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「会計事務所」とは?基礎知識や具体的な業務内容について解説!

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会計事務所の業務中のイメージ

税務や経理業務を行う税理士が働く代表的な職場に、会計事務所があります。

意外と何を行う場所なのか、また税理士法人との違いなど、具体的な情報はわからないものです。

今回は、会計事務所の具体的な業務内容や繁忙期、働き方について解説します。

「ゆくゆくは税務に携わりたい」

「企業の経理部門で働いていた経験を生かしたい」

「働きながら専門性を身につけたい」

 

という方は、この記事をぜひ参考にしてみてください。

1.そもそも会計事務所とは

会計事務所とは、いわば俗称であり、税理士、公認会計士といった国家資格を持つ人が運営している事務所のことをいいます。

会計事務所では、税務・会計業務とそれに付随する業務をクライアントに提供するサービスを行っています。

会計事務所と税理士法人との違い

税理士法人とは、税理士法で定められた制度に則って設立された、2人以上の税理士を社員とする法人のことをいいます。

一方、会計事務所とは、「公認会計士事務所」「税理士事務所」「税務会計事務所」などをまとめて呼ぶ名称です。

また、会計事務所は公認会計士や税理士が個人事業主として運営しています。

 

このように、会計事務所と税理士法人は、組織上の定義が違いますが、業務内容はあまり違いはありません。

ただし一般的には、会計事務所は比較的小規模であり、クライアントも個人や中小企業などが多いです。

一方、税理士法人は比較的大規模。

クライアントも大企業である場合が多いです。

会計事務所と一般企業の経理部門との違い

会計事務所と一般企業の経理部門との一番大きな違いは、サービスの提供先です。

 

一般企業の経理部門は、自社や、自社の子会社・関連会社に向けて経理サービスを提供します。

例えば、経費の精算や給与の計算は自社の従業員のために行います。

決算業務自社の税務申告に必要であるほか、経営者の意思決定のために行う業務です。

また、上場会社では、株主や投資家のために有価証券報告書を作成します。

こちらも、最終的には自社の資金調達につながっているでしょう。

 

一方、会計事務所は、企業の経理部門や個人事業主に向けて税務・会計サービスを提供します。

つまり、本来は自社の経理部門で行うべき業務を、会計事務所が代行して行っているのです。

会計事務所の職員は、1人で10件から20件以上のクライアントの経理代行や税務代行を行うことがあります。

クライアントの訪問などの外回りの業務が多いことも特徴です。

 

事業会社の経理から会計事務所に転職する例も存在します。

2.会計事務所の具体的な業務内容

会計事務所の特徴についてはご理解いただけたでしょうか。

具体的な業務内容を理解しておくと、転職や勤務に役立ちます。

 

会計事務所の業務①記帳代業務

会計事務所におけるメインの業務は、会計に関する業務です。

現代では便利な会計ソフトが普及し、企業の取引を勘定科目に入力すると、ソフトが自動的に集計してくれます。

この入力作業を記帳代行といい、会計に関する業務の主たるものとなっています。

それ以外に、月次決算業務、年次の決算書の作成や、クライアントの会計処理に対する指導なども行っています。

会計事務所の業務②税務申告業務

会計事務所で税理士が担当するのは税金に関する業務です。

その中で主たる業務は、税務申告業務です。

税務申告業務とは、決算書や貸借対照表、損益計算書をもとに、税務署に提出する税務申告書を作成する業務のことを指します。

また、税務署に対して、納税者の代わりに申告・申請する業務も行っているのが、会計事務所の特徴です。

こうした税務書類の作成や税務代理の業務は、税理士だけが行うことのできる独占業務。

税理士以外が行うと法律違反となるので注意しましょう。

 

また会計事務所では、税金の相談や、税務調査における立会い業務なども行っています。

これらも大切な業務です。

会計事務所の業務③巡回監査業務

巡回監査とは、会計事務所の職員が定期的にクライアントを訪問して行う監査のことです。

巡回監査では、会計処理や税務処理の状況の確認や、経理担当者への指導を行います。

税務申告に繋がる大切な業務です。

また、経営に関する相談を受けることもあります。

会計事務所の業務④コンサルティング業務

最近は、コンサルティング業務を行う会計事務所も増えています。

そもそも会計事務所は、記帳代行や税務申告業務を通して、クライアントの財務状態や経営課題を把握しています。

つまり、きめ細かなコンサルティングができる立場なのです。

それらの情報を用いて、クライアントに対して経営全般に関するアドバイスを行っています。

 

また、近年は経営者の高齢化、事業の国際化が増加傾向にあります。

それに伴い、会計事務所の中にはニーズが増えている相続や事業承継、M&A、国際税務などの特定の分野に特化してコンサルティング業務を提供していることも覚えておきましょう。

会計事務所の業務⑤その他の業務

上記以外にも、年末調整や、給与計算といった業務を行うことがあります。

これらの業務は税理士と社会保険労務士との間で重複している部分があります。

しかし、年末調整の代行や給与計算の代行もまとめて預かっている事務所も多いです。

また、税務や金融の知識を活かし、融資手続きのサポートを行う会計事務所もあります。

銀行からの融資を受けるための計画書の作成、融資を受けやすい決算書の作成といったクライアントのサポートを行うのです。

 

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3.会計事務所の業務の流れ

前述したとおり、会計事務所におけるメインの業務は会計に関する業務です。

会計に関する業務には、1か月や1年を通じて、「流れ」が存在します。

流れについて解説していきましょう。

把握することで、業務へのイメージがつかみやすくなります。

 

