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会計事務所は年末調整時期以降は特に忙しい!

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会計事務所イメージ

会計事務所には特定の時期のみに発生する年次業務がいくつかあります。
特に12月~3月頃の年末年始時期以降に対応が必要とされる業務が多いです。

この記事をご覧になっている人のなかには会計事務所への入所を志望する人が多いでしょう。
しかし入所後のギャップを防ぐためにも、年末調整時期以降の忙しさについては事前に知っておく必要があります。

この記事では会計事務所における年末調整時期以降の業務や状況、この時期に慌てないためのポイントなどを紹介します。

会計事務所が年末調整時期以降に忙しい理由

最初に紹介するのは、会計事務所が年末調整時期以降に忙しくなる理由です。
これから挙げる理由はほとんどの会計事務所で見られるため、どこに入所しても似たような状況になる可能性が高いです。

12月以降はとにかく業務量が増える

もっとも大きな理由として挙げられるのが、年末調整時期以降、具体的にいうと12月から3月あたりの業務量が増えることです。この時期だけに発生する会計事務所業務として以下の2点が挙げられます。

  • 法人の年末調整(12月〜1月)
  • 個人の確定申告(原則3月15日期限)


法人にはほぼ例外なく、従業員の年末調整という業務が必要発生します。
年末調整を自社でおこなうこともありますが、多くのクライアントは会計事務所へ依頼します。
ほとんどのクライアントから年末調整業務を請け負うことになるため、一気に業務量が増えます。

年末調整が終わってからも落ち着いてはいられません。
続いては個人の確定申告時期に入ります。
決算月を選べる法人と異なり、個人はすべて原則3月15日を申告期限としています。
会計が固まるのが早くても1月頃、それ以降になるケースも多いです。

それから申告書の作成やクライアントへの連絡などをおこなうため、タイトなスケジュールで多くの業務をおこなう必要があります。

業務の具体的な内容や特徴などは後の章で詳しく紹介しましょう。

期日が明確なうえ、守れない場合のリスクがかなり大きい

期日が明確かつリスクが大きいため緊張感とても高いことも、忙しくなってしまう理由のひとつです。
期日はすべての業務で守るべきものではありますが、この時期の業務は特にリスクが高いといえます。

年末調整は従業員に還付する源泉所得税を計算する業務です。
それが万が一間に合わなければ、クライアント先の従業員への還付金支払いが遅れ、
クライアントからのクレームや信頼を失うことにつながるのです。

個人の確定申告も同様です。
申告や納税が遅れると延滞税などの追徴課税につながり、対象の個人が税務署から目をつけられてしまう可能性もあります。
クライアントの今後の活動に悪い意味で大きく影響してしまうため、期日は必ず守らなければなりません。

普段以上に注意深くかつスピーディーな業務進行に注力する結果、忙しくなってしまうのです。

年に1回のためスタッフが慣れるのも難しい

年末調整と個人の確定申告は年に1回の業務です。
それにも関わらず、多くのクライアントを一気に対応しなければならないため、会計事務所スタッフは1年ぶりの作業に慣れる間も余裕もなく、とにかく業務をこなすことになります

簡単なところから徐々に慣れていくということが難しいため、この時期は会計事務所全体が慌ただしい雰囲気になります。
日常的な業務とは大きく違うということもあり、数年以上会計事務所に勤務しているスタッフであっても毎回マニュアルの見直しをおこなう場合が多いです。

多くの業務は慣れればスムーズに進められます。
しかし年末調整時期以降におこなう年1回の特殊業務は、そもそも慣れるということが難しいのです。
次に同じ業務をおこなうまでかなり間が空いてしまうため、毎年新しい業務をおこなうような気持ちになってしまいます。

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会計事務所における年末調整時期以降の主な業務

続いては会計事務所における年末調整時期以降の主な業務について、具体的な内容を紹介します。
これらの業務は会計事務所にとって大きな業務であり、会計事務所で勤務する以上避けられないものです。

年末調整

まずは年末調整について紹介します。

法人は毎月スタッフの給与から源泉所得税というものを徴収しますが、普段徴収する所得税は概算に基づいて計算されたものです。
実際に徴収すべき源泉所得税の合計額は、年末にならないと確定しないため、年末に計算し直し、必要に応じて源泉所得税の還付もしくは追加での徴収をおこないます。

源泉所得税の金額は、以下のような理由で変動します。

  • 扶養者の有無や扶養人数
  • 配偶者の扶養義務の有無
  • 生命保険料や地震保険料などの支払額
  • 給与から徴収された社会保険料の合計額
  • 住宅ローンの有無

