派遣の契約途中で辞めることはできる？契約途中で辞める際の流れも解説

派遣の契約途中で辞めることは原則的にできません。

ただし、退職の交渉で派遣会社から承認を得られれば辞められます。

しかし、さまざまなリスクは承知しておくべきでしょう。

今回は派遣を途中で辞めるデメリットや方法について解説します。

はじめに、派遣を契約途中で辞めることの可否について解説します。

原則として、派遣を契約途中に辞めることはできません。

契約期間の満了まで仕事を続けることは、派遣契約の中でも特に重要な事項です。

派遣は契約期間が明確に定められているからこそ、期間満了まで働くことが大前提となります。

基本的には派遣期間の満了前に契約解消はできませんが、やむを得ない理由がある場合は辞めることが可能です。

契約途中の退職が例外的に認められる事情として、以下の例が挙げられます。

• 自身の急病・怪我等により仕事ができない状態になった
• 家族の急病・怪我等により介護の必要性が生じた
• 契約にない仕事をさせられている
• ハラスメントを受けている

やむを得ない事情により仕事を続けるのが難しくなった場合、なるべく早めに派遣元会社へ連絡しましょう。

前章で、原則として派遣を契約途中に辞めることは不可能であるものの、やむを得ない理由がある場合は例外的と紹介しました。

とはいえ、やむを得ない理由に該当しない場合でも、退職の交渉をすること自体は可能です。

そして、派遣会社からの承認を得られれば契約途中でも辞めることができます。

ただし、派遣を契約途中でやめることにはさまざまなリスクがあるため注意が必要です。

この章では派遣の契約途中で辞めるとどうなるか、考えられるリスクを紹介します。

派遣の契約途中に辞めると、その後派遣会社から仕事をもらえなくなる恐れが大きいです。

派遣社員が期間の満了前に辞める行為は、派遣契約における違反行為に該当します。

派遣契約の一方的な解消や契約違反に該当する行為が行われれば、当然かなりの悪印象を与えてしまいます。

派遣会社が派遣先会社から悪印象を持たれるのはもちろん、関係悪化・後に派遣契約ができなくなる等のリスクも高いです。

派遣を途中で辞めた過去のある人は、派遣会社から契約を破るリスクが非常に高い人という印象を持たれてしまいます。

結果として、仕事を紹介してもらえない・仕事の紹介やサポートの優先順位が低くなるといった事態が起こりやすいです。

派遣の契約途中で辞めると、失業手当の給付開始時期が遅くなります。

失業手当は名前の通り失業状態の人を対象とした手当です。

離職前の勤務先で雇用保険に加入しており、かつ、一定の要件を満たす場合に受給できます。

今回は失業手当の受給要件を満たしている前提で解説します。

失業手当は、退職理由が会社都合か自己都合かによって給付の開始時期が大きく異なる点が特徴です。

派遣の契約満了まで働いた場合は会社都合退職とみなされ、7日間の待機期間後すぐに失業手当の給付を受けられます。

一方、やむを得ない事情に該当しない理由で契約期間の途中に辞めた場合、7日間の待機期間に加えて2ヶ月間の給付制限期間が発生します。

すなわち、失業手当を受け取れるのが、派遣契約の期間満了まで働いた場合よりも2ヶ月遅くなってしまうのです。

忘れないようにしておきたいのは、派遣契約を途中で辞める行為は派遣会社・派遣先会社の両方に対し、多大な迷惑をかけてしまうということです。

派遣という働き方は契約満了まで仕事を続ける前提となっています。

そのため、契約期間が残っているうちは基本的に人材確保や人材育成等の準備を行いません。

もし派遣社員が契約途中で辞めることになった場合、急いで採用や業務引き継ぎ等の作業をする必要があります。

また、派遣元会社と派遣先会社の間で結ばれた契約が破られることになるため、両者の関係悪化を招く恐れも大きいです。

派遣の契約途中で辞める行為は、お世話になった会社に迷惑をかける行為と表現できます。

派遣を途中で辞める行為には非常に高いリスクがあるため、可能な限り避けるのが理想です。

