経理代行とは？利用するメリット・デメリットや選び方のポイントを紹介

経理代行とは経理業務の代行サービスです。

経理代行には大きな魅力があり利用するメリットがありますが、デメリットやサービスの選び方も押さえる必要があります。

本記事で経理代行サービスについて詳しく解説します。

はじめに、経理代行サービスの概要を紹介します。

経理代行とは名前の通り、自社の経理業務を代行してもらえるサービスです。

経理の外部委託・アウトソーシングとも表現できます。

経理のプロや、時には税理士のような専門家に経理業務を任せられます。

経理代行は基本的に、経理業務全般の依頼が可能です。

具体的なサービス内容の例を紹介します。

• 記帳（仕訳入力）
• 給与計算
• 経費精算
• 年末調整
• 売掛金および買掛金の管理
• 支払い代行
• 決算・申告業務
• 請求書発行

経理に関連するものの、原則として経理代行のサービスに含まれない業務として以下の例が挙げられます。

• 財務関連業務（資金調達・予算管理・投資・M&Aなど）
• 融資サポート

また、経理代行のサービス内容の例で紹介した業務であっても、業者によっては対応していないものもあるため注意が必要です。

例えば決算書の作成や税務関連の業務は税理士の独占業務であり、税理士と連携していなければ対応できません。

経理代行にかかる費用は、依頼する業務範囲やボリュームによって大きく異なり、また業者による違いも大きいため、事前に確認が必要です。

費用の目安として、主な業務の相場を紹介します。

記帳代行は1仕訳に換算すると50〜100円が相場となります。

100仕訳ごとに5,000〜10,000円ほど高くなるイメージです。

給与計算の費用相場は、従業員一人につき2,000円程度です。

年末調整は従業員一人につき500〜2,000円が相場ですが、依頼する人数によって適用される料金が変わる・別途初期費用がかかるケースもあります。

決算・申告業務の相場は5〜20万円です。

一口に決算・申告といっても様々な業務があるため、依頼する範囲によって料金が大きく変わります。

経理代行サービスを利用するメリットを3つ紹介します。

経理代行サービスを利用することで、本業に集中できるようになります。

経理業務は売上に直接貢献はしません。

その上、ある程度の専門知識や経験が必要とされます。

規模の小さい会社にとって、売上につながらない業務のためにリソースを割く・人材育成を行うのは大きな負担になりがちです。

自社で経理を行おうとして本業のリソースが減ってしまい、売上に支障が出る恐れもあります。

経理代行サービスを利用すれば、自社で経理業務を行う必要がなくなり、リソースを本業に費やせます。

本業に集中できる環境になり、結果として売上アップや職場環境の改善などの効果につながるでしょう。　

経理代行サービスを利用することで、人件費の削減につながります。

自社の人間が経理業務を行うのであれば、経理代行を利用するための委託費用はかかりません。

しかし、経理人材の確保・育成・業務環境の整備には、以下のように様々な費用がかかります。

• 採用費
• 求人サイトへの掲載費
• 求人サイトやエージェントに払う費用
• 研修費
• 給与
• 社会保険料（会社負担分）
• PCやモニターなどの備品

経理に要するトータルの費用は、経理代行よりも自社の人間が経理業務を行う場合の方が大きくなる可能性が高いです。

経理代行サービスの利用が、結果として人件費の削減につながります。

経理代行サービスを利用すれば、自社の経理業務を経理のプロに任せられます。

経理のプロが対応するため、当然ですが成果物のレベルは非常に高いです。

自社の労力を最小限に抑えながら経理業務の質をアップできる点も、経理代行サービスの大きなメリットといえます。

続いて、経理代行サービスを利用するデメリットを3つ紹介します。

経理代行サービスを利用する場合、当然ですが経理業務は外部の人間が行うことになるので、自社の人間が経理業務に触れる・経理業務を経験する機会がかなり少なくなります。

