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国際税務を志望する税理士が転職で失敗しないためには?

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税理士は税務に関する専門家です。

税務の中でも、特に専門性が高い分野で働きたいと考える方が多くいるでしょう。

様々な分野の中でも、国際税務は非常に専門性が高く、貿易の盛んな日本において需要がある分野です。

そのため「国際税務についてもっと知識を深めたい」「いつか国際税務に携われるポジションへ転職したい」と希望を抱く税理士は少なくないでしょう。

この記事では国際税務の概要および国際税務に転職しやすい方の特徴について記載していきます。

是非転職を成功させるために役立ててください。

①国際税務について

a.国際税務業務とは?

まずは国際税務業務について、具体的にどのような業務なのか見ていきましょう。

国際税務業務では、税理士法人からクライアントに対して、主に国境を越えて行われる取引に関して発生する課税の関係についての助言・提言が行われています。

 

例えば、日本の法人税の実効税率を考えると、外国税額控除を考慮しても、海外に支店より子会社を作る方が節税となるケースが多い傾向にあると言えます。

なぜなら日本の法人税の実効税率は諸外国と比較して高めだからです。

 

しかし、海外に子会社を設立した後すぐにその子会社が黒字になるとは限りません。

ここで、支店の赤字は本店の所得と相殺されますが、子会社の場合は別会社のため親会社の所得とは相殺されないことまで含めて考えると、単純に支店よりも子会社を設立した方が必ずしも節税効果があるとは言えないことが分かります。

 

もちろん税理士が行う仕事において、国際税務以外でも常々総合的な判断は求められています。

しかし、国際税務においては特に一面からではなく多面的にクライアントの利益について考え、総合的にプラスとなる助言・提言をなすことが求められています。

b.移転価格税制

次に、国際税務における重要な税制である移転価格税制についてです。

 

親会社と関係会社との間の取引では、そうでない会社間の取引と比較して、特別な価格設定がなされることがあります。

例えば、A国の子会社に、親会社の日本企業から通常の価格設定より高い価格で輸出を行ったとします。

その場合、A国の子会社の所得が通常の価格設定で取引した場合より下がり、逆に、日本の親会社の所得は、通常の価格設定で取引した場合より上がります。

そのためA国が徴収する法人税は本来徴収するはずだった法人税より減少することになります。

 

移転価格税制は、このように、親会社と海外の関係会社との間の取引を通じた所得の海外移転を防止するための税制です。

移転価格税制は、国際税務の中でも、特に専門性が高く難解な分野であると言われています。

c.タックスヘイブン対策税制

次にタックスヘイブン対策税制についてです。

タックスヘイブンという言葉はニュースや映画などでよく見かける言葉なので、既にご存知の方も多いかもしれません。

 

会社によっては、タックスへイブン(軽課税国)を利用して、租税回避行為を図ろうとする場合があります。

たとえば、A国から100万円で仕入れた商品をB国へ200万円で販売している会社があったとします。この会社が日本の会社であれば利益100万円×約30%(日本の法人税実効税率)=約30万円が法人税の納税額となります。

 

ここで、日本より法人税の実効税率が低いC国に子会社を作ります。

この子会社が取引したことにしてC国で法人税を納入すると、日本で法人税を納める場合と比較して納税額が減ります。

そのため、一見しただけでは、節税効果があるように捉えられるのです。

 

しかし、このような租税回避を防ぐためにも、実際には形式的に子会社を経由させるだけの取引の場合、C国にある海外子会社の利益を日本の親会社の所得に合算した上で課税されるということになります。

このような税制をタックスヘイブン対策税制と言います。

d.国際税務の経験を積むには?

ここまで国際税務の概要について解説しました。

さて、次からは税理士が国際税務の経験を積むには、どのような税理士法人に転職すればよいのか見ていきましょう。

 

国際税務を主に提供しているのはBig4税理士法人です。

そのため、国際税務を経験したい方はBig4税理士法人に転職するというケースが多いでしょう。

しかし、Big4以外の大手や中堅の税理士法人でも、近年、国際税務を提供し始めています。

そのため、国際税務の経験を積むためには、必ずBig4税理士法人に転職しなければならないというわけではありません。

 

ただし、移転価格税制に関する業務はBig4税理士法人でないと経験を積めないと言えます。

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②国際税務への転職には英語が必須?

国際税務へ転職するとなれば、転職時点で英語力はどの程度必要なのか気になる方もいらっしゃるでしょう。

英語に堪能であることは、国際税務への転職のための必要条件なのでしょうか?

 

少なくとも国際税務に関する実務を行う上では、英語力があることが理想的です。

そのため、英語に堪能である程、国際税務への転職も当然有利ではあります。

しかし、国際税務に転職し実務につく前から英語が堪能だった方は決して多くはありません。

入社後に仕事を通して英語を使いながら、英語力を身に付けたという方が多数います。

 

確かに海外法人の担当者とのTV会議・メール等が発生するため、英語を使用する頻度は非常に高いです。

ただし、法人内に翻訳担当者がいるなど、語学サポート体制があることがほとんどです。

 

とはいえ、転職時点でも英語力に関する何らかの証明は必要でしょう。

最低限の英語力を持っていることの証として、TOEICで700点以上を取ってから転職活動に臨みたいところです。

③国際税務への転職について、英語力があること以外に有利な特徴とは?

国際税務への転職に関する英語力については上記の通りです。それでは、英語力がある以外で国際税務への転職に有利な方の特徴を見ておきましょう。

 

  • 税理士試験の3科目以上の合格者

まずは税理士試験の科目合格の状況ですが、簿記論、財務諸表論、法人税法には最低限受かっておきたいところです。もちろん欲を言えば5科目とも全て合格していると良いでしょう。

  • 業務経験

税務に関する業務経験があると有利です。会計事務所での経験が一番良いですが、一般事業会社などでの税務経験もプラスに働くでしょう。

  • クライアントへの対応力

国際税務でお世話になるクライアントは大企業グループなどが多いので、自前で税務に関する部門を持っている場合がほとんどです。

そのため、税理士法人からのコンサルティングに期待するレベルは非常に高く、厳しい目でこちらを見ている面があります。

そこでクライアントと上手に接する事ができ、面接を通じて所作・振舞いからそれが伝わるような方は転職にも有利でしょう。

  • コミュニケーション能力の高い方

国際税務だけに限りませんが、仕事では様々な立場の方と様々な場面でコミュニケーションを取る機会があります。

やはり、コミュニケーションが得意でない方は、実務だけではなく面接においても不利です。

逆にコミュニケーションが得意な方は面接でも大変有利でしょう。

 

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④まとめ

ここまで国際税務の概要および国際税務に転職しやすい方の特徴について見てきましたが、いかがでしたか。

今後、国際税務に強い税理士に対するニーズはますます増えていくと予想されます。

業務自体がシンプルであり、自分が何をするべきか答えの見つかりやすい記帳代行などと比べて、より難解で専門性の高い国際税務の経験は、税理士としての大きな成長に繋がるでしょう。

 

興味のある方は是非転職を成功させて、税理士としての今後のキャリアを飛躍させてください。

Profile レックスアドバイザーズ

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