもあり、たとえば、総資本が1000万円で、自己資本が500万円の会社では、自己資本比率は50%、財務レバレッジは2倍となります。

財務レバレッジの利かせ方

「他人資本」を活用する、つまり「他人資本」を増加させることで、財務レバレッジが向上(財務レバレッジが利く)します。

つまり、財務レバレッジは、てこの原理のように貸借対照表の負債を増やして、相対的に自己資本比率を引き下げることでその比率を引き上げることができます。

その結果として、自己資本に対する利益率(ROE)の増加等を目指すこともあります。

財務レバレッジのシミュレーション

例えば、同じ業界に属するA社とB社を比較する場合、財務レバレッジの指標から、どちらがよりレバレッジを利かせているかを分析できます。

A社の総資本30億円、自己資本25億円、負債総額5億円では、A社の財務レバレッジは1.2倍となります。

B社の総資本60億円、自己資本25億円、負債総額35億円では、B社の財務レバレッジは2.4倍となります。

A社もB社も「自己資本」は同額ですが、B社はA社よりも「他人資本」が厚いため総資本が増えていることから、財務レバレッジが高くなっています。

ただし、所属する業界にもよりますが、このケースではB社の財務レバレッジの高さよりも、負債総額がより少ないA社の方が、一般的な経営状況の観点から見て安全な企業であると判断されます。

 

財務レバレッジと会計業務

財務レバレッジは経営指標の1つですが、多角的な経営戦略の目標値でもあります。

会社が投下した事業資金の源泉は、貸借対照表において「他人資本」か「自己資本」のいずれかになります。

財務レバレッジの拡大するべく「他人資本」を増やすためには、金融機関からの資金調達が必要になりますので、資金調達の的、調達により、今後の事業展開をどのようにしていくのか等の事業計画が厳しく問われます。

また、極端に言えば、財務レバレッジが1倍(総資本=自己資本)の会社は、全ての事業資金を自己資本だけで対応しているということになりますので、非常に限られた資金の範囲で事業を展開しなければなりません。

一方、財務レバレッジが高い会社では、総資本に占める「他人資本」の割合が高くなります。例えば投資会社や装置産業では、長期の他人資本により会社を経営しているためです。

 

リース契約も広義の財務レバレッジの1つ

一般的な会計基準では、一定のリース契約により取得した固定資産等は貸借対照表において、総資本を構成するとともに、リース債務を他人資本として計上します。これは財務レバレッジの1要素となります。

これから設備投資を検討している会社では、財務の安全性、資金繰りの観点から、自己資金で資産を購入せずにリース契約により調達する選択肢があります。

自己株式の取得による自己資本の引下げ

例えば社債の発行により調達した額を原資に自己株式を取得することで、「他人資本」の増加と「自己資本」の減少の両面を同時に実現させることがあります。

特に上場企業においては、自己株式の購入が、株主還元の一つとして見られていることから、株価の上昇を伴っています。 

 

財務レバレッジの留意点

財務レバレッジが高い企業の留意点

財務レバレッジはあくまでも財務諸表分析における一つの指標に過ぎません。レバレッジが高いことで負債が過大すぎると判断されて、信用リスクが高くなるデメリットがあります。

むしろ財務レバレッジの逆数である「自己資本比率」の方が、一般的には重要視されており、財務レバレッジよりも「自己資本比率」をどのようにしていくかに注目が集まっています。

業界平均や、企業の信用力、将来の収益力など総合的に鑑みて、財務レバレッジが非常に高いと判断される企業は、「他人資本」による経営に大きく依存することになり、将来において債務の返済リスクに直面する可能性があります。

例えば融資期間が通常よりも短くなる、調達資金の使途に限定条件あるいは財務条項(条項に抵触する場合は一括返済を求められます)の設定、金利にプレミアムが乗せられる等です。もし短期債務の返済が滞った場合、信用リスクが急激に悪化し、借入資本の利率が急上昇するとともに、元本の早期返済要請が伴い、返済負担が一層厳しくなります。

日頃より金融機関と良好なコミュニケーションを維持して、短期運転資金の枠の確保、短期から長期借入資本への変更、劣後債権の発行等を検討しておきましょう。

 

財務レバレッジと収益性の関係

財務レバレッジは収益性指標の1つである自己資本利益率(ROE Return of Equity)と密接な関係があります。

ROEは、当期純利益を自己資本で除した率で表され、株主・投資家にとって重要な指標で、ROEが高ければ高いほど、自己資本を効率的に活用しているとみなされています。

すなわち、貸借対照表において他人資本の比率を増加させればさせるほど、自己資本比率(自己資本を総資産で除した率)が下がり、ROEがより高まる結果になります。

「他人資本」を増加させる目的において、ROEの向上と財務レバレッジの都合は一致しています。

 

財務レバレッジとROEの組み合わせ

ここでは、以下の仮定を用いて、「他人資本」の差がC社とD社にどのような指標の変化をもたらすかを見比べてみましょう。

【仮定】
・C社の総資本30億円、自己資本25億円、負債総額5億円(すべて借入金と仮定)では、A社の財務レバレッジは1.2倍です。

・D社の総資本60億円、自己資本25億円、負債総額35億円(すべて借入金と仮定)では、B社の財務レバレッジは2.4倍です。

・C社もD社も借入利息は平均2%で、それぞれの支払利息はA社が0.1億円、B社は0.7億円です。

・C社もD社も総資本に対して同じ10%のROA(便宜上、営業利益とします)を実現でき、C社は3億円の営業利益を、D社は6億円の営業利益を稼ぐものとします。

・両社とも法人税率を30%とします。

【シミュレーション結果】
C社とD社のROE比較では、D社が他人資本を活用して多くの利益を稼いでいるため、自己資本に対する利益率がC社に比べおよそ1.8倍増加しました。

C社の当期純利益:
営業利益3億円-利息0.1億円-法人税等0.87億円=2.03億円 

C社のROE:
2.03億円 ÷ 自己資本25億円=8.12%

D社の当期純利益:
営業利益6億円-利息0.7億円-法人税等1.59億円=3.71億円 

D社のROE:
3.71億円 ÷ 自己資本25億円=14.84%

 

Profile レックスアドバイザーズ

公認会計士・税理士等の有資格者をはじめとする会計人材専門特化した人材紹介会社。
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