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宮口貴志の税界雑感

元『税金専門紙』『税理士業界紙』編集長

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税金の専門紙「納税通信」、税理士業界紙「税理士新聞」の元編集長。
フリーライター及び会計事務所業界ウオッチャーとして活動。株式会社レックスアドバイザーズ ディレクター。

小規模宅地特例見直しに何があったのか・・・3党合意に縛られた自民

 さきごろ、平成25年度税制改正大綱が発表されましたが、意外だったのが小規模宅地の評価減特例(以下「小規模宅地等の特例」)の見直しです。それも規制強化ではなく、拡充路線と言う全く逆の方向だったからビックリです。

広がる相続対策の幅

小規模宅地等の特例は、平成22年度税制改正で見直され、適用対象を絞る形となりました。具体的には、(1)相続人等が相続税の申告期限まで事業または居住を継続しない宅地等を適用対象から除外、(2)ひとつの宅地等について共同相続があった場合には、取得した者ごとに適用要件を判定、(3)1棟の建物の敷地の用に供されていた宅地等のうちに特定居住用宅地等の要件に該当する部分とそれ以外の部分がある場合には、部分ごとに按分して軽減割合を計算する、(4)特定居住用宅地等は、主として居住の用に供されていたひとつの宅地等に限られることーという内容です。

それが今回は、1.配偶者や同居していた相続人が、居住用の土地を相続して住んでいた場合の減額特例(特定居住用)の8割減が、240平方メートルから330平方メートルまで拡大。2.特定事業用(400平方メートル)と特定居住用(330平方メートル)の8割減の併用適用がそれぞれ100%まで使える。←平成27年からの適用。

3.二世帯住宅の場合、それぞれが独立していれば、被相続人居住部分しか特定居住用の適用ができないかったものが、全ていけるようになる。4.老人ホームに居住して元の住宅に住まなくなった場合でも、その住宅を賃貸などにしていなければ特定居住用の適用が可能。←平成26年からの適用。

以上、こんな感じで適用対象が拡充されています。

突然、なぜ小規模宅地等の特例が見直されたかというと、「相続税の見直しと連動している」と、自民税調の話です。当初、相続税に関しては、基礎控除はいじらず従来通りの「5千万円+(1千万円×法定相続人の数)」としていたのですが、5千万円を3千万円に引き下げ、1千万円を600万円としました。つまり、「3千万円+(600万円×法定相続人の数)」になるわけです。

 ■都市部の納税者を救済

 これは、民主党の意向を受け入れたもので、自民党内では「地価が高い都市部の住民の影響が大きすぎる」との反対意見が多くありました。実は、私も新聞報道などから「基礎控除は見直されないのか」とずーっと思っていました。しかし、大綱取りまとめ最終段階に入り、相続税の課税強化は昨年の3党合意によるもので、民主党の同意を得る引き換えに、自民党が譲歩したことを知りました。

そこで、自民税調で考えたのが小規模宅地の特例見直しです。これにより都市部の一般家庭も相続税負担に頭を悩ませることを軽減できると考えたようです。主に都内の港区、中央区、千代田区の一般的な住民です。

苦肉の策と言えばその通りなのですが、今回の見直しによって小規模宅地等の特例はかなり使い勝手が良くなりました。とくに、事業用と居住用の併用適用は大きいです。この点、有効活用のための仕組みを作ってしまえば、会計事務所としてはかなりのビジネスチャンスがあります。また、今回の大綱には、相続税の見直しによって、見直すはずだった生命保険金の500万円控除も手付かずとなりました。時間がないから小粒改正になると予想されていた平成25年度税制改正大綱ですが、蓋を開ければ、玄人が喜びそうなかなり実務的な内容になっています。


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