経理の転職に関する実態調査|前職に対する不満等の動機・きっかけ・苦労したこと等
経理人材や会計人材に特化した転職サポートを行う株式会社レックスアドバイザーズでは、「経理職の転職実態に関する調査」を行い、2023年から2026年に経理職に転職した534名の有効サンプルを集計しました。なお調査にあたっては株式会社PRISMAのアンケートパネルを活用しております。
調査結果サマリ―
- 経理人材の転職活動のきっかけとして多いのが「人間関係のトラブル」や「昇給」で、それぞれ20%。「業務量の増加」「上司や同僚の退職」が10%で続く
- 転職活動を通じて、勤務先の選択における「最重視する要素」が変化した転職者は、全体の4割以上
- 全体の18%が転職活動によってキャリアアップ、25%が転職後の昇進でキャリアップしており、全体の43%が転職を通じたキャリアアップを実現している
転職の動機・きっかけ
- 経理人材の転職活動のきっかけとして多いのが「人間関係のトラブル」や「昇給」で、それぞれ20%。「業務量の増加」「上司や同僚の退職」が10%で続く
- 転職者の40%が前職の年収に不満を感じており、そのうちの半数以上(転職者の22%)は年収が最大の不満だった
- 年収以外では、働き方に対する不満(転職者の39%)、人事評価に対する不満(同32%)、業務内容に対する不満(同30%)などが前職への不満の上位
- 転職者の39%が転職先の年収に魅力を感じており、そのうちの半数以上(転職者の23%)は年収が最大の魅力と感じている
- 年収以外では、働き方が魅力的(転職者の36%)、業務内容が魅力的(同29%)に加え、ブランドが魅力的(同21%)が上位に来る
転職活動を振り返って
- 転職活動開始時には年収や働き方や業務内容といった、表面的な要素を最重視する層が70%を占めるが、転職先の決定時には合計60%程度まで落ちる
- 代わりに、教育制度(4%⇒8%)や福利厚生制度(3%⇒7%)や人間関係(4%⇒5%)といった、選考を進める中で具体化された要素を重視する転職者が増える
- 転職活動の開始時と転職先の決定時で、最重視する要素が変化した転職者は、全体の44%にのぼる
- 年収重視の転職者は、評価制度や働き方や教育制度など、変化の方向が様々。働き方重視の転職者は、選考を通じて年収や業務内容重視に変化することが多い
- 転職者の35%が「面接の準備」に苦労している。他にも、スケジューリング(32%)、書類作成(32%)、面接対応(30%)と書類提出から面接で苦労
- 一方で転職活動において最も苦労したことでは応募先選定(19%)を上げている転職者が最も多く、最も苦労したことは転職者によって様々となっている
転職活動の結果について
- 全体の18%が転職活動によってキャリアアップ、25%が転職後の昇進でキャリアップしており、全体の43%が転職を通じたキャリアアップを3年以内に実現
- キャリアダウンでの転職は12%だが、管理職レイヤーに絞ると17%になる。ただし7%は転職後の昇進で3年以内に元の役職に戻っている
- 上場企業や上場企業グループへの転職のうち25%強は、非上場企業やIPO準備企業からの転職となっているが、依然として上場企業からの転職者が多い
- 逆に上場企業や上場企業グループからの転職においても、30%弱が上場グループ以外となっている
- 転職活動に満足している転職者は全体の25%。「まぁ良かった」を選んでいる転職者が45%と最も多く、「どちらともいえない」が25%
- 「もし叶うなら転職活動をやり直したい」と考えている転職者は23%、まだわからないという層が37%となっており、慎重な転職活動の必要性がうかがえる
調査結果詳細
前職に対する不満
- 転職者の40%が前職の年収に不満を感じており、そのうちの半数以上(転職者の22%)は年収が最大の不満だった
- 年収以外では、働き方に対する不満(転職者の39%)、人事評価に対する不満(同32%)、業務内容に対する不満(同30%)などが前職への不満の上位
過去3年以内に転職した経理人材に、転職前の会社に対してどのような不満があったか聞いてみました。結果として、全く不満がなかった方は7%しかおらず、9割強の転職者は、一つあるいは複数の不満を抱えて転職したことがわかりました。
多かったのは「年収」(40%)と「働き方」(39%)ですが、「人事評価」(32%)や「業務内容」(31%)も30%を超え、転職の動機になっていることがわかります。
その中でも最も不満に感じていたことは何か聞いてみると、「年収」(22%)「働き方」(19%)「業務内容」(15%)と、概ね同じような並びになりました。逆に経営方針や教育制度については、経理職においてはクリティカルな不満とはなりづらいようです。

