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公認会計士試験における短答式試験とは?試験概要や免除制度について解説

短答式試験に合格するには内容を把握していく必要があります。
免除制度をうまく活用して合格を目指すのも1つの手です。
今回は、短答式試験とはどのような試験なのか、試験概要や免除制度について解説していきます。
公認会計士試験における短答式試験の試験概要
公認会計士試験において短答式試験は第一関門であり、1日で4科目の試験を5時間受験しなければなりません。
科目や範囲が多いことから、合格までの勉強時間は3,000時間にも及ぶと言われています。
自分に最適な勉強方法を模索しながら、継続的に学習を進めていくことが大切です。
短答式試験は1次試験
短答式試験は、公認会計士試験における1次試験です。
原則として、試験に合格しなければ2次試験である論文式試験に進むことができません。
合格率は10%程度で、10人に1人しか突破できないのです。
難易度が高い試験と言えるでしょう。
マークシート形式により行われますが、択一式であり明確に答えを導き出せなければ解答に辿りつけないので、専門的かつ多様な知識が必要になります。
4科目5時間の試験時間
短答式試験では、科目が4つに分けられます。
試験時間は、公認会計士において重要とされる財務会計論のみ2時間であり、他の3科目は1時間です。
それぞれ出題量が多く、効率的に解いていかなくては時間が足りなくなってしまいます。
問題の取捨選択を行い、基礎的な問題から確実に点数を積み重ねる技術が、短答式試験では大切です。
相対的な試験であるため、限られた試験時間の中で周りの受験生が正答すると考えられる問題を落とさないようにしなくてはなりません。
合格までの勉強時間は1,500~3,000時間が目安
各科目における学習範囲はとても広く、合格までの勉強時間は1,500~3,000時間と言われています。
1年間で考えた場合、1日4時間~8時間程度勉強にあてなくてはいけない計算です。
私生活がある中で、勉強時間を捻出するのは容易ではありません。
勉強を習慣化して、ある程度私生活を制限することで、効果的な学習を実現していくことが大切と言えます。
また、3,000時間はあくまでも目安であり、それより長くなることもあるので注意が必要です。
短答式試験の具体的な試験科目
短答式試験は4科目に分けられており、具体的な内容を把握して最適な学習をしていくのが賢明です。
企業法や監査論は理論科目であり、深い理解が求められることも少なくありません。
一方で、管理会計論や財務会計論は、理論と計算の複合による出題です。
理論と計算のバランスを考えながら、試験時間の中で最大限のパフォーマンスを発揮することが求められています。
企業法
企業法は1時間の試験の中で、法律に関する知識が問われます。
試験科目として用いられている名称であり、実際には存在しません。
企業法の中に含まれるのは、会社法・商法・金融商品取引法です。
3つの法律のうち会社法がメインとして、学習が必要になってきます。
債権者保護を念頭に、法律における趣旨の理解が求められているのが特徴です。
基本的には、会社法16題・商法2題・金融商品取引法2題出題されるので、会社法の対策が重要です。
管理会計論
管理会計論は、試験時間1時間の中で原価計算や会社の管理を行うための会計について出題されます。
製品の製造にいくらかかるのか、原価計算は会社において原価を計算する会計です。
また、経営管理者に対して会計情報を提供することで、業績UPを見込んでいきます。
試験時間が短い中で、理論と計算をバランスよく解いていかなければなりません。
すべての問題を解くのではなく、問題の取捨選択を行い、解けるところから解いていくことが大切です。
監査論
監査論は1時間の試験であり、会計監査をメインとして内部監査や四半期監査など、監査における知識が出題されます。
公認会計士の独占業務は監査であり、公認会計士しか行うことができない業務です。
独立性を持った会計士が、財政状態や経営成績、キャッシュフローの状況について意見を表明します。
利害関係者は専門家による監査により、会社の情報に信用を置き、安心して取引を行っていけるようになるのです。
理論科目であり、理解しながらポイントを押さえた学習が必要になってきます。
財務会計論
財務会計論は2時間の試験であり、短答式試験において1番大切な科目です。
点数も他の科目と比較して2倍なので「財務会計論を制する者が会計士試験を制する」とも言われます。
簿記や会計について理論と計算が出題されるので、満遍なく学習していかなければなりません。
