正社員・公認会計士の仕事内容
正社員として公認会計士は、さまざまな業種で働いています。
ここでは、監査法人および一般事業会社での仕事内容を説明します。
監査法人での仕事内容
公認会計士の論文試験に合格すると、ほとんどの方が監査法人でキャリアをスタートし、数年を経て公認会計士の資格を取得&登録後、数年間以上の実務経験を積みます。
この過程で、最初の数年間は監査担当のスタッフとして、多くのクライアントに赴き、監査調書の作成、主査からのレビューを受けることにより、監査業務の一連の流れを身に着けます。
数年間の監査の実務経験後、監査チームの取りまとめ役として主査(インチャージ)を任されるようになります。
監査計画の立案、チームメンバーの教育と指導、監査調書のチェックが主な業務です。
主査としての経験を積み、マネジメント能力も認められるようになると、監査法人内の職位が上がり、マネジャーとしてクライアントやプロジェクトの責任を任されるようになります。
一般企業での仕事内容
公認会計士が事業会社で働く場合、マネジャークラスでの採用が一般的です。
現場業務の流れを理解しながら、チームメンバーの指導を行い、所属組織のパフォーマンス向上に努めます。
企業規模が大きくなると、様々なプロジェクトにアサインされることがあります。
プロジェクトは会計に関するものから、経営に関わるもの(例えばM&A等)、事業部の活動支援に関わる等があり、公認会計士としての専門性を発揮できる機会があります。
監査法人から早めに転職する場合はスタッフやリーダークラスでの採用となることもありますが、将来的な幹部候補として期待されていますので、積極的にさまざまなプロジェクトに関わっていくことを心がけましょう。
その他、税理士登録をして会計事務所(税理士法人を含む)で活躍する道もあります。
クライアントに対する適切な会計サービス、税務サービスにより、クライアントが本業に専念できるように支援しています。
正社員として働く公認会計士のメリット
公認会計士は税理士と同様に、自ら会計事務所を起業し、事務所の所長として経営することも、企業の正社員として働くことも選択できます。
正社員として働く公認会計士のメリットは、その専門性に特化してキャリアを磨くことができることでしょう。
例えば、大手の監査法人では、世界に名だたる名門企業やグローバルに活躍する企業をクライアントとしています。
国内上場企業においても、AIを活用した先進的な事業や、世界を変えるかもしれないベンチャー企業のIPO審査に関わることがあるかもしれません。
このように最先端を進む企業と関りを持つことができ、そこから得られる経験はとても貴重です。
また、同じ組織の同僚との競争を通じて、組織マネジメントを学ぶことは人材管理能力の向上に役立ちます。
監査法人内では、クライアントに対するサービスの方向性が同じですので、一般企業に比べればマネジメントをしやすいといえるでしょう。
現在の転職市場では、業務スキルのほかにマネジメント能力も優先して評価されます。
とくに一般事業会社では、新卒社員の教育から、熟練したシニアレベルのスタッフまで多様な正社員が組織を構成しています。
多様な目的を持つチームメンバーを率いていく能力は必要不可欠なものです。
マネジメント能力と経営能力が高い方であれば、実績を積み上げていくことで、将来の経営幹部として期待されることもあります。
高い役職と大きな責任は、正社員としてのキャリアアップをめざす公認会計士には魅力です。
正社員として働く公認会計士の活躍できる場
公認会計士が正社員として活躍できる職場は、監査法人、一般事業会社、コンサルティングファーム等があります。
監査法人での活躍
監査法人は、公認会計士法に基づいて、クライアントに対して「監査」を実施する事業ですので、公認会計士が最も活躍できる場の1つといえます。
監査先クライアントには、既に上場している企業、公益法人、信用金庫等の金融機関、非営利法人等があり、関連する法令に基づいた監査を実施します。
上場企業の監査手続きにおいて、財務諸表の不備が著しい場合の「不適正意見」や、2期連続した営業赤字等により投資家に対して注意喚起を促す「継続企業の前提」等がある場合には、上場廃止の恐れになるため、公認会計士は高い倫理感と正義感を持って対応しなければなりません。
証券市場の守りの要とされる公認会計士として、そのやりがいを強く感じることができるでしょう。
一般事業会社・コンサルティングファームでの活躍
営利追求として、どちらの組織もそれぞれの目的達成に向けた事業活動をする中で、公認会計士は会計に関する専門性を発揮して、より質の高い業務を推進していきます。
一般企業であれば、主に経理・財務部門において、組織をリードする役割から、将来の幹部候補として活躍することが期待されます。
コンサルティングファームでは、特に会計系のアドバイスに強みがありますので、上場を控えたベンチャー企業の会計支援、事業再生、企業買収等の高度なサービスを提供することが可能です。