企業別インタビュー

公認会計士のキャリアが広がる、「税理士法人」という選択肢:PwC税理士法人

公認会計士のキャリアが広がる、「税理士法人」という選択肢:PwC税理士法人

更新日:2025.09.05

監査法⼈・事業会社を経てPwC税理⼠法⼈で活躍する公認会計⼠・税理⼠のT.O⽒。今回、会計⼠が税理⼠法⼈でどのように業務に携わり、どうキャリアを築いているかを聞きました。会計⼠を積極採⽤中のPwC税理⼠法⼈の特⻑とあわせて、その仕事の魅⼒に迫ります。

PwC税理⼠法⼈は世界的なネットワークを持つPwCグローバルネットワークのメンバーファームとして、幅広い税務サービスを提供しています。

今回、KaikeiZineではPwC税理⼠法⼈で活躍する公認会計⼠・税理⼠のT.O⽒と、⼈事担当(※インタビュー当時)のA.F⽒にインタビューを⾏いました。
税理⼠法⼈で会計⼠がどのような仕事に取り組んでいるのかをT.O⽒にうかがい、その魅⼒を探ります。
会計⼠を積極採⽤中のPwC税理⼠法⼈の特⻑についてもうかがっています。

税理士法人で活躍する会計士・税理士のT.O氏のこれまでの道のり

PwC税理⼠法⼈でご活躍のT.Oさんですが、まずは会計⼠の試験合格からこれまでのキャリアについて教えてください。

T.O:試験合格後は⼤阪の⼤⼿監査法⼈からキャリアをスタートしています。監査の経験をひととおり積み、事業会社に転職しました。
⾃動⾞部品を製造する会社の経理部⾨で、連結決算や海外⼦会社の管理を担当し、さまざまな国を訪れる機会もありましたね。

PwC税理⼠法⼈に⼊所したのは2019年4⽉。以来、現在の部署でM&Aや税務申告に関する業務を担当しています。

今回はT.Oさんの税理⼠法⼈での活躍がテーマですが、監査法⼈後の事業会社への転職についてもうかがえますか。

T.O:監査法⼈では監査の独⽴性を守るため、クライアントの意思決定に関わることが限定されます。
例えばA案とB案があって、どちらが会社の事業にとってより有益かという意思決定に関わるアドバイスは、監査⼈の⽴場ではできず、監査では会社の意思決定後にその背景などを確認していました。
監査の⽴場からクライアントの財務数値やその背景にある事業と関わるうちに、⼀歩踏み込んでさらにクライアントの事業に係る意思決定に関わりたいと思ったのが、転職のきっかけです。

税務への関⼼が⾼まったのはその後ですか?

T.O:事業会社では連結決算の他、経理の⽴場から海外⼦会社の新設や清算などの再編も担当しました。
再編では、会計だけではなく、税務も重要なトピックになりますが、これまでの経験上、どうしても税務についての知識が⾜りず、もどかしい気持ちを抱きながら作業することがありました。
また、当時の会社では連結納税制度を適⽤しており、連結決算を締める上でも、連結納税のプロセスを理解しておく必要がありました。
税務の知識が⾜りないまま業務を⾏うことに限界を感じ、税務についての知⾒を広めたいと思うようになっていたタイミングで、ちょうどPwC税理⼠法⼈が組織再編に関するポジションを募集していたんです。

具体的にどのような場⾯で税務のもどかしさを感じていたのですか?

T.O:例えば海外⼦会社の設⽴や清算をする際に、どのようなストラクチャーを選択すれば税務の観点から最も有利となるかという問題が出てくることがあります。
その場合、海外現地での税制だけでなく、⽇本のタックスヘイブン対策税制や、外国税額控除においてどのような影響を与えるかなどを検討する必要があり、当時はそれらの論点が⾮常に難しく感じました。

また当時は⼦会社再編の税務担当がおらず、会計担当であった私がカバーするようにしていましたが、他部署から相談があったときに論点を理解することすら⼤変で、⼒不⾜を感じていました。

グローバル企業では海外の税法を理解しなければならないですし、⼤変ですね。転職後、課題感はクリアになりましたか?

T.O:はい。現在所属している組織再編の部署で多くの案件を経験し、税務について多くを学びました。
事業会社時代にもやもやしていた論点が、いまになってようやく腑に落ちることもあり、課題感はクリアできたと思います。

税務申告、連結納税、組織再編もDDも!幅広くチャレンジ

税理⼠法⼈で公認会計⼠が求められるのはなぜでしょう?

