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USCPA(米国公認会計士)の科目合格で転職を目指すには

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USCPA(U.S. Certified Public Accountant 米国公認会計士)試験に科目合格した段階で転職を目指す人もいるでしょう。

USCPAに合格するには、まず、日本人の場合では一定の英語力を持つことが必須です。

 

そのうえで試験に必要な知識を幅広く理解することが大切です。

こうした背景から、USCPAの資格取得者は、相当の英語力がある会計の専門家であると評価されることが多くなります。

 

特に外資系企業、米国のマーケットを重視している日系グローバル企業等ではUSCPA資格が高く評価される傾向があります。

世界的規模のBig4(EY、PwC、デロイト、KPMG)監査法人においても積極的に採用をしています。

一部科目の合格者は、試験合格前の段階です。

しかし、一定の英語力を評価される場合や、将来のポテンシャル採用としての可能性があります。

USCPAの科目とは?合格率は?

USCPAとは、国際的な認知度が非常に高い資格のひとつです。

試験制度は日本の公認会計士試験(短答式試験および論述式試験の2段階制)と異なり、一定期間内で4つの科目に合格することを目指します。

日本の税理士試験のように科目合格制になっているため、多忙な社会人でもチャレンジしやすい資格と言えるでしょう。

ただし全ての試験が英語で進められるため少なくともTOEICで700点以上の実力がないと問題を読解できない等の言語のハードルがあります。

USCPAの試験制度とは

USCPAの試験を受けるためには、日本の公認会計士と異なり、一定の受験資格が必要です。

通常では4年制大学を卒業していること(Bachelor Degree 学士号)、大学等で「会計」および「ビジネス」に関連する一定数の単位があることが基本的な要件です。

また、米国の各州により受験できる要件が異なっており、例えば大学等の学歴において「会計およびビジネス」関連の単位数が異なります。

試験に合格後は、原則として日本と同じように実務経験が必要になります。

 

なお、試験の応募は米国の各州ですが、USCPAの試験は日本国内でも受験することが可能です。

USCPAの受験科目

USCPAでは公認会計士として実務に必要な科目に合格することを要求しています。

 

  1. Financial Accounting & Reporting(FAR 会計学):
    試験の内訳は、企業会計 関連が80%、政府会計あるいは非営利組織の会計が20%となっています。

  2. Business Environment & Concepts (BEC ビジネス関連):
    試験の内訳は、ビジネス関連およびコーポレートガバナンスでおよそ22%、経済学で22%、ファイナンス関連が16%、情報技術(IT関連)で20%、戦略とオペレーションマネジメントが20%と、多岐にわたる項目となっています。
    他の科目と異なり論述回答が含まれている点が特徴的な科目です。

  3. Auditing & Attestation(AUD 監査論):
    試験の内訳は、監査および監査等の証明業務が80%、職業倫理が20%となっています。
    監査とは何か、を理解していないと試験問題を把握しにくい点が特徴的です。

  4. Regulation (REG 法令):
    試験の内訳は、会社法・諸法規と邦税法で70%、ビジネス関連法令と職業倫理で30%となっています。
    広範囲な法令が対象となっており、日本の法令とは異なる考え方を理解することが必要です。

 

(出典)Abitus USCPA

USCPA各科目の合格率

USCPA では、各科目の75%が合格基準点とされています。

日本の公認会計士試験のように深掘りする試験問題が出るというよりも、様々なケースに対して広い知識を持って回答する必要があります。

そのため、まとめて時間が取れる方は、複数の科目を一度に受験することができます。

多忙な社会人では、1科目毎に受験することで一歩一歩確実に合格へ向かって進んでいく方法も選択可能です。

各科目の合格率(2019年度)は以下のとおりで、おおむね50%前後となっています。

 

  • FAR (会計学) 46.3%
  • BEC (ビジネス関連) 59.9%
  • AUD(監査論) 51.0%
  • REG(法令) 56.3%

 

(出典)Abitus USCPA

 

合格率は高いように思えるかもしれません。

ただ、論述回答があり、作文能力が必要なBECは英語に苦手意識を持つ日本人にとって難関になりやすい科目といえるでしょう。

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USCPAの科目合格の価値と転職事情

USCPAは、相互認証制度があります。

アメリカだけでなくカナダ、メキシコ、オーストラリア、ニュージーランド、香港およびアイルランドでも公認会計士の業務を行える資格です。

 

また、日本へ進出している米国系企業も多いので、日本にある子会社のファイナンス部門、Big4会計事務所でもUSCPAあるいは、科目合格者へのニーズがあります。

特に米国系の企業では、USGAAPに精通している方を求めています。

USCPA の科目の1つであるFAR(会計学) に合格していれば、選考を有利に進められる可能性につながるでしょう。

あるいはAUD(監査論)に合格していて、さらにバックグラウンドでファイナンスの経験があれば、監査法人で採用される可能性もあります。

なお、 USCPAの科目でBEC(ビジネス関連)REG(法令)を合格していても、米国系企業のファイナンス部門や、日系企業の経理部門では、これらの科目が実務に直結できるかどうか不透明のため、評価されにくい場合があります。

USCPAの科目合格者の転職先

USCPA の試験範囲は、会計以外の法務、税務、経済などを含む、広範なものとなっています。

そして、試験はすべて英語で行われますので、少なくともビジネスレベルの英語力が必要となります。

それゆえに、USCPAの試験合格者・科目合格者は、一定の英語力とビジネススキルがある人材と評価されています。

なお、USCPAは会計の専門家を証する資格であるため、会計・財務の実務経験が組み合わさることでその真価を発揮します。

 

転職を希望する方は、USCPAの科目合格段階でも、これまでの実務経験からその強みを組み合わせることで、次のキャリアアップを目指すことが可能になるでしょう。

USCPAの科目合格者が転職しやすい場合とは

事業会社での経理・財務の実務経験があるUSCPAの科目合格者の場合は、米系外資系企業のファイナンス部門、あるいは日系企業の経理部門が転職先として有望でしょう。


さらに管理会計の実務経験、英語でのコミュニケーション(日系企業の目安ではTOEIC700点以上、外資系企業では800点以上と流暢な会話ができることと)があれば、外資系・日系を問わず様々な規模の企業で、ファイナンス部門や内部監査等の需要があります。


20代後半や30代前半では、一定の実務経験があることで、一般企業のファイナンス部門のほかに、監査法人や、コンサルティングファームでの採用も期待できるでしょう。

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まとめ

USCPAの資格が評価されやすい業種・企業においては、USCPAの科目合格者も将来を期待された採用の可能性があるといえます。

例えば、日本に子会社がある米国系企業、USGAAPで決算を作成している企業(日系企業を含みます)、監査法人やコンサルティングファームにて、クロスボーダー取引や国際的なM&Aを手掛けている職種などが考えられます。

最も評価されるのは一般企業のファイナンス部門、国際的な監査法人の監査部門やアドバイザリー部門といえそうです。

USCPAは一定の英語力さえ身に着ければ、おおよそ50%台の高い合格率となっている資格です。

 

科目合格者から、USCPAの資格保持者へとステップアップを進めることで、より高い評価と、昇進の可能性を期待できるでしょう。

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