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公認会計士の職務経歴書はどう書けばよいのでしょうか。
転職活動において、必要不可欠である「職務経歴書(職歴書)」。
いざ書くとなると、正しい書き方がわからないという人も多いでしょう。
なんとなく、「履歴書」と同じようなことを書いてしまったり、そもそも職務経歴書の役割をよく理解していない人も少なくありません。
基本的な職務経歴書の書き方から、公認会計士・税理士向けに会計業界の転職で役立つポイントを紹介します。
採用担当者がチェックしている点も解説します。
【公認会計士・税理士向け】職務経歴書と履歴書の違いとは?
まず職務経歴書と履歴書には、書類の目的・用途や書くべき内容、そして基本的な書き方についても大きな違いがあります。
そもそも書類選考の際に用いられる「履歴書」とは、より採用担当者が応募者のプロフィールを確認しやすくなるよう、想定して書かれています。
そのため、定型のフォーマットがあり、1枚で簡潔にまとめることが求められるのです。
反対に、今まで培ってきた業務経験を確認したり、今後の仕事に活用できるスキルをなどを確認したりするのが「職務経歴書」です。
職務経歴書は履歴書よりも選考に直結することが多く、勝負の書類だといえます。
そのため、履歴書のような定型のフォーマットにとらわれず、複数枚を使って自由に自己アピールしましょう。
とはいえ、自己アピールをしたいからといって長くなりすぎてはいけません。
職務経歴書は採用担当者に「会いたい」と思わせるもの。
すべてを書くわけではなく「会って聞いてみたい」と思わせることが大切です。
しかし、職務経歴書では自分らしさをアピールできる分、どのように書けばよいのか迷ってしまう方も多いでしょう。
それでは実際に、職務経歴書の基本的な書き方について、解説します。
【公認会計士・税理士向け】職務経歴書(職歴書)の基本的な書き方
職務経歴書を書くときに、とくに悩む人が多いポイントは決まっています。
そこに焦点を絞って解説していきましょう。
職務経歴書は逆編年体がトレンド
経歴を書く順番として、昨今は「逆編年体」がトレンドになっています。直近の経歴から書いていき、さかのぼっていく形式です。
職歴の順に書いていくのを「編年体」と言いますが、こちらのほうが見やすいのでは?と思う方もいらっしゃるようです。
「逆編年体」のメリットは、選考に直結する経験やスキルを最初にアピールできることです。
「編年体」の場合、最初に記載するのは新卒入社の会社や経験で、5年前・10年前、あるいは20年前のことになってしまい、職務内容についてもまだまだアピールできる部分は少なくなってしまいます。
いっぽう「逆編年体」の場合、今まさにやっている業務、活躍していることを最初に書くため、アピール度の高い書類となります。
書類の上でもファーストインパクトは大事ですね。
転職回数が多いなどの事情の場合は編年体を勧められるケースもあるようですが、一般的には逆編年体が好ましいと考えられています。ほかにも、キャリア別など、経歴概要のまとめ方にはさまざまな種類があります。
ご自身にあった形式を選びましょう。
公認会計士の30代からの転職についてはこちらの記事もご覧ください。
公認会計士が30代から転職するには?監査法人など主な転職先を解説
今までの業務経験を具体的に書く
職務経歴書のメインとなる職歴詳細の部分は、具体的に書くことを心がけましょう。
担当クライアント規模、職位、またインチャージ経験など、詳細な情報が必要です。
公認会計士は監査のみ、税理士は税務のみを書くと思いこむのはNGです。
アドバイザリーやコンサルティング業務やその他の特殊業務の経験をもっているなら、必ず記載しましょう。
アピールにつながります。
職歴詳細を書くときには準備が必要です。
何年も働いてきたことを、パッとすぐに書くことは難しいものです。