経理に限らず、業務のノウハウは経験を通じて溜まるケースがほとんどです。

経理の外部委託によって自社に経理ノウハウが溜まるチャンスは少なくなってしまうでしょう。

経理業務を外部業者に代行してもらうためには、関係資料を代行業者に送る必要があります。

自社内部の資料を外部に送る以上、どうしてもセキュリティの懸念は存在します。

もちろん、セキュリティ対策を行うのは大前提です。

しかし、システムエラーや人的ミス、さらにはハッキングなどの恐れをゼロにはできません。

経理代行に限らず、外部委託にはセキュリティの懸念がある点を認識する必要があります。

前章で、経理代行を利用するメリットのひとつとして「人件費の削減につながる」と紹介しました。

ほとんどの場合において、経理人材をイチから確保・育成するよりは、経理代行サービスの方がコストを抑えられるでしょう。

しかし、業者や依頼範囲、オプションの内容によっては、想定よりも高額になる恐れがあります。

あまりにも高額である場合、長い目で見ると社内で人材育成をした方が結果プラスになるケースも有り得ます。

依頼内容等によってはそれほど費用を抑えられない可能性がある点に注意が必要です。

最後に、経理代行サービスを選ぶ際のポイントを3つ紹介します。

経理代行サービスを選ぶ前に、まずは依頼したい内容の明確化が必要です。

「経理代行のサービス内容」の項で依頼できる業務例を紹介しましたが、業者によって対応している範囲は異なります。

そのため依頼したい範囲を決めないまま業者選びをしてしまうと、業者の対応範囲に合わせて依頼内容を決めることになる恐れがあります。

結果として、契約してから本当に依頼したい業務に気付く・自社で対応できる範囲まで依頼してしまう事態が起こり得るのです。

自社に合う業者を選ぶ・必要な業務のみ依頼しコストを最小限に抑えるため、事前に依頼する内容を明確にしましょう。

「セキュリティ面の懸念がある」の項で紹介したように、外部委託サービスを利用する以上、セキュリティ面の懸念はどうしても存在します。

リスクを最小限に抑えるため、業者が行っているセキュリティ対策や、過去のトラブルの有無などをチェックしておくと安心です。

また、柔軟性もチェックすると良いでしょう。

契約後に依頼範囲を変えることや、忙しさに応じて業務量の調整が可能な業者であれば、効率的で無駄のない依頼が可能です。

時期によって依頼したい量や内容が変わる可能性がある場合は、柔軟性が高い業者を選ぶのがおすすめといえます。

どれほど業者の公式サイトやパンフレットなどの案内を確認しても、実際に利用しなければわからない部分は多く存在します。

サービスの質や担当者の対応、スピード感などが代表例です。

業者が発信する情報はどうしても業者目線であり、業者目線の情報だけで利用イメージを起こすのは容易ではありません。

とはいえ、実際の利用イメージが一切わからない状態で契約するのはリスクが高いです。

そこでおすすめなのが、実績や評判といった利用者ありきの情報を活用する方法です。

業者が公開する実績は業者目線ではありますが、サービスを提供した時の様子や利用者の感想が反映されているため、使用感をイメージする上で役立ちます。

また利用者が投稿する評判や口コミは、利用者目線の情報を収集する手段として最適です。

利用者目線の情報も活用すれば、より自社に合うサービス業者を見つけられる可能性が高くなります。

経理代行サービスを利用することで、自社の経理業務を外部のプロに任せられます。

経理にリソースを割く必要がなくなるため本業に集中できるようになりますし、人件費の削減も可能です。

一方で、自社に経理ノウハウが溜まりにくい・セキュリティ面の懸念があるといったデメリットにも注意する必要があります。

一口に経理代行サービスといっても様々な業者がいます。

今回、経理代行サービスを選ぶ上でのポイントを3つ紹介しました。

経理代行サービスに求める要素を明確にしつつ、情報収集をしっかり行い、自社に合う経理代行サービスを選びましょう。