監査法人の生成AI活用に関する実態調査

公認会計士、税理士、会計税務人材に特化した転職サポートを行う株式会社レックスアドバイザーズでは、「監査法人の生成AI活用に関する実態調査」を行い、監査法人で働く260名の有効サンプルを集計しました。なお調査にあたっては株式会社PRIZMAのアンケートパネルを活用しております。

調査結果サマリー

  • ほぼすべての監査法人で生成AIツールが使われており、ChatGPTが最も多く使われている。用途は、文字起こし、データ入力、文書チェック、資料作成、リサーチが上位
  • 3社に2社の割合の監査法人が業務プロセスの一部または全部でAIを活用しており、全体の65%が社内外の講師による教育研修を実施している
  • サービスとして有償のAI提案を行っている監査法人はまだ限定的。ただし公認会計士が個人で助言等を実施することは増えている。またAI活用でクライアントコミュニケーションも増加
  • 9割弱の監査法人がAIのリスクに対してルールやポリシーを定めており、リスク研修や利用監視、ツール制限、罰則の設定、マニュアルの用意などのリスク対策を実施
  • AI活用により残業が減った監査法人は全体の65%を占める。採用への影響も出始めており、全体の40%が採用を減らし、約50%は採用要件が変化

調査結果詳細

監査法人のAI利用用途

監査法人におけるAIの利用用途で最も多いのは「文字起こし・議事録作成」で51%、続いて「データ入力・仕訳」で37%、「文書のチェック・校正」で36%でした。

また監査法人においてどの有料AIツールを使っているか質問したところ、最も利用されているのは「ChatGPT」で47%という結果に。次いで「Gemini」が43%、「Copilot」が33%という順で使われていることがわかりました。

監査法人におけるAI活用状況

監査法人におけるAI活用状況については、「業務プロセスの大部分でAIを活用している」と回答した法人は13%と少なかったものの、「業務プロセスの一部でAIを活用している」と回答した法人は54%にも上りました。すでに監査法人の3社に2社の割合で業務プロセスにAIが組み込まれていることがわかります。

またAIに関する研修や教育制度を整えている監査法人も多く、「社外講師による教育研修がある」法人が15%、「社内講師による教育研修がある」法人が50%で、全体の65%が生成AIのための教育研修を行っていることがわかりました。

AIに関するサービス提供

AIに関するサービスを提供しているか質問したところ、有償サービスを提供している監査法人は全体の13%と限定的でしたが、公認会計士が「個人単位で助言等を実施している」と回答した割合は59%という結果に。個人レベルでの提案は増えていることがわかりました。

AIの活用による顧客対応の変化については、「コミュニケーションとAI提案が増えた」と回答した監査法人が25%、「AI提案が増えた」が46%、「コミュニケーションが増えた」が21%という結果に。AIを活用することで、全体の92%でコミュニケーションやAI提案が増えたことがわかりました。

AI使用に関するルールやポリシー

AI使用に関するルールやポリシーについては、「サービスごとに具体ルールがある」と回答した監査法人が14%、「一部サービスで具体ルールがある」と回答した法人が35%、「AI全般に対するポリシーがある」と回答した法人が40%でした。全体の9割弱にもなる監査法人がルールやポリシーを定めていることがわかります。

具体的なAI利用のリスク対策については、最も多いのが「リスク研修がある」で38%の監査法人が実施。次いで、「利用を監視している」と「ツールを制限している」がそれぞれ28%、「罰則を定めている」が22%と続きました。

AI活用の収入や残業への影響

AI活用による業務環境への影響を聞いたところ、「残業と収入が減った」と回答した監査法人が31%で最多に。次いで、「残業が減った」が26%、「収入が増えた」が20%、「特に変化はない」が14%、「収入が増えて残業が減った」が8%でした。AI活用により、残業が減った監査法人は全体の65%を占めています。
なおAI活用により、残業の増減に関わらず収入が増えた監査法人は全体の30%で、収入が減った法人は全体の31%と拮抗していることがわかりました。

またAI活用による採用への影響を聞いたところ、「採用を減らしている」と回答した監査法人が14%、「スタッフの採用を減らしている」が26%でした。AIの影響で採用を減らしている監査法人が全体の40%となる一方、約50%の監査法人では採用人数は変わらないものの要件が変化しているという実態も明らかになりました。

調査概要

調査タイトル 監査法人の生成AI活用に関する実態調査
調査対象 PRIZMA社のリサーチパネルより、現在監査法人で働いている方
調査地域 全国
調査方法 アンケートリサーチ
調査期間 2026年9月3日~9月7日
有効回答数 260サンプル
実施機関 株式会社PRIZMA

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