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会計事務所は激務?!年間スケジュールから徹底考察!

税理士の転職お役立ち情報

会計事務所に勤務する税理士の男性

会計事務所は会社の税務や財務状況を把握し、時には経営者に助言をしたりしながら、共に会社経営を進めていきます。
税金やお金についての深い知識が必要とされ、その専門性や社会的なイメージと相まってとても人気な職業の一つです。

ですが同時に、会計事務所は「激務」という声もよく挙がります。

  • 「会計事務所ってどんな仕事をしているんだろう?」
  • 「会計事務所に就職したいけど、大変だったら嫌だな…」

そんな悩みを解決するため、今回は会計事務所の年間スケジュールを見ていきましょう!

はじめに~会計事務所の役割と社員について~

会計事務所は、税の専門家集団です。
その仕事は税理士法に則り行われます。
税理士法では、次の業務は税理士の独占業務とされています。

  • 税務代理
  • 税務書類の申告
  • 税務相談

つまり、税理士以外は税金のアドバイスや申告を行うことが出来ないのです。
これを聞くと、「じゃあ税理士以外は会計事務所に入れないの?」と思うかも知れません。

ですが、通例として税理士以外の者が申告書類の作成や税務相談を行ったとしてもその管理・統括を税理士が行っていれば問題ないとされています。

1人の税理士に対して100人のお客さんがいたとします。
その全てを税理士1人で管理するのは現実的ではありません。
税理士の代理として非税理士を派遣し、それを税理士が把握・管理する
という方法であれば問題がないとされているのです。

そのため、会計事務所には非税理士の職員も多く勤務しています。
勿論税理士試験の勉強をしながら働いている人もいます。
中にはFPや中小企業診断士の勉強をしている人がいることもあるようです。

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入社月から現場は修羅場⁈:会計事務所の春のスケジュール

4月:3月決算に向けての準備期間

新卒であれば会計事務所への入社は4月になると思います。
中途採用でも新卒と同じ条件で4月に入社される方もいるでしょう。

そんな方たちには、少し厳しいお話です。
会計事務所にとって、4月は忙しい月なのです。

なぜなら、4月は「3月決算法人の決算書提出に向けての準備期間」だからです。
現在の日本では3月決算の法人は最も多く、全体の20%程度を占めます。
(参考:国税庁HP 決算月別法人数 (3)決算月別法人数|国税庁 )


会計事務所でも3月決算のクライアントは多く、5月末の決算提出期限に向けて準備をしています。
特に4月の末ごろになると必要な書類もそろい、決算書作成に向けて慌ただしく動き始めます。


この時期に入社すると、出来ることが少ない中、張り詰めた空気で仕事をします。
すこしでも早く仕事を覚え、できることからチャレンジしていくと良いでしょう。

5月:3月決算提出に向けて

5月に入ると、3月決算法人の決算書作成に向けて事務所全体で動き始めます。
法人クライアントを多くもつ会計事務所にとって最も忙しい時期です。
決算の数も多いので、残業も段々増えてくる時期でしょう。

昔は「連日会社に寝泊り」して仕事をこなしていたこともあったようですが、もちろん今はありません。
それでもこの時期は夜遅くまで決算を行っている事務所が比較的多くなる時期です。


しかし5月も終わりに近づくと、次第に決算書提出も終わってきます。
ホッとできる時間がやってきます。

6月:小休憩と労働保険・源泉所得税

6月は比較的穏やかな時期です。
この時期になると先輩社員や上司の方々にも時間的な余裕ができています。
巡回の付き添いも増えてくるでしょう。

また、6月は労働保険の納付書がお客様の事業所に届く時期です。
労働保険は7月に納付しなければいけません。

この時期にしっかりと労働保険について勉強していきましょう。

穏やかな夏と秋:会計事務所の夏のスケジュール

7月:納期の特例がやってきた!

会社の雰囲気に慣れてきた7月、「労働保険」と「源泉所得税の納期の特例」がやってきます。
共に7/10までに納付しなければならず、それまでは少し忙しくなるかも知れませんね。

ですが未経験で入社した場合、税金や社会保険について最初によく学べる時期であるとも言えます。
税金や社会保険の仕組みをしっかりと覚えて、先輩や上司に働きぶりを認めてもらいましょう!