また、出題数は回により異なりますが、総合問題である連結会計を除き理論と計算どちらも1問8点です。
得意不得意を作らず、周りの受験生が解ける問題を落とさないように基礎を徹底した学習が必要になります。
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短答式試験の勉強法
短答式試験では長期間に及ぶことが想定できるので、勉強方法により学習時間に大きく差がでることも少なくありません。
専門性が高く、初学者にとって学習しづらい内容が多いのも事実です。
独学の難易度はかなり高く、専門学校を利用することで効率的な学習をしていくのが賢明と言えます。
専門学校に通学できない場合には、WEB・通信講座もあるので自分に最適な学習方法により勉強を進めていくことが大切です。
完全独学は難易度がかなり高い
短答式試験では、勉強範囲が広く法改正などがあることも考えると独学では難易度がかなり高いと言えます。
長期的に勉強を継続していかなくてはならないので、スケジュール管理が鍵を握ります。
自分で勉強計画を立てられて、モチベーション管理が出来る人に向いている勉強法です。
専門学校への通学
専門学校へ通学することで、カリキュラム通りに勉強を進めていけば良い状況になります。
自分は勉強に集中できるので、効率的な勉強が可能です。
通学していれば、周りの受験生と切磋琢磨できるだけではなく、わからないところは直ぐに質問できます。
改正があれば、講師がわかりやすく解説してくれるので、安心して勉強に挑むことが可能です。
WEB・通信講座の受講
専門学校に通いたいけど時間がない人は、WEB・通信講座の受講がおすすめです。
どこでも勉強ができるようになるので、スキマ時間を活用していけます。
困ったことは、電話などで質問して、わからないところを解決できるのが強みです。
家にいながら専門学校に通っているような効果を実現していけるようになります。
短答式試験の免除制度
短答式試験には、試験合格以外にも免除制度があります。
一定の要件を満たしていることで、申請すれば科目免除が可能です。
全科目免除と一部科目免除があり、それぞれの要件を事前に把握しておき、計画的に免除制度を利用していく必要があります。
科目免除には申請が必要
科目免除をするためには、事前に申請をしておかなければなりません。
要件に該当していることを証明する書面を添付して申請する必要があります。
審査が行われるので、間違いのないように事前に要件を確認して、正確に書面を作成しておくことが大切です。
全科目免除者
全科目免除の場合、短答式試験を受ける必要はなくなりますが、その分要件が厳しいのが特徴です。
全科目免除者は、以下に該当する者を言います。
- 大学等で3年以上商学や法律学の教授又は准教授の職にあった者
- 商学又は法律学の研究で博士の学位を授与された者
- 高等試験本試験合格者
- 司法修習生となる資格を得た者
- 旧司法試験第2次試験合格者
これらに該当している場合には、全科目免除者です。
該当者が申請することで、審査を受けることができます。
一部科目免除者
一部科目免除は、短答式試験における4科目のうち、いくつかの科目が免除になることを言います。
一部が免除されるだけでも、試験当日、他の科目に集中できるので有利です。
一部科目免除者は、以下に該当するものを言います。
- 税理士又は簿記論、財務諸表論で基準以上の成績を得た者→財務会計論が免除
- 会計専門職大学院で一定要件の科目を履修して修士(専門職)の学位を授与された者→財務会計論、管理会計論及び監査論が免除
- 上場会社などにおいて会計又は監査における事務又は業務に通算して7年以上従事した者→財務会計論が免除
これらの要件に該当している場合、一部科目免除者です。
一部科目免除の場合にも、申請が必要なので忘れないようにしましょう。
まとめ
今回は公認会計士試験における短答式試験とはどのような試験なのか、試験概要や免除制度について解説してきましたがいかがだったでしょうか。
公認会計士試験の短答式試験は合格率が低く、試験時間内で効率的に合格点を目指していかなければなりません。
基礎的な問題から、満遍なく点数を獲得していく必要があります。
一方で、財務会計論の配点が多いので、得意にしておかなければなりません。
確実に突破したい場合には、免除制度により試験をパスすることもできます。
長期に渡る勉強が想定できるので、スケジュールやモチベーションの管理を行い効率的な勉強をしていかなければなりません。
専門学校を活用することで、勉強に集中できる環境をつくっていくことも、短答式試験では重要です。
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