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宮口貴志の税界雑感

元『税金専門紙』『税理士業界紙』編集長

Profile

税金の専門紙「納税通信」、税理士業界紙「税理士新聞」の元編集長。
フリーライター及び会計事務所業界ウオッチャーとして活動。株式会社レックスアドバイザーズ ディレクター。

ヤフーの企業再編税制
国税の「伝家の宝刀」が示唆すること(2014/5/8)

企業再編税制を利用した大型節税というと、さきごろ東京地裁で判決のあった「ヤフー」のインパクトが大きいと思います。

ヤフーは、平成21年2月にソフトバンクの100%子会社であった「ソフトバンクIDCソリューションズ」(IDCS)を買収し、その翌月に同社を吸収合併。このときIDCSの540億円の繰越欠損金を引き継ぎ、自社で損金計上し申告したところ、国税当局から否認され、更正処分をうけました。そのためヤフーは、過少申告加算税を含む約180億円の追徴課税の取り消しを求め、ステージを裁判所に移し、争っていました。

今回のヤフー裁判のポイントは、税法上の要件を満たしていても、“税務当局が「租税回避目的」”と捉えた場合は否認されるーという点です。

従来から法人税法132条「同族会社の行為計算の否認規定」は、国税の「伝家の宝刀」として恐れられてきましたが、余程のことがない限り抜かれたことはありませんでした。

(私の記憶に鮮明の残っているのが、相続税対策として10億円の資産に対して相続税を1千万円程度まで圧縮し、「究極の節税」を実行していた某グループの大先生です。この事件では、多くの有名先生等が痛い目を見ました)

ヤフー裁判での勝敗のポイントは、この「同条」の枝番として付けられた「組織再編に係わる行為計算の否認規定」(同法132条の2)。裁判では、「法人税を不当に減少させる行為」に該当する場合として、同法132条の2が適用される判断基準について、政府税制調査会がまとめた「会社分割・合併等の企業組織再編に係わる税制の基本的な考え方」を引用するなどして、詳細説明がなされています。

専門紙・誌をはじめ各マスコミで裁判内容を報道していましたので、ここではその詳細説明は割愛しますが、今更ながら企業再編税制の怖さを実感した判決です。企業再編税制では、同132条の2が適用される場面がかなり増えてきたとの指摘もあります。ヤフー裁判から学ぶべき点は、「行政、税務調査、税法解釈という視点から総合的に判断する」ことだと思います。公認会計士・税理士のなかには、法律や条例、通達などの表面だけを読んで税務処理をする人も少なくないようですが、足元をすくわれる可能性が非常に高いです。グレーな税務処理になりそうな場合は、会計事務所も専門知識を持った識者や、一定以上の経験を持った税務当局OBなどからしっかりとアドバイスを受け、その税務処理がどこまで許容されるのか、客観的に見ていくことが不可欠です。高度サービスを提供する会計事務所では、理論及び行政手続きの上でも武装を図る時代になってきています。


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