転職先の魅力
- 転職者の39%が転職先の年収に魅力を感じており、そのうちの半数以上(転職者の23%)は年収が最大の魅力と感じている
- 年収以外では、働き方が魅力的(転職者の36%)、業務内容が魅力的(同29%)に加え、ブランドが魅力的(同21%)が上位に来る
転職を決めた先に対して感じていた魅力についても聞いていきました。結果としてはやはり不満同様に「年収」(39%)、「働き方」(36%)、「業務内容」(29%)が上位に来ましたが、その下に「ブランド力」(21%)が入ってきています。
最も魅力的に感じた点については、「年収」(23%)がトップで、「働き方」「業務内容」がそれぞれ18%で次にきます。年収と働き方と業務内容で合計70%なので、なんだかんだ重要な要素であることがわかります。

転職活動のきっかけ
- 転職活動を行うことになったきっかけは「人間関係のトラブル」や「昇給や昇格の見送り」であることが多い。
- 1割程度は明確なきっかけがなく転職活動を開始している
次に、なぜ前職への不満を感じるようになったのか、なぜ転職活動を始めようと思ったのか、きっかけについて聞いてみました。
きっかけとしては「人間関係のトラブル」(22%)、「昇給や昇格の見送り」(19%)がトップ2であり、その下は10%以下で差が開きました。「業務量が増えた」(10%)、「上司や同僚が退職した」(10%)のほかに、「明確なきっかけはなかった」も10%となりました。
人間関係のトラブル以外に、同僚の退職や、退職や移動による業務量の増加なども直接的なトリガーとなっており、ケアが大切であることがわかります。

転職活動において重視したこと
- 転職活動開始時には年収や働き方や業務内容といった、表面的な要素を最重視する層が70%を占めるが、転職先の決定時には合計60%程度まで落ちる
- 代わりに、教育制度(4%⇒8%)や福利厚生制度(3%⇒7%)や人間関係(4%⇒5%)など、選考を進める中で具体化された要素を重視する転職者が増える
ここからは転職活動について振り返ってもらいました。まずは転職活動を始めた際に何を重視していたかと、最終的に転職先を決める際に何を重視したか聞いています。
転職活動の開始時には、やはり「年収」を最重視している転職者が30%と多く、「働き方(21%)、業務内容(19%)と合わせて70%となっており、転職開始時にはその時点で不満を持っている表面的な要素が重視されやすいことがわかります。
これが最終的に転職先を決める際には、年収が少し減って26%になり、働き方も少し減って18%、業務内容も少し減って17%と下がっています。代わりに教育制度や福利厚生制度が4ポイントも上昇しています。
転職活動を行う中で、応募先の企業の様々魅力に触れることで、自身として重視する要素を見つめなおす転職者が多いということですね。

- 転職活動の開始時と転職先の決定時で、最重視する要素が変化した転職者は、全体の44%にのぼる
- 年収重視の転職者は、評価制度や働き方や教育制度など、変化の方向が様々。
働き方重視の転職者は、選考を通じて年収や業務内容重視に変化することが多い
また同じアンケートを使って、各個人の最重視する要素が転職活動を経て変化したかも分析してみたところ、なんと40%以上の転職者で、転職活動開始時に重視していた要素と、最終的に転職先を選ぶ際に重視した要素が異なっていたことがわかりました。
そこでより人数の多い、「年収」重視層(n=160)と「働き方」重視層(n=113)で、重視する要素がどう変わったかを見てみます。
「年収」重視層のうち、転職先決定時も「年収」を重視していたのは58%でした。
重視する要素が変化した先は多岐にわたっており、評価制度(9%)、働き方(9%)、教育制度(8%)、福利厚生(6%)などが上がります。恐らく、当初はふわっと年収が大事と思っていたところから、転職活動を通じて本気で次の職場を考えた際に、年収ではないな、と思う方がいたということですね。
また「働き方」重視層の42%が最終的に「働き方」以外を重視しており、年収(18%)、業務内容(9%)重視へと変化していました。これは働き方重視で転職活動を始めたものの、転職活動を通じて、あるいは家族との対話を通じて、年収重視や業務内容重視に変化する方が一定いるということです。

