転職お役立ち情報
税理士は国家資格のひとつでもあり、合格に必要な勉強時間はおよそ5000時間とも言われており、非常に難易度の高い資格です。
勉強中の科目合格の段階からスタートとし、一生の仕事として長く活躍することができますが、どのようなキャリアパスがあるのか、どういったキャリアプランを描くことができるのかを、仕事内容を中心に具体的に紹介していきます。
【法人顧問業務・法人税務】
税理士をめざす大半の方のキャリアは、ここからスタートします。
すべての法人は各事業年度の決算をもとに、法人税を納めなければなりません。
日々の経費や売上を記録し、月次の決算をまとめ、さらに年次の決算をまとめます。
そして税務申告をするのですが、適正な会計処理をし、正しい税務申告をするには時間や人、知識が必要です。
この部分を担うのが会計事務所(税理士法人)となり、一般的に法人顧問業務や法人税務と呼ばれる仕事です。
税理士の仕事の基本といえるでしょう。
具体的な仕事内容としては、会計帳簿に日々の経費(領収書)や売上など、お金の流れを正確に記録する記帳代行、月毎に集計する月次決算業務があります。
本来は各企業が自社で行う業務ではありますが、人的余裕がなかったり、経理業務は外部に任せる方針であったりするため、会計事務所が担うケースが多くなっています。
この業務は税務ではなく会計業務となりますので、試験勉強中の科目合格の方がスタートの仕事として担当することがほとんどです。
月次決算を積み重ね、年次決算を行います。税務申告にも必要となる年次決算なので、正確性が求められます。
また日本の企業は3月決算が多く、決算期が重なるため、正確性とともにスピードも求められます。
年次決算を終えると、すぐに法人税の申告業務です。
税務は税理士の独占業務ですので、年次決算から法人税申告業務ではメインとして大車輪の活躍をすることになります。
税理士の仕事としては税務申告となりますが、毎月・毎年のお金の流れを管理しているため、会計処理のアドバイスだけではなく、経営のアドバイスまで行い、中小企業の業績アップにまで貢献する姿勢をもつと、業務の幅は広がっていきます。
クライアントとする企業の規模は、会計事務所の大きさとある程度比例します。
日本は中小企業が非常に多くあり、小規模の会計事務所が担当しています。
クライアントが大きくなると会計事務所の規模も大きくなり、上場グローバル企業はBIG4と呼ばれる大手税理士法人が担当することがほとんどです。
法人顧問業務でキャリアアップをするには、規模の大きな事務所にチャレンジしていくことも重要です。
【国際税務】
法人税務のひとつにあたりますが、国際税務という業務があります。
これは、日本に進出してきた外資系企業の税務を担当するインバウンド、日本企業が海外に進出するのをサポートするアウトバウンドの、大きく2種類に分けられます。
どちらも税務の知識やスキルとともに、英語力を身につける必要があります。
インバウンドを専門にしている会計事務所もありますし、アウトバウンドの多くはBIG4税理士法人をはじめとした大きめの事務所が担当するため、グローバルに活躍したいと考える方は、税理士試験や税務のスキルアップと並行して、英語力を磨くことをおすすめします。
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【相続税務】
税理士が担当する業務のもうひとつの大きな柱が相続税に関する業務です。
人が亡くなると、その財産を受け継ぐ親族は相続税を払わなければなりません。
相続税はもちろん一律に決まった金額ではなく、財産の額によって変わります。
そのため相続税を払うには、まずは財産を正確に把握し、分割し、相続税の金額を算出して納めなければなりません。
この作業を亡くなってから10か月以内で行うことが必要で、税金の知識がないと非常に難しい内容です。
2015年から相続税についての改正があり、相続税を払わなければならない人数が増えていることから、ニーズも高くなっています。
相続税務は法人税務とはまったく内容が異なります。
まさに専門的な知識と経験が必要で、会計事務所によっては、相続をまったく受けないところもあるほどで、逆に、相続専門の会計事務所もあり、注目されています。
法人顧問業務だけでなく、個人の相続税務も担当し、自身の業務の幅を広げることも、大きなキャリアアップといえるでしょう。
【再生・事業承継・組織再編】
いずれも法人に関わる業務で、通年の法人顧問業務とは違い、プロジェクトとして発生するため、スポット業務と呼ばれます。
金融機関から依頼がきたり、担当しているクライアントの経営アドバイスの一環で依頼されたりします。
再生は停滞している法人のサポートで、新たな資金調達をして再生に導くこともあれば、売却したり、清算したりすることもあります。
スケジュールはタイトですが、やりがいのある仕事です。
事業承継も、近年非常に注目が高まっています。日本の企業のほとんどは中小企業ですが、経営者の高年齢化が指摘され、事業をどう承継していくかが課題となっています。
売却や承継など、さまざまな手段がありますが、税務は深く関わりますので、税理士の役割は重要です。
組織再編は、市場や経営状況にあわせて法人を分割したり、合併したり、売却したりします。
めまぐるしく変化する社会の中で、企業が成長を続けるために必要であり、有効です。
これらの業務を担当するには、税務の知識や経験だけではなく、経営コンサルタントとしての力が必要になります。
法人顧問業務において、毎月毎年のアドバイスを行うことからスタートとし、税理士として責任のある立場で各法人のニーズに合わせた課題解決を行っていくことになります。
専門的な知識や経験、法人の代表と向き合う交渉力が重要です。
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【税理士キャリアのゴール】
税理士の資格を持っていれば、一生でも働くことができるので「ゴール」というのは語弊があるかもしれません。
キャリアアップしてどのような立場で働くか、という意味での「ゴール」としてとらえると、大きく2種類に分けられます。
ひとつは、所属する会計事務所や税理士法人で昇進し、重要なポジションで活躍する税理士です。
BIG4税理士法人のような大規模会計事務所の場合、複数の税理士が所属していますので、マネジメント業務なども発生してきます。
一般企業と同じく、昇進して役割を担うことができます。
もうひとつは独立です。
将来は独立したいと考えて税理士をめざす方も多いでしょう。
法人顧問業務を中心として、相続にも積極的に関わったり、スポット業務を中心に行う事務所を開いたり、国際税務のインバウンドを専門に行う税理士もいます。
独立成功のカギは、どれだけ業務の幅を広げ、専門知識と経験を積んでいくかです。
もちろん営業力も重要ですが、ぜひさまざまな業務にチャレンジし、キャリアアップをしていってください。
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