まずは思い出して書き出し、取捨選択し、まとめることになります。
「すぐに書ける!」と思うことは危険です。
事前に業務の棚卸しをすると、より具体的に書けるでしょう。
経験やスキルなどの強みを明確化させる
会社の規模や、組織体制によっても携わる業務は異なります。
今後携わりたい業務内容に対して、これまでの経験から、自身にどんな強みがあるのかを絞り込み、明確化していきましょう。
具体的には、どういったキャリアにつなげていけるのかを考えることが重要です。
強みやこれから身に付けたいスキルなどをもとに、どのようなキャリアが積めるのか、ぜひ中長期的なビジョンで転職目的を考えると良いでしょう。
具体例あり!職務経歴書の構成の考え方
続いて職務経歴書の構成ですが、大きく分けて
- 職務要約
- 職歴詳細
- アピール部分
の3つです。
まず、「職務要約」は、冒頭に3~4行程で設けるものです。
この部分に関する質問は多い傾向にあります。
なかには、ひたすら転職理由を書いてしまうなど、基本的な書き方を間違えている人もいるのが実情です。
- 職務要約NG例
新卒で〇〇社に入社しましたが、異動が多くキャリアを積むのが難しいと考え、もともと興味のあった税理士をめざそうと〇〇会計事務所に入社しました。
税理士試験を受けながら働いていましたが、残業が多く両立が難しかったため、現在の〇〇会計事務所に入社しました。4科目に合格し、5科目目の合格のめどもたったため、もっとスキルアップしたいと考えて転職活動をしています。
どう思いましたか?
やや極端なNG例ですが、これに近い職務要約を書いている方は実は多いのです。
どんな業務を行ったかではなく、ひたすら転職について書いてしまっていますね。
- 職務要約例
〇〇社では主に営業を担当した後、〇〇会計事務所では記帳代行、月次決算、税務補助などの会計税務の基本業務を担当しました。
現在の〇〇会計事務所では、担当クライアントを持ち、月次決算や年次決算を行い、経営相談などにも対応しています。
税務申告の補助業務も担当しております。
今後はクライアントの規模を大きくし、事業承継などにもチャレンジしていきたいと考えています。
文例1のように、転職理由はいっさい省略してかまいません。
面接選考に進めば必ず転職理由は質問されますので、職務要約でわざわざ書かず、ここでは前向きなアピールを書くようにしましょう。
次に「職歴詳細」です。
ここでは、より具体的・論理的にまとめることが重要です。
今までどこで(会社名・在籍期間)、どんな相手に(規模)、どのような業務内容を行ってきたのかを書かなければなりません。
注意したいポイントは以下にあります。
・クライアントは、主に担当している会社を始め、異なる業界など、3~5社程度ピックアップ
・クライアント名については、「○○業 売上高○○億円 従業員数○○人」と具体的に記載します。
このような内容を伝えるために、箇条書きや表など、読み手が見やすい手段を選択しましょう。
履歴書と異なり、自由な形式で作成できる職務経歴書だからこそ、まとめ方を一工夫することで、採用担当者に伝わりやすくなるのです。
最後に自己アピールとなりますが、ここでは志望企業で活躍できることを証明しましょう。
職務経歴書において記載すべき活用できる知識やスキルに関しては、入社後に活躍できることを証明するものです。
資格やスキル、経験をただ並べるのではなく、それを使って、どのように活かせるのかイメージできるレベルまで提案することが重要なのです。
それらをまとめるためにも大切なのは、これからのキャリア形成において「何が強み」で「何をやりたいのか」をしっかり見つめなおすことです。
公認会計士の求人
税理士の求人
採用担当者はどこを見ている?職務経歴書のチェックポイント
続いて、周りと差がつく、職務経歴書のポイントを紹介します。
果たして、採用担当者はどのようなポイントをチェックしているのでしょうか?
