税理士業界トピックス

税金・会計に関するニュースを分かりやすく解説します

2014.08.08

ふるさと納税拡充の真の狙い(2014/8/8)

「ふるさと納税制度」が拡充されるようです。

政府は2015年度から実施したいと考えているようで、マスコミ各紙でも報道されました。
拡充の中身としては、税の軽減される寄付の上限を現在の2倍に引き上げるほか、関連手続きを簡素化するとことです。

ふるさと納税は、現在住んでいる自治体以外に2千円超の〝寄付″をすると、所得税と住民税の税額控除が受けられるもの。
年収や世帯構成に応じて控除額は異なりますが、現行では住民税の約1割が上限。これを2割にする方針です。

また手続きに関しては、現状では寄付の翌年に確定申告する際に、寄付した自治体の領収書を添付する必要がありますが、新制度では寄付を受けた自治体が領収書を国や関係先に送付することで簡略化することを考えています。

ふるさと納税制度の拡充に関しては、安倍晋三首相が掲げる「地方創生」を目指して設置する「まち・ひと・しごと創生本部」で検討。
年末に取りまとめる税制改正大綱に反映させるとしています。

ふるさと納税の魅力は、節税効果だけでなく、寄付した自治体から特産品などのお礼があることです。

総務省のホームページ(http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/link.html)から各自治体のふるさと納税部署にリンクが貼られていますが、興味がある方は見てください。

ふるさと納税の特産品を紹介したサイトも沢山あり、「ふるさと納税」「ランキング」などのキーワードで検索するとかなりヒットします。
特産品だけを見ていても、かなり楽しめます。「5千円、1万円の寄付で、こんなに特産品がいただけるの・・・」とちょっとビックリです。

で、、、気になるのが、「実際にそんなに寄付金が集まるの?」ということです。各自治体を見てみると、市町村で年間数百万~数千万円というのが目立ちます。
財政が厳しい地方自治体にとって寄付はありがたい話ですが、歳入全体の数%にも満たないようです。

さらに所得税、住民税の節税効果があるわけなので、税収減にもなります。
さらに受け取った寄付金から特典を調達するわけなので、残る金額は微々たるもの。それでもふるさと納税制度に力を入れるのは、地域PRや街おこしの意味もあるようです。
税収減の恐れがある東京などの都市部では、批判的な意見も少なくありません。
税収減の部分は地方交付税で賄うのでしょうが、安倍政権がふるさと納税制度を拡充する真の狙いは、来年春の統一地方選をにらみ、地方重視の姿勢を強調することにあるとする見方が強いです。

Profile 宮口 貴志

税金の専門紙「納税通信」、税理士業界紙「税理士新聞」の元編集長。フリーライター及び会計事務所業界ウオッチャーとして活動。株式会社レックスアドバイザーズ ディレクター。

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