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執行役員って?役員や取締役との違いや年収・役割などを解説!

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執行役員 男性

皆さんは「執行役員」と聞いてどんなイメージされるでしょうか。

  • 役員って付いているから役員なの?
  • 執行役とか取締役とはどう違う?
  • 年収ってどれくらいなの?

今回は、そんな執行役員について詳しく解説していきたいと思います!

執行役員の仕事内容や年収は?詳しく解説!

①会社法における執行役員の立場

「執行役員」という名前を見ると、役員とついていますから、取締役などと一緒の役員に所属する立場の人たちだと思ってしまいます。

ですが、実は「執行役員」という役職は会社法で定められている役職ではありません

取締役などの役員は会社法に定められた役職であり、株式会社に必ず設置しなければいけません。
一方執行役員はそのような定めが無いため、設置するかどうかは会社によって異なります。
つまり「執行役員」は役員という名前が入っていますが、実際は役員ではなく従業員といった扱いになるのです。

②執行役員と執行役(役員)の違い

では名前が似ている「執行役」とはどう違うのでしょうか?

執行役とは、取締役会によって選任された役員のことです。
執行役の仕事は、取締役会で決定した業務を執行する役目があります。
また、
執行役は会社法にも規定されているので、れっきとした役員として扱われます。

従業員と役員、これが執行役員と執行役の最大の違いです。

③執行役員の仕事内容

それでは執行役員とはどんな仕事をするのでしょうか?

それは…決まっていません!

というのも、執行役員は従業員なので、その扱いは会社によって異なるというのが正直なところです。
ですが執行役員には「従業員のトップ」という立場の仕事を行うことが多いです。

今回は、執行役員としての役割の一部をご紹介したいと思います。

  1. 従業員と役員のパイプとしての役割
    組織が大きくなると、上から下までの意思疎通がなかなか上手くいかないことが度々起こります。
    皆さんももしかすると経験があるかもしれませんね。
    そんな時に活躍するのが執行役員です。
    従業員の代表として役員と従業員の間に立ち、上からの決定事項を現場に流したり、現場からの声を上に送り届けるという役目があるのです。

  2. 経営と実務を効率化する
    これまでご説明してきたように、執行役員は従業員のトップに立つ存在です。
    また従業員としての立場なので、経営部分を担う役員とは違い、執行役員は実務部分の総まとめ役を担うことになります。



このような役職の人がいることで、役員達経営層は会社の経営を考えることに集中できます。
実務は執行役員に任せ、経営は役員が担うといった役割分担を明確にすることで、業務と経営の効率化を図っていることもあるのです。

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執行役員の給料=役員報酬?年収はどうやって決まるの?

①執行役員と報酬の規定について

先に述べたとおり、執行役員は役員ではないので、役員報酬が支給されるわけではありません。
なので一般の従業員と同じ給料やボーナスが支払われるのです。

また、定款によって任期が定められている取締役と違い、その任期も会社によってマチマチです。
明確に〇年と定めている会社もあれば、中には定年まで解任されないという会社もあるのです。

ですがどのケースでも、基本的に執行役員は従業員のトップと言った扱いであるため、給料は他の従業員と比べても高くなる傾向であることは変わりません。

②執行役員の給料・ボーナスについて

役員報酬は、業績・経営方針・株主総会などを加味し、期の始めに月額が決定します。
また、業績が変わっても期の途中で変更することは出来ません。

売上がとても伸びたからといって役員報酬が期の途中で増えるということはないのです(ただし、著しい経営不振で役員報酬を減額せざるを得ない等の事情がある時は扱いが異なります)。

しかし、執行役員はあくまでも従業員ですから、成績や業績によって給料が変動する可能性があります

執行役員の年収はどれくらいなの?

①執行役員の年収について

では執行役員の年収は実際にはいくらくらいなのでしょうか?

