税理士業界トピックス

税金・会計に関するニュースを分かりやすく解説します

2014.06.10

各税理士会で税理士法人数が増加・・・勤務者も1万人超に

 本店登録する税理士法人数は、平成17年度に1079事務所と1千の大台を超えてから、毎年平均200事務所前後の増加となっており、平成25年度は2748事務所になりました。

過去5年を比較しても、同20年度は1750事務所だったので、わずか5年で約1千事務所増加した計算になります。
 法人増の傾向は各単位税理士会で同じで、個人事務所から税理士法人化の波はしばらく続きそうです。
 本店事務所が最も多いのが東京会で851事務所(805、*カッコないは平成24年度登録数)。次いで近畿会423事務所(398)、関東信越会298事務所(282)、名古屋会199事務所(184)、東京地方会169事務所(155)、東海会160事務所(148)の順になっています。逆に、一番少ないのが沖縄会で13事務所(13)、次いで四国会51事務所(49)、南九州会57事務所(54)、千葉県会69事務所(62)、北陸会76事務所(70)となっています。

 日本税理士会連合会(日税連)の発表によれば、平成25年度の税理士法人の「設立・設置」届出数は226事務所で、「解散・廃止」が53事務所、「合併」が1件とのことです。
税理士法人に所属する税理士登録者は、社員税理士(一般企業の役員的な役職)が7113人で前年度比435人増、補助税理士(従業員の税理士資格者)が3350人で307人増となっています。これで税理士法人に勤務する人は全国で1万463人となり、1万人の大台を超えました。
税理士の登録者数については、平成25年度は全体で7万4501人となっており、同24年度よりも776人増です。このうち女性税理士については、同24年度に初めて登録者数が1万39人と1万人の大台を超え、25年度も順調に増やし1万312人と273人増えています。
単位税理士会別に登録者数を見てみると、東京会が一番多く2万1076人、次いで近畿会1万4108人、関東信越会7274人、名古屋会4376人、東京地方会4730人、東海会4291人の順になっています。こちらの順位も税理士法人数の順位と同じです。ちなみに、全税理士に占める税理士法人勤務者の占める割合は14%となっています。

 以前紹介しましたが、総務省調べでは平成24年の会計業界のマーケットはおよそ1兆3400億円で、同23年比で年間11.6%増加しています。業界ではよく月額顧問料の低下など、暗い話ばかりが耳に入ってきますが、マーケット自体は右肩上がというのが実態です。このマーケット拡大に税理士法人数の増加が関係しているのか、明確な因果関係を示すことができませんが、法人化による業務内容の高度化による報酬単価のアップが少なからず影響しているものと思われます。一般企業も商店から脱皮し法人化していった歴史があるように、税理士事務所の「法人化」も、会計業界は新たな流れをつくる起爆剤になるものと思われます。監査法人の歴史を辿っているのでしょうか・・・

Profile 宮口 貴志

税金の専門紙「納税通信」、税理士業界紙「税理士新聞」の元編集長。フリーライター及び会計事務所業界ウオッチャーとして活動。株式会社レックスアドバイザーズ ディレクター。

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