とはいえ、契約満了まで仕事を続けられない場合、派遣元会社の了承を得た上で辞めることになるでしょう。

この書では派遣を途中で辞める際の流れについて解説します。

まずは、派遣会社に仕事を辞めたい旨を伝えます。

前述のように、派遣は原則として契約満了まで辞めることができません。

そのため契約期間が残った状態で辞めたいと伝えると、派遣会社から理由を深く追及されます。

この場合、辞めたいと伝えても最初は断られてしまう可能性が高いです。

それでも辞めたい場合、派遣会社に辞めたい旨を強く訴えて交渉を続ける必要があります。

派遣会社から退職の了承を得られたら退職手続きを進めます。

基本的に、派遣の契約満了に合わせて辞める場合は特に書類の提出は必要ありません。

しかし、契約期間の途中で辞める場合、退職願や退職届を提出する必要があります。

書類の書き方や期限について派遣会社の指示を守った上で必要書類の用意や提出を行いましょう。

退職に向けて、派遣先会社での業務整理や挨拶を進めます。

特に、業務の引継ぎや貸与物の返却に漏れがないよう注意しましょう。

なお、契約途中で辞める旨について派遣先会社へ伝えるタイミングは、派遣会社からの指示に従います。

自己判断で派遣先会社に伝えてしまうとトラブルになる恐れが大きいです。

業務引継ぎや退職の挨拶についても、派遣会社から実施の許可を得てから進めます。

最後に、派遣を途中で辞める際の注意点を3つ紹介します。

退職の旨は、派遣会社からの指示があるまで派遣先会社に伝えないようにしましょう。

派遣社員の契約や退職については、派遣元会社と派遣先会社の間でやり取りが行われます。

すなわち、派遣を途中で辞める旨を派遣先会社に伝えるのは派遣社員本人ではなく、派遣元会社の役目です。

派遣社員から派遣先会社に直接伝えてしまうと、後にトラブルを引き起こす恐れがあります。

契約途中で辞める旨について、派遣会社から指示があるまで口外しないよう注意が必要です。

派遣会社・派遣先会社へかけてしまう迷惑を最小限に抑えるため、引継ぎや貸与物の返却等を漏れなく行う必要があります。

必要な手続きに不備や漏れがあると別途対応が必要になり、時間と手間がかかってしまいます。

契約途中で辞めさせてもらう以上、それ以外の面で迷惑をかけてしまうのを避けるため、必要な手続きを漏れなく行うのが大前提です。

次の仕事を始めるまでに間がある場合、退職後に以下の手続きを速やかに進めましょう。

• 国民健康保険への切り替え……退職によって社会保険の資格を喪失するため、市役所の窓口で国民健康保険への切り替え手続きを行う必要があります。
• 国民年金への切り替え……国保への切り替えと同様に、厚生年金から国民年金へ切り替える手続きも必要です。こちらも市役所で行います。
• ハローワークでの手続き……派遣会社に離職票の発行を依頼し、書類を受け取ったらハローワークで失業手当の申請手続きを行いましょう。

各種手続きを後回しにしてしまうと、保障を受けられない期間が発生する・手当の受給が遅くなる等の恐れがあります。

退職後なるべく期間をあけず早めに手続きを済ませましょう。

派遣はやむを得ない事情がある場合を除き、原則として契約途中で辞めることができません。

ただし、派遣会社に辞めたい旨を伝えて交渉すれば、途中で辞めることの了承を得られるケースもあります。

契約途中で辞めるリスクを理解し、それでも仕事を続けられないと判断した場合は派遣会社に辞めたい旨を伝えましょう。

派遣を契約途中で辞めたい旨は、必ず派遣会社に伝えます。

派遣会社からの指示があるまで派遣先会社へ伝えないよう注意が必要です。

契約途中で辞める旨が派遣先会社へ伝わったら、業務の引継ぎや挨拶といった必要な作業を進めます。

契約途中での退職は多大な迷惑をかける行為です。

そのためどうしても契約途中で辞めることになった場合、せめて迷惑を最小限に抑えるために引継ぎや貸与物の返却に漏れがないよう注意する必要があります。

派遣の契約途中で辞めたいと考えている人は、今回紹介した内容を押さえた上で、本当に辞めるしかないか改めて検討しましょう。