税理士業界トピックス

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2013.08.27

新しい車のカタチ 「シャー専用オーリス」を社用車にできるのか!?

トヨタ自動車と機動戦士ガンダムのコラボとして一気に話題になった「シャア専用オーリス」市販モデル(http://netz.jp/char-auris/)。ガンダム世代の男性諸氏の多くが「買い」と、熱くなっていることでしょう。

この車は、トヨタ「オーリス」をベースに作られたもので、昨年8月、「シャア専用オーリス CONCEPT」として発表されました。オーリスは、欧州市場におけるカローラ・ハッチバックの後継モデルとして開発され、日欧の他、オセアニアなどで小型乗用車として販売されています。

■販売価格は300万円前後

「シャア専用オーリス」は今年1月、ウェブ上のバーチャルカンパニー「ジオニックトヨタ」が設立されたのと同時に、商品化が明らかにされました。ジオニックトヨタに社員として登録した人数はすでに2万6千人を超えています。

 車は、「赤い彗星のシャア」専用というだけに、外観は赤をベースに黒のライン。もちろん、マークもトヨタではなくジオニックトヨタです。

気になる価格ですが、市販モデルの車両本体価格は171~225万円。「シャア専用オーリス MS-186H-CA」は、1台のクルマ(完成車)として販売するのではなく、ファンが自分のイメージどおりのクルマ作りを楽しめるように、いわゆる「アフターパーツ」として17種のカスタマイスパーツや限定カーナビ、限定フロアマットなどを販売することとしています。モデリスタパーツとトヨタ純正用品をフル装備した場合、販売価格帯は273万2175円から330万6825円とのこと。すでに先行予約受付を開始しており、全国ネッツ店を通じて10月1日に発売される予定です。

さて、こうした特殊な自動車は、ガンダムマニアならずとも自動車好きなら手に入れたいと考えるものです。

サラリーマンなら自費で購入するしかありませんが、オーナー経営者の特権は、会社で購入という“我儘が買い”ができることです。実際、そんなこと可能なのでしょうか?

答えは、「NO」とも「YES」とも言えません。

会社経費として認められるかは、税務署の判断になりますが、実は税法上に明文規定があるわけではありません。多くの納税者が役所内部の規定で「車種や金額に基準を設けているのではないか」と思っているようですが、社用車としての判断基準は、高級車か中古車というモノサシではなく、業務に必要かどうかにかかってきます。

「シャア専用オーリス CONCEPT」のように、俗に、「2ドアは危ない」「派手な色は狙われる」「スポーツカーはアウト」などと言われていますが、国税サイドにそうしたモノサシがあるわけではありません。ただ、税務調査官の基本的な考え方はあります。

■走行距離も税務署は厳しくチェック

まず「100%社用車で業務として必要」ということ。税務署がその確認でチェックするのが、社長が個人で車を持っているかどうかです。社長個人で車を持っていないのに、社用車の車庫証明が社長宅で取得されているようなケースでは、何らかの指摘を受けるようです。

また「装飾性の高い改造」「頻繁に買換え」も厳しく見ているほか、走行距離もチェックポイントになっています。

重要なのは、社用車として購入した合理的な理由です。「シャア専用オーリス」を仕事で使っているのなら、見た目はどうあれ、その部分でお役人に否認される理由はありません。「目立つから」「取引先社長に対するインパクトが強いから」など、理由を考えておく必要があります。まぁ、素人が税務調査官を相手に説得というのはかなりエネルギーが必要なので、実際は顧問税理士に頑張ってもらうしかありません。

実は、税理士の中には、自身でそういったやり取りを経験している人もいます。某税理士先生の話になりますが、事務所の車としてイタリアの高級スポーツカーに乗っていたそうですが、当然のごとく税務調査官から指摘を受けたそうです。いくら説明しても税務署の理解が得られなかったので、助手席に調査官を乗せて実際に顧問先を回ったそうです。この税理士の事務所は地方にあり、顧問先が広範囲に点在していたことから、調査官も納得したと言います。

国税出身の税理士によると「社用車など事実認定が微妙な部分は調査官も実は避けたい」と言います。

Profile 宮口 貴志

税金の専門紙「納税通信」、税理士業界紙「税理士新聞」の元編集長。フリーライター及び会計事務所業界ウオッチャーとして活動。株式会社レックスアドバイザーズ ディレクター。

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