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会計事務所や税理士法人の求人は一般的なオンライン求人募集サイトや、資格の専門学校の掲示板などでも見つけることができます。

税理士法人の数は全国で4,260事務所(税理士連合会)あり、全国の会計事務所数は31,208件で1事務所の平均従業員は5名から6名ですので、全国で働く機会があるといえますが、求人動向は様々で採用をあまりしていない少人数の会計事務所や、事業拡大で積極的に採用を進めている会計事務所があります。

一般的な求人の目的として、20代は記帳代行や税理士補助の即戦力が重視されている傾向にあります。30代になると税理士試験の科目合格数やこれまでの担当クライアント数・実務経験がより重視されるようになり、40代以降では税理士資格の有無の他、会計事務所内でのマネジメント能力、クライアント獲得能力等の会計事務所の経営に関わる資質、となります。

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1.税理士試験科目合格者の求人事情を確認しよう

税理士になるには通常5科目を取得する必要があります(一定の大学院卒業など免除対象者を除きます)。年1回、1科目毎に合格する場合はおよそ5年の時間を費やすことで「税理士試験の合格者」になることができるでしょう。

税理士試験の合格発表月は12月ですのでそこで合格となれば、その後も同じ職場で働いていくのか、新たな道を探していくのかの選択肢となります。実際は多くの会計事務所や企業で12月から1月にかけて年末調整の対応で忙しくなり、12月決算または3月決算が控えているため、実際の転職時期はこれら決算と申告が終わってからが一般的です。

このような状況から科目の合格者向けの求人をみると、その強みを活かす職場、あるいは勉強環境を支援してくれる会計事務所が主になります。一般企業では経理あるいは財務や税務の経験がどれくらいあるのかを重視しているため、科目の合格者に向けた求人は会計事務所の案件ほど多くなく、一般の経理職員としての求人になります。

実際の求人動向では以下の事例がありました。
会計事務所では科目合格者を積極的に応援できる環境を用意していることで、転職希望者にその魅力を訴求しているケースが多いです。
年収は、会計事務所での勤務経験が長い、企業で経理や財務、資金繰りなどの経験があるなどによりその想定額に幅があります。
年収が高い場合には求められる業務量が多くなる、高度な案件を対応するために相当の業務時間を必要とする、などにより相対的に勉強時間の確保が難しくなる可能性があります。

・東京都 税理士法人 科目合格者歓迎(3科目以上合格者は優遇)
 年収500万円 (会計事務所勤務経験5年目)
 繁忙期(12月から3月頃)以外の月は残業時間が10時間程度

・大阪府 税理士法人 科目合格者歓迎
 年収420万円 残業時間はほとんどなし

・北海道 税理士法人 科目合格者歓迎
 年収420万円 税理士試験受験休暇あり

・埼玉県 一般企業 税理士、科目合格者を求む
 年収490万円 入社1年目

・東京都 一般企業 日商簿記1級または科目合格者を歓迎
 年収400万円から600万円

・東京都 コンサルティングファーム 公認会計士、税理士、科目合格者など
 年収500万円から1000万円
 平均残業は50時間前後

2.会計事務所で働くべきか企業で働くべきか

税理士科目の合格を積み重ねていく過程では、その勉強時間を確保させてくれる環境、職場の理解、試験前の有給休暇の取得のしやすさを総合的に鑑みれば、会計事務所が最も有望な選択肢になります。
同僚や先輩、そして目の前に将来目標とする税理士がいるので、 試験の合格までモチベーションを高く維持することができるでしょう。
これが最大のメリットです。

ただし会計事務所では担当クライアントにより決算月がばらばらになる、資産税や別のプロジェクト対応が重なると多忙になることがあり、考えていたような勉強時間を確保できなくなる場合があります。

もし現在企業に勤めている場合には、有給休暇の付与日数や既に構築している周囲や上司との関係などを重視して、引き続き同じ環境で働くことが望ましいでしょう。
一般企業に勤めながら5科目全てに合格するまでの道のりは思っているよりも長く感じる場合がしばしばあります。
高いモチベーションを維持するためには、仕事の緊張と勉強のストレスを和らげる必要がありますので、周囲と相談して仕事の調整をし、適度に休みを取ってリフレッシュすることが大事です。
企業によっては、科目の合格、税理士試験の合格に応じた資格手当の支給、組織の責任者への昇格などを別途期待することができるかもしれません。