転職活動における苦労
- 転職者の35%が「面接の準備」に苦労している。他にも、スケジューリング(32%)、書類作成(32%)、面接対応(30%)と書類提出から面接で苦労
- 一方で転職活動において最も苦労したことでは応募先選定(19%)を上げている転職者が最も多く、最も苦労したことは転職者によって様々となっている
次に、転職活動を進める上で、何に最も苦労したかを聞いてみました。
最も多かったのが、どういった内容を話すかの整理などの「面接の準備」が35%となっています。そのあとに「スケジューリング」(32%)、「書類作成」(32%)、「面接対応」(30%)、「応募先選定」(28%)と並んでいます。
一方で最も苦労したことで見ると、「応募先企業の選定」(19%)が一番上に来ており、応募先企業の選定に悩んでいる転職者にとっては、最も重い悩みであることが多いということがわかりました。世の中全体で経理人材が不足している中で、求人数も多いため、どの企業を受けるべきかの時点で悩まれる方が多いようです。
続いては「面接準備」「面接対応」「スケジューリング」「書類作成」が16%~14%で横並びとなっており、最も苦労したことは転職者によって様々であるということがわかります。

転職活動を通じたキャリアアップ
- 全体の18%が転職活動によってキャリアアップ、25%が転職後の昇進でキャリアップしており、全体の43%が転職を通じたキャリアアップを3年以内に実現
- キャリアダウンでの転職は12%だが、管理職レイヤーに絞ると17%になる。
ただし7%は転職後の昇進で3年以内に元の役職に戻っている
次に転職活動を通じて、役職やポジションがどのように変化したかを聞いていきました。転職活動を通じて直接的に役職やポジションが上がった方は18%に上り、転職活動自体がキャリアアップの機会となっていることがわかります。また転職後に昇進してキャリアアップを実現した方も25%に上り、転職してから3年のうちにキャリアアップした方は43%になりました。アンケート対象者には転職して1~2年以内の方も含まれるため、転職後3年間で見ると、おそらく%はもう少し高くなり、50%に到達するものと考えられます。
一方で、キャリアダウンを飲んで転職した方も全体の12%ほどいました。これは働き方の改善であったり、キャリアチェンジであったりによって、一時的なキャリアダウンを受け入れる方がいることを示しています。なおその半分は転職後に昇進し、元の役職やポジションに戻っています。
キャリアダウンについては、管理職とスタッフ職で少し状況が異なっており、管理職層では17%(全体平均より5ポイント多い)がキャリアダウンを受け入れて転職していることがわかりました。

上場企業と転職の関係
- 上場企業や上場企業グループへの転職のうち25%強は、非上場企業やIPO準備企業からの転職となっているが、依然として上場企業からの転職者が多い
- 逆に上場企業や上場企業グループからの転職においても、30%弱が上場グループ以外となっている
転職前の企業と転職後の企業に関して、上場ステータスがどうであったかも聞いています。
まず上場企業や上場企業グループへの転職者の前職ですが、47%が上場企業、26%が上場グループ子会社、12%が非上場企業、9%が上場準備企業であることがわかりました。やはり上場企業あるいは上場企業グループ間での転職が多いですが、上場企業以外から上場企業グループに転職する経理人材も25%ほどいるということですね。
逆に上場企業や上場グループからの転職という観点でも、上場企業や上場グループへの転職が71%を占めており、非上場企業や上場準備企業に転職する方は少数派であることがわかります。

転職活動に対する満足度
- 転職活動に満足している転職者は全体の25%。「まぁ良かった」を選んでいる転職者が45%と最も多く、「どちらともいえない」が25%
- 「もし叶うなら転職活動をやり直したい」と考えている転職者は23%、まだわからないという層が37%となっており、慎重な転職活動の必要性がうかがえる
最後に、転職活動をして良かったか、もし転職活動をやり直せるならやり直したいか、聞いてみました。
転職活動の満足度については、とても良かったと答えた方が25%、まぁ良かったと答えた方が45%で、合計70%の転職者は一定満足していることが見て取れます。それ以外のうち25%はどちらとも言えないを選択しており、まだ日が浅くてわからないあるいは何らかの懸念を感じているという状況であることがわかります。
さらに踏み込んで、転職活動をやり直したいかという質問に対しては、40%の転職者が「やり直したくない」を選んでおり、転職活動に満足している層と、まぁ満足している層の1/3程度が、転職活動をやり直したくないと考えていることがわかります。
それ以外は、現時点ではわからないが37%、やり直したいが23%のため、なんらか後悔が残った方あるいは引っ掛かっているものがある方が一定いるということですね。

調査概要
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調査タイトル |
経理職の転職に関する実態調査 |
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調査対象 |
PRISMA社のリサーチパネルより、過去3年以内に転職している、経理職で働く方 |
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調査地域 |
全国 |
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調査方法 |
アンケートリサーチ |
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調査期間 |
2026年3月9日~3月13日 |
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有効回答数 |
534サンプル |
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実施機関 |
株式会社PRISMA |