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中小企業診断士が廃止されるって本当?噂の真偽や資格取得のメリットを紹介

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仕事をする中小企業診断士

中小企業診断士の資格が廃止される、という噂を見聞きして、困惑した経験がある人もいるのではないでしょうか。

今回は中小企業診断士廃止という噂の真偽や、資格取得のメリット・デメリットを詳しく解説します。

中小企業診断士が廃止されるって本当?

はじめに「中小企業診断士の資格が廃止される」という噂の真偽を解説します。

中小企業診断士の廃止予定は無し

結論として、中小企業診断士の廃止予定はありません。

すなわち「中小企業診断士が廃止される」という噂は誤りです。

 

中小企業診断士という資格の廃止予定はもちろん、中小企業支援法の廃止や改正予定も現時点では存在しません。

その上、中小企業診断士には活躍の場が多数存在します。

 

したがって、中小企業診断士は廃止の恐れがあるどころか、今後も有用な資格であると考えられるでしょう。

 

【参考】中小企業診断士試験 直近の受験者数・合格者数

中小企業診断士は廃止の予定がありません。それどころか人気が高く、今なお多くの受験者が存在する試験です。

参考として、中小企業診断士試験の直近の受験者数や合格者数を紹介します。

 

<第1次試験>

 

 

受験者数

※欠席科目がない者の人数

試験合格者数

試験合格率

令和元年度

14,691人

4,444人

30.2%

令和2年度

11,785人

5,005人

42.5%

令和3年度

16,057人

5,839人

36.4%

令和4年度

17,345人

5,019人

28.9%

 

 

<第2次試験>

 

 

受験者数

※欠席科目がない者の人数

試験合格者数

試験合格率

令和元年度

5,954人

1,091人

18.3%

令和2年度

6,388人

1,175人

18.4%

令和3年度

8,757人

1,605人

18.3%

令和4年度

8,712人

1,632人

18.7%

引用元|一般社団法人 中小企業診断協会「中小企業診断士試験 申込者数・合格率等の推移」

中小企業診断士の資格の廃止が考えにくい理由

2024年1月時点において、中小企業診断士の廃止予定はありません。

その上、今後も中小企業診断士の廃止が考えにくい理由が3つ存在します。

この章で詳しく解説していきましょう。

 

AIによる代替可能性が低い

中小企業診断士がなくならないと考えられる1つ目の理由は、中小企業診断士はAIによる代替可能性が低いからです。

 

中小企業診断士の主な業務はコンサルティングです。

そして、中小企業診断士によって解決が求められる課題は、定量的な判断によって改善されるとは限りません。

会社の環境や社員の意向など、数字で判断できない部分も重要な意味を持ちます。

 

これらはAIには対応できない分野といえるでしょう。

中小企業診断士の仕事は高い需要を持つ上にAIに奪われるリスクが低いため、今後も廃止される可能性は低いと考えられます。 

政界や経済界からも注目されている

中小企業診断士がなくならないと考える2つ目の理由として、政界や経済界からも注目されている事実が挙げられます。

情報源は、令和2年10月に開催された「第14回 経済財政諮問会議」です。

同会議の中では経営人材の育成が重要というトピックがありましたが、例として中小企業診断士が挙げられました。

議員として参加していたサントリーホールディングス株式会社社長の新浪氏は、中小企業診断士について以下のように発言しています。

 

  • 中小企業診断士は非常に意味のある資格だが、大変難易度が高い
  • 中堅・中小企業の経営を担える人材の裾野を広げるためにも、中小企業診断士試験の科目合格者にも何らかの位置づけ付与を検討してはどうか

 

また、経済産業大臣梶山氏も「中小企業診断士試験の活用、在り方を考える必要があるかと思う」と発言しています。

 

中小企業診断士は政界や経済界のトップに位置する人物からも関心を寄せられている資格です。

 

試験制度や資格の在り方が変わる可能性はあるものの、中小企業診断士そのものが廃止される可能性はかなり低いでしょう。

社会人からの人気や需要が高まりつつある

中小企業診断士の廃止が考えにくい3つ目の理由は、社会人からの人気や需要が高まりつつあるからです。

 

日経HRが2023年夏に実施した「日経転職版 資格と学び直しに関する意識調査」において、中小企業診断士は「取りたい資格ランキング」1位でした。

また、同調査の「役立つ資格ランキング」では9位と、こちらも高い順位です。

 

「【参考】中小企業診断士試験 直近の受験者数・合格者数」で紹介した受験者数も、直近2年で増加していました。

 

社会人からの人気や需要が高い、すなわち社会人が中小企業診断士は有益な資格だ、と考える理由が存在するのです。

このように注目度が高く、多くの人から有益な資格だと考えられている中小企業診断士が、将来的に廃止される可能性は低いと考えられます。

 

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中小企業診断士の資格を取得するメリット

この章では、中小企業診断士の資格を取得するメリットを5つ紹介します。

様々な場面で役立つ知識を得られる

中小企業診断士の資格を取得する大きなメリットの1つは、様々な場面で役立つ知識を得られる点です。

 

中小企業診断士の試験に向けた勉強を通じて、中小企業経営の構造を深く理解できます。

これらの知識や理解は、経営者に近い立場での活動やコンサルティング業務に限らず、中小企業での勤務そのものにも活かせるものです。

 