8-10月:夏休み&閑散期

この時期は、会計事務所の閑散期と言っても良いでしょう。
事務所が契約している顧問先の決算月にもよりますが、それでもこの時期はどの会計事務所も穏やかな空気が流れる時期です。

世間で言われる「夏休み」の期間は、会計事務所にとっても夏休みなのです。
この時期にはお盆やシルバーウィークもあるので、それに合わせて長いお休みを取る社員もいます。
3月決算や労働保険、納期の特例などで疲れた心身をここでリフレッシュしましょう!


8月には税理士試験が実施されますので、試験勉強と両立している受験生にとっては頑張る時期となりますね。

ここからが本番:会計事務所冬のスケジュール

11-12月:年末調整

過ごしやすい気候がすぎ、冬の寒さが目立ち始めたころ、会計事務所の雰囲気もガラッと変わります。
この時期には、年末調整の時期になるからです。
年末調整では、顧問契約を結んでいる企業で働いている社員さんの給与計算、税額計算をしなければいけません。


中には必要な書類が不足していたり、年末調整ができない資料が混じっていたり、
契約先の企業の社員さんに直接確認をしなければいけないようなことも起きます。

何十人もの年末調整を行いますが、税額にミスがあれば大きなクレームになってしまいます。
一人一人しっかりと丁寧に税額を計算していきましょう。

1月:償却資産申告~

1月は、12月中に終わらなかった年末調整の続きを行います。
それに加えて、新たな税金の申告作業も行わなくてはいけません。

それが償却資産(固定資産)税の申告です。
償却資産税の申告は、1年間で増減のあった資産、現在持っている資産の数と値段を市区町村に申告します。
申告にミスがあった場合、加算税が課されることもあります。
1月にお客様のところに訪問する際には、必ず資産の増減については確認しなければいけません。

このように、1月は年末調整の続きに加えて償却資産税の申告があるので、どうしても忙しくなりがちです。
残業もまた増えてくる時期でしょう。

つい一件一件にかけられる時間が少なくなってしまいますが、しっかりと申告を行っていきましょう。

2月:嵐の前の静けさと確定申告準備~

いよいよ確定申告が近づいてくる2月は、会計事務所の空気がどんどん忙しくなっていく時期です。
この時期に個人クライアントに訪問したり連絡したりする際には、色々なことを確認しなければいけません。

  • 家族構成の変化
  • 一年間の収入の明細
  • 各種控除の資料

これらの資料を用意してもらわなければいけません。
定期的な法人クライアントへの訪問に加え、個人クライアントの確定申告書類作成という大きな業務が入ってくるので、この時期はどうしても遅くまで残業が発生する時期になります。

3月:これぞ会計事務所の真髄!確定申告

3月は、いよいよ確定申告の大詰めの時期です。

  • 作成した書類に不備がないか
  • お客様から貰っていない資料はないか
  • 税額計算にミスはないか

等々、一件一件素早く正確に確認していきます。

更に、確定申告の時期には一気に仕事が増える時期でもあります。
確定申告の時期に、一年分の資料を会計事務所に渡して申告を依頼する人がいるからです。

ですから、特に確定申告の時期は仕事が沢山舞い込んできます。
目が回るように忙しい時期ですが、同時に所得税や住民税、事業税、消費税、節税など、税金のしくみについて沢山学べるとても有意義な時期でもあります。

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まとめ

いかがでしたか。
今回は会計事務所の年間スケジュールをご紹介しました。

会計事務所は言ってみれば半年間という長い繁忙期があり、決して楽な仕事ではありません。
ですが「会計事務所は企業の共同経営者」と言われることがあるように、経営者と深い信頼関係を築いて財務面から経営をサポートしていきます。

自分の知識を基に企業の経営サポートをしたい、と考えている方は、是非一度就職を検討してみてはいかがでしょうか。

Profile レックスアドバイザーズ

公認会計士・税理士等の有資格者をはじめとする会計人材専門特化した人材紹介会社。
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