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会社の経理の流れとは?年間・月間のスケジュールを把握しよう

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会社の経理の流れとは

経理の主な仕事の流れは、日々の取引を会計帳簿にデータとして登録することからスタートします。

この日々の取引を1ヶ月間継続し、月末から月初にかけて1か月間の取引データを整理整頓することで月次決算が完了します。
そして12ヶ月間の月次決算を経て、会計年度末において年次決算を完結させます。

この流れを会計期間(通常は1年間)のなかで繰り返していくことが経理の流れです。個別の経理業務では、売上管理、仕入管理、現金・預金管理、経費管理、固定資産管理、税金計算などがあります。

会社の経理

取引データの流れ

取引データは経理の世界で「帳簿」と呼ばれる仕組みに登録されます。日々の取引は「仕訳日記帳」、そしてこの仕訳日記帳を費用や収益の勘定科目別に分類した「総勘定元帳」があります。

この「仕訳日記帳」のデータは、会計システムが自動で「総勘定元帳」に分類しています。総勘定元帳は月次単位、四半期単位、年度単位で締めていきます。

総勘定元帳を網羅した一覧表は「試算表」と呼ばれます。
この試算表をみると、会社の財政状態(資産、負債)と損益状況(売上、利益)がわかります。この試算表はいわば取引データの集大成といえるもので、この試算表をもとにして会社の経営状況を数値として把握することができます。

取引データの整理

事業活動で発生するさまざまな取引データは、仕入取引や経費が発生する各部署の担当者にてシステムに登録することで、会計システムと連携して「仕訳日記帳」に取引データが登録されていきます。
経理担当者は請求書とそのデータを照合して取引日、金額、費用科目があっているかどうかを確認します。

売上は販売システムから会計システムに自動連係されるか、経理担当が売上伝票や出荷票などから売上取引データを「仕訳日記帳」に登録します。

中小企業では、手書きで取引伝票を起票し、それを経理担当者が会計システムに登録することもあります。取引伝票は会計仕訳のルールに合わせた様式になっているのが通常で、経理担当者はこれを簿記のルールに従って処理しています。

近年は、簿記の知識がない担当者であっても会計処理ができるような会計ソフトが普及しているため、手書き伝票を利用することは少なくなってきました。

会社の経理の役割

経理の最も重要な役割は、一定の会計ルールに基づいて、会社の経営活動を金額(数字)で表すことです。基本的にすべての情報を「取引」として集めて、それらを業種や事業に合った会計ルールによって体系的に記録し、主に1か月間単位で集めた実績数字と予算を比較して、改善点を検討し経営層に報告します。
会計期間(1年間)の終わりには、年次決算として会社法に基づいた財務諸表(貸借対照表、損益計算書など)を作成し、定められた期間内に株主へ報告します。
株主の承認を受けた財務諸表を元にして、法人税申告書などの税務関係書類を準備します。

企業の規模による経理の役割の違い

上場企業、資本金が5億円以上となる大企業では、経理部門の守備範囲が広くなるため、試算表の作成部門、経費の管理部門、売上の管理部門などに細分化されています。それぞれの専門的な部署で経理経験を積み、ジョブローテーションによって他の部門を担当することになります。

中小企業では、経理部門として独立していることは珍しく、一般的には「管理部門」の中に、経理の機能があります。ここでは経理担当者が、経理処理のほかにも、総務系の業務や給与の支払いなど人事系の業務を兼務することがあります。

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会社の経理における業務スケジュールとは

経理担当者は、日々の業務、1カ月単位、四半期単位、そして1年単位という一定のサイクルに沿って業務を進めています。

日々の業務では、仕訳日記帳を作成するために、消耗品や備品の購入取引、従業員の立替精算処理を会計データとして登録します。上場企業では、これらの取引が上司による承認を受けているか、不正な処理はないか、などの統制環境をチェックします。

1カ月単位では、仕訳日記帳のデータあるいは総勘定元帳のデータをまとめて、仕訳入力にミスがなかったか、適切な勘定科目で処理しているかどうか、仕訳登録の漏れがないかどうかなどを確認します。
試算表が出来上がったら、当月の試算表と前月とを比べて勘定科目別に増減状況を把握します。急な売上や売掛金の増加はないか、多額の経費を使っていないかなどを確認します。
中小企業の経理では、給与の計算と支払い、社会保険料の計算と納付をすることもあります。