例えば、企業の経営状況に応じた経営資源の配分・課題および解決策の的確な発見・問題意識を持ちながらの働き方等ができるようになるでしょう。

 

様々な場面で活かせる知識を有していれば、仕事の幅が広がるだけでなく、社内での評価獲得やスムーズな転職活動にもつながります。

細かな課題やニーズへ対応できるスキルが身につく

中小企業診断士の資格取得に向けた勉強を通じて、細かな課題やニーズへ対応できるスキルが身に付きます。

 

一口に中小企業の経営改善といっても、企業によって社内環境や課題は全く異なり、解決策も様々です。

その上、近年みられる競争環境の複雑化により差別化が進み、企業によって課題やニーズの違いが大きくなっています。

 

細かな課題やニーズの対処をするためには、広く深い専門知識が必要です。

中小企業診断士の勉強を通じて得られる知識は、複雑化による差別化が進む現代社会で大いに活かせるといえるでしょう。

 

社内での昇進・昇格チャンスが得やすい

中小企業診断士は、中小企業の経営構造に対する理解や実践的なスキルが身についていることを証明できる資格です。

知識やスキルを客観的にアピールできるため、社内での評価獲得もしやすくなります。

 

結果として、中小企業診断士の資格を有する人は、社内での昇進・昇格チャンスが得やすいといえるでしょう。

転職活動でアピールポイントになる

前項で紹介したように、中小企業診断士の資格は知識やスキルを客観的にアピールできる要素です。

そのため、転職活動でのアピールポイントにもなります。

 

中小企業やコンサルティング会社への転職活動で特に有利でしょう。

 

ダブルライセンスを狙いやすい

ダブルライセンスを狙いやすい点も中小企業診断士の大きなメリットです。

 

中小企業診断士の専門分野は経営ですが、経営に関する知識は普遍的であり、他の資格との相性が良く応用がききやすいといえます。

関連する他の資格と組み合わせることで、より合理的に業務をこなせる場面が多いでしょう。

 

例えば税理士は中小企業のパートナー的な立場として、クライアントのコンサルティング業務を行うことも多いです。

しかし、税理士の知識はどうしても会計・税務面がメインであるため、経営戦略をはじめとした経営コンサルティングは十分な提案ができないケースがあります。

 

税理士が中小企業診断士の資格も取得すれば、より精度の高い経営コンサルティングができるようになるでしょう。

 

このように中小企業診断士はダブルライセンスを取得することで、業務の幅を広げる・別の面でのサポートの精度も上げるといった効果が期待できます。

 

中小企業診断士の資格のデメリット

最後に、中小企業診断士のデメリットを3つ紹介します。

中小企業診断士の資格のみでの独立は難しい

中小企業診断士資格の大きなデメリットの1つが、中小企業診断士の資格のみでの独立は難しい点です。

 

前項で、中小企業診断士はダブルライセンスを取得しやすい資格と紹介しました。

経営に関する知識は普遍的であり、他の資格との相性が良く応用がききやすいためです。

 

しかし、中小企業診断士資格だけでは独立できるほどのスキルやアピールポイントにならないという面もあります。

次の項で解説する独占業務がないというのも、中小企業診断士の資格のみでの独立が難しい理由の1つです。

独占業務がない

すでに少し触れたように、中小企業診断士には独占業務がありません。

すなわち中小企業診断士の専門分野である経営コンサルティングや経営診断は、中小企業診断士の資格がなくても実施できるのです。

 

独占業務がないため特定の分野における特権や優位性を得にくい点は、中小企業診断士の大きなデメリットといえます。

 

更新条件の維持が難しい

更新条件の維持が難しい点も、中小企業診断士のデメリットです。

 

中小企業診断士資格の有効期間は5年間であり、以降も登録を継続するには更新の手続きが必要です。

 

そして、更新登録のためには以下の要件を満たす必要があります。

 

  • 専門知識補充要件:以下いずれかを合計し5回以上の実績を持つ

 

  • 理論政策更新(理論政策)研修の修了
  • 論文審査の合格
  • 理論政策更新(理論政策)研修講師として指導

 

  • 実務要件:以下いずれかを合計30日以上実施

 

  • 診断助言業務等に従事
  • 実務補習の受講
  • 実習、実務補習の指導

 

更新登録に向けて意識的に活動をしなければ資格の更新登録ができず、登録抹消となってしまいます。

このように資格の維持にかかる労力が大きい点に注意が必要です。

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まとめ

現時点において、中小企業診断士の廃止予定や中小企業支援法の廃止・改正予定はありません。

したがって「中小企業診断士が廃止される」という噂は誤りです。

中小企業診断士はAIによる代替可能性が低い・政界や経済界からも注目されている等、今後も廃止されないと考えられる理由も複数存在します。

 

中小企業診断士資格には多くのメリットがあります。

何か資格を取りたい、と考える社会人におすすめできる資格の1つです。

 

しかし、中小企業診断士資格のみでの独立は難しい・独占業務がない等のデメリットも存在します。

メリットとデメリットの両方を把握した上で、中小企業診断士の資格取得を目指すか入念に検討しましょう。

Profile レックスアドバイザーズ

公認会計士・税理士等の有資格者をはじめとする会計人材専門特化した人材紹介会社。
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