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宮口貴志の税界雑感

元『税金専門紙』『税理士業界紙』編集長

Profile

税金の専門紙「納税通信」、税理士業界紙「税理士新聞」の元編集長。
フリーライター及び会計事務所業界ウオッチャーとして活動。株式会社レックスアドバイザーズ ディレクター。

今や昔の国税職員の「顧問先あっ旋」(2017/6/26)

民主党政権時に廃止された国税当局退職者への顧問先あっ旋。かつて、国税当局の一定以上の幹部は、60歳定年にも関わらず、58歳で早期退職。その代り2年分の生活保障を兼ねて、現役時代の年収分ぐらいを稼げる優良企業を幾つかあっ旋してもらっていました。国税出身者の多くが、税理士として第二の人生を歩め、大規模税務署の署長ならば、かなりの年収になったといいます。もちろん、早期退職ですから、退職金は2年分少なく支給されていました。

賛否両論意見はあると思いますが、早期退職してもらうことで、予算(税金)を低く押さえていたのも事実です。企業が顧問報酬という形で、生活保障をしていたわけです。中には億単位を稼ぐ国税出身者も少なくなかったようです。稼ぎすぎて、問題視されたのが、元札幌国税局長だった税理士のTH氏。脱税に関与していたとの噂が流れ、マスコミでも連日大きく取り上げられました。わたくしも当時、専門紙の一記者でしたが、関係者などを取材していたのを覚えています。この事件が基で、国税退職者への顧問先あっ旋は少しづつ規制の方向へ動いていきました。

最近ではあっ旋がなくなり、退職した国税OB税理士の中から「世が世なら」との話も聞きます。時代は戻らないので仕方がありませんが、本当にあっ旋がなくなってよかったのでしょうか?考えさせられます。ある程度の役職を経験し、税務行政の指揮をとってきた国税OB税理士の実力は、やはり目を見張ります。40年以上、税務行政に携わってきたのですから、このまま活用しないのは、この国にとって大きな知識・経験の損失です。よく国税OB税理士は、昔の肩書きを利用し、現職を動かして「名前で仕事をしている」と言われてましたが、今はそんな〝顔″で仕事をすることはできません。現職国税職員も、そんな先輩を相手にしなくなります。今は実力あってこそ、仕事も依頼されているのです。

高齢化社会を迎え、若い働き手が減っていく中、こうした退職者が第二の人生を充実して過ごせる新たな雇用創出も不可欠になっていると最近つくづく感じています。


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