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宮口貴志の税界雑感

元『税金専門紙』『税理士業界紙』編集長

Profile

税金の専門紙「納税通信」、税理士業界紙「税理士新聞」の元編集長。
フリーライター及び会計事務所業界ウオッチャーとして活動。株式会社レックスアドバイザーズ ディレクター。

“税界”の裏話 非行税理士が資格剥奪から逃げるウラ技がある!?(2017/5/26)

平成29年4月1日付けで財務省から、税理士・税理士法人の懲戒処分者が発表されました。同28年は、前年より2件少ない39件でしたが、一方で、重い処分を逃れるためにウラの手を使う税理士もおり、公表されている数字では把握できない非行税理士も少なくありません。

士業を監督する官庁は、非行税理士を取り締まり、悪さをした資格者を処分しますが、税理士の場合は財務省。4月1日、財務省から平成28年の懲戒処分者が発表されましたが、過去5年で最も少ない39件で、最も重い処分の「停止」も28件と減少していることが分かりました。

<表:税理士・税理士法人に対する懲戒処分等件数>

*国税庁ホームページより

税理士の懲戒処分は、税理士法に規定され、その量定については、不正行為の類型ごとの量定の考え方を基本としつつ、(1)不正行為の性質、態様、効果等、(2)税理士の不正行為の前後の態度、(3)懲戒処分等の前歴、(4)選択する懲戒処分等が他の税理士及び社会に与える影響、(5)その他個別事情を総合的に勘案し、決定するとされています。
非行税理士が減ってきたことは良いのですが、実は、税理士の間では、こうした懲戒処分を回避するウラのテクニックがあるのです。

税理士が法律違反をすると、下手をすると資格剥奪などの重い刑罰が下されます。資格剥奪ともなれば、当然、税理士としての仕事が出来なくなるため、税理士ならこの最悪の事態は避けたいところです。こうした崖っぷちの税理士が最終手段として使う手が、懲戒処分が下される前に、自ら税理士資格を返上してしまうというものです。というのも、税理士法上の処分が下される前の自主返上なら、法律上は税理士でなくなるため、税理士法による処分ができなくなるのです。つまり、税理士法上ではお咎めナシということになります。もちろん、量刑によって他の法律によって処罰が下されるのですが、税理士法以外なら、税理士資格を剥奪される最悪の事態は避けられます。

資格を返上してしまったので、会計事務所は経営できなくなるわけで、事務所は解散することになるのですが、資格剥奪となっても会計事務所は解散しなくてはならないので、自主返上のほうがまだましです。資格剥奪でなければ、将来、再度税理士として仕事を復活することが可能。ちなみに、これまでの傾向では、3年程度で再度税理士として復活する方が多いようです。

 

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