会計事務所における1か月の業務の流れ

まず、領収書や請求書などの資料をもとに、仕訳を作成することからスタートです。

次に、仕訳をもとに、勘定科目ごとに集計した総勘定元帳を作成します。

現金や預金などは動きの多い科目です。

管理を容易にするために、現金出納帳や当座預金出納帳などの補助元帳を作成することもあります。

これらの作業を毎日繰り返し行うのが、会計事務所の日常です。

 

そして、月に1度、総勘定元帳の勘定科目ごとの残高一覧表である、試算表を作成します。

この試算表を築地決算と呼び、これによって、毎月の経営状況を確認することが可能です。

会計事務所における1年の流れ

さらに、一会計期間末には決算整理仕訳を行い、決算書を作成します。

年次決算と呼ばれる、大切な資料です。

決算書は損益計算書や貸借対照表などからなり、年間の企業の経営成績や財産状態を確認することができます。

 

期末の決算を行ったのちに、税金の申告書を作成します。

申告書の作成はとても複雑であるため、税理士だけが行うことのできる独占業務となっています。

そのため、主に税理士が担当する業務です。

しかし中小企業ひとつとっても、ひとりでこなせる量ではありません。

税理士以外の職員がサポートする場面も多くあります。

繁忙期はいつ?

会計事務所の年間スケジュールは、どの事務所でも基本的に同じです。

12月に年末調整業務を行い、2月から3月には個人事業主の確定申告業務を行います。

そして、4月から5月には3月決算の企業の決算業務や税務申告業務を行います。

このように、12月から5月あたりに業務が集中するのが特徴です。

この時期が会計事務所の繁忙期と呼ばれます。

クライアントに個人事業主が多いのか、3月決算の企業が多いかによって、少しズレはあるかもしれません。

一方、6月から11月あたりは業務が落ち着き、閑散期となります。

この時期に長期休暇を取る人も多いです。

もちろん、税理士試験の科目合格者は集中して勉強する期間になります。

4.会計事務所で働くためには

会計事務所は税理士や公認会計士が開業する事務所だと先にお話しました。

他にはどんな人が働いているのでしょうか?

会計事務所ではどのような人が働いているの?

会計事務所を名乗るには、税理士の資格を持った人が所属していることが不可欠です。

繰り返しになりますが、会計事務所の主な業務である税務書類の作成や税務代理は、税理士の独占業務となります。

税理士の資格を持つ人でなければ行うことができません。

また、公認会計士であれば、税理士の資格も取得することができるので、公認会計士も多く働いています。

 

さらに会計事務所には、公認会計士や税理士の試験合格を目指して勉強している人も多いのが特徴です。

公認会計士や税理士の試験は、会計事務所の閑散期にあたる8月に行われるため、仕事と勉強の両立もしやすくなっています。

また、試験勉強のための休暇や、費用の補助などのサポートを行っている会計事務所も多いです。

会計事務所での働き方

会計事務所では、フルタイム以外にも様々な働き方ができます。

例えば、税理士試験のために予備校に通っている人、子育て中の女性が時短勤務、パートで働く場合も多いです。

また、繁忙期と閑散期がはっきり分かれているため、繁忙期のみの期間限定で働ける人を募集している会計事務所もあります。

資格試験の勉強や、家庭の事情に合わせて、柔軟なスケジュールで働けることが魅力のひとつでしょう。

 

また、近年はクラウド会計ソフトが普及し始めたことから、在宅で働く人も増えています。

以前は子育てや介護などの理由から事務所に通勤できない人は、勤務が難しかったでしょう。

在宅スタッフとして仕事を続けられる会計事務所も多くなりました。

どんな資格や経験が必要?

会計事務所で働くにあたって、公認会計士や税理士の資格を所持しているととても役立ちます。

会計事務所の業務には、公認会計士や税理士でなければ行うことができないものが多いからです。

それゆえに、これらの資格を持った人は常に求められています。

会計事務所によっては、募集要件に税理士試験の科目合格を挙げているところもあるほどです。

 

一方、会計事務所には独占業務以外の業務も多く、独占業務をサポートする職員も求められています。

会計事務所で働きたいからといって、必ずしも公認会計士や税理士の資格を取得する必要はありません。

しかし、会計事務所の業務には専門的な会計・税務の知識を使います。

日商簿記検定や、税務会計能力検定などの資格を持っていると有利でしょう。

 

また、一般企業の経理部門から会計事務所へ転職する人も多いです。

一般企業の経理部門と会計事務所では、サービスの提供先は異なりますが、業務で必要な知識は重複する部分があります。

一般企業の経理部門での経験を生かして、会計事務所でさらに専門性を高めることができるでしょう。

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5.まとめ

一般的な会計事務所の業務内容をご紹介しました。

 

実は会計制度や税制は頻繁に改正が行われます。

そのため、会計事務所で働いている間は継続的に勉強し、常に新しい知識を身につける必要があります。

また、会計事務所の業務には、クライアントとのコミュニケーションが必要なものが多いです。

高いコミュニケーション能力が求められることも覚えておきましょう。

 

ハードな部分もありますが、会計事務所の業務は専門性が高く、将来にも役立つスキルや経験を身につけられます。

また、会計事務所からのサポートを受けながら、公認会計士や税理士の資格取得を目指せることも魅力でしょう。

 

会計事務所は会計・税務に関する知識を身につけ、スキルアップしたい方にとっては最適な職場です。

就職や転職を検討されている方は、ぜひチャレンジしてみてください。

Profile レックスアドバイザーズ

公認会計士・税理士等の有資格者をはじめとする会計人材専門特化した人材紹介会社。
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