四半期単位、1年間単位では、期間内の確定数値を作成します。四半期決算、年度決算と呼ばれており、上場企業では社内外に向けて公表するため慎重な作成が求められます。
月次決算で実施していない場合は、在庫の棚卸し、固定資産台帳の管理と減価償却費の確認があります。年度決算では株主向けに財務諸表を作成し、法人税や消費税などの税務申告に対応します。

会社経理の一般的な月間業務スケジュール

経理の業務は関係部署から経理に必要な資料を適切な時期に提出してもらうことから始まります。月次決算を開始する前に、関連部門へいつまでにどのような資料を経理へ提供するかを周知することが大切です。

月初から9日頃まで:

1ヶ月間の取引について適切な会計処理がなされているかどうか、全ての会計処理が網羅されているかを確認します。
減価償却費や見積もり税金の計算など、経理が直接会計処理をする項目が多数あります。
試算表を作成できたら、 それぞれの勘定科目ごとに内容を精査して、誤りがあれば訂正します。

毎月10日頃:源泉所得税などの税金の納付

給与から徴収した源泉所得税と住民税、および顧問税理士などに支払った報酬に係る源泉所得税を納付します。

毎月20日頃:給与の計算と振込み準備、社会保険料を計算

人事部門があれば経理部門へ仕訳用のデータが提供されます。人事部門がない中小企業では経理部門で給与計算をして従業員に送金します。
健康保険・介護保険・厚生年金保険などの社会保険料は、従業員負担分と合わせて社会保険事務所に納付します。
なお、雇用保険と労災保険は、1年間分を毎年6月1日から7月10日に労働基準監督署へ申告し保険料を納付します。

毎月22日頃:経費や仕入代金の支払い準備

取引先より送られてきた請求書を支払いデータと照合し、仕訳の漏れがないか、支払い予定額に誤りがないかを再確認します。
多くの取引は、月末締めの翌月末までの支払い条件になっています。
一般的にはその支払条件に従って送金をしますが、経理処理や財務手続きの都合上、従業員の給与の支払日(多くは25日)に合わせて送金することになります。

会社経理の一般的な年間業務スケジュール

3月決算の上場会社の場合の一年間の流れは次の通りです。

4月:年次決算の対応

1年間の会計処理について、全体を見渡して適切な勘定科目会振替をします。
売上や費用の認識について、当期分なのか翌期以降の分なのかなどをチェックします。

5月:年次決算の対応

株主総会に向けた計算書類を作成します。この計算書類を基にしてあわせて法人税や消費税の納税額を計算して納付します。

6月:株主総会の準備

上場企業であれば質疑問答集や、株主総会の事務担当として準備をすすめます。
株主総会の承認後、法人税、住民税、事業税などの税務申告書を税務署等へ提出します。
また、半年に1回のボーナスを支給する会社では、賞与の計算と振込みをします。

11月:中間申告

法人税の中間申告書を税務署等に提出します。
黒字企業では、この月に半期分の見込み税金を納税します。

12月:年末調整

従業員から年末調整に必要な書類を回収して還付額を計算します。半年に1回のボーナスを支給する会社では、賞与の計算と振込みをします。
12月と1月は経理にとって最も忙しい時期のひとつです。

1月:税務関連の届け出

給与支払報告書、償却資産申告書、法定調書を提出します。

3月:決算準備

年次決算のために在庫の棚卸、固定資産の実物確認、減価償却費の計算チェックなどがあります。

会社の経理がスムーズに流れるようにすることとは

経理の業務は、関連部門から経理へ提供される日々の取引を適切なタイミングで入手することが最も大切です。

経理に請求書の提供が遅れれば、それを月次決算に反映することができないだけでなく取引先へ期限までに支払うこともできなくなり、会社の信用問題に発展しかねません。

経理処理をスムーズに流れるようにするためには、関係部門への経理への理解と、関係部門へ適時適切なタイミングで周知を続けることで、会社全体として経理処理がしっかりとできる体制を維持構築していきましょう。

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まとめ

会社の経理は、経理担当者の経験や知識だけで処理できるものではありません。
経理に必要な情報は、 会社全体から広く収集する必要がありますので、経理担当者には日頃から関係部門の担当者と適切な関係を築くことができるコミュニケーション能力が求められます。

Profile レックスアドバイザーズ

公認会計士・税理士等の有資格者をはじめとする会計人材専門特化した人材紹介会社。
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