執行役員は会社によっては設置していない企業もあり、正確に平均年収はいくら、ということを調べるのは困難です。
ですが基本的には部長職よりも上の役職であるため、部長職の給与よりも高いことが予想されます。

ですから、執行役員の年収を知るために、まずは部長クラスの年収を見てみましょう。

②部長クラスの年収について

一部の民間企業部長クラスの平均給与は、国や都道府県、市町村と言った公共機関が発表しています。
ここでは、人事院が発表している令和2年度の「職種別民間給与実態調査」を見てみましょう。

事務部長の職種別、年齢階層別平均支給額を見てみると、次のように書いてあります。

  • 28~32歳 月額 878,155円
  • 32~36歳 月額 565,973円
  • 36~40歳 月額 628,037円
  • 40~44歳 月額 657,761円
  • 44~48歳 月額 666,846円
  • 48~52歳 月額 692,859円
  • 52~56歳 月額 715,546円
  • 56~歳 月額 690,835円

平均すると687,001円/月となりますね。
年換算すると8,244,012円となります。
これが部長職の平均給与額だとすると、執行役員は大体年収900万円前後が一般的であると考えられます。

また、「株式会社HRビジョン 日本の人事部」の調査によると、執行役員を置く企業142社のうち、2019年の平均給与は1,511万円であるとされています。
こちらの調査も加味すると、執行役員の年収は1,000万円前後であると推測ができます。

執行役員になって年収が上がった時に気を付けたいこと

ここまで執行役員という役職の概要や年収などについてお話してきました。
ここからは、実際に昇格して執行役員になろうとしている人や、これから執行役員という役職を設置しようとしている企業様に向けた知識をご紹介していこうと思います。

①雇用保険には入れる?

雇用保険に入るには、いくつかの条件があります。

  • 会社と雇用契約を結んでいること
  • 31日以上の雇用見込みがあること
  • 週20時間以上の労働をしていること


役員は会社を経営する立場であり、従業員を雇用する立場の人達ですから、雇用保険に加入することが出来ません。

では執行役員はどうでしょうか?
これまでの話を加味すると、執行役員は従業員ですから、雇用保険に加入することが出来ます。
但し、注意が必要な場合があります。

それが「執行役員が他の役職も兼ねている場合」です。

執行役員が取締役を兼任している場合、基本的には役員なので、雇用保険に加入することは出来ません
ですがその人の働き方に労働性が認められる場合、雇用保険に加入できることがあります。
取締役が雇用保険に加入する場合、管轄のハローワークに「兼務役員雇用実態証明書」と雇用の実態が確認できる書類(定款、組織図、就業規則等)を提出する必要があります。

これらを総合的に判断して、雇用保険に加入出来るかどうかが決まります。

②退職金はどのような扱いになる?

会社の中には、執行役員に就任すると退職金のような形で一時金が支払われるケースがあるのではないでしょうか。
この場合、この退職金は税務上どのような扱いになるのかをご説明します。

  1. 執行役員が役員として機能している場合
    執行役員は基本的には従業員扱いですが、会社の中には「執行役員とは委任契約を結び、雇用契約は解除する」等、執行役員を役員と同じ扱いをしている会社もあるかもしれません。
    このような場合、従業員としての雇用契約終了に対して支払われるお金は退職金として扱われます。
    退職金は退職所得として、通常の給与所得よりも有利な条件で税金計算がされるので、もし執行役員になることがあるといった場合は、自分に役員性があるのかどうかはしっかりと確認しましょう。

  2. 執行役員の取扱いが通常の従業員と同じ場合
    こちらは先程のケースと違って、執行役員が役員としての機能を持っていない場合です。
    この場合に支払われるお金は、従業員として雇用される立場から変わらないので、賞与扱いになります。
    また、一度雇用契約を解除して執行役員として再雇用しても同様に賞与扱いとなります。
    賞与には退職金のような優遇措置はないので注意してください。

③確定申告が必要になる?

執行役員になると同時に給与もアップするといったケースは珍しくないでしょう。
その場合に注意して頂きたいのは、給与がアップしたことによって確定申告が必要になる場合があるということです。

給与の年間収入金額が2,000万円を超える人は確定申告をしなければいけません。
つまり、執行役員になったことによって年収が2,000万円より多くなった場合、確定申告をしなければいけなくなるのです。

確定申告と聞くと「うっ…」と思われるかもしれませんが、自営業でない限り確定申告はとても簡単で直ぐに終わります。
尻込みせずに、是非一度確定申告をしてみましょう!

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まとめ

いかがでしたか?執行役員のお仕事や給与事情がお分かり頂けたでしょうか。
執行役員は特殊な役割ですので、契約条件等をしっかりと確認していきましょう!

参考

従業員身分の執行役員の年収は1511万円 ~本誌特別調査 2019年役員報酬・賞与等の最新実態~ - 『日本の人事部』 (jinjibu.jp)


令和2年職種別民間給与実態調査の結果 (jinji.go.jp)

Profile レックスアドバイザーズ

公認会計士・税理士等の有資格者をはじめとする会計人材専門特化した人材紹介会社。
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