採用担当者は「自社にどのようなメリットをもたらすか」を見る
採用担当者は、「この人を採用すると、自社にどのようなメリットがあるか」をポイントとしています。
まずは今までの仕事への「取り組み姿勢」だといわれています。実績や成果などの数値だけでは表せない、仕事への取り組み方や人柄を確認したいのです。
いくらスキルや経験が豊富でも、この姿勢がなければ自社で活躍してくれるイメージを持つことはできないので、重要なポイントです。
また、経験やスキルが具体的にどう活かされるのかをチェックされます。
仮に同業種への転職を希望するのであれば、応募先の業務内容とマッチすることを前提にまとめること、反対に未経験の業種では経験とスキルをどのように活用できるのか、アピールすることが肝心です。
採用担当者が求めるものを事前に準備しておきましょう。
公認会計士の転職:「失敗した!」と感じるときはあるのか?こちらの記事もご覧ください。
読みやすく2~3枚程度にまとまっているか
自由な形式で書いて良いとされる職務経歴書ですが、多くの企業がA4サイズを推奨している傾向にあります。
そして読みやすさを考え、枚数は2~3枚程度にまとめるのが望ましいでしょう。
転職回数などによっても、文章量が異なりますが、採用担当者が読みやすいかどうかは重要です。
やはり長すぎる職務経歴書は印象が悪く、「まとめ力」がないと思われてしまいます。
とくに会計業界ではクライアントにレポートや報告書を提出しますので、「まとめ力」も非常に重要な能力のひとつなので、採用担当者がチェックしているポイントだといえます。
適切な枚数を心がけてください。
知っておきたい!職務経歴書のコツ:公認会計士の場合
公認会計士が職務経歴書を作成する際は、クライアントの規模や業界といった基本情報に加え、業務の成果やマネジメント実績を簡潔かつ魅力的に伝える工夫が必要です。
監査業務は定型手続きが中心となるため特徴を出しにくい傾向がありますが、特別な会計論点への対応やイレギュラー処理の実績、主査(インチャージ)として率いたチーム人数を明記することで大きな差別化に繋がります。
また、コンサルティングやアドバイザリー業務の経験がある場合は「どのような課題に対し、どうアプローチして結果を出したか」を要約し、面接で深掘り質問を誘発するような構成を意識しましょう。
転職回数が多い・実務経験が浅い場合の書き方
短期離職や転職回数が多い場合、あるいは会計士としての実務経験が浅い場合であっても、見せ方を工夫すれば採用担当者に前向きな印象を与えられます。
転職回数が多い場合や短期離職がある場合は「キャリアの一貫性」を軸に記載しましょう。単なる退職の繰り返しと受け取られないよう、各職場で得たスキルと「次のステップで何を叶えたかったのか」という肯定的な理由へ変換して伝えます。
たとえば「監査の実務基盤を固めた上で、より経営支援に強いFAS領域へ挑戦するため」のように、前向きな動機に落とし込むのが効果的です。
実務経験が浅い場合(試験合格直後や経験1〜2年など)は、経験年数の長さではなく、試験勉強で培った知識の深さや論理的思考力、業務に向き合う姿勢をアピールします。
実証性テストや内部統制評価といった基礎手続きにおいて、正確性とスピードを意識して取り組んだ実績や、自発的に業務をキャッチアップしたプロセスを具体的かつ簡潔に記載してください。
監査以外の業務(採用・育成・セミナー講師等)の書き方
メインとなる財務諸表監査や決算実務に加え、組織運営に関わる「+αの業務実績」を記載することで、他の応募者と大きな差をつけられます。
職務詳細の「その他業務」や「自己PR」欄には、実施時期・役割・定量的成果(人数や規模)をセットで明記しましょう。これにより、会計士としての専門スキルだけでなく、組織貢献力やコミュニケーション能力(ポータブルスキル)も兼ね備えている点を強力に訴求できます。
具体的には、以下のような表現で職務経歴書に盛り込むのが効果的です。
- 採用活動(リクルート): 2024年度の定期採用プロジェクトメンバーとして説明会に登壇(参加者約50名)。採用面接(延べ25名)も担当。
- 人材育成・指導: トレーナーとしてスタッフ2名のOJT指導を担当し、年間を通じた業務フォローおよび評価面談を実施。
- セミナー講師・執筆: クライアント向け「新会計基準適用セミナー」の講師(出席者約40名)を務め、資料作成から当日の登壇・質疑応答まで主導。