これらについて把握するために、個人から保険料控除証明書や各種書類などを集めなければなりません。
すべての書類が揃わないと実際の年末調整業務に入れないため、書類提出の依頼や催促などの連絡も重要です。

多くの会計事務所では、ソフトを利用して年末調整を進めます。
業務自体はそれほど難しいものではないのですが、不慣れなことから進めるのに手間取ってしまうケースが多いです。
全スタッフ分ということで単純に数が多いことから、ミスも発生しやすいです。

年末調整によって所得税の調整額が算出されると、クライアントへ報告をおこない、12月または1月支払いの給与で調整するよう依頼します。
クライアントへ報告して終わりではなく、その後税務署や地方自治体に書類を提出するまでが年末調整です。

個人の確定申告

個人の確定申告とは、個人事業主や不動産所有者など所得税の納税義務者に必要とされる税務申告です。
前述したとおり、個人の確定申告期日は原則3月15日とされています。

確定申告書作成のためには、その年の1月から12月までの会計を固めなければなりません。
しかしすべての資料が完璧に揃うのは12月末なため、会計入力が完了するのは早くても1月中旬頃となります。

クライアントによっては資料の提出が遅い場合もあるため、そうなるとより後ろ倒しになっていきます。
会計が固まってようやく申告書の着手となるため、どうしても忙しい時期が集中するのを避けられません。

個人クライアントを抱える会計事務所において、この時期に忙しくなってしまうのはどうしても仕方のないことなのです。

12月決算法人の決算申告

年末調整と個人の確定申告ほどではありませんが、12月を決算月とする法人の確定申告も大きな業務といえます。
決算月は自由に決めることができますが、キリの良さなどから12月を決算月とする法人は少なくありません。
そのためこの時期は法人の決算申告業務も発生しやすいです。

法人の決算申告業務は時期を問わず経験する機会があるため、ある程度慣れているスタッフが多いです。
しかし他の業務で忙しい時期に決算申告業務が重なってしまうと、他の月に比べて負担に感じやすくなります。

スタッフの負担が重くなりすぎないよう、他の業務とのバランスを見ながら割り振る必要があります。

会計事務所が年末調整時期に慌てないためには

業務量の多さやさまざまな理由などから、年末調整時期以降に会計事務所が忙しくなってしまうのはある程度仕方のないものです。
しかしなるべく慌てずに済むよう事前に準備しておくことが大切です。
会計事務所がこの時期に慌てないように対策する方法を紹介します。

十分な人材を確保しておく

もっとも効果的なのが、十分な人材の確保です。
一人当たりが負担する業務量を減らせれば、その分余裕を持って業務を進められます。

ただしやみくもに人数を増やせばいいわけではありません。
経験の浅い人を採用しすぎては、指導や調整などでむしろ忙しくなってしまう可能性があります。

なるべく早い時期から人材を増やしていき、年末調整の時期あたりには十分に業務ができる状態にしておきましょう。

余裕があるうちに研修などを済ませておく

余裕があるうちに研修などを済ませておくことも大切です。
研修は入所したばかりの新人だけでなく、会計事務所全体でおこなうと良いでしょう。

前述したように年末調整や個人の確定申告などは年1回の業務です。
会計事務所での勤務年数が長い経験者であっても、日々業務に追われるなかでは年末調整業務などについては忘れてしまいます。
また、ほぼ毎年なんらかの改正や変更がおこなわれるため、事前に情報共有をしておくことも大切です。

余裕のあるうちに研修や情報共有などをおこなっておくことで、直前や繁忙期時期になってから慌てずに済みます。

タスク管理やスケジュール管理を厳密におこなう

期日が明確である以上、タスク管理やスケジュール管理が非常に重要です。
これらをなるべく厳密におこなう必要があります。

業務そのものは一言で表せますが、実際には書類回収・データ入力・書類出力・レビュー・報告・提出などさまざまな作業が含まれています。
これらを細分化しそれぞれ具体的な期日を設定することで、管理がしやすくなるでしょう。

業務の進捗やスケジュールとの一致具合などを随時確認し管理しながら進めることで、慌ててしまう可能性が低くなります。

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まとめ

会計事務所は年末調整が始まる12月頃から、個人の確定申告が終わる3月中頃までがもっとも忙しいです。
単純な業務量の多さや期日の厳格さ・スタッフの業務に対する戸惑いなどが理由で、会計事務所である以上この繁忙期は避けることはできません。

しかしこの時期に忙しくなることを理解していれば、なるべくスムーズに業務が進むよう対策をおこなうことができます。
繁忙期となることを覚悟しておくのも、この時期のストレスや疲労を減らすために有用です。

会計事務所に入所を希望する方は、年末調整時期以降の忙しさに対する理解や対策を心がけていきましょう。

Profile レックスアドバイザーズ

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