税理士業界トピックス

税金・会計に関するニュースを分かりやすく解説します

2015.11.10

証券会社も税理士法人設立  会計事務所業界は草刈場!?

10月下旬、あのビッグローファームのひとつ、森・濱田松本法律事務所(MHM、主事務所=東京・千代田区)が、「税理士法人を設立」というニュースが飛び込んできました。

実際の設立は11月中のようですが、法人名は「MHM税理士事務所」とのこと。まずは税理士資格も持つ弁護士と税理士の十数名が構成員となるようですが、「弁護士もいよいよ来たか・・・」って感じですね。提供する業務は、M&A・グループ内再編、事業再生、オーナー系企業の事業承継等に関する税務サービス。そして、税務デュー・ディリジェンス、税務申告といった税務サービス、そして税務だけでなく、会計分野におけるサービスも充実させていくようです。

森・濱田松本法律事務所といえば、日本の4大法律事務所(他にアンダーソン・毛利・友常法律事務所、長島・大野・常松法律事務所、西村あさひ法律事務所)のひとつ。企業法務や金融法務、争訟、倒産・事業再生などを主要業務としています。 法務と税務、そして会計サービスを充実させていくとなると、他の3大法律事務所の動きも気になるところです。

まっ、先に仕掛けたのは会計事務所側。大手国際会計事務所の英アーンスト・アンド・ヤング(EY、東京・千代田区)グループがさきごろ、M&A(合併・買収)の契約書作成や税務訴訟の対応といった法務サービスを手がけていく弁護士法人を設立しました。法務業務、会計監査、税務コンサルティングを複合的に仕掛け、収益の多様化につなげていく狙いがあるようです。まさに、他士業入り乱れての“淘汰”の序曲がはじまったわけです。
今や1千人を越す山田&パートナーズグループ(東京・千代田区)でも、弁護士法人を設立して、総合事務所化を進めています。

一方で、会計事務所のライバルは、何も士業だけではありません。大手証券会社も税理士法人を設立し、会計事務所業界に進出してきました。まだ規模的には多くはないようですが、現在優秀な人材を集めているようです。ビッグ4税理士法人の経営陣の話では、「うちからも優秀な人材が流れた」と、すでに他人事ではないようです。 なにせ税理士法人のトップが著名な大先生なので、どういった事業展開を想定しているのか、注視していくおく必要があります。

これまで、税理士法人に業務を依頼していた企業サイドも、自社の系列に税理士法人が出来れば、徐々に仕事を内部でやっていくことは必定。それだけでなく、営業活動も証券会社及びその系列グループで行われたら、一般の会計事務所は太刀打ちできません。専門特化していくなど、事務所の特色を鮮明にしていくしかないでしょう。

平成14年に税理士法人制度がスタートして10年で、会計事務所は規模の拡大が進みました。都内では、100人規模の事務所がいくつもあります。今後10年は、さらに規模拡大傾向は強まるものと思いますが、士業系、企業系など、出身母体の色はいくつにも分かれていくことでしょう。

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Profile 宮口 貴志

税金の専門紙「納税通信」、税理士業界紙「税理士新聞」の元編集長。フリーライター及び会計事務所業界ウオッチャーとして活動。株式会社レックスアドバイザーズ ディレクター。

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