【記入例つき】公認会計士の職務経歴書サンプル
ここからは、公認会計士の主なキャリアパスに応じた職務経歴書の記入例をご紹介します。「監査法人」「一般企業(インハウス)」「税理士法人・会計事務所 」の3パターンをまとめました。ご自身の経歴や応募先の属性に最も近いサンプルを参考に、アピールポイントを整理し、職務経歴書を作ってみましょう。
監査法人出身の会計士の場合、一般企業および税理士法人の経験はないままの転職になるはずです。ご自身の経験に合ったサンプルを参考にしてみてください。
監査法人からの転職の場合
監査法人からの転職では、現場を率いたマネジメント経験や、IPO支援・DDなどの非監査業務の実績が強力なアピール要素となります。
法定監査の記述だけに終始せず、リードしたチーム規模や非定型業務の実績(アドバイザリー・出向等)まで具体的に記載しましょう。


一般企業(インハウス会計士)への転職の場合
一般企業への転職では、単体・連結決算や開示実務の即戦力性に加え、自社での業務改善実績が強力なアピールとなります。
決算実務や監査法人対応などの担当範囲を示しつつ、「システム導入による作業時間の削減」といった数値を伴う改善成果まで記載しましょう。


税理士法人・会計事務所への転職の場合
税理士法人・会計事務所への転職では、担当した顧問社数や税務申告対応の実績、オーナー経営者への提案力が強力なアピールとなります。
法人顧問や申告作成、資産税(相続・事業承継)などの実務実績を示しつつ、扱った税務領域や顧客対応の具体例まで明確に記載しましょう。


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公認会計士の職務経歴書に関するよくある質問
公認会計士の職務経歴書作成にあたり、応募者の方からよく寄せられる質問とその回答をまとめました。
枚数の目安やクライアントの書き方など、作成時に迷いやすいポイントを回答していますので、提出前の最終確認としてお役立てください。
職務経歴書は何枚が適切ですか?
A. 職務経歴書はA4サイズで2〜3枚(経歴の多い方でも4枚以内)にまとめるのが適切です。
関与した案件が多い公認会計士であっても、必要な実績を厳選して分かりやすく提示する要約力・文書作成能力が評価されます。
クライアント名は書いてもいいですか?
A. 法令上の守秘義務(公認会計士法第27条等)があるため、特定のクライアント実名を記載することはできません。
「製造業(売上高1兆円以上、従業員数1万人以上)」や「東証グロース上場・ソフトウェア開発業」のように、業界・市場区分・事業規模で抽象化して記述してください。
転職理由は書くべきですか?
A. 職務経歴書への記載は必須ではありません。
書く場合は「〇〇領域での専門性をさらに深め、提供価値を広げるため」など、自身の成長やステップアップに向けた前向きな理由を簡潔に添えましょう。
未経験の業種に応募する場合はどう書けばいい?
A. 未経験分野に応募する場合は、どの職種でも共通して活かせる「ポータブルスキル(論理的思考力、数値分析力、課題解決力、プロジェクト管理力等)」を軸にします。
併せて、応募先分野に対する自主的な学習やインプットの実績を伝えることがポイントです。
まとめ
公認会計士の職務経歴書の書き方について解説しました。
公認会計士の転職は、ある程度、努力ができる、会計の知識があるといったことは資格が証明してくれます。
逆に言えば、自分の強みは何なのか、採用側がどんなメリットがあるかをしっかり示さなければなりません。
あなた自身をしっかりとアピールできる職務経歴書の書き、転職を成功させましょう。
Profile レックスアドバイザーズ
公認会計士・税理士等の有資格者をはじめとする会計人材専門特化した人材紹介会社。
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この記事の監修者

人材業界経験20年以上。
大手派遣会社で16年勤務後、現職のレックスアドバイザーズにて会計業界(税理士法人・監査法人・コンサルティングファーム)出身者を中心としたキャリア相談・転職支援に従事。
個々の大切な価値観に寄り添った支援をしている。
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