T.O:法⼈税や消費税は会計処理をベースとして⼀定の調整を⾏い、税額を算出するため、会計の知識がしっかりしていると税務申告書を作成する際にも⾮常に有利です。
また、組織再編などの業務でも会計処理をベースに税務処理を考えることが多いため、会計知識のしっかりした公認会計⼠は⾮常に重宝されます。

 

最近では国際最低課税制度が導⼊されています。⼀定の多国籍企業について、現地の実効税率が15%未満の場合、追加で税⾦を納める必要がある場合があるというものです。
この制度においても各社の連結財務諸表をベースに検討を⾏うため、連結会計の知識があると⾮常に有利です。

PwC税理⼠法⼈で活躍される会計⼠のかたは多いと聞きましたが、ポイントはありますか?

T.O:私の部署では、⼀つの部署に所属しながら⾮常に幅広い経験を積むことができることが⼤きなメリットだと思います。
具体的には、申告書作成、連結納税やグループ通算、M&Aにおけるデューデリジェンス(DD)や税務ストラクチャーの検討など、さまざまな業務に挑戦できます。
部署異動なしでこれだけの経験を積めるのは貴重だと思いますし、会計⼠にとっては、会計知識の強みを生かしながら、幅広い業務の中から⾃分のやりたい仕事を探すことができる点は⾮常に⼤きなメリットだと思います。

部署によって業務の幅広さは変わりますか?

T.O:そうですね。私の部署は国際税務や組織再編を中⼼に、国内の申告業務も⾏っています。
他の部署では国内の申告書業務をメインにしている部署や、⾦融機関向けのサービスを提供している部署など、それぞれの特⾊があります。

税理⼠法⼈の業務は細分化されていて、幅広い経験は得られないというイメージを持っていましたので、驚きました。

T.O:そういった法⼈もあるかもしれませんね。

 

私の部署の場合、組織再編の検討においても、国内企業から海外企業への投資、海外企業から国内企業への投資のいずれかのパターンがあります。どちらかだけということはありません。
組織再編を⾏う場合、国内・国際税務のさまざまな論点が絡み合うため、クライアントからの相談に対して、国際税務と国内税務に関わらず、広くアドバイスできるのは⼤きな強みです。

⼈事のA.Fさんにもうかがいます。この幅広さがPwC税理⼠法⼈の特⾊ですか。

A.F:⼀般的に、税理⼠法⼈では、税務申告を担当する部署とアドバイザリーの部署などが分かれていることが多いのですが、PwC税理⼠法⼈では税務申告とコンサルティングを⼀つのチームで⾏っています。
税務の知識をつけながらコンサルティングに取り組みたいという会計⼠のかたも、早期から挑戦の機会があるのが特⻑です。

縦割りではない体制は、実感として感じられますか?

T.O:さまざまな業務に挑戦できるので、最初は驚きました。
業務の幅が広い分、それだけ知識の習得は⼤変です。ただ、その分⼀つの案件ごとに得られる知識や経験が多く、成⻑ややりがいを実感できます。

 

またクライアントからすると、国内税務・国際税務に関わらず、何が最も望ましい選択であるかが重要となるため、アドバイスを⾏う際に、縦割りのない体制は頼られ、喜んでいただけているように感じます。

実務でどんどん学べると、今後のキャリアとしても広がりが出そうですね。ほかにPwC税理⼠法⼈の特⾊はありますか?

T.O:私の印象ですが、PwC税理⼠法⼈では海外に駐在した経験のある⼈が⾮常に多いですね。
私の部署のパートナーは全員が海外駐在を経験しており、海外のPwCネットワークとのやりとりで⼤きなアドバンテージになっています。

会計士・税理士としてさらに活躍したい

T.Oさんのキャリアについて、もう少し聞かせてください。監査法⼈・事業会社・税理⼠法⼈でさまざまな経験を積まれていますが、これまでの道のりはご⾃⾝のビジョン通りに進んでいますか?

T.O:そうですね。もともと会計や税務の知識を生かして社会に貢献したいと思っていました。
監査では独⽴性の観点からの限界を感じ、事業会社に転じたあと、さらに税務の世界に踏み⼊りましたが、会計や税務の専⾨知識を通じてクライアントに貢献でき、もともと⾃分がやりたかったことができていると思います。

今後のキャリアとして考えていることはありますか?

