会計事務所・税理士法人における経理・財務の仕事内容
クライアントに対して高度な会計サービスを提供している会計事務所や税理士法人でも、社内の経理・財務組織や仕事の内容は、一般的な事業会社と大きな差はありません。
そのため、公認会計士や税理士のように難易度の高い資格を持っていない方でも、経理や財務部門で働くことが可能です。
ただし、Big4等の大手会計事務所等になると、コーポレートファイナンス部門のように、会計事務所、税理士法人の経理・財務をシェアドサービスの形で請け負っている場合があります。
ここでは 事業部門の専門的なサービスを支援する業務もあることから、公認会計士等の資格を持っている方が優先して採用されます。
経理・財務の主な仕事内容は次のとおりです。
・請求書管理、与信管理、入金管理
・試算表作成、会計レポートの作成と報告
・会計に基づく経営数値データの収集と分析及びその報告
・管理会計(セグメント報告、事業部別収支報告等)
・ガバナンス管理(内部統制)
・予算実績管理、予算作成、ローリング予算対応
・キャッシュフロー管理、グループ会社間の資金管理
公認会計士、税理士の資格を持つ方であれば、これらのルーティン業務の他に、事業部門のプロジェクトに参画し、後方支援機能を兼務することも多くなります。
会計事務所・税理士法人における経理・財務の求められるスキル・人材像
会計事務所や税理士法人は、クライアントに対して会計や税務面での支援を目的とするサービス業ですので、その事業を支えるバックオフィス部門である税理・財務で求められるスキルは、一般企業と同等あるいはそれよりもやや高くなっています。
また、業務遂行にあたり、経営分析に携わることもあるため、一定のPCスキル(主としてExcelでVLOOKUP等の関数やPivot tableを活用できる等)と、英語能力が必要になることもあり、Big4等の外資系会計事務所では、英語要件としてTOEICで600〜700点前後以上としています。
会計事務所等の経理・財務部門に転職では、経験者採用(同業の会計事務所等での実務経験)が多く、未経験であれば経理や財務に関わる資格として、簿記2級以上、税理士科目の合格者あるいは公認会計士試験の短答式試験の合格者(大手会計事務所等の場合)としていることもあります。
しかしながら、さまざまな業種から広く人材を採用して、多様性を持ったサービス展開を試みている会計事務所や税理士法人では、「未経験者可」「資格不問」のように採用の難易度を下げているケースもあります。
未経験あるいは資格なしで就職した場合、スキルアップのために勉強をしたい、資格を取得したいと考えることもあるでしょう。
その場合、会計事務所は資格取得を応援する制度が充実していますので、利用できるメリットがあります。