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業種別にみたM&Aとは

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M&Aイメージ

各種業種において、M&Aに対する需要が伸びつつあります。

というのも、近年、後継者不在の解決や成長戦略の一環としてM&Aが活用されることが多々あるからです。

そのようなM&Aの概要や取り扱う業種をあげつつ、そのメリットやデメリット、業種別の動向について解説します。

M&Aが取り扱う業種

①M&Aとは

M&Aとは、英語のMergers and Acquisitionsの頭文字をとったものです。

一般的には企業の合併・買収を指すといわれています。

しかし、広義には企業の競争力の強化、新規事業の多角化などの業務提携を含む企業戦略全般を指して使われることもあります

合併には吸収合併や新設合併などが、買収には株式譲渡、新株引受、株式交換などがあります。

またM&Aのなかでも提携関係のある複数の企業間で、株式の異動を伴うものを特に資本提携。

販売協力、資材調達、共同研究開発など業務上の協力関係を築くことを業務提携といいます。

 

またその両方を組合せたものを資本業務提携と表すこともあります。

②M&Aが取り扱う業種

M&Aが取り扱う業種については様々です。

たとえば以下の業種があげられます。

 

  1. 調剤薬局業界
  2. 介護業界
  3. Web・IT業界
  4. 不動産・建設業界
  5. 教育業界
  6. 美容業界
  7. 広告業界
  8. ゲーム業界
  9. エネルギー業界
  10. 人材業界
  11. 食品・飲食業界
  12. 士業業界

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業種別M&Aのメリット・デメリット

①メリット

M&Aのメリットをみていきましょう。

株式譲渡の際には、将来の超過収益力等を加味した「のれん」が上乗せされて評価されます。

他のスキームよりも大きな創業者利潤を得ることができるのは譲渡側のメリットです。

また個人の担保・個人保証も解除され、後継者問題の解決とオーナー経営者様のハッピーリタイアメントを実現することが大きなメリットと言えます。

譲受側のメリットとしては株式譲渡や事業譲渡等により、事業を継承することで、売り手側企業が長年築き上げた販売網や供給網、技術を取り込むことができる点です。

シナジー効果を生みながら既存事業の市場シェアを拡大することができる点や、自社が保有していない優良な事業や技術を持つ企業を買収することで、新規事業への参入や事業の多角化を図れます。

新規事業を立ち上げるコストや時間の削減しながら、事業の成長を加速させることができる点があげられます。

②デメリット

譲渡側のデメリットは想定していた価格で株式または事業を譲渡できない場合があるということです。

売り時を逃さないようにするためにも、業界を広く知る専門のアドバイザリーから助言を受ける事が必要となります。

また買収によって契約条件が変更されたり、担当者が変わったりした場合、長年の取引先へ影響を及ぼす場合があります。

譲受側のデメリットとしては経営方針の変更によって、仕入先や販売先などの取引先へ影響を及ぼす場合や譲渡の実行後に、貸借対照表上に記載されていない簿外債務が発覚する場合があります

 

簿外債務に備えて買収先企業の財務リスクの確認は、譲渡の実行前に買収監査(デューデリジェンス)を実施する事が一般的です。

業種別M&Aの動向

①調剤薬局業界

調剤薬局業界は、医療費削減政策などによる収益の減少、薬剤師の不足、個人経営の薬局での経営者の高齢化や後継者不足の問題を抱えています。

こうした状況を受けて、大手企業は地方への店舗拡大やスケールメリットによる収益の増加、薬剤師確保のためのM&Aを数多く行っています。

②介護業界

介護業界は、高齢者が2025年には3,626万人まで増加し、4人に1人が高齢者になる試算などから成長が見込まれています。

 

今後の成長が予想されることから、異業種の企業が参入するM&Aが多いことと、既存事業のサービスの質を高めることを目的に医療法人とM&Aが行われることがあるという特徴があります。

③Web・IT業界

ECや情報処理、通信などIT業界は年々、ビジネス領域を拡大しています。

昨今では、AIやビッグデータ、IoTなどの技術力が求められる分野の成長が見込まれ、幅広い人材が求められています。

 

こうした状況を受けて、人材不足を解決するためのM&AがIT業界では活発化しています。

④不動産・建設業界

人口の高齢化・減少によって、新築を含め賃貸や不動産管理など不動産・建築業界は縮小することが予想されています。

M&Aによって業績の改善を図るケースや、大手企業の傘下に入ることで財務基盤やブランドの強化を目指すM&Aが注目されています。

⑤教育業界

教育業界は、少子化によって縮小が見込まれていますが、子供ひとりあたりにかけられる教育費は増加しているため、急激ではなく緩やかな縮小が予想されています。

こうした状況の中、大手学習塾・予備校、個別指導塾が売上を伸ばす一方で、地方の中小規模の学習塾・予備校にとっては厳しい状況が続いています。

⑥美容業界

美容・理容業界においては、投資ファンドや東京などの都市への出店拡大を目指す地方企業、異業種から参入をする大手企業を譲受企業とするM&Aが活発化しています。

⑦広告業界

広告業界は、従来のマスコミ広告の減少とインターネット広告の著しい成長に伴い、インターネット広告やIT分野の強化が重要になっています。

また、業界として急速に海外展開が進んでいます。

 

こうした状況を受け、デジタル化とグローバル化に対応するためのM&Aが加速することが見込まれています。

⑧ゲーム業界

ゲーム業界は数少ない成長産業のひとつといわれています。

しかし、ゲームのコンテンツ寿命が短くなる、慢性的な人材不足であるといった課題を抱えています。

ゲームのコンテンツ寿命が短くなることから、新しいゲームを新たに開発するのではなく、すでに収益を上げているコンテンツを獲得するためのM&Aが行われています。

 

また、人材においても自社で育てるのではなく、優秀な人材の確保を目的にM&Aが行われることがあります。

⑨エネルギー業界

近年エネルギー業界では、電力販売、都市ガス販売の自由化といった規制緩和がされています。

この影響によって、LPガス業界では都市ガスやオール電化へ消費者が流出し、市場は縮小傾向です。

 

今後の縮小に対応するM&Aが行われています。

⑩人材業界

国内労働人口の減少などによって多くの企業が慢性的な人材不足になっているため、人材業界へのM&A需要は増加すると考えられています。

⑪食品・飲食業界

飲食業界においても健康食の台頭、人口減少といった同様の課題を抱える一方、人材不足が深刻化しています。

消費者のニーズに応えながら、人材確保、コストカット、効率化を目指してM&Aを実施するケースが増えています。

⑫士業業界

激化する競争への対応、後継者不在の解決、大手グループの傘下に入り経営を安定させるといったことを目的にM&Aが活発に行われています。

譲受企業は新たな地域への進出や顧客、人材確保などをするためにM&Aを行っています。

業種別M&Aの最近の状況

直近の2020年の業種別M&Aは、業種別の件数ランキングで大きな変動がありました。

例年、件数がトップだった「製造業」に代わって、人材派遣や介護などの「サービス業」が首位に立ったのです。

そして人手不足や事業の「選択と集中」などの流れを受けたサービス業が件数を伸ばしました。

一方で新型コロナウイルスの感染拡大で海外渡航や海外企業との交渉が難しくなったことが響き、化学や機械など製造業は大幅にM&A件数を減らしました。

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まとめ

M&Aについては様々な業種で行われ、業種によってそれぞれの特徴があります。

M&Aを行う際にはこれらの特徴について理解していく必要があるでしょう。

Profile レックスアドバイザーズ

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