T.O:海外、国内を問わず⼤型の組織再編が活発に⾏われ、企業の意思決定のスピードも増していることを⽇々の業務を通じて感じます。
また、⽇本の税制も⽇々複雑化しており、税理⼠に求められるものも⼤きくなっているように思います。

 

そのような状況で、クライアントからも急ぎの依頼や、複雑な論点についての質問が多くあるので、国や論点を問わずに迅速に対応できる税理⼠・公認会計⼠になりたいと思います。
実際に、上司であるパートナーは国や論点を問わずすぐに⼀定の⽅向性を⽰して、クライアントからの信頼を得ており、そのような税理⼠・公認会計⼠を⽬指して、真摯に⽇々の業務に取り組みたいと思います。

会計士にとってのPwC税理士法人の魅力

PwC税理⼠法⼈における公認会計⼠の割合はどのくらいですか?

A.F:現在、830⼈のうち約15%が公認会計⼠の資格を持っています。
税理⼠登録をしている⼈も多く、⼈数としても公認会計⼠と税理⼠の数はそれほど変わりません。

働きかたやキャリアについてお聞かせください。監査法⼈と事業会社を経て⼊社していますが、働きかたは変わりましたか?

T.O:⼊社してすぐは、幅広い業務をこなすために多くの知識を習得しなければならず、正直なところ⼤変でした。
しかし、しばらく経つと⾃分でも勘どころがわかってきます。

 

また、税務申告が集中する繁忙期はありますが、基本的に関与するプロジェクトの件数の調整ができるようになっており、監査法⼈や事業会社と⽐較して、⾃分で業務の調整ができる余地が⼤きい点は⼤きな違いだと思います。
プロジェクごとに⼀緒に働くメンバーが異なるため、事業会社のように上司や部下が固定されていない点も⼤きな特徴だと思います。
監査法⼈では⼀般的にマネージャーが会議をして、スタッフに仕事を割り振っていました。
PwC税理⼠法⼈でも、繁忙期の申告書作成の割り振りはマネージャーの会議で決めていますが、M&Aのプロジェクトは、個々の仕事量をスタッフに直接確認し、プロジェクトごとにチームを組むため、融通が利きやすいです。

ワークライフバランスは取りやすいですか?

T.O:組織再編のプロジェクトは基本的に短期間で作業を⾏うことが多く、物量も多いため、無理をしなければならないときもあります。

 

⼀⽅で、業務をどれだけ引き受けるかは基本的に個⼈に任されており、⾃分である程度調整することができます。
実際、私もマネージャーとしてチーム編成をするときに、スタッフから「いまは無理です」と断られることもよくあります。
繁忙期がある⼀⽅で、2週間連続で夏季休暇を取得することもできるため、⾃⾝でバランスをとりやすいと思います。

リモートワークについてはどうですか?

T.O:私の所属している部署では、現在は週⼀⽇、出社推奨⽇が設けられています。
その⽇以外は、基本的にオフィスか⾃宅のどちらでも仕事ができます。
私は横浜に住んでいて通勤にやや時間がかかるため、普段は家で仕事をしています。

出社推奨⽇があるのですね。

A.F:部署によって取り組みの違いはありますが、T.Oの所属部署では若⼿や新しいメンバーのサポートのために、週⼀⽇の出社を推奨しています。
⾃分で仕事を回せるようになると、リモートワークの割合が増える傾向があります。

社内はフリーアドレスですが、業務のグループごとにこの辺りに座りましょうという取り組みも⾏っています。

PwC税理士法人で活躍する会計士のタイプはさまざま

KaikeiZineを運営しているレックスアドバイザーズは会計⼠・税理⼠専⾨の転職エージェントですので、転職について詳しくうかがいます。PwC税理⼠法⼈に転職で⼊社される会計⼠の年代はどのくらいが多いですか?

T.O:20代や30代前半でしょうか。さらに上の年代の場合、税務経験のあるかたが多い印象です。

私は29歳のときにPwC税理⼠法⼈に⼊社しました。
20代で未経験の税務の世界に⾶び込みましたが、もし失敗してもまだ何とかなるという気持ちがありましたね。

A.F:PwC税理士法人としては、もちろん20代に限定してはいません。
事業会社で経理経験のある30代前半の会計⼠のかたが⼊社されていますし、年齢に関係なく、適性や税務に関する意欲、関⼼があれば問題ありません。

PwC税理⼠法⼈が求める⼈物像はありますか?