このように、科目の合格者として会計事務所で働くことも企業で働くこともそれぞれ一長一短ありますが、最も大事なことは5科目すべてに合格して税理士の有資格者になった後の働き方です。

会計事務所で継続して働くのであればいずれ税理士と名乗ることができるようになり、より期待される責任と役割を果たしていくことが求められるようになりますので、科目の合格者として税理士補助業務として働いてきた時期とは異なる風景を見ることができるようになります。

企業に勤めているのであれば、試験勉強が終わり業務に集中することができるようになりますので(多くの企業はそのようになることを当然に期待しています)、より高いポジションとして経理や税務部門の責任者を目指す、さらに多くの経験と見識を広げて管理部門の責任者を目指す、ゆくゆくは経営層になることをゴールにする、のように具体的な目標設定が可能になるでしょう。

3.税理士試験合格を目指すために受験時間を確保できる働き方とは

税理士の科目はボリュームがとてもあるもの(所得税法など)と、比較的少ないものがあります。

毎年8月の税理士試験に備えて、遅くとも5月頃からは集中して勉強する時間を確保したいところです。
初めての科目の合格を目指す場合やボリュームの多い科目を受験するのであれば試験の6か月以上前から、2度目以降であっても3、4ヶ月前からは試験対策を始めたいところです。

税理士の科目は論述パートで応用問題が出されますので、基礎理論だけではなく応用理論、実務的な解釈もしっかりと理解するために日頃からの勉強を継続して記憶を定着させることが重要ですので、早い時期からコツコツと勉強を続けることためにも、できる限り定時で帰り、平日にも勉強時間に費やすことができるよう、業務の平準化をあらかじめ準備しておくことが大切です。

通常、経理業務は給料の支払後前後から月末、そして翌月の月初から月次決算が締まるまでが1か月間のうち繁忙日になるので、前月以前の課題の積み残しや社内外関係者への必要事項の周知(例えば請求書を期日までに送付してもらう、経理関連資料の提供時期のアナウンスなど)、業務オペレーションの改善活動などは月中に進めておくことで繁忙時期に残業で遅くなるということを減らすことが期待できます。

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4.税理士になってからどのような働き方をしたいかイメージしよう

科目の合格を積み重ねている時期と、すべての科目に合格して税理士の有資格者として働くのとでは対応できる業務量、業務内容も大きく変わります。
どのような税理士を目指すかにより合格していくべき選択科目も変化しますし、短い期間で5科目の合格を目指すのであればボリュームの多い科目を避けた科目を選択することもあります。

具体的には、会計学に関する2科目(簿記論、財務諸表論)はどちらも必修であり、税法に属する科目は所得税法または法人税法のどちらかが必修で、相続税法、消費税法、酒税法、国税徴収法、住民税、事業税、固定資産のうち2科目を選択します。
実務に直結する税法科目を選択するのであれば法人税法、所得税法、および相続税法です。
近年は消費税法の重要性が高まってきているためボリュームの多い所得税法を選ばず消費税法を選択することも有用です。
資産税を担当してみたいのであれば所得税法と相続税法は選択すべき科目になります。

また、毎年1科目ずつの合格ではなく複数科目の合格を目指す場合には、それぞれの税法科目の試験日程を考慮することも大事です。
2020年度の試験日程では、勉強範囲のボリュームが多い所得税や法人税が2日目に用意されていましたので、初年度は簿記論と財務諸表論(これらは相互に関連性があるため同時に受験することが望ましいです)、2年目は試験日初日の消費税法と2日目の法人税法、のように試験科目の関連性と日程を考慮すると試験に集中しやすいでしょう。

税務に対する深い知識と会計の理解、そして様々な企業を見渡している税理士は、一般企業、金融機関、コンサルティングファームなどからの求人も多く、何を専門とするかにより年収や待遇が変わってきます。
会計事務所でもその事業規模により職場環境は様々で、和気あいあいとした事務所でワークライフバランスを重視する働き方、高度で規模の大きいプロジェクトを対応することの充実感を期待して大手やBIG4の会計事務所などを選択することもあるでしょう。
この場合でも選択した科目が何であるかがどのような職場あるいは業務に携われるかに関わることは少なくなく、税理士試験の合格が最終目標ではありますが、どの科目を選択したのか、ということも無視できない重要な要素であることを念頭に置きたいものです。

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