T.O:業務は多岐にわたるので、固定的な⼈物像はないと思います。
例えばM&Aではスピード感が求められ、⾃分で考えてどんどん動けるタイプが適しています。⼀⽅で、申告書作成などの業務では正確性や丁寧さが求められます。
幅広い業務に興味がある⼈であれば、適性に合った仕事が⾒つかると思います。

A.F:まさにその通りです。申告業務からコンサルティングまで多様な業務があり、いろいろなタイプのかたが活躍できる場があります。

語学⼒は必要ですか?

T.O:英語ができなくても、国内の仕事も多いので問題はないですね。
⼀⽅で、英語を学びたい⼈にはサポートの機会が多くあります。
例えば、私は語学研修の制度を利⽤して、2023年の12⽉に2週間フィリピンで英語を学びました。

⼊社後のキャッチアップ体制はありますか?

T.O:税務未経験であれば、⼊社後、1カ月程度の研修があります。
税制改正や、新制度に係る研修も充実しています。
ただ、やはり実務を通じて学ぶものが多いため、プロジェクトや申告書作成などの案件ごとに、法令や通達の条⽂を読み込みながら、必要な知識を掘り下げていくことが多いです。

最初は論点が多くて⼤変ですが、次第にいろいろな論点が点と点でつながって理解が深まります。

A.F:全体的な研修も設けていますが、プロジェクトベースのキャッチアップが多いです。みなさん勉強熱⼼ですよ。

職場はどのような雰囲気なのでしょう?

T.O:伸び伸びと働ける環境です。リモートワークもそうですし、オフィスでも服装はカジュアルで、スーツ以外の服を着ている⼈が多いです。

A.F:場に応じた服装であれば、カジュアルでOKです。ほかの⼤⼿法⼈との違いですね。

T.O:以前に勤めていた監査法⼈では、スタッフの⽴場ではパートナーと話す機会が少なかったですが、PwC税理⼠法⼈では、パートナーと同じ会議に参加し、スタッフも意⾒を求められます。
フラットな雰囲気がある分、しっかり検討した上で⾃分の意⾒を持たないといけません。

税理士法人に関心のある会計士へメッセージ

会計⼠のかたにメッセージをいただけますか?

A.F:PwC税理⼠法⼈は、優秀な同僚や先輩とフラットな環境で仕事をすることが⼤きな魅⼒だと考えています。
ライフステージに応じて、仕事と家庭のバランスを取ることもできます。
会計⼠のかたが活躍する道もたくさんありますので、ぜひ挑戦してみてください。

T.O:税務をやりたいとなると、⼀般的には国際税務や国内税務の申告書作成、M&Aにおけるアドバイザリーなどのいずれかの分野に業務が限定されてしまうことも多いと思います。

PwC税理⼠法⼈では、部署の垣根なく、さまざまな業務に挑戦することができるため、⾃分でやりたいことを選んで伸ばしていける環境があります。
会計⼠としての知識や経験も⽣かしながら、⾃分に合ったものを探したいかたには、まさにピッタリな環境だと思います。

ありがとうございました。

PwC税理士法人

●沿革
1998年 ともに創立100年以上の歴史を持つクーパース・アンド・ライブランドとプライスウオーターハウスが全世界レベルで合併し、世界最大級の会計事務所として発足
1999年 中央クーパース・アンド・ライブランド国際税務事務所(1984年発足)と、プライスウオーターハウス税務事務所(1949年発足)が合併し、プライスウォーターハウスクーパース税務事務所となる
2002年 税理士法改正に伴い税理士法人中央青山に組織変更(プライスウォーターハウスクーパースのメンバーファーム)
2006年 税理士法人プライスウォーターハウスクーパースに名称変更
2015年 PwC税理士法人に名称変更

●所在地
東京 本部
〒100-0004
東京都千代田区大手町1丁目2番1号 Otemachi One タワー
※東京の大手町パークビルディング、名古屋、大阪、福岡にもオフィスが所在

●会社HP
https://www.pwc.com/jp/ja/about-us/member/tax.html

Profile レックスアドバイザーズ

公認会計士・税理士等の有資格者をはじめとする会計人材専門特化した人材紹介会社。
■公認会計士・税理士・経理の転職サイトREX
https://www.interview-adv.jp/
■株式会社レックスアドバイザーズ
https://www.rex